内容紹介
歴史学とはなにか,この根源的な問いに答えることを通じて,歴史学が時代とともに変貌しつつ果たしてきた役割と有効性を炙り出し,学問的な魅力を解き明かす.歴史学の目的や,客観的事実と主観的解釈を明確にし,そして歴史を構築する方法論を体系的に論じる書き下ろし.
目次
はしがき
序論——史学概論の目的
第1章 歴史学の目的
第1節 歴史学の目的の三区分 第2節 三様の歴史学の相違点と相互関係 第3節 歴史学の目的と効用
第2章 歴史学の対象とその認識
第1節 人類の過去の文化 第2節 事実についての予備的考察 第3節 事実の種類とそれぞれの性質 第4節 史料による事実の確認と復元 第5節 事実認識についての学界の論議 第6節 事実認識の可能性と限界
第3章 歴史学の境界
第1節 歴史学とその周辺 第2節 歴史学と隣接諸科学 第3節 歴史的世界における事実と真実 第4節 歴史学と文学
第4章 歴史認識の基本的性格
第1節 歴史学の主観性と客観性 第2節 歴史認識の蓋然性と歴史の趨勢 第3節 歴史における因果関係と因果的必然性 第4節 歴史における偶然性と自由意志 第5節 歴史における相互連関の円環構造 第6節 歴史学の社会的責任
結 論 ソフトな科学としての歴史学、およびその後