関西支部だより

 大阪経済法科大学図書館所蔵
 「社会主義及び無政府主義の歴史に関する図書類と小冊子のコレクション」
 ――関西の文庫5



 ベルリンの壁崩壊以降、社会主義の凋落ぶりは著しいものがある。しかし、グローバリズムの進展とともにアメリカ一極集中による資本主義の弊害が顕著となり、最近ではマルクス主義の再評価ともいえるような状況が生まれている。
 このような時期に、大阪経済法科大学図書館所蔵の上記コレクション全2789冊のデータ入力が国立情報学研究所の平成17年度遡及入力対象事業として行われ、ようやくその全体像が検索できるようになった。
 ドイツの一蒐集家が多年にわたって、収集・保管してきた本格的コレクションであり、社会主義・無政府主義をテーマにしたこれだけのコレクションを有する図書館は日本国内でも数少ない。この文庫の特徴を概観してみる。
 資料・文献のカバーする時期は1850年前後から約100年間である。古典的な名著はできるだけその初版原本を揃え、また、愛書家の間で垂涎の的となっている稀書を買いあさった形跡がある。二三の例を挙げると、マルクスとエンゲルスの著作46冊の中では、「資本論」(フランス語版)、「資本論第二巻」(エンゲルスの自筆献呈文入)、独仏年誌、「哲学の貧困」(フランス語)、「反デューリング論」などを始め、その半数は初版原本である。
 蒐集者による分類法に従った各篇の特徴を一瞥してみる。
 第1篇から第26篇までは26人のアルファベット順に並べられた有名著者の作品集であり、P・J・プルードン、M・スチルナー、F・ラッサール等の著作がある。特に目立つのは、ラッサールの主要作品、カウツキーの全労作などである。
 第27篇以降は、国会議事録、報告書、政党や労働組織、地方組織から国際組織までを含んだ決議、討論、年鑑等の公式文書等、多方面に亘る社会主義関係著作と資料が収録されている。広く専門研究者の手によって調査、研究されることが望まれる。
 大阪経済法科大学図書館では、これらの資料を順次PDF化して、ホームページ上で公開していくことを検討している。 (大阪経済法科大学出版部)




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