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北海道大学出版会

▼辻康夫・松浦正孝・宮本太郎編著『政治学のエッセンシャルズ』(A5判・2520円)現代政治と政治学の理解に必須のポイントを、問題の背景・議論の経緯・今後の展望など簡潔に提示。どこから読んでも面白い新しい形のテキスト!
▼木村和範著『ジニ係数の形成』(A5判・3990円)構想過程を、パレートからベニーニ、ローレンツに至る先行理論とジニの原典に即して詳述。先行理論との関連、定義式の相互関係、平均差の意味など、ジニ係数の理解の深化を試みる。
▼俵浩三著『北海道・緑の環境史』(A5判・3675円)長く北海道自然保護協会会長を務めた著者が、北海道の自然の象徴である「緑の環境」がどのような特徴をもち、いかに開発され、どう守られてきたのかをまとめた、渾身のライフワーク。
▼倉田賀世著『子育て支援の理念と方法』(A5判・5985円)子育て世帯に対する経済的支援策について、拡充するための方策とそれを支える法理を、先駆的取り組みを行っているドイツ法との比較研究から解説。


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弘前大学出版会

▼『いまベトナムは―経済の移行と発展への道のり』秋葉まり子編(A5判・57頁・定価525円)国家が誕生して以来、ベトナムの歴史は独立を目指した過酷な戦いの連続であり、戦いに勝利した後も社会主義国家としての統一という険しい道のりを辿らなければならなかった。本書は、このベトナムの国作りにおいて、1986年以降のドイモイ(刷新)の下でどのように持続的な経済成長につなげようとしてきたか、また新たな経済システムへの移行を模索してきたのかを検証する。
▼『Music Education Policy and Implementation: International Perspectives』Chi Cheung LEUNG/Lai Chi Rita/今田・彦編(B5判・261頁・定価2100円)音楽、芸術、文化に於ける政策とその実行及び展開を、世界的視野から幅広く論述していく。政策・方針の開発、実行のダイナミックな本質について、国際舞台で活躍する学者、研究者、政策立案者、行政官などが、異なる立場で詳細な分析を試みることにより、音楽・芸術教育の未来を探求するものである。


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東北大学出版会

▼百々幸雄・竹間芳明・関豊・米田穣著『骨が語る奥州戦国九戸落城』(A5判、225頁、2100円(税込))数千人が籠城した奥州九戸城は、天正19年9月2日、豊臣秀次を総大将とする数万人規模の上方軍に包囲され、9月4日には城主九戸政実が投降する。このとき、城に残るものを助命するという約束は反故にされ、開門と同時に上方軍は城になだれ込み、為すすべもなく逃げまどう籠城者を情け容赦なく殺戮した。約400年後の平成7年、九戸城二ノ丸跡から十数体の惨殺死体が骨となって発見された。これらの人骨こそが戦国の世の酷さを如実に物語っている。
▼河北新報社編集局編著『東北大学一〇〇年 学び究めて』(A5判、251頁、1890円(税込))2007年に創立一〇〇周年を迎えた東北大学を、主要な研究、教育、文化、環境、生活など多方面から紹介する。河北新報に掲載されたコラムを編集し、写真も追加。世界に羽ばたく東北大学の雄姿をこの一冊で読み取ることができる。


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流通経済大学出版会

▼宮脇敏哉著『現代経営管理と経営戦略モデル』A5判・3675円
 現代企業の発展、成長に必要なものは、経営戦略におけるイノベーションである。一般的にイノベーションは変化・変革と呼ばれているが、経営学的には“技術革新”である。つまり、現代企業に必要な“創造的破壊”をとおして企業はさらに発展する。このことから、特に大企業においては変化し続けることは重要なポイントになる。もちろんベンチャー企業においても同様であり、イノベーションなくして新しい生産方法、新しいチャネル、新しい組織は生まれない。
 アドバンテスト、イマジニア、メガチップスその他日本の優良ベンチャー企業の成り立ちや、事業展開、経営の方向性、経営戦略、社会的責任と環境経営等々は多くの参考となる。
 本書は、基礎的な経営管理と経営戦略、財務管理が学べることはもちろん、企業の経営管理と実際の先端技術、先端ビジネスモデル型企業をケースとした経営書でもある。具体的に企業経営ノウハウが修得しやすい構成になっている。


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聖学院大学出版会

▼大木雅夫・中村民雄編著『多層的ヨーロッパ統合と法』(A5判、6300円)
 ヨーロッパ統合は、瓦解の力と統合の力の引き合う中で揺れ動いてきたが、その歴史と現在を「法」の観点から捉えなおす。須網隆夫、滝沢正、広渡清吾、大藤紀子ほかEU法の専門家たちの共同研究の成果。
▼平山正実編著『死別の悲しみに寄り添う』(臨床死生学研究叢書1、A5判、3570円)
 医療技術の発達とともに、延命治療が可能となった。しかし意味のある死をどのように、どこで迎えるかは、だれにとっても判断の難しい重い課題となっている。また、死別の悲しみにどのように向き合うのか、医療従事者、カウンセラーたちが直面するさまざまな課題も生じている。これらの問いに、医師、看護師、カウンセラーたちが、臨床の場で取り組み、研究し、考察を深めてきた。本書は、共同研究として2年間にわたって続けられてきた「臨床死生学研究」の最初の果実である。


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聖徳大学出版会

▼既刊「心と身体の癒しシリーズ」
第一巻『音楽療法を語る』―精神医学から見た音楽と心の関係
村井靖児著/四六判/上製本/280頁/定価2100円
本書では、音楽療法の第一人者である著者が音楽療法の理論、心身と音楽との関係を解き明かす。
第二巻『医における癒し』―人間関係の形成のなかから
森彪著/四六判/上製本/280頁/定価2100円
本書は、医師である著者が実際の医療現場で実践し、その経験を基に人間的な眼差しで書き下ろしたものである。
▼『親子で楽しむ唱歌集』
(CD 3400円税込 二枚組 女声アンサブンル)
花、春が来た、春の小川、めだかの学校、雪、村祭、茶摘、こいのぼり、うみ、故郷、赤とんぼ等おなじみの歌全42曲を収録した。


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麗澤大学出版会

▼福田恆存著『平和論にたいする疑問』―「福田恆存評論集・第三巻」(2940円)。〈第四回配本〉
▼吉國眞一著『国際金融ノート―BISの窓から』(2520円)日銀、BIS(国際決済銀行)、IMF(国際通貨基金)の勤務を経験した著者が案内する「冷静と情熱の狭間でゆれる」国際金融の世界。
▼水野治太郎著『「経国済民」の学―日本のモラルサイエンス研究ノート』(2940円)麗澤大学の創立者・廣池千九郎の樹立した、日本で最初の総合人間学・モラロジーの独自性と普遍性を探究する。
▼永安幸正著『経済の哲学―心が変わり物が変わる』(3360円)地球環境から「人のいのち」までの持続的発展のための、〈経済〉の新しい考え方を提唱。


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慶應義塾大学出版会

▼マイケル・トマセロ著/辻幸夫ほか訳『ことばをつくる―言語習得の認知言語学的アプローチ』(3675円)比較認知科学や発達心理学における豊富な研究データをもとに、“Usage-Based Model(用法基盤モデル)”のアプローチから子どもの言語習得のプロセスを明示する。認知言語学の最新の研究書。
▼久米邦武編著/水澤周訳・注『現代語訳 特命全権大使 米欧回覧実記 普及版』(全五巻)(第一巻=1680円、第二〜五巻=各1890円)明治の古典を現代に甦らせて話題を呼んだ『現代語訳 特命全権大使 米欧回覧実記』(2005年弊社刊)を普及版として刊行。本文・図表そのままに、携帯にも便利なコンパクトサイズ。
▼井筒俊彦著『The Structure of Oriental Philosophy: Collected Papers of the Eranos Conference』(全二巻)(Vol. I =5250円、Vol. II =4725円)世界的な言語学者、イスラーム学者であった井筒俊彦がエラノス会議で行った伝説的名講義を収録。井筒ライブラリー・東洋哲学シリーズの第四弾。


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ケンブリッジ大学出版局

▼ War Crimes in Internal Armed Conflicts (Hardback 9780521860734, USD 130.00)
国際法定番シリーズCambridge Studies in International and Comparative Law の新刊。国内武力紛争における戦争犯罪の法について考察する。慣習国際法を基にした旧ユーゴやルワンダ国際刑事裁判所の判決に疑問を呈し、国家慣行や国際組織の慣行を通じて判決の妥当性を分析。普遍的管轄権の適用性に加え、戦争犯罪の追及における国際法廷の役割や実績についても分析する。
▼ Stahl's Essential Psychopharmacology, 3rd Edition (Paperback 9780521673761, USD 85.00)
世界的ベストセラー、スタール著『精神薬理学エセンシャルズ』の待望の第3版。本書では、全体的に内容が更新されただけでなく、精神科遺伝学、疼痛管理、認知障害、睡眠障害に関する4つの章が追加された。さらに肥満や依存症、電気ショック療法や神経調節に関する新しい情報をも含む。図解も大幅に増え、精神薬理学に関わる幅広い読者層を対象とする。


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産業能率大学出版部

▼森均・米井恵美著『“やる気を起こす”新大逆転教育』(1680円)
税理士試験11年連続全国最年少記録、公認会計士2次試験全国最年少合格記録など、数々の偉業を達成した著者が、高校を飛び越えた進路、「やる気」を起こす教育とは、学校教育のあり方などを鋭く説く。
▼宮川雅明著『プロジェクト・マネジメント実践』(1680円)
プロジェクト・マネジメントの目的「プロジェクトの生産性」「人材の育成」「組織としての知的財産」を同時に達成するために、プロジェクト・マネジメントのフレームワークを7原理として整理し、成果につなげるポイントを事例やコラムを豊富に交えて解説。
▼産業能率大学出版部編著『平成20年版徹底解説・1次試験インテリアコーディネーター資格試験問題』(2730円)
『平成20年版徹底解説・2次試験インテリアコーディネーター資格試験問題』(3360円)
過去問題・解説、傾向と対策、予想問題を掲載。受験生必携書。


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専修大学出版局

▼麻島昭一編著『日本信託業証言集 上・下巻』(A5判・各8400円)
昭和初期から40年代までのわが国の信託会社、その後身である信託銀行の経営者と諸業務に携わった人々、また学者、銀行、信託行政当局者など信託業に関連した人々による、日本信託業史研究に寄与する証言集である。これまで研究上あまり問題とされてこなかった地方信託や、植民地信託業の担い手であった朝鮮信託も、ヒアリング作業の過程を通じてその実像に近づくことができ、戦中、戦後の混乱期における信託業の概要と役割を再把握することができる。さらに日本金融史のなかでの信託部門の位置づけと、内包する解決すべき課題を洗い出し、それらが肉声で語られたことに価値が見出せるともいえる。
▼藤本一美著『現代日本政治論1945-2005』(A5判・288頁・2940円)
占領下、五五年体制、高度成長期、政治改革など、日本の戦後政治史を詳細に論述。保守と革新の対立軸を分析・検討して日本政治の特色を考察する。


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大正大学出版会

▼倉島節尚著『日本語辞書学への序章』(A5判 420頁 予価4950円)辞書は実用的な機能を利用することが中心で、その編纂法や構成などを研究対象とされることはなかった。近代以降編纂された辞書に関しての研究が始まったのは、比較的近年のことで、研究者による論考が発表されるようになった。著者は、これを一つの学問領域としての「日本語辞書学」を成立させようという提案を自ら実践する意味で、これまでに発表してきた辞書に関する論考をまとめた。
序論「日本語辞書学への道程」第一章総論「日本語辞書学の目指すもの」。第二章各論「近代国語辞典の誕生と展開」「国語辞典の編集」「辞書における規範と慣用」等。第三章は、「ブラウン『会話日本語』の日本語」「メドハースト『英和・和英語彙』の日本語」など幕末期に外国人によって編纂された日本語辞書を取り上げて論述する。(9月上旬刊行予定)
▼小嶋知善編『久保田正文著作選』(A5判 600頁)短歌雑誌『八雲』の編集にかかわり、その後文芸評論家として活躍した久保田の作品を収録する。(近刊)


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玉川大学出版部

▼前田紀美子著『やさしさが伝わる 日本の礼法』(3990円)
 日本人の美徳と思いやりの心をあらわす日本の礼法。伝統的な礼儀作法の歴史から実践、四季折々の行事、折形、贈答の包み・結びまでを、豊富な図版と実例を交えて具体的に解説。美しい日本の礼法のすべてがわかる。
▼松野康子著『松野康子先生の算数はこう教える!』(1890円)
 プロ教師が語る、算数授業の極意。実際に20の問題を解きながら、その指導法を具体的に提示。子どものひらめき、つまずきを大切にし、現場で使える簡潔・明瞭・的確なポイントを紹介。「算数ぎらい」をなくし、算数を通して子どもたちに「生きる力」を身につけさせる。
▼太宰久夫編『子どもと創る演劇』(3990円)
 子どもから大人まで誰もが見て読んで楽しい学校劇の創り方の本。舞台の第一線で活躍するプロが、劇創りの基本を解説。劇を創り上げる経験をすることで、子どもたちは豊かな表現力、コミュニケーション力を培う。


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中央大学出版部

▼三浦信孝・松本悠子編『グローバル化と文化の横断』(4515円)比較史・比較文化論の新たな展望を拓く内外の研究者による意欲作。
▼鈴木敏文・林・一監修/中央大学総合政策研究科経営グループ編『経営革新 vol.4』(2520円)大手企業の経営者が語る経営の神髄、経営革新実践の書。
▼クォン・オユル他編『グローバル時代の韓国新経済戦略』(4620円)1997年の金融危機以後、驚異的な回復を示した韓国経済について経済政策の中枢で活躍する韓国研究者たちが分析する。奥本勝彦・林田博光監訳。
▼菅原彬州編『連続と非連続の日本政治』(3885円)近現代の日本政治の展開を「連続」と「非連続」という分析視覚を導入、日本の政治的転換の歴史的意味を捉え直す問題提起の書。
▼山内惟介・石川敏行・工藤達朗編訳『ヨーロッパ・ドイツ行政法の諸問題』(2625円)エーラース教授講演集。ヨーロッパ共同体法がドイツ行政法に与える影響を分析。行政手続法、公共企業体法、ドイツ法曹養成制度について論及。


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東京大学出版会

▼大泰司紀之・三浦慎悟監修『日本の哺乳類学 全3巻』
 日本の哺乳類研究の最前線をとらえたシリーズ。ネズミ、シカ、クマ、サル、そしてクジラやアザラシなど、陸域から水域まで、さまざまな環境に適応した動物の興味深い生態を気鋭の研究者が描き出し、さらに野生動物の保全や被害問題について詳述する。
 本シリーズは、2005年に札幌で開催された第9回国際哺乳類学会議(IMC9)を記念して、日本哺乳類学会の支援を受けて刊行されたものである。
 森や海に生きる野生動物の躍動感あふれる世界と、それを追い続ける研究者の情熱にぜひふれてほしい。
(1)小型哺乳類 本川雅治編 4620円
(2)中大型哺乳類・霊長類 高槻成紀・山極寿一編 5250円
(3)水生哺乳類 加藤秀弘編 4620円


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東京電機大学出版局

▼田澤義彦『大学新入生の数学』(A5判/2625円)本書の目的は高校数学と大学の数学の橋渡しをすることである。したがって、内容は高校の数学レベルを前提として構成した。高校生はもちろん文系の大学生や年配の読者が高校の数学の要点をやり直してみたいと思う際に使いやすい一冊となっている。高校の数学を一冊にコンパクトにまとめ、説明を具体的にし、さらにウェブ上にVOD(ビデオ・オン・デマンド)による本の解説講義を設置している。
▼井出英人他著『学生のための電気回路』(B5判/2100円)電気回路は理工系の大学初年次に直面する難解な科目の一つである。それだけに本書を執筆するに際しては、基本事項を容易に理解し、応用能力を培うことができるよう配慮した。特に図表や用語解説、例題を多く導入し、演習問題を各章末に掲載した。著者らは電気回路の講義・演習を長年担当した経験をもとに、電気回路を教える難しさや学生の理解しにくい点を把握して本書をまとめた。理工系学生の基礎学力養成に最適の一冊である。


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東京農業大学出版会

▼ドイツ-グリーン・ツーリズム考―田園ビジネスを創出したダイナミズム― 鈴江恵子著
 グリーン・ツーリズムは農業、農家、農村環境をベースとした観光事業である。今までにグリーン・ツーリズムを農業生産や農家経営、農村地域の多面的価値の活用、さらには広域農環境政策など多段階の総合的システムデザインとしてとらえ、その合理的推進構造を考察しようとした研究は見られない。そこで、実際に有効な地域活性化にはビジネスの視点が不可欠であり、農業に対するビジョン、農業政策や環境政策、財政政策等の枠組み、グリーン・ツーリズムの推進組織、農家経営の実態を調査分析し、グリーン・ツーリズムを田園ビジネスとして位置づけ、新規ビジネスの育成に成功しているドイツにおけるグリーン・ツーリズムの特性ならびに推進構造を明らかにすることを目的とした。
 本書は著者の学位論文を基にしたものであるが、テキストとして好書である。
 平成20年5月/A5判/167頁/税込価格1365円


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東京農工大学出版会

▼『人が学ぶ 昆虫の知恵』普後一著(B5判・168頁・1470円(税込み))
 大学のもつ知的資産の社会的還元を目的に発足した東京農工大学出版会が、一般読者を対象に自然界の様々な不思議をイラスト多用でやさしく紹介する「人が学ぶ」シリーズの第1弾。
 本書では、昆虫の体の構造や生理機能、様々な昆虫の生態など、身近な昆虫の基本的な事柄を紹介すると同時に、昆虫と人との関わりや昆虫と文化など、同じ地球に住む昆虫を様々な角度から俯瞰している。
 「人が学ぶ」シリーズでは、今後「植物の知恵」「イヌの知恵」「微生物の知恵」など、多くの「知恵」を刊行していく。


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法政大学出版局

▼J・ヴィーコ/上村忠男訳『新しい学』(全三巻、2940円、4410円、3675円)人文学の分野に〈コペルニクス的転回〉をもたらしたヴィーコ。その主著の待望の新訳がついに完結。
▼高橋雄造著『博物館の歴史』(7245円)ルーヴル、スミソニアン、ドイツ博物館など、主要博物館の沿革と特徴、方法論の形成過程を論じつつ、現代における公共博物館のあり方を問う。
▼R・ポーター/目羅公和訳『身体と政治』(5775円)近代初期イギリスにおける「医療の劇場」を図像学的に読み解き、健康と病気が政治や社会に与えた比喩的・象徴的意味を明らかにする。
▼P・バーク/長谷川貴彦訳『文化史とは何か』(2520円)世界的な規模で展開する文化史研究を網羅しながら、その過去・現在・未来を明晰に論じ、今後の研究の新たな地平を切りひらく。
▼F・ジェローム他著/豊田彰訳『アインシュタインとロブソン』(3675円)黒人のオペラ歌手ロブソンとの交流を通して、人種差別と闘い続けた偉大な物理学者の知られざる側面に光を当てる。


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武蔵野大学出版会

▼小林矩子著『ハリー・ポッターとその時代』(A5判・240頁・2625円)
 著者は武蔵野大学名誉教授。南カリフォルニア大学大学院(図書館学修士)、カリフォルニア工科大学図書館勤務の経歴を生かして武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)で司書課程を担当、司書・司書教諭の育成に携わった。本書は、子どもの読書離れが憂慮される中で突如世界を席巻した「ハリー・ポッター旋風」、ハリーとともに押し寄せた「境界領域文学」(「児童文学」「おとなの文学」の境界領域にある、おとなも子どもも楽しめる文学)流行の大波、波にのったハッドン、プルマン、マーテルらの作家たちの活躍と出版界やメディアの動向などを論じながら、子どもたちに良質の読書材を提供するおとな――親、教師、図書館員、出版社、翻訳者――の役割と子どもの読書について考察する。


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武蔵野美術大学出版局

▼『建築』板垣鷹穂(菊判、448頁、4200円、近刊予定)
昭和12年から17年にかけて岩波書店発行の『思想』に連載されたエッセイが、17年に『建築』として育生社弘道閣から刊行された。生前、板垣自身がもっとも愛した『建築』には、44編がおさめられている。階段、柱、窓と壁、屋根、天井…記念地域、工場地帯、観光地区…古都、新都、廃都…建築史家、建築史学、建築史観。幼い日のヨーロッパへの憧憬、イタリア遊学の日々、ブルネレスキやブルクハルトへの敬愛。過去を回想する一方で、当時最新の日本建築に鋭い批評を展開するかと思えば、建築史を教育者の立場から喝破する。
本書は、原著にはなかった建築図版や、註、高橋榮一による解題を付し、新字新かなにあらためての復刊である。
1929年10月、板垣は武蔵野美術大学の前身である帝国美術学校開校記念式典において、特別講演「イタリアルネサンス」を行った。2009年、本学は創立80周年を迎える。本書はその記念出版のひとつである。


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明星大学出版部

▼経済指標解読法―経済を見る眼を養う 吉川紀夫著
複雑な経済社会を生きていくためには経済指標を正確に読む力が求められる。指標に日頃から慣れ親しむこと、定義を把握しておくこと、意味を考えながらその限界を承知して使うこと。経済の実情を見る上で当面必要となる事項について、図表を示しながら分かりやすく説いた経済学入門。
新書判・230頁 945円
▼現代公教育との対話―「教育国家」の創造と「スクール・ガバナンス」の確立 樋口修資著
質の高い教育を提供し、基礎・基本を身に付け、心豊かでたくましい子どもの形成を実現するために、公教育の制度設計と内容構築を提言する教育講演集。
A5判・380頁 3150円
▼生活経済学の考え方―実感のある経済学への模索 吉川紀夫著
A5判・262頁 2625円
▼子どもの発達と環境―児童心理学序説 塚田紘一著
A5判・278頁 2415円


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早稲田大学出版部

▼『国際マクロ経済学の新展開』(秋葉弘哉著 5040円)国際マクロ経済学には、「パズル」と呼ばれる未解決問題がある。本書は為替レート動学、通貨危機、金融統合など国際金融論で世界的注目を浴びるテーマを取り上げて、実証分析を交えた斬新な結論を提示している。第1章「為替レート動学の現状」以下、「期待、安定性、およびポストケインズ学派の仮説下の為替レート動学」「アジア通貨危機に対する伝統的な二つのモデルの実証的評価」「バランス・シート効果と通貨危機」「開放度と産出量-インフレのトレードオフ」「金融的地域統合の展望」「通貨同盟、実施為替レート、および厚生」の7章で構成されている。
▼『現代日本の東南アジア政策 1950-2005 〈アジア太平洋研究選書 (7)〉』(波多野澄雄、佐藤晋著 4095円)
日本にとってもっとも重要な地域の一つがASEAN十カ国であろう。本書は半世紀を超える日本の東南アジア外交の軌跡や政策構想の消長を振り返り、対外政策にとっての東南アジアの意味を考えるための一助となるだろう。


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東海大学出版会

▼W・G・ホスキンズ著/柴田忠作訳『景観の歴史学』(5040円)
 イングランドの景観形成史の痕跡が残る遺跡や建造物などを紹介し、「人間と歴史が作り、そして破壊し、再生した」イングランドの景観の歴史を描く。ナショナル・トラスト運動のきっかけとなった書であり、時代を超えた景観史の名著。
▼花元潔・米田周編著『アウシュビッツの沈黙』(2625円)
 1997年のポーランドにおけるインタビュー取材を元に、強制収容所とゲットーに囚われた23人の証言記録を編集再現する。1939年のポーランド侵攻に始まる狂乱の歴史を10歳前後で体験した23名の半世紀を越えた記憶の歴史は今もって重い。
▼東海大学教養学部国際学科編『第3版国際学のすすめ』(2205円)
 テロ、イラク戦争、PKO、北朝鮮、イスラム、中国製品の安全性、エイズ、世界遺産、国際平和、安全保障、軍事、環境問題……、歴史・民族・宗教・文化・政治・経済など複雑に絡み合う世界情勢をやさしく読み解く。


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名古屋大学出版会

▼林 洋子著『藤田嗣治 作品をひらく―旅・手仕事・日本―』(5460円)多文化・多分野を越境する創造者・藤田嗣治。評伝を超え、多数の図版掲載を実現して作品から画家に迫った意欲作。
▼西澤泰彦著『日本植民地建築論』(6930円)建築が植民地支配に果たした役割を余す所なく描くとともに、日本近代建築史の巨大な欠落を埋め、初めて本格的な歴史的評価を示した注目の研究。
▼遠藤 乾編『ヨーロッパ統合史』(3360円)政治・経済から軍事・安全保障、規範・社会イメージにわたる複合的な国際体制の成立と変容を描き出し、ヨーロッパ統合の新たな全体像を提示。
▼田所昌幸著『国際政治経済学』(2940円)国際政治と国際経済にまたがる広大な領域に挑み、多角的な記述とポイントをおさえた資料によって、複雑なリアリティを捉えていく傑作テキスト。
▼渡邊誠一郎/檜山哲哉/安成哲三編『新しい地球学―太陽-地球-生命圏相互作用系の変動学―』(5040円)シームレスなシステムの過去と現在を観測・モデルの両面から把握。


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三重大学出版会

▼マイク・グレイカス編、塚本晃久訳『パプア・ニューギニア小説集』四六判235頁(本体940円+税)。パプア・ニューギニアの青年作家の作品三編を収録する。
夜明けの炎……ベンジャミン・ウンバ作
家出……オーガスト・キトゥアイ作
タリ……ジム・バイタル作
▼大原興太郎著『農・教育・人生―コーおじさんの七転八倒半生記』A5判165頁(本体1260円+税)。
1、農と農学の周辺/2、アジアとのかかわり/3、教育をめぐって/4、地方からのスローライフ/5、生物としての人間と人生/6、おわりに。
▼濱森太郎著『松尾芭蕉作『野ざらし紀行』の成立』A5判450頁(本体2400円+税)。1、『野ざらし紀行』表現論/2、『野ざらし紀行』推敲論/3、『野ざらし紀行』系統論/4、誤解された『野ざらし紀行』。発端は『野ざらし紀行画巻』の料紙の切り接ぎの分析から始まり、その切り接ぎが引き起す本文の推敲、その推敲が切り開く新しい表現領域。松尾芭蕉の文芸的な努力の痕跡を辿る。


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京都大学学術出版会

▼『農耕起源の人類史』ピーター・ベルウッド著/佐藤洋一郎・長田俊樹監訳(A5判・5460円)農耕はいかにして世界中へと広まったのか? この人類史的問いに、考古学、人類学、比較言語学、遺伝学の成果を博捜し、過去一万年にわたる人類の移動と農耕の伝播、文化の衝突と受容のプロセスを大胆に推理。
▼『ムガル都市―イスラーム都市の空間変容』布野修司・山根周著(菊判・5250円)生活の細部まで定めながらも土着的伝統に寛容な、しなやかな世界宗教――通俗的な理解とは異なるイスラームの奥深さが産んだ街。「微細なものが凝縮した独特の美しさ」をインドの三都の臨地調査から生き生きと描く。
▼西洋古典叢書 リウィウス『ローマ建国以来の歴史3―イタリア半島の征服(1)』毛利晶訳(四六判変型・3255円)ローマ世界最大の歴史家リウィウスは、アウグストゥス帝時代までの数百年のローマ史を、『ローマ建国以来の歴史』142巻で描いた。本書は、ローマが周辺諸国を征服し覇権を築き上げるまでを記述する。(全14冊)


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大阪経済法科大学出版部

今回は既刊書の紹介をします。
▼アジア研究所研究叢書9『日清戦争と東アジアの政治』戴逸、楊東梁他著/華立監訳/岩田誠一他訳(5040円)
▼日清戦争100周年を期して、『甲午戦争与東亜政治』(中国社会科学出版社)が刊行され、その翻訳書。
▼中国が西洋文明を取り入れるために実行した洋務運動、日本の台湾占領時の住民の抵抗、朝鮮半島を巡る日本の策謀と清朝政府の対抗など日本であまり書かれていない中国、日本、朝鮮三国間の近代の歴史がきわめて要領よくまとめられ、周到な分析と冷静な判断による客観的な叙述は、中国側の歴史観を知る格好の書。
▼戦争時の外務大臣陸奥宗光の手記「蹇々録」は1963年には中国で翻訳されており、本書でも多く引用があり、日本人の書いた資料から参照されている。
▼「これからの日中関係では、善悪とか好き嫌いとかの分別的次元を越えて、如何にして友好を築くかの知恵を磨くために、政府、民間を問わず互いに相手の歴史的立場を頭に入れた交際感覚を養うことが大切であろう。」(訳者後書より)


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大阪大学出版会

▼神山孝夫著『脱・日本語なまり 英語(+α)実践音声学』(A5判・2100円)。日本語と外国語の発音を音声学の観点から詳説する。実践的な発音練習の方法を紹介し、どんな言語も正しく発音できるように導く。
▼高阪章編『国際公共政策学入門』(A5判・2625円)。グローバルな公共的価値の形成と実現を研究する国際公共政策学における最先端の政策課題テーマを通じて、アプローチのための視点と発想を身につける。スタートアップに最適な一冊。
▼C=サッルスティウス=クリスプス著 合阪學・鷲田睦朗翻訳・註解『カティリーナの陰謀』(A5判・2520円)。ローマ共和制において起きたカティリーナのクーデター未遂事件についてサッルスティウスが著した古典的名著を、詳細な解説と訳注を付して全訳。
▼鳴海邦碩・小浦久子著『失われた風景を求めて 災害と復興、そして景観』(四六判・1890円)ジャワ島中部地震の復興協力や生活文化と風景に関する考察をもとに、都市環境デザイン専門家の目に映ったまちの記憶と復興の姿を追う。


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関西大学出版部

▼伊藤健市著『インターナショナル・ハーヴェスター社 従業員代表制の研究』(A5判・5880円)1920・30年代の従業員代表制の展開を多層的に究明。個別企業の従業員代表制のものとしては、本邦初の研究書。
▼宇佐美幸彦著『ベルリン文学地図』(B5判・4200円)ベルリンで活動した文学者122名の生活の場所と作品の舞台を詳しく地図上で再現。文学者たちの行きつけの店なども示している。
▼橋本征治著『ムラとマチの時空―社会と暮らしの地理』(B5判・6300円)近世から近代・高度成長期へと、国内各地ムラとマチの社会と暮らしの時空をめぐる諸相を、社会地理学と複雑性の視点から論じる。


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関西学院大学出版会

新刊
▼大江 瑞絵・高畑 由起夫編
『学生たちは国境を越える―国連学生ボランティアプログラム/国連情報技術サービス(UNITeS)の挑戦』(A5並製・134頁・定価840円)
▼田中 敏弘著
『経済学史研究と私』(四六並製・178頁・定価1890円)
▼Yasuko Shimizu 著
『Linking Refugee Aid with Development: Development for Refugees, or Refugees for Development?』(A5並製・296頁・定価3990円)
▼天野 明弘編著
『持続可能社会と市場経済システム』(A5並製・280頁・定価2940円)


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九州大学出版会

▼河村誠治著『新版 観光経済学の原理と応用』(A5判・3360円)。応用経済学としての観光経済学の原理を示すとともに、わが国地域経済の拡大再生産に不可欠な観光経済のあるべき姿を探る。
▼志賀美英編著『開発教育序論―世界はそして日本はなぜ開発援助を行うか―』(A5判・3360円)。世界に「発展途上国」と呼ばれる国が存在する理由―国際協力の第一線からの報告。
▼古賀弥生著『芸術文化がまちをつくる―地域文化政策の担い手たち―』(A5判・2520円)。アートNPOと行政、企業の協働事例から芸術文化によるまちづくりを模索する。
▼高橋隆雄・八幡英幸編『熊本大学生命倫理論集2 自己決定論のゆくえ―哲学・法学・医学の現場から―』(A5判・3990円)。生命倫理のキー概念である自己決定概念の徹底論究14編。
▼高橋隆雄著『生命・環境・ケア―日本的生命倫理の可能性―』(A5判・3990円)。ケア概念の新しい解釈を機軸に、生命と環境を巡る倫理的諸問題を統一的に捉え、その構造と連関を読み解く。


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