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北海道大学出版会

▼櫻井義秀著『東北タイの開発と文化再編』(A5判・5775円) 急速な経済の発展や変動にさらされる東北タイ農村社会での10年以上にわたる現地調査を踏まえて、農民、労働者、NGO活動家の生活構造と意識の変化を描き出す労作。
▼増田隆一・阿部永編著『動物地理の自然史』(A5判・3150円) 日本列島と東アジアに生息する哺乳類や両生・爬虫類を対象に、第一線で活躍する15人が魅力あふれる研究の最前線を紹介する。
▼杉山滋郎著『北の科学者群像―[理学モノグラフ]1947-1950』(四六判・1890円) 戦後復興期、札幌から全国に発信された、一般市民と科学者を繋ぐ「科学コミュニケーション」の先駆〈理学モノグラフ〉シリーズ。温故知新、そこに執筆した科学者たちの生き生きとした人間像を通して、現代の科学者の役割を問いかける。
▼中尾佐助著『中尾佐助著作集IV 景観と花文化』(A5判・12600円) 中尾は日本の庭造りとヨーロッパのガーデニングに彼我の植物文化の違いを鋭く見抜いた。「花の美学」にかかわる著作を「中尾園芸文化論」として集成。


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東北大学出版会

▼山下文男著『津波の恐怖―三陸津波伝承録―』(四六判、249頁、2100円(税込))三陸津波の歴史の特徴は、猛烈なパワーによる大量死の恐怖と、多くの遺体の藻くず化、加えて体験の風化による悲劇の繰り返しであった。その津波海岸に生まれて長い間津波防災に取り組んできた著者が、津波の危険が予告されている列島動乱の時代を迎えて世に送る、津波から我が身と地域を守るための心得と提言がここに集大成!
▼渋谷努著『国境を越えた名誉と家族―フランス在住モロッコ移民をめぐる「多現場」民族誌―』(A5判、196頁、3360円(税込))著者は、モロッコからフランスに移民した人たちを調査するために、移住先のフランス都市部と出身地のモロッコ農村、都市部に赴いた。本書は、この現地調査に基づき、彼らの生活と移動の実態を記述し、さらに、グローバル化する現代世界の中の移民はどのようなものか、移民によって文化はどのように変わるかを考察したものである。フランスに住むイスラム教徒の生活実践も興味深く紹介されている。


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流通経済大学出版会

▼角本良平著『三つの民営化―道路公団改革、郵政改革とJR』A5判・260頁・3150円
 「小泉首相の民営化は、誰のための、又何のための民営化なんだろう?手段が目的になっていないか?」国民の多くがそう思っているのではないだろうか。
 この10月には道路関係四公団に代わる高速道路株式会社六社が、いよいよ発足する。高速道路の管理会社と資産保有会社の分離という複雑な上下分離体制で、果たして(1)運営に赤字を生じないこと(2)投資により新規の赤字を招かないこと、という当初の目的を達成できるのだろうか。郵政の民営化については、今(平成17年7月19日現在)参議院での審議が行われているが、いまだに国民には民営化後の全体像がはっきりしないままである。「政府の保護と関与」の継続や金融を含めたグループ経営の維持が予測される。ここでも何ための、何を目的とした民営かなのか、という疑問が解けない。
 しかし、これらの民営化は21世紀の日本を方向づける大改革である。本書は、改革成功のための手掛りを提供する。


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聖学院大学出版会

▼チャールズ・E・メリアム著(和田宗春訳)『シカゴ――大都市政治の臨床的観察』(定価未定、近刊)
 本書は、『政治権力』などの著作で知られ、アメリカ「現代政治学の父」といわれるチャールズ・E・メリアムの都市行政論の古典の翻訳である。急激に膨張する大都市シカゴの成長過程にどのような政治機構、政治活動、人間組織が現れてくるのか、政治権力がどのようにして誕生してくるのか、市議会はどのように機能するのか、を詳細に描く。本書は、メリアムが1909年にシカゴ市議会議員に選ばれ、6年の議員経験を含む28年のシカゴ在住の経験をもとに執筆したもので、メリアム政治学の原型とみなされている。
 かつて同じ訳者により翻訳出版されていたが、今回、翻訳を改訂し、詳細な訳注を加え、また人名・事項索引を付すことによって、本書は、シカゴはもちろんのこと、この時期に大きな転機を迎えていたアメリカの政治行政の全体像が理解できるものとなっている。


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聖徳大学出版会

 「心と身体の癒しシリーズ」の第三巻は「こころとスポーツ」とタイトルも確定し、現在執筆進行中です。先に報告しましたとおり、本学の花沢成一教授(臨床心理学)と永島正紀教授(精神医学)が著者となります。(近刊)
 本書の構成は、第一章心身の健康と、スポーツ、第二章発育期のこころと、スポーツ活動、第三章スポーツ活動と、こころのひずみ、第四章精神保健活動と、スポーツの有用性、第五章スポーツカウンセリング・メンタルトレーニングとなっています。
 著者は、それぞれ、オリンピック選手の心理面のアドバイザーでもあり、本書の特色は、具体例を取り上げながら、こころとスポーツ活動の関連を、科学的に解明している点にあります。スポーツに関連するこころと身体の関係を実践的に把握し応用できる内容となっています。
 尚、当シリーズの後は、「聖徳保育選書」の刊行を企画し、現在、企画準備委員会にて出版計画の立案中です。
 本学出版会の柱の一つとなる企画となります。


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麗澤大学出版会

▼サイモン・メイ著/中村保男訳『日本退屈日記――日本の凋落と再生』(四六判・304頁・1995円)東大哲学科客員教授にして実業家、異色の著者がユーモアたっぷりのエッセイで綴る、不思議の国・ニッポン。バブル崩壊以降の日本社会・風俗に分け入って、日本のアイデンティティを問い、再生を予言する。
▼我妻和男編著『光の国・インド再発見』(A5判・246頁・2100円)IT産業を中心に経済力の伸長著しいインドは、その多様性ゆえに全体像は捉えがたい。言語・文化・宗教・歴史・経済等の様々な視点からインドの実相を明らかにする。
▼中道嘉彦・犬飼孝夫・田中俊弘・梅田徹編著『これで読める・聴ける時事英単語集』(四六判・344頁・2310円)


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慶應義塾大学出版会

▼久米邦武編著、水澤周訳注、米欧亜回覧の会企画『現代語訳 特命全権大使 米欧回覧実記』全5巻(26250円)漢文訓読体の原文が持つ力強い美しさを生かした流麗な現代語と、最新の研究成果にもとづく800に及ぶ詳細な注により、明治初期における西洋文明見聞録の一級資料が、解りやすく読みやすい形で甦る。
▼唐成著『中国の貯蓄と金融―家計・企業・政府の実証分析』(3570円)中国の経済発展の原動力を、家計行動に焦点を当てた実証分析により明らかにする、気鋭の中国人経済学者による初の研究書。
▼権丈善一著『再分配政策の政治経済学I日本の社会保障と医療(第二版)』(3570円)学界や実務家に注目されつつある著者が、民主主義社会における権力の作用や価値判断の問題を扱って社会保障の経済研究に新たな視点で切り込む。
▼トマス・アクィナス著、柴田平三郎訳『君主の統治について―謹んでキプロス王に捧げる』(2625円)トマスのほぼ唯一の政治思想論文。最も著名な「帝王学」の一つで、トマス思想全般の理解にも不可欠。訳者による注と解説も充実。


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産業能率大学出版部

▼波頭亮著『思考・論理・分析』―「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践―(2310円)
 「思考」とは何か。言い換えるなら「ものを考える」という頭脳作業は何をしていることなのか。論理的であるとはどういうことなのか。何を行えば最も効率的に正しい答えを得られるかという「合理的分析プロセス」の具体的作業と有用なテクニックについて解説した。
▼『OPEN INNOVATION』―今求められるオープン・イノベーション型社会構造―(2310円)
 本書は、ハーバード・ビジネス・スクールで研究されている最新のイノベーション理論をベースに、従来型のクローズド・イノベーション手法の限界を知り、新たなオープン・イノベーションの道案内となるべく執筆した。
 著者の人的ネットワークを駆使した調査にもとづく内容があますところなく紹介されている点は類書を圧倒しており、ビジネス専攻の学部学生やMBA志望者はもとより、ビジネスマン必携の書。


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専修大学出版局

▼麻島昭一著『戦前期中小信託会社の実証的研究――大阪所在の虎屋信託会社の事例』(7980円)
 日本資本主義の発展過程で、資金源泉や資金運用はどう行なわれたか。大正・昭和初期に発展した虎屋信託の創業家に残存した株主総会資料、重役会議事録、業務報告書、大蔵検査資料などは、日本信託業史研究において画期的な一次資料であった。著者はこの実証的研究に加えて、関係者からのヒアリングも行い、当時の信託業経営、受託状況、資金運用、損益構造、大蔵当局の監督指導などを詳細に調査・分析している。
▼大石和男著『タイプAの行動とスピリチュアリティ』(2520円)
 競争心が強く負けず嫌いで、常にじっとしていられないタイプA(Aggressive)者がかかえる問題点とその修正への試みを、文献研究と調査データに基づき論じている。またタイプAが実存的空虚(生きがいの喪失)と関連あるとの仮説の下に、そういう行動が心の隙間を埋めているのではないかとも考え、現代のスピリチュアリティ喪失にも論及している。


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大正大学出版会

▼廣澤隆之著「『唯識三十頌』を読む」(TU選書3 1995円)唯識思想が大乗仏教教理学の基礎学問であることの重要さは今日でも変わることはない。「『唯識三十頌』はその理論体系の最も洗練された簡潔な綱要書である。それゆえこの短い詩頌の中には、仏教思想をつらぬく根本問題がいかんなく説かれている。確かに唯識思想は魅力的である。(中略)フロイトやユングが深層心理と向かい合うよりも千年以上も前に、阿頼耶識、末那識という概念で人間の心の奥底を見つめようとする唯識思想が、仏教における重要な思想として登場していたことは、驚きであるとともに、インド仏教の奥深さを痛感せざるをえない。(中略)また現代の病理の根源に唯識思想ははたして解答を提示できる思想であるのかを問いつつ、唯識思想を学ぶことが私にとっての課題となった。」(本書「『唯識三十頌』を読んで」より)
 巻末に、サンスクリット・チッベト・漢訳及び和訳を対照したテキスト及び参考文献を付す。


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玉川大学出版部

2005年秋 全巻完結
▼『金田一春彦著作集』(各8925円)
 「第五巻 国語学編五」
真言宗に伝わる声明『四座講式』から鎌倉時代の日本語アクセントを再現した画期的労作。著者の博士号取得論文であり、アクセントの史的研究の第一作である。
▼「第八巻 国語学編八」
著者40年の方言研究の成果を収めた『日本語方言の研究』と、「音韻・アクセントによる日本語の方言区画」「アクセントの分布と変遷」など六論文を収録。
▼『ホーリズムと進化』(スマッツ/石川光男・片岡洋二・高橋史朗訳)ホリスティック教育、ホリスティック医学の原典。宇宙の物質と生命の進化を司る力であるホーリズムが、高度な全体の誕生とホリスティックな社会への前進を保証しているという壮大な思想を唱える。


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中央大学出版部

▼川原彰著『現代比較政治論――民主化研究から民主主義理論へ――』(2940円)世界秩序の大転換をもたらしたグローバルな民主化の動向を、比較政治学の視点から総合的に分析。
▼宮守正雄著『昭和激動期の出版編集者――それぞれの航跡を見つめて――』(2205円)元圖書新聞記者で二十余年の中大マスコミ講座講師が激動期の出版編集者の志と活動の姿を活写する。
▼岡本正明著『小説より面白いアメリカ史』(2310円)アメリカ史の「こぼれ話」をふんだんにもりこんだ、物語風の随筆集。最新にして最良の入門書。
▼池田正孝・中川洋一郎編著『環境激変に立ち向かう日本自動車産業――グローバリゼーションさなかのカスタマー・サプライヤー関係――』(3360円)日本自動車産業の強さの秘密を自動車メーカー・部品メーカーの協働関係の中に探る。
▼佐藤清編著『フランス――経済・社会・文化の位相』(3675円)現代フランスを経済・社会・文化面から解明。自動車産業の軌跡からパックス法やパリテ法の成立までを視野に入れた現代フランス論。


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東京大学出版会

▼シリーズ「融ける境 超える法」発刊
 高度産業・情報化社会は、換言すれば「高度“法”化社会」。増加する法的紛争に対処するため、法律家、法的思考力を備えた人材が求められている。
 この法化社会のニーズに応えるシリーズ「融ける境 超える法」は、最先端の法律問題を分析、領域毎に全5巻に編成し、東大法学部を中心とした気鋭の執筆陣が新しい法システムを大胆に提示する。
 9月発売の第1巻『個を支えるもの』は、人権や社会保障など、個人とその生活を支える法システムの変貌を明らかにする。同じく9月刊の第2巻『安全保障と国際犯罪』では、「人間の安全保障」が叫ばれる最近の情勢を踏まえ、安全保障と刑事法の交錯局面を抉り出す。
 以降毎月一冊、巻数順に刊行。定価5040円〜5250円。全5巻は以下のとおり。
1 岩村/大村編『個を支えるもの』
2 山口/中谷編『安全保障と国際犯罪』
3 江頭/増井編『市場と組織』
4 フット/長谷部編『メディアと制度』
5 城山/山本編『環境と生命』


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東京電機大学出版局

▼『指紋認証技術―バイオメトリクス・セキュリティ』(画像電子学会編/星野幸夫監修/2835円)
 指紋認証は、古来より単純な個人識別や契約の管理用途に使われてきた。やがて近代的犯罪捜査の切札となるが、現在では最も実用的な生体認証(バイオメトリクス)としての応用が注目されている。
 本書前半では指紋認証の基本的な考え方と、情報処理としての技術が確立するまでの過程を解説する。また後半では各要素技術と、掌紋識別も含めたシステム展開、さらにそれらの保証となる認証精度について専門的観点から解説する。
 生体認証の背景をなすのは、主に自分の指紋を積極的に認識・一致させなければ恩恵の得られないシステム(FPID)である。しかし、例えば犯罪捜査のように被験者ができるだけ一致させまいとするシステム(AFIS)とも表裏一体の関係にある。その両者に共通する情報処理技術や、精度確保の技術が丁寧に解説される。単に新しいセキュリティ・システムを紹介するだけでなく、技術的にも一歩踏み込んだ解説書である。


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東京農業大学出版会

▼『オホーツクの本――その自然と産業――』美土路知之責任編集
 生物産業学部は、豊かな自然と全国でも有数の農林漁業・加工業を要したオホーツク地域の特性を生かした教育・研究を展開している。その中でも、フィールドワークにおいては、地域社会との連携も数多く生まれ、新たな研究の方向性も定まりつつある。オホーツクの自然と産業の密接な関係を、一つの大きなテーマとして、一つ一つの発見を深く掘り下げ、オホーツクの自然と産業を分かりやすく解説したものが本書である。
 平成17年3月/四六判
 128頁/税込価格1680円
▼『コメ経済と国際環境』清水昂一、小林弘明、金田憲和編著
 カロリーベースで40%の自給率、7%弱の専業農業者と多数の兼業農家等、問題が顕在化し、食料の供給は? 計量経済の専門家による問題解決接近への理論と分析
 平成17年1月/A5判
 263頁/税込価格3570円


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法政大学出版局

▼田辺竹治翁聞書『四万十川I――山行き』(永澤正好著・3360円)最後の清流四万十川流域は、山と川と海を生活の糧とする人々の営みの場であった。今年97歳になる田辺翁は、前世紀までの流域の暮らしを知る数少ない証人として、獣や魚や鳥たちと共に生きた日々の記憶を語る。二〇余年に渡る聞書の集大成。〈以下続刊〉II‥川行き――四万十川の魚の生態と川魚漁の体験を語る/III‥村は万華鏡――百姓仕事や若衆宿など、流域の村の生活と人間模様を語る。全3巻。
▼『石原莞爾』上・下(阿部博行著・上=4200円/下=3360円)石原莞爾の思想と行動を、厖大な書簡・日記等の資料を駆使して丹念に追跡し、その知られざる実像に迫る。満州国建国をめぐる軍首脳部内の葛藤や二・二六事件における反乱軍の断固たる鎮圧など、昭和史のカギを握るかずかずの事件の渦中で描かれた壮大な夢と、戦争へとひた走る現実の行方をたどる。石原をめぐる未発表の書簡等新資料と多数の写真を加え、下巻には詳細な年譜・参考文献・人名索引を付す。


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武蔵野美術大学出版局

▼MAUライブラリー(3)『現代芸術の彼岸』(藤枝晃雄著・3360円・四六判・284頁)錯綜し混迷を深める現代美術に、今まさに読まれるべき待望の書、ついに刊行。抽象表現主義の思想を根底に、著者がここ数年にわたって著してきた批評・論文の集大成。現代芸術界に対する著者の透徹した審美眼と鋭い批評精神は一読の価値あり。
【その他のMAUライブラリー】
▼MAUライブラリー(1)『ネパール周遊紀行』(田村善次郎著・1995円・348頁)ネパール高地の集落の生活や習俗、儀礼を多数写真と共に紹介。
▼MAUライブラリー(2)『塾の水脈』(小久保明浩著・1890円・228頁)江戸時代〜現代までの「塾」の変遷から学校制度だけではない教育のあり方に迫る。


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明星大学出版部

▼津久井喜子著
『破壊からの誕生―原爆文学の語るもの』
A5判 150頁 2625円
 原爆をテーマとする作品を生み出したものは、比類なき被爆体験を世に残し伝えたい、核戦争を繰り返してはならないという悲願と、全人類存続への切実な希望を込めた作家の意思、使命感であった。ホロコースト文学との共通性を見据えて、証言としての歴史的価値、言語芸術としての文学の価値、人類に対する警告としての価値を確認し、その意義、役割を論ずる。
【目次】
○日本の原爆文学の価値と意義[現代世界における日本の原爆文学の意義・四人の女性被爆作家の視点]
○代表的作家と作品―その1[大田洋子・正田篠枝・峠三吉・栗原貞子・原民喜・林京子]
○代表的作家と作品―その2[井伏鱒二と『黒い雨』・堀田善衞と『審判』]
○原爆文学とホロコースト文学
▼井出洋一郎著『新版・美術館学入門』四六判 本文350・カラー図版20頁
3675円


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早稲田大学出版部

▼『家族のメタファー――ジェンダー・少子化・社会』(丸山茂、4515円)「家族の世紀」の終りが頻繁に語られている。最新データをもとに家族と社会の関係を模索する新しい家族論。
▼『ブランドと広告ビジネス――ブランディングを基軸とした広告会社の評価システム』(東英弥、5250円)企業が求めるブランド広告はどう創ればよいか。クライアントの要求に応えるための広告会社のビジネス・モデルを提案する。
▼『報道が社会を変える――石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座講義録』(原剛[コーディネーター]、1890円)阪神・淡路大震災の継続取材、旧石器発掘ねつ造のスクープ、産廃の島香川県豊島の惨状告発など、報道現場の鮮烈な視点を紹介し、内橋克人・佐野眞一のジャーナリズムも収録する。


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東海大学出版会

▼吉田武著『私の速水御舟―中学生からの日本画鑑賞法』(A5判、260頁、2520円)
 速水御舟は大正期から昭和初期にかけて活躍した日本画家であり、重要文化財指定の「炎舞」「名樹散椿」をはじめ、「洛北修学院村」、「京の舞妓」など、有名な作品を多数残している。
 本書は、前半で速水御舟の作品の鑑賞と業績の紹介をしながら、著者がそこから受けた印象・感想を通して、御舟の創作活動の発意の根源に迫り、後半では「日本画」の絶対的な定義を試みるものである。
 言葉の表面だけを捉えれば、「日本画」とは近代になって我が国に数多紹介された「西洋絵画」に対するものであるが、画材や対象、技法の違いをもって「日本画」を定義しようというものでは、もちろんない。永い年月をかけて醸成された文化的特性や精神性に焦点を当てているのである。そして著者は、この精神性こそが日本独自の「美」を生み出したと説き、「日本画」の絶対的定義を展開している。


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名古屋大学出版会

▼長谷川博隆訳『モムゼン ローマの歴史』I:ローマの成立、II:地中海世界の覇者へ(各6300円)ローマ史の最高傑作。人間の営みの「全体」を描く。
▼伊藤之雄著『昭和天皇と立憲君主制の崩壊―睦仁・嘉仁から裕仁へ―』(9975円)近代日本の立憲君主制はなぜ挫折したのか。渾身の力作。
▼川島正樹編『アメリカニズムと「人種」』(3675円)歴史と現在を、グローバル化の中で問い直す。
▼佐藤彰一/池上俊一/高山博編『西洋中世史研究入門』[増補改訂版](3780円)好評の研究案内、待望の最新版。
▼大橋良介著『聞くこととしての歴史―歴史の感性とその構造―』(4725円)共通感覚の深層で他者の声を聞く。
▼島本佳寿広編『基礎からの臨床医学―放射線診療に携わる人のために―』(3990円)臨床現場で必要な事項を、CT、MRIなど最新の画像で平易に解説。
▼後藤節子/森田せつ子他編『新版テキスト母性看護』I・II(I:3885円、II:4515円)Iでは概論と保健を、IIでは周産期の正常・異常経過を解説。


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三重大学出版会

■井谷泰彦著『沖縄の方言札―さまよえる沖縄の言葉』A5版175頁(本体1800円+税)
1章「方言札」の原型
2章「方言札」とエスニシティ/「方言札」ができる時/「方言札」誕生の理由
3章言語教育と「方言札」/村内法と四訓札/普通語時代の「方言札」/標準語励行期の「方言札」
4章「方言札」の消滅/戦後教育と「方言札」/「方言札」の思想/沖縄語の未来
■神松一三著『日本テレビ放送網構想と正力松太郎』四六版180頁(本体1800円+税)戦後もっとも成功した「呼び屋」
前置き/1章日本テレビ放送網のプロトタイプ/2章GHQの基本方針/3章メガ論争の帰結/4章正力松太郎の追放解除/5章正力発言・柴田発言の検証/6章日本テレビ放送網構想の挫折/後書き


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京都大学学術出版会

▼『Design Essence from Sketchbook――建築設計のための教科書』高松伸著(190頁・3780円)創造とはつまるところ模倣でもある、とは言い過ぎだろうか。ともあれ、過去の作家とその作品を意識しない建築家は、誰一人としていない。近代建築の期を画した数十人の建築家・建築運動の最も重要な作品を、高松伸自身がスケッチし図面化したノートを通して、近代建築の原理から空間構成の実際までを学ぶ。建築設計の用語集としても優れた構成で、これ一冊をドラフターに置けば建物が建つ、ことを目指した画期的スタイルノート。京大工学部の建築設計論の教材として学生に評判の高い教材を、お洒落なスケッチブック風の書籍にアレンジ。学生から若手建築家まで、必携のテキスト/参考書。


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大阪経済法科大学出版部

▼白榮助著『東アジアの政治・外交研究―「間島協約」と裁判管轄権―』(4410円)間島での在留朝鮮人問題は中日の対間島政策の重心である。本書は「間島協約」の締結から「満州事変」にいたるまでの、間島在留朝鮮人の「裁判管轄権」をめぐる中日両国の政策推移の歴史的経緯を体系的に整理、分析し、中日両国に所蔵する一次史料を実証的に分析しているところに特徴がある。近代間島における中国、韓国(朝鮮)、日本という国家間、ひいては民族間の政治外交および歴史的関係を「裁判管轄権」という視角から解明しようとした新しい試みである。
▼アナトリー・コーシキン著/佐藤利郎訳『大国の攻防―世界大戦における日ソ戦―』(350頁・4830円)
本書は太平洋戦争において、ソ連とその同盟国たる米英両国がどのような対応をとったか、またソ連が第二次世界大戦中に対日政策および軍事戦略をどのように展開していったかを詳細に分析しつつ、まだ十分解明されていない問題についても独自の見解を述べている。


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大阪大学出版会

▼芝哲夫著『適塾の謎』四六判・上製・160頁 定価1575円 緒方洪庵の人間像と蘭学塾をめぐる隠れた事実を史料から読みとる。今、ゆれ動くこの国の生命、倫理、社会、教育などの問題に応える、学ぶべき史実がここにある。
▼福永伸哉著『三角縁神獣鏡の研究』B5判・上製箱入・定価8400円 三角縁神獣鏡の製作は日本か中国か。議論の多いこの鏡を、新しい分析によって製作地を特定し、古墳時代の国家形成の特質にも言及しながら明らかする。
▼木下修一・吉岡伸也編『Structural Colors in Biological Systems - Principles and Applications』菊判・上製・360頁 定価8400円 構造色に関する物理的な基礎/生物がもつ構造色とその仕組/構造色を利用した最新の応用製品の数々。
▼大阪大学大学院工学研究科原子力専攻編『学びに成功する「よい授業」とはなにか』A5判・並製・200頁・定価2100円 「学びの質」を高めるために/TAは大学教育のキーパーソンか/「相互作用」が生じる授業。


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関西大学出版部

▼山本幾生著『実在と現実―リアリティの消尽点へ向けて―』(四六判・3360円)近世哲学に始まる外界の実在性の問題から今日の仮想現実まで、哲学者達の哲学に手掛かりを求めてリアリティ概念を究明し、虚構も実在と共に現実を象る〈現実の象り〉を提唱。そして、問題が外界の実在性から〈ものの不在性〉へ転換していることを提示する。
▼石田浩著『台湾民主化と中台経済関係』(A5判・3780円)国民党独裁体制の崩壊と総統・立法委員などの各種民意代表選出という民主化過程を詳細に分析。同時に台湾経済の対中依存拡大を膨大な資料に基づき分析し「政治の内向化と経済の外向化」、政治(理想)と経済(現実)の矛盾を抱えた台湾の未来を予測する。
▼杉谷眞佐子・高田博行・浜崎桂子・森貴史編著『ドイツ語が織りなす社会と文化』(A5判・3675円)本邦初訳のドイツ人研究者の論考を含む本書は、さまざまなテクストからドイツ語圏の言語文化を読み解き、21のテーマ圏の研究へいざなう。研究上の手引きとなるよう、参考文献が丁寧に挙げられている。


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関西学院大学出版会

新刊
▼牧里毎治・加山 弾・高杉公人著
K・Gりぶれっと『社協ワーカーへの途』社協実習者のための実践用ワークブック(A5並製・126頁・定価1260円)
▼関西学院大学災害復興制度研究所編
『被災地恊働|第一回全国交流集会から』被災地の経験を共有し復興支援に生かす。(A5並製・182頁・定価1575円)
▼武田 丈編著
『フィリピン女性エンターテイナーのライフストーリー』彼女達の現状とその背後にある問題とは。(A5並製・216頁・定価2205円)
近刊
▼紺田千登史著
『フランスの哲学―そのボン・サンスの伝統と日本、アメリカ』(A5上製・330頁・定価4410円)
▼村尾信尚編著
もうひとつの日本を考える会
『日本を変えるプランB』(四六上製・200頁・定価1680円)


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九州大学出版会

▼西川盛雄編『ラフカディオ・ハーン―近代化と異文化理解の諸相―』(A5判・380頁・2730円)最新の研究成果に基づく、ハーン(小泉八雲)の生涯とその作品の学際的研究書。
▼恒吉法海訳『ジャン・パウル中短編集I』(A5判・564頁・8925円)
『フィーベルの生涯』『カンパンの谷』『ジャン・パウルの手紙とこれから先の履歴』待望の完訳。楽しき無常の世界。
▼高橋隆雄編『生命・情報・機械』〈熊本大学生命倫理研究会論集6〉(A5判・250頁・2940円)情報に関する基礎的概念を踏まえて、生命と情報の基本的関係を探る。論集最終巻。
▼山中進・上野眞也編著『山間地域の崩壊と存続』(A5判・244頁・3150円)持続可能な地域社会の形成を論じる地域政策研究の書。「地域公共圏の構想」シリーズ刊行開始。
▼谷正和著『村の暮らしと砒素汚染―バングラデシュの農村から―』(新書判・204頁・1050円)環境人類学の視点から開発援助のあり方を考える。〈KUARO叢書5〉


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