部会だより(営業部会)

 図書館新刊見計いシステム

 2004年の出版全体の新刊刊行点数は7万4587点、前年対比2.7%増で1日平均200点強の新刊が書籍市場に出回ったことになる。協会加盟29出版部では2004年の年間新刊刊行点数は830点で、前年の813点と2出版部の増加を考えれば、ほぼ前年並みの点数で推移しているといえる。しかし、新刊刊行点数が増加の傾向にある書籍市場全体の状況と、その中での学術書・専門書など小部数出版物の状況との関わりを考えざるを得ない。前年行った図書館新刊納本見計いシステム中止館の調査では、現品を扱う繁雑さなども中止理由に挙がっていた。当システムが活用されるべき出版状況であることをいま一度考える必要がある。

 紀伊國屋書店札幌本店
 日本大学出版部協会フェア/常設展示


 今年4月、JR札幌駅前という好立地に開店した紀伊國屋書店札幌本店は、総面積1300坪に及ぶ北海道最大級の店舗で、学術書の品揃えにも力をいれています。オープン催事の一環として、日本大学出版部協会フェアが5月9日から1カ月半にわたって開催され好評でした。また、2階には新刊書を中心とした当協会の常設展示棚も設置されています。ご来札の折にはぜひ一度足をお運びください。




 関西支部だより

 関西学院大学図書館所蔵 特別文庫・貴重図書――関西の文庫 3

 関西学院大学図書館は現在18種類の特別文庫と多くの貴重図書を所蔵している。これらのコレクションは図書館の蔵書の中でも学術的価値が高く、また教育・研究をサポートする図書・資料群としても重要なものである。特別文庫には、歴史に名を連ねる思想家の著作及び関連研究書を収集した著作文庫(アダム・スミス著作文庫など)と、特定の主題に関連する図書を収集した学術的価値が高い図書・資料群(丹羽記念文庫など)がある。また、貴重書庫に保存されている貴重図書には、稀少でかつ学術的価値が高い図書・資料が含まれている。以下これらのコレクションの中から代表的なものを紹介する。
 「室井文庫」―キリシタン関係文献―〈特別文庫〉
 幕末から明治初年のオリジナル版を含む和訳聖書、摂津・河内・泉州の宗門改帳・寺請帳や、大正から昭和戦前・戦後刊行のキリシタン関係、日本キリスト教史、南蛮文化関係の図書が揃っている。イギリスのミッションから1846年に琉球に派遣されたベッテルハイムが和訳した「使徒行伝」も含まれている。(全571冊)
 「丹羽記念文庫」―近代短歌関係文献―〈特別文庫〉
 明治・大正・昭和の短歌を中心に収集。正岡子規らの写実主義短歌や、与謝野晶子・鉄幹らの浪漫主義短歌が幅広く集められている。創刊号から揃った雑誌『明星』などが含まれており、また与謝野晶子第一歌集『みだれ髪』の初版本が加えられている。(全2299点)
 「兵庫県漁具図解」1897年〈貴重図書〉
 兵庫県下の漁具の種類と使用方法を詳細に調査・編集した資料で、地域ごとの魚名、漁期、構造、新調費、使用法などの解説と、漁船図、漁具構造図、使用図で構成されている。1897年に神戸で開催された第二回水産博覧会に出展するために作成。[資料提供・図書館運営課]
田中直哉(関西学院大学出版会)




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