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北海道大学出版会

▼佐藤謙著『北海道高山植生誌』(B5判・21000円)北海道の高山植生を初めて網羅的にまとめたモノグラフ。植物相と群落の両面から分析する植物地理学的研究成果の集大成。多数の常在度表や著者撮影のカラー写真を盛り込み高い資料価値を有する地域植生誌の決定版。
▼大場達之・宮田昌彦著『日本海草図譜』(A3判・25200円)日本初の本格的海草図鑑。日本産5科30種をスキャノグラフィ法によりカラーで紹介。最新の分類学的知見に基づく検索表の他、海草群落の植生体系や人との関わりなど、解説も充実。これまで同定が困難だった海草の全容がこの本で明らかになる。
▼上田一郎編著『微生物の病原性と植物の防御応答』(B5判・12600円)病原性微生物の攻撃に対する植物の防御応答の分子機構について幅広く解説。耐病性分子育種へ向けた指針として関係者必携。
▼吉田武彦訳『リービヒ『化学の農業および生理学への応用』』(A5判・11550円)「近代農芸化学の父」リービヒの代表的著作初の邦訳。彼の農業観へ影響を与えたマロンの日本農業の報告も収録。


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東北大学出版会

▼徳川直人著『G・H・ミードの社会理論―再帰的な市民実戦に向けて―』(A5判、412頁、4200円(税込))種々の単純な話が流布する昨今、「声と耳」を豊かに保ち、社会認識につきそう社会学を再構築できないか。古典と現代の間で「私」にできることとは何か。本書はミード研究の第一人者が、原典と史料を一層丹念に読み返し、シンボリック相互行為論と読書会の論理との接合をはかった研究書である。
▼王新新著『再啓蒙から文化批評へ 大江健三郎の一九五七〜一九六七』(A5判、261頁、3150円(税込))大江健三郎は、戦後日本の文化危機、社会危機を打破し、新生を呼びかけた啓蒙者であり批評家でもある。本書は、初期大江文学の問題意識とその根底にあるもの―再啓蒙意識、自己啓蒙意識および文化批評意識―を基に、中国人文学者の観点から、大江文学の解読を試みたもので、若手研究者助成出版書の一冊である。大江文学の考察を通じて、「文以載道」の伝統をもつ中国文学に示唆を与えることが、本書のより大きな目的である。


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流通経済大学出版会

「小規模大学出版会の収支雑感」
 お客様が当小会発行の書籍を手にとって見てくれる。喜びもつかの間、棚へと戻される。何度かこのようなシーンを見た。結局は売上がたたなかった。もちろん他の出版会では、濃淡はあるものの、売上を計上していた。
 昨年の東京国際ブックフェアー初日のことである。これが出版会との関わりの一ページとなった。確かに、限られた棚数のなかでは出展数も制限されるが、新刊本発行件数が少ないのはつらい。岩波書店には百名の編集者がいる。1人当たり平均発行点数6.8冊という。
 当小会では、商売ベースとしての点数は年4冊、さらに、非売品として、各部の紀要等を発行している。1人で扱える発刊点数には限度がある。人件費を計上して採算ベースに持ってゆくにはまだまだ多くの時間が必要となる。
 業務の分担も編集・営業・情報と多岐にわたる。これから出版会を立ち上げる大学も多いと聞く。当面は販売ルートの確立が勝敗を分けることになる。小会の販売は取次店様に負うところが大きい。


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聖学院大学出版会

▼松谷好明著『イングランド・ピューリタニズム研究』(A5判上製、432頁 8400円、2007年3月20日刊行)
 「ピューリタン」という言葉には、揶揄的な「潔癖すぎる人」という意味があるように、日本のみならずアメリカにおいてもその思想は正当に評価されてこなかった。著者は、ピューリタンたちの歴史的資料を丹念に読み、通俗的なピューリタン理解を排し、現代におけるピューリタニズムの思想的意味を明らかにする。しかも著者はピューリタニズムの信仰基準や教会政治論を固定的な自明の概念とすることなく、「歴史的な概念」として捉え、多様性を重んずる。そこには著者の現代の危機的な状況に対するピューリタニズムの意義を明らかにしたいという問題意識が鮮明にあるからである。それゆえ、イギリスに起源を持つピューリタニズムの影響史をアジアまで辿るのである。著者は、博士学位論文を中心に、最新のピューリタニズム研究の成果を踏まえながら本書を書き下ろしているが、ここで類書にない独自のピューリタニズム理解を打ち出しているのである。


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聖徳大学出版会

▼近刊
「心と身体の癒しシリーズ」の第三巻『こころとスポーツ』(永島正紀著)は刊行が予定より遅れているが、現在執筆進行中である。
▼新譜
『親子で楽しむ唱歌集』(CD 2007年4月1日発売 3400円税込 2枚組 全42曲 歌唱Jソロイスツ・女声アンサンブル)
 このCDは、教科書から消えてしまった小学唱歌や、歌い継がれ後世にも伝え残したい歌を系統的に網羅し、教育資料としてだけではなく、教育関係、音楽界にも広く活用されることを目指し収録されたものである。
 おなじみの「故郷」「花」「こいのぼり」など、子どもの頃から一度は口ずさんだことのある唱歌が、美しい女声アンサンブルのハーモニーのもとなつかしく蘇ってくる。
 全42曲は合唱とピアノ演奏のみの2パターンから構成されており、演奏に合わせて歌うこともできるようになっている。


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麗澤大学出版会

▼中西進著『詩をよむ歓び』(1680円)伊良子清白から谷川俊太郎まで、近・現代の日本を代表する詩人八十人の八十篇の詩を精選し、それぞれに珠玉の解説を付した21世紀のベストアンソロジー。「読者の皆さんが日々口ずさみ、心に深く刻みつけ、命を共にして頂くに足るものしか、選んでいません。」――著者。
▼大場裕之+大場ゼミナール著『学問力のすすめ――“活きた”学問を楽しむために』(1890円)共に考え・問うことを実践してきた大学のゼミでの成果をもとにした新しい方法論を展開する。
▼S・ヒルスタッド他著/目黒昭一郎訳『ヘルスケア・マーケティング――戦略の策定から実行まで』(5040円)「顧客志向」のマーケティングと「戦略的マネジメント」の発想を生み出す医療関係者必読の書。


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慶應義塾大学出版会

▼慶應義塾大学経済学部英語部会編著『Study Skills for College English』(1050円)大学の勉強に必要なアカデミック・イングリッシュの3つの基本的技能―Writing、Reading、Presentationを集中的に訓練する必携テキスト。
▼細田衛士著『環境制約と経済の再生産』(3990円)環境経済学の第一人者による最先端の理論書。緻密な論理展開で生産過程における残余・廃棄物を明示的に取り込んだ経済モデルを構築、持続可能な経済システムのあり方を提示する。
▼原宏之著『言語態分析』(3360円)テレビやインターネット等の普及により、コミュニケーションを促進するメディアとして、映像や音声が貴重な記録資料となりつつある。マルチモーダルな情報社会のメディア=言語を分析するための「言語態分析」の方法を提唱する。
▼安西敏三著『福澤諭吉と自由主義―個人・自治・国体』(4200円)福澤諭吉は、トクヴィル、ミルら自由主義者の思想から何を学び、自らの糧としたのか。同時代の日本への提言を倦むことなく続けたその思考の軌跡を、精細に描き出す。


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ケンブリッジ大学出版局

▼ケンブリッジ現代英語文法入門(翻訳版)(ISBN 9784902290196, 税込2940円)
ケンブリッジ大学出版局が出版する初の和書の学術書。英語文法の定番テキストであるA Student's Introduction to English Grammar(左記)をより多くの日本の学生にご利用いただけるよう、日本語翻訳いたしました。初心者でも使いやすい構成で、練習問題も多数収録されています。
▼A Student's Introduction to English Grammar(原書)
(ISBN 9780521612883, USD 29.99)
2005年に出版された、『ケンブリッジ現代英語文法入門』の原書。大学生向けの現代標準英語文法入門のテキストで、2006年のベストセラーです。


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産業能率大学出版部

▼産業能率大学総合研究所業務革新研究プロジェクト編著『確実に成果を生み出す業務革新 理論と実践』(2625円)
「業務革新」とは、経営環境との関わりにおいて、ステークホルダー(利害関係者)との維持・改善・発展に向けて、組織のマネジメントに関する諸活動を革新していくことです。
本書は、現実の活動を改善していくのではなく、組織の目的や役割から組織の機能と業務を明確にして、外部環境や組織目的に適合した業務革新活動テーマやプロセスを設計する方法論について解説しています。
▼井出眞弘著『EXCEL による経済分析入門』(3150円)
本書は、ビジネス社会で即役立つ実践的な分析事例を多く取り入れ、理論と実証の橋渡しである分析用ワークシートの作成方法や分析結果(数値)の解釈を、わかりやすく、丁寧に説明しています。Excelが初めての読者も基本から学ぶことが可能です。パソコンを用いて、実際に実例を確かめながら学ぶことをお勧めします。


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専修大学出版局

▼吉家清次著『大学教育と「産業化」』(2100円)
高度知識情報化に向かう産業社会に対して、大学は如何に有効に応え得るのか。比較経済システム論の専門家が、制度・組織のイノベーションを提言する。
▼趙恵淑著『樋口一葉作品研究』(2730円)
「やみ夜」以降の後期作品論を試みながら、伝統と近代の狭間で揺れる人物像、人間関係、疎外感や狂気などを精密に分析した好著である。
▼井上美鈴著『低出生体重児の母親に関する臨床心理学的研究』(3780円)
母親の不安心理を因子項目別や、時間変化を軸に考察。現在の医療における取り扱われ方、心理臨床家の支援という視点と対応を提示する。
▼専修大学今村法律研究室編『今村懲戒事件(一)』(5040円)
疑獄事件の公判で裁判長を忌避したことから発した本事件、問題の経緯、公判調書、弁護権蹂躙問題記録、弁護人の在廷義務に関する調査書、書簡類など。


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大正大学出版会

▼藤原聖子監修、松田優・寺坂有美編著『「女性自身」が伝えたアメリカの戦争』(B5判・2940円)
 ベトナム戦争終結から30年が経った。その間アメリカは湾岸戦争、イラク戦争と戦争を重ねてきた。戦争に関する報道は各種メディアを通してなされてきたが、女性を主な読者対象とする週刊誌『女性自身』では、これら〈アメリカの戦争〉に関して、どのように報道し伝えてきたのか。また読者はどのような情報を欲したのか。
 本書は、1965年から2005年の間に『女性自身』に掲載された144点の記事を網羅的に収録し、若干の解説を付している。ベトナム、湾岸、イラクそれぞれの戦争の報道姿勢の変化や読者の意識の変化などを読み解く最良の資料といえる。また、メディア論・現代史・女性学などの分野でも参考資料となろう。
▼松濤誠達著『古代インドの宗教とシンボリズム』(A5判・11550円)
▼近刊『社会福祉原論T』(A5判・1890円)
 社会福祉学の基本的視点・理論・方法・展開等を平易に解説する。


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玉川大学出版部

▼『大学生のための「読む・書く・プレゼン・ディベート」の方法』松本茂・河野哲也著(A5判・1470円)学生生活、社会人生活を知的に送るために必要な4つの基礎力の本質を正攻法で伝授。テクニックではなく、情報の収集・整理のしかたから主張・議論のしかたまでを、内容・形式両面から実践的に身につける。
▼『授業評価活用ハンドブック』山地弘起編著(A5判・3570円)授業改善のためのフィードバック情報として、教育効果を示すアカウンタビリティのツールとして使われる授業評価。その歴史と機能、評価を授業に生かす方法など、授業評価のすべてを知るのに最適。
▼『キーワードで学ぶ知の連環―リベラルアーツ入門』玉川大学リベラルアーツ学部編(A5判・2100円)混沌とする知の世界の入口に立つ読者を対象に、学問で必須の基礎用語を解説。関連する項目をリンクさせ、総合的に理解する。
▼『観光ビジネスの戦略―ハワイ旅行を企画する』折戸晴雄著(A5判・2100円)ジャルパックで数々の大ヒット商品を生んだ著者が説く観光経営論。


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中央大学出版部

▼一井昭・鳥居伸好編著『現代日本資本主義』(4200円)戦後世界秩序との関連で、90年代日本経済の重要課題を究明する。中央大学経済研究所研究叢書42。
▼田中廣滋・田中嘉成・薮田雅弘編著『21世紀の環境と経済』(3360円)環境問題の第一線で活躍する論者が環境と経済の問題を多角的に分析し政策を提言する。中央大学経済学部創立百周年記念「寄付講座シリーズ II 」。
▼鈴木敏文・林昇一監修/中央大学総合政策研究科経営グループ編『経営革新 vol.3』(2520円)大手企業の経営者が語る経営の神髄。経営革新の実践的研究、実践の書。
▼萩原金美編著『スウェーデン法律用語辞典』(4515円)内容豊富で法史的記述も加味。社会福祉の正しい把握に必要な基本用語も掲載。スウェーデン以外の国で刊行される初の総合辞典。
▼田中努編『日本論:グローバル化する日本』(4095円)グローバル化する日本をテーマに、政策・文化両面から日本が直面する重要な課題に迫る。中央大学政策文化総合研究所研究叢書5。


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東京大学出版会

▼シリーズ「法の再構築」(全3巻)
 21世紀の現在、社会・経済・国際関係は変化の大きなうねりのなかにある。シリーズ「法の再構築」は、この変動を見据え新しい法システム構築を掲げて取り組んだ、5年におよぶ研究プロジェクトの集大成である。
 第1巻『国家と社会』(江頭・碓井編、5460円、3月刊)は、市場重視傾向など政府の役割の縮減、家族・会社など社会の機能の弱体化を踏まえ、国家と社会の新たな関係に根差した法のあり方を模索する。
 第2巻『国際化と法』(塩川・中谷編、5670円、4月刊)は、グローバル化が惹き起こすヒト・モノ・カネ・情報などの流動化に焦点を当て、「境界」についての原理的考察を踏まえつつ、その移動と意味変容の諸相を多角的に解き明かす。
 第3巻『科学技術の発展と法』(城山・西川編、5460円、5月刊)は、従来の伝統的法システムを根底から揺るがせる「科学技術」に焦点を当て、科学技術の急速な進歩に対応して求められる新たな法概念を浮き彫りにする。


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東京電機大学出版局

▼『シリアスゲーム』(藤本徹著/1995円)「デジタルゲーム技術を社会の諸領域の問題解決に活用する」というシリアスゲームのコンセプトは、教育やコミュニケーションに関わる政策・経営課題を抱える様々な分野から関心を集め、ゲーム産業からスピンアウトした新たな産業領域を形成しようとしている。
 本書ではシリアスゲームのコンセプトや開発・導入に必要な考え方について実例を交えながら解説。日本においてシリアスゲームに期待される役割や可能性について論じている。
▼『社会安全システム』(中野潔編著/3570円)安全とは、国家の役割とは、という基本的疑問に始まり、情報通信技術、都市工学、法学、制度など多面的視点から社会安全システムの現状と動向を、実証実験を交えて浮き彫りにした。
 第I部では安全学総論と都市工学的側面から、第II部では法と制度の側面および社会安全システムの実例概観から、第III部では情報通信技術、社会安全システムの実例詳解、および情報伝達の側面から、それぞれ論考を進めている。


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東京農業大学出版会

▼水と地域と農の連携 駒村正治編著
 21世紀は「環境の世紀」とも「水の世紀」ともいわれている。わが国は降水量が世界平均の2倍近くもあり水に恵まれた環境にあるが、水と地域と農の連携を専門分野の視点で論究したものである。
 平成19年1月/A5判/172頁/税込価格1995円
▼ランド・スケープアーキテクト100の仕事 LSA展編集委員会編
 造園科学科卒業生たちの活躍を人と作品にスポットをあてた「ランドスケープア―キテクト」展を東京農業大学「食と農」の博物館で開催した内容をまとめたもの。多才な人材の魅力に触れることができる。
 平成19年1月/A5判/120頁/税込価格1680円
▼島から大陸をめざして―農業拓殖の回想― 村松義夫著
 日米交流の橋渡し役。アメリカに居をかまえて日本からの農業視察研修の人たちのリードオフマンとして手腕を発揮。
 平成19年3月/四六判/267頁/税込価格2100円


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法政大学出版局

▼『中国の紙と印刷の文化史』
銭存訓著/鄭如斯編/久米康生訳
 本書は、ジョゼフ・ニーダム編著《中国の科学と文明》シリーズの一冊として刊行され、高い評価を得た英語版をさらに改訂・増補した中国語版からの翻訳です。原始期から唐代初期までの書籍発展史を論じた前著『中国古代書籍史』(宇津木章・他訳/小局刊)の続篇として、本書は十九世紀末における手工業的印刷の終期に至るまでの歴史を追究します。
 紀元前後に世界で初めて紙を作り、グーテンベルクの四百年余も前に活字印刷を開始していたなど、中国の紙と印刷に関わる知られざる歴史、技術と工程、道具や芸術性を詳述した本書は、出版・印刷関係者に必読の文献として、長く読み継がれることを確信しています。


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武蔵野大学出版会

▼『いのちは誰のものか―仏教思想に人間を問う―』山崎龍明編著、共著者・西本照真、高橋審也、本多静芳(B6判・1890円、2007年4月刊行予定)NHK教育テレビ「こころの時代〜宗教・人生」に1年間出演し、親鸞の思想を中心にわかりやすい語り口で説き好評を博した編著者が中心となってとりまとめた初学者にもわかりやすい仏教入門書である。「ゴータマ・ブッダに教育を学ぶ」「仏教にいのちを学ぶ」「親鸞の生涯と思想に人間を学ぶ」の三章から成る。
▼『環境デザインの試行』(B5判変形、3990円、2007年4月刊行予定)。


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武蔵野美術大学出版局

▼酒井道夫・沢良子編『タウトが撮ったニッポン』A5判変型、160頁、1890円
昭和8年、ナチに追われたブルーノ・タウトは恋人エリカ・ヴィッティヒと来日。アメリカへの足がかりのつもりで立ち寄った日本で、ふたりは3年半の日々を余儀なくされた。その間、タウトが建築家として腕をふるい実現したのは2物件。しかし、その著作により彼は「日本美の発見者」として今日までその名をとどめている。
 近年の学術調査により、タウトの遺品から4冊の写真アルバムが発掘された。そこには昭和8年から11年にかけてタウトが撮影したピントのあまい写真やら、絵はがきなど1422点。報道カメラマンよろしく、好奇心のままに小さなカメラ「ヴェス単」で果敢に被写体に挑むタウト―おんぶ姿、渋谷のハチ公、桂離宮、ちんどん屋、崩れそうなスラム、下駄ばきで紙芝居に群がる子供たち―匂い立つような昭和初期の暮らしぶりへのタウトの眼差しを再検証すべく、アルバムから厳選した130点を新訳の日記とともに紹介。タウト写真アルバムの初めての書籍化!


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明星大学出版部

▼教育行財政概説 ―現代公教育制度の構造と課題―
樋口修資編著
A5判420頁・定価2835円
学校教育をめぐる状況は大きく変容し、直面する課題は複雑化している。いま学校教育に求められているものは何か。公教育制度の成り立ちと基本的仕組み、その構造と機能を解説し、豊富な事例・情報を紹介しながら、教育行財政の今日的な在り方を提示する。執筆は編著者を中心に教育行政の第一線で活躍する専門家による。学校の管理・運営のための有用なハンドブックである。

教職課程のテキスト新刊から
▼初等教育原理
明星大学初等教育研究会編
A5判350頁・定価2520円
▼教育方法の理論と実践
小川哲生・菱山覚一郎著
A5判160頁・定価1575円
▼人間性と人間形成の教育学
青木秀雄著
A5判370頁・定価2625円


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早稲田大学出版部

▼『ポスト代表制の比較政治――熟議と参加のデモクラシー』(小川有美編、3150円)有権者の意思は政治にうまく反映しているのか。平等な参加者が議論を尽くす「熟議」デモクラシーの可能性を問う。比較政治叢書第3巻
▼『環境が農を鍛える――なぜ農業環境政策か』(原剛、3780円)生産効率を優先した農業は終った。有機無農薬農業の実践を紹介し、環境と共存する農業を追求。アジア太平洋研究選書第5巻
▼『新版 早稲田ラグビー史の研究――全記録の復元と考察』(日比野弘、15750円)大好評を得た前著(1997年初版発行)に、その後9年間の早稲田ラグビーの活躍ぶりを増補。清宮克幸監督時代を初め、見事に復活した早稲田ラグビーの足跡を鮮やかに記録する。


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東海大学出版会

▼日本土壌動物学会編『土壌動物学への招待―採集からデータ解析まで』(B5判、3360円)足元の土の動物研究の決定版――採集法・標本作製・写真撮影から分類など土壌動物の最新情報。
 土壌動物の分類、生態、応用研究の進歩を総括するとともに、多様な土壌動物の採集・固定法、分類の手引き、多様な環境を対象とした野外調査法、個体群・群集解析法、環境指標・アセスメントなど土壌動物を調べるために必要な手法をわかりやすく解説する。中学・高校生など、これから土壌動物学を始める人や、中学・高校の理科の教師、環境アセスメント関連の人たちにとって必携の図書。日本土壌動物学会創設30周年記念出版。
▼金子信博著『土壌生態学入門―土壌動物の多様性と機能』(A5判、2940円)土壌に生息するミミズ、ダニ、多足類などの土壌動物を通して、生物多様性、生態、生活史、環境指標、機能までを解説する土壌動物学テキスト。


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名古屋大学出版会

▼岡田裕成/齋藤晃著『南米キリスト教美術とコロニアリズム』(6930円)植民地的状況に根ざした特異な美術のありようを、現地調査に基づく新資料と多数の貴重な図版によって展望。
▼ジェラルド・グローマー著『瞽女と瞽女唄の研究』(31500円)20年にわたる徹底的な史資料の調査によって実現した初の本格的総合研究。瞽女の社会的あり方と芸能活動を多角的に描く。
▼池上俊一著『ヨーロッパ中世の宗教運動』(7980円)ヨーロッパ中世社会が希求した〈霊性〉のあり方を民衆的な宗教運動に探り、その持続と変化の様を通して中世世界をトータルに捉え直す。
▼安藤隆穂著『フランス自由主義の成立―公共圏の思想史―』(5985円)公共圏の樹立を課題とした政治思想としてフランス自由主義を根底から捉え直し、その発展を鮮やかに描き出した労作。
▼眞壁 仁著『徳川後期の学問と政治―昌平坂学問所儒者と幕末外交変容―』(6930円)忘却された儒家、古賀家三代の知的・政治的所産を解明。近代外交黎明期の姿を描き出した画期的成果。


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三重大学出版会

▼法則プラザ編著『法則探検に出かけよう』四六判222頁(本体1800円+税)。社会生活の中の、見のがしがちな習性や性情を発見し説明し、応用しつつ検証する手順を説く。日本社会版「マン・ウォッチング」の勧め。随所にユニークな知見が披露される。著者のオーバー・ビューを核として、地理学、歴史学、文学、自然科学、経済学、言語学、心理学、看護学、地域経済学、人類学、科学史の各分野から選ばれた著者が法則的アプローチを試みる。第一章、発見の方法/第二章、空間法則の発見/第三章、歴史的事実の発見/第四章、文学における意味世界の発見/第五章、説明・解釈の方法/第六章、自然科学的説明/第七章、経済学的説明/第八章、言語理論による説明/第九章、心理学的説明/第十章、応用の方法/第十一章、看護への応用/第十二章、まちづくりにおける法則発見と応用/第十三章、批判の方法/第十四章、日常生活を疑う法則/第十五章、科学史から見た法則/新入生向けの学術入門書として編集された。
▼日本修士論文賞・審査中


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京都大学学術出版会

▼『感情科学の展望』藤田和生編(350頁・3570円〔予価〕)喜怒哀楽に正義感、嫉妬、不公平感――、これら人の行動を大きく動かす「感情」は理性的行動に比べて未解明である。その感情について基礎的機能や神経科学的基盤、発生過程、病理など多角的視点から研究を集成し、「感情科学affective science」という新分野を切り開く。
▼『創薬論――プロセスと薬事制度』村川武雄著(360頁・3360円)医薬品候補のシークエンスから治験、製品化、販売後調査まで、30余年に渉って医薬品の国際開発業務に携わった著者が、安全性・有効性を確保する開発プロセスと日・米・EUの全制度を詳細に解説。薬学・製薬関係者必携の1冊。
▼学術選書『シーア派イスラーム――神話と歴史』嶋本隆光著(243頁・1890円)イスラーム世界で強大な勢力をなすシーア派に関するわが国最初の本格的案内書。シーア派の思想信条の礎とは何か? 歴代の指導者イマーム像を手がかりに、現今の中東イスラーム世界を取り巻く思想的状況を解き明かす。


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大阪経済法科大学出版部

▼『債権総論 改訂版』西山井依子著(A5判・330頁・定価2100円)
 資本主義社会では、私有財産制と自由競争を2つの軸として、社会の運営がなされています。その2つの軸の法律的原理は、所有権の絶対性および自由と、それを軸として人と人とが協力して社会関係を展開する契約の自由です。
 債権は、この人と人との協力関係の法的絆として、人が相手方に行為を請求して相手方がその行為をなすという関係にあることを、国家が法的に支援するための法的制度です。この協力関係は私たちの生活のすみずみに至っており、私たちはおびただしい債権の法鎖のなかに包まれて日々の生活を行っています。したがって、債権法を理解することは、すべての法律的問題を理解する上での基本的条件といっても過言ではないでしょう。
 本書は、主に大学で債権法の講義を受ける学生みなさんのために、理解してもらいたい基本的な体系的知識や概念を、2004年の民法の現代語化や、旧版以降の判例の動向をふまえ、できるだけ明確に、より具体的に説述した改訂版です。


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大阪大学出版会

▼新・教養書シリーズ『阪大リーブル』創刊(四六判・並製)。第一回配本三冊。
▼伊東信宏編『ピアノはいつピアノになったか?』(280頁 1785円)約300年前に誕生したピアノが現在の形に至るまでの変遷を、バッハ、ベートーヴェン、ショパン、リストなどの作品や演奏法への影響との関連から解説。ピアノ愛好家、音楽史研究者、ピアニスト必読の書。付録CD「歴史的ピアノの音」。
▼荒木浩著『日本文学 二重の顔 〈成る〉ことの詩学へ』(350頁 2100円)宝誌和尚像の顔の表皮がめくれてもうひとつの顔がのぞく…二重、三重に多層化・多面化する古典文学や芸能のテクストの深みに分け入り、日本文学の新たな相貌、面白さ、奥深さを味わう。
▼藤田綾子著『超高齢社会は高齢者が支える 年齢差別を超えて創造的老いへ』(200頁 1680円)高齢者を弱者として位置づける見方がもたらした年齢差別を乗り越え、高齢者が市民として誇りを持って生きる道を探る。深刻な問題に光を当て、新たな関係性の構築やボランティア活動にその活路を見出す。


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関西大学出版部

▼森瀬壽三著『唐詩新攷 補篇』(A5判・2310円)好評の論文集『唐詩新攷』の続篇。唐詩人達の作品で解明の進んでいなかった詩篇「感遇」や杜甫と絵画の関係についてなど、論文やエッセー等により、文学と絵画の意外な関係を考察。
▼芝田豊彦著『ドイツにおける神秘的・敬虔的思想の諸相―神学的・言語的考察―』(A5判・3255円)ドイツ神秘主義も含めながら、ドイツ敬虔主義に重点を置き、ゾイゼからルターを経てヘルダーリンへ至る諸思想について、神学的・言語的解明を目指した。
▼柴健次編著『会計教育方法論』(A5判・2940円)考える学習への教育方法論が注目されるなか、会計人を養成する会計大学院は、新しい教育の実験の場である。本書は関西大学会計大学院教員により著された、会計教育の実践書である。


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関西学院大学出版会

新刊
▼関西学院大学形成支援プログラム編
『よき法曹を育てる』法科大学院の理念とシミュレーション教育(A5並製・312頁・定価2730円)
▼平林 孝裕編著 関西学院大学共同研究愛の研究プロジェクト編
『愛を考える キリスト教の視点から』キリスト教的愛を中心にした共同研究の成果(四六並製・240頁・定価2100円)
▼関西学院大学COEプログラム
『先端社会研究 第六号』特集▽調査倫理(A5並製・286頁・定価2940円)
▼磯貝 曉成著
『関西学院初等部のめざすもの』見えないものに心を傾け、夢を育む学校(A5並製・112頁・定価893円)
▼NGUYEN THI NGOC MAI 著
『THE MULTIDIMENSIONALITY OF ELECTRICITY INDUSTRY REFORM』ベトナムとアジアの電力産業の状況を分析(A5上製・340頁・定価6300円)


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九州大学出版会

▼『発達障害のための心理劇―想(おもい)から現(うつつ)に―』高原朗子編著(A5判・184頁・2730円)発達障害児・者の問題行動解決のために心理劇の理論と治療技法を解説する。
▼『日本の生命倫理―回顧と展望―』高橋隆雄・浅井篤編(A5判・404頁・3990円)患者の権利、臓器移植、遺伝子診断…日本の生命倫理研究の総括を試みる論集。〈熊本大学生命倫理論集1〉
▼『ジャン・パウル中短編集U』恒吉法海他訳(A5判・550頁・8925円)極めて緊迫した言語の背後にいるドイツの鋭い、辛辣な知性との対話。夢と機知の作家の翻訳完結編。
▼『スペンサー詩集』和田勇一他訳(A5判・576頁・7350円)『羊飼の暦』、『アモレッティと祝婚歌』等、エリザベス朝詩人スペンサーの小品を網羅した日本語訳の決定版。英文学研究者必読の書。
▼『ロシア革命と保育の公共性―どの子にも無料の公的保育を―』村知稔三(A5判・368頁・7140円)革命前後〜1920年代のロシアにおける保育制度構想の変遷を当時の資料に基づき分析。


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