大学出版部ニュース
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北海道大学図書刊行会

▼後藤晃・森誠一編著『トゲウオの自然史―多様性の謎とその保全』(A5判・3000円) 日本のトゲウオ類は僅か二属からなる。では何種類が分布しているのか。この問いは現在進行形の難問である。今、最もホットな魚の本。
▼ドーリング、シンプソン編著/岩井浩・金子治平・近昭夫・杉森滉一監訳『現代イギリスの政治算術―統計は社会を変えるか』(A5判・6800円)イギリス社会の諸分野における統計の作成、その概念規定と測定および統計利用の諸問題を網羅的に取り上げ、批判的視点から平易に解説した集団労作。
▼山口裕文・河瀬真琴編著『雑穀の自然史―その起源と文化を求めて』(A5判・3000円)貧弱な種子に秘められている人類と雑穀の長い歴史について、さまざまな研究手法を駆使して読み解く。
▼津曲敏郎編著『北のことばフィールド・ノート―18の言語と文化』(四六判・1800円) 言語の多様性が急速に失われようとしている環北太平洋地域を舞台に、そこに散らばる小さなことばたちを訪れた若手研究者が、ことばの世界の魅力と話者への想いを綴る。


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東北大学出版会

▼高橋維一郎・南部松夫著『新岩手県鉱山誌』(B5判、307頁、6000円)金属鉱業は、平安の昔から、基幹産業としてわが国の繁栄に貢献してきたが、戦時中の乱開発がたたり、戦後多くの鉱山が休廃止に追い込まれた。その後、朝鮮戦争を契機として急速に復興し、経済成長の一翼を担っていたものの、金属取引の自由化、石油危機等により、鉱業は衰亡へと急傾斜した。本書は、日本屈指の鉱業県である岩手県において、鉱山が戦後の荒廃から甦り、黄金期を迎え、再び崩壊した、ほぼ半世紀にわたる経緯を記述している。
▼原研二他編『人文社会科学の新世紀―東北大学文学部から世界へ―』(A5判、217頁、1800円)本書は、東北大学文学部の各専門分野の教員が、学問研究にとって最も大切な事柄を、それぞれの専門の研究内容に即して、分かり易く記述したものである。伝統の研究に裏付けされた熱い情熱が人間の探求の新しい時代を切り開くとする。人間とその営みに対する深い関心と愛情が、学問探究の基礎となることを、様々な観点から主張している。


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流通経済大学出版会

▼ポール・キーティング著/山田道隆訳『アジア太平洋国家を目指して−オーストラリアの関与外交』(3500円)
 著者が指摘するように、本書は、単なる「回顧録」ではない。現在も続くオーストラリア外交の実相と、紆余曲折を経ながらも真の幕開けを告げた「アジア太平洋時代」を、新鮮な筆致で描き出した「実録(ドキュメンタリー)」である。「アジア太平洋時代」が叫ばれて久しいが、著者ほどこの時代を直視し、将来性を確信して積極的に外交を進めた政治家は、域内では見当たらない。
 首脳たちが集まる国際会議は、砲弾の飛び交わない「戦場」である。この戦場では、政治家たちが国益を最優先に駆け引きを繰り返しながらも、知恵を絞り合い、妥協点を探り出す。本書は、メディアからは伝わらない国際政治舞台の裏側、緊迫した根回し外交、独裁者の落日などを、感性と洞察力に満ちた視点でとらえ活写している。本書はオーストラリア外交の理解だけにとどまらず、21世紀入りした「アジア太平洋時代」を展望する上でも一級の資料を提供している。


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聖学院大学出版会

▼C・E・メリアム著・和田宗春訳『シカゴ――大都市政治の臨床的観察』(A5判・近刊)。
 本書は、『政治権力』などの著作で知られる、アメリカ現代政治学の始祖、チャールズ・E・メリアムによる都市行政論の古典の翻訳である。
 さまざまな人種、文化を背景とした人口増加、経済成長等とともに急激に膨張する大都市の成長過程には、どのような政治機構、政治活動、人間組織が現れてくるのか、政治権力がどのように誕生してくるのかを、統計資料に基づき詳細に描き、分析する。
 メリアム自身の市議会議員6年を含む28年のシカゴ在住の体験をもとに執筆されたもので「臨床的観察」の名にふさわしい、メリアム政治学の原型が現れている。アメリカ政治学、都市行政学などの研究資料としても必読の書である。
 今回、全面的な翻訳の改訂をするとともに事項・人名の詳細な訳注と索引を付し、読者に理解しやすいように便宜をはかっている。また写真家、石元泰博氏の「シカゴ」の作品を口絵に収録した。


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麗澤大学出版会

▼服部英二著『文明間の対話』(四六判上製・2300円)
 「文明の衝突」が繰り返されている今日もっとも必要なのは「文明間の対話」ではなかろうか。著者はシルクロードで結ばれた東西各文明の現場に立ち、それらが時空を超えて通じ合っていることを現場検証と卓抜な推理によって実証していく。特にピラミッド建造の謎と邪馬台国所在の謎に迫った論稿は大変興味深い。
▼中村保男著『絶對の探求――福田恒存の軌跡』(四六判上製・2000円)
戦後の評論家を代表する巨峰、福田恒存を正面から論じた書物は意外に少ない。複雑多面体にして純粋結晶体のこの文士に迫るには、勇気を要するのだ。本書は、より多くの読者に師・恒存の真髄を知らしめたいという著者の使命感に支えられた、生一本、鮮烈な傑作評論である。


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慶應義塾大学出版会

▼政治学シリーズ『現代東アジアと日本』全6巻(各巻3400円。3・4・6巻は予価) 1『日本の東アジア構想』(添谷芳秀・田所昌幸編) 2『中国政治と東アジア』(国分良成編) 3『朝鮮半島の政治と東アジア』(小此木政夫編) 4『海域アジア』(関根政美・山本信人編) 5『東アジアのロシア』(横手慎二編) 6『アメリカと東アジア』(赤木完爾・久保文明編) 「アジアの中の日本」という視点からの、現状分析にとどまらない政策提言的なシリーズ刊行開始。
▼川崎市岡本太郎美術館・慶應義塾大学アート・センター編『土方巽の舞踏―肉体のシュルレアリスムと身体のオントロジー』(4800円)企画展記念出版。舞踏家土方巽の世界を600点余りの写真で再現。代表的二作品収録のCD−ROM付。
▼『福澤諭吉著作集』全12巻完結! 岩谷十郎・西川俊作編『福澤諭吉著作集8 時事小言 通俗外交論』(2600円)国力増強で「一国独立」をめざす福澤の外交論。松崎欣一編『福澤諭吉著作集12 福翁自伝 福澤全集緒言』(3200円)自ら語る半生と著作。次世代への託言。


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産能大学出版部

▼産業能率大学CPM/TRIZ研究会監修『TRIZの理論とその展開』(2000円)
TRIZは過去の発明から見出したイノベーションのための定石、知見を体系化した方法論です。これまでに新製品企画や開発改善など創造的問題解決に活用され、多大な成果創出に貢献してきました。本書はTRIZの基本から応用までを総合的かつ実践的に解説した最初の書です。

厚生労働省実施「ホワイトカラー職務能力評価試験」テキストとして最適な一冊
▼内山力・三浦智恵子編著『情報管理実務』(2000円)
本書は情報システムを導入・推進するためにぜひ知っておきたい、ITの基本知識から企業経営への活用のあり方、重要性が高まってきたセキュリティ対策、さらに最近話題となっている通信回線サービスやインターネットビジネスに至るまで、幅広くわかりやすく述べています。経営者はじめ情報システム部門、利用部門等のすべての方々に読んでいただきたい書です。


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専修大学出版局

▼佐々木交賢/ピエール・アンサール編『高齢社会と生活の質―フランスと日本の比較から』(2600円)「老い」とは何か。老いは、健康、経済、人間関係、生きがいと密接な関わりを持っている。つまり、老いは生活の質に即して捉えなければならない。本書は日仏両国の社会学者による共同作業の成果である。第I部では、老いの定義とその歴史的な変遷をたどる。第II部では、生活の質を支える社会的な諸条件を、生活費、労働市場、ボランティア、他世代からの援助という観点からフランスの現状をもとに考察する。第III部では、高齢期の生活を支える社会制度のあり方を、日本の現状を紹介しながら他国との違いを浮き彫りにしていく。第IV部では、人生の最後に訪れる事柄である病や死を主題としている。


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大正大学出版会

▼『グローバル時代の宗教間対話』(近刊)1990年頃から「グローバリゼーション」という言葉が頻繁に聞かれるようになった。しかし、「実際にこれが何を意味するのか」をめぐっては学者の間でも諸説紛々である。グローバリゼーションは多面的な現象なのだが、一つ言えるのは、「ローカル」ということがクローズアップされてきた、という事実である。そして、「グローバル」と「ローカル」との複雑な関係は、従来の宗教間対話にも新しい局面をもたらした。本書は、昨年の日本宗教学会学術大会の特別部会「二一世紀における諸宗教の共存とアイデンティティの問題」における発表者とコメンテーター全員が、総力を結集して作り上げたものである。教理・宗教教育・宗教の共生・宗教間対話・グローバリゼーションなどの主題を縦軸に、仏教・キリスト教・イスラームという三つの世界宗教を横軸に編まれている。執筆陣は星川啓慈(編者)はじめ、新進気鋭・中堅・円熟期を迎えた者と多彩である。
▼作家・永井路子と作家・僧侶である寺内大吉による文学論を刊行予定。


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玉川大学出版部

▼武内清編『キャンパスライフの今』(2100円)いま、大学生はこんな生活を送っている! 授業、アルバイト、サークル… さまざまな体験や出会いのなかで、大学生は独自の文化をつくりあげてきた。「悩みなき青年期」「モラトリアム化」とも評される現代の大学生の行動と、学生文化は戦後、どう変わってきたかを探る。データで読む平成版当世学生気質。
▼山地弘起、佐賀啓男編『高等教育とIT』(2800円)学生の学習効率を上げるメディア活用の実践例やヒントと、全学的な教育環境を整備し、一人一人の大学教師の教授能力を高めるためのFDの取り組みを紹介する。インターネットや新しいメディア・ITの普及によって、情報の伝達の仕方が多様化している。情報化への対応と教育の改善のモデルを考えるうえで大学人必携の一冊。
▼科学技術社会論学会編『知の責任』(3600円)科学技術に携わる人には責任ある活動が求められるようになってきている。旧石器捏造事件での討議がいかに形成されるのか等々を分析。科学技術への市民参加をテーマに小特集。


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中央大学出版部

▼富岡幸雄著『税務会計学原理』(30000円)中央大学が全国の各大学にさきがけて創設した「税務会計論」講座を担当し、爾来、45年を超える歳月にわたり、税務会計の研究と教育に専念してきた「税務会計学」の創始者たる著者により完成された税務会計学原理の真髄とその全容を公けにした情熱の決定版である。
▼田中廣滋編著『費用便益の経済学的分析』(4600円)環境問題や地方分権による地域の活性化など経済社会システムの再構築に必要な費用便益分析の基礎理論と適正な適用方法を提案する。
▼大内和臣・西海真樹編『United Nations' Contributions to the Prevention and Settlement of Conflicts』(4500円)2002年に出版された『国連の紛争予防・解決機能』の第二分冊。アメリカ、中国、韓国、日本の学者・研究者の英語による論文を集録。
▼堀眞由美著『テレワーク社会と女性の就業』(2000円)在宅ワークの担い手として女性労働力活用の機運が盛り上がる中、IT化と女性の就業の進展性を、実情を踏まえながら考察する。


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東京大学出版会

『イスラーム地域研究叢書』(全8巻・編者代表佐藤次高)刊行開始。
 世界に先駆けて新しい研究分野を示した1997年から5年間にわたるプロジェクトの成果。東は中国、西は北アフリカまで拡がる「イスラームのグロバール化」を出発点に地域間比較の手法・歴史的アプローチによって複雑・多様な現代イスラームの総合的理解をめざす。
(1)イスラーム地域研究の可能性(佐藤次高編2003年11月刊)(2)現代イスラーム思想と政治運動(小松久男・小杉泰編12月刊)(3)イスラーム地域の民衆運動と民主化(私市正年・栗田禎子編2004年1月刊)(4)比較史のアジア 所有・契約・市場・公正(三浦徹・岸本美緒・関本照夫編2月刊)A5判上製・平均320頁・本体価格4800円
【2004年秋より続刊予定】(5)イスラーム地域の国家とナショナリズム(酒井啓子・臼杵陽編)(6)イスラームの性と文化(加藤博編)(7)イスラームの聖者信仰と神秘主義(赤堀雅幸・東長靖・堀川徹編)(8)記録と表象――史料が語るイスラーム世界(林佳世子・桝屋友子編)


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東京電機大学出版局

▼大澤幸生監修・著『チャンス発見の情報技術―ポストデータマイニング時代の意思決定支援―』(358頁・4600円)
 データマイニングにおけるオムツとビールの例はよく知られている。ショッピングセンターのPOSデータからオムツの購入者とビールの購入者の多くが共通していることが見い出され、それらを並べて陳列したところ、双方の売上が向上したというものである。しかし、大量のデータに潜在するオムツとビールのような有意の組合せの数が有限であることは容易に想像できよう。データマイニングの流行から数年、データ分析の担当者は壁にぶつかっている。
 チャンス発見とは、チャンスを「意思決定に重要な影響を与える未然の事象・状況」と定義して、これを大量のデータの中から見い出し、いかに利用するかを論じるもので、データマイニングを超える手法として注目を集めている。本書はこの「チャンス発見学」について、その考え方から人工知能技術の導入、各種ビジネスプロセスへの応用まで、その全貌をおさめた最初の書籍である。


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東京農業大学出版会

〈シリーズ実学の森〉
▼ドキュメント榎本武揚―明治の「読売」記事で検証― 秋岡伸彦著
 榎本武揚の名を聞けば、多くが五稜郭の悲劇的な戦いを想起することだろう。しかし、曲折を経て明治新政府に登用され、初代逓信相、文相、外相を務めるなど新国家建設に尽力した。本書は、当時の読売新聞記事によって、榎本の足跡をたどり、榎本の生涯を正しく見直すことで、明治史を再認識することを試みる。
 平成15年8月/B6判/108頁/本体価格800円
〈シリーズ実学の森〉
▼まきば便り 今井明夫著
巻頭の「はじめに」に「農が好き、人が好き、仕事が好き」とある。人一倍「農」とその現場を愛し、向学心の塊り、まさに実学のひとである今井明夫氏の「愛農」エッセイ。今まで農と無縁の方々でも「農」の深さ、「農」の魅力を十分に味わえる。
 平成15年3月/B6判/227頁/本体価格1200円


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法政大学出版局

▼『銀座――土地と建物が語る街の歴史』(岡本哲志著・B5判・6000円)
 めまぐるしく変化を繰り返しながら、いつの時代にも「銀座らしさ」をかもし出してきた街――その不思議な魅力とおもしろさの根源は何か。江戸時代に試みられた都市計画から、明治期の土地所有と煉瓦建築の関係、さらに関東大震災後のモダン都市空間まで連なるヒューマンな都市の文脈を読み取る。
▼『ピラミッド大全』(M・ヴェルナー著/津山拓也訳・A5判・6500円)
 ピラミッド再発見の歴史から筆を起こし、古代エジプト人の死生観や埋葬儀礼を論じ、建造法の諸説を紹介するとともに、旅行者による記録、発掘の歴史、古代建造物に秘められた考古学上の謎を語る。第三王朝から第十三王朝まで六〇基に近いピラミッドについて詳細に論じた〈ピラミッドのすべて〉。図版多数収録。


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放送大学教育振興会

▼平成16年3月刊行予定の放送大学印刷教材92点(学部用89点・大学院用3点)の編集作業は今たけなわ。主任講師・分担執筆者合わせて約330名、編集担当者約50名が、資料の収集・原稿執筆、原稿校訂・校正にと、おおわらわの毎日である。
▼放送大学授業科目別受講者数ランキング(平成15年2学期。カッコ内は受講者概数=単位百名。外国語を除く)
1心理学初歩(43) 2人体の構造と機能(41) 3疾病の成立と回復促進(36) 4心理臨床の世界(34) 5カウンセリング概説(24) 6感情と認知(33) 7患者からみた医療 8老年期の心理と病理(26) 9人格心理学(25) 10発達障害児の心と行動(24) 11ユング心理学(24) 12看護学概説(23) 13身体福祉論(20) 14障害児教育論(20) 15障害児教育指導法(20) 16リハビリテーション(19) 17食品の成分と機能(19) 18生涯発達心理学(17) 19脳の健康科学(17) 20高齢者の心と身体(17)
 やはり心理学・健康・医学に関する科目の人気が高い。看護師・特殊教育教諭など資格取得関連科目も増加している。


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明星大学出版部

生きるうえに、衣食住が満たされただけでは豊かな人生とはいえない。生命がある限り、知的欲求を持ち続け、生涯学習を心がけることは、かけがえのない人生を送るうえに重要な課題となっている。
 1985年、第四回国際成人教育会議にて左記の「学習権」が宣言された。
学習権とは
読み書きの権利であり、問い続け、深く考える権利であり、想像し、創造する権利であり、自分自身の世界を読みとり、歴史をつづる権利であり、あらゆる教育に手だてを得る権利であり、個人的・集団的力量を発達させる権利である。
『UNESCO学習宣言』から抜粋
 宣言以降、日本は国や地方自治体がさまざまに行政政策を打ち出し、その実現に努めてきた。しかし最近では行政改革・民間活力の名の下に撤退する行政が顕著となっている。このような現代の社会教育が抱える多くの課題と今世紀のあるべき姿を著した高島秀樹・神山敬章編『社会教育の現代的課題』(3400円)は、一人ひとりを大切に考える社会づくりを教示する推薦の書である。


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早稲田大学出版部

▼『現代マクロ経済学のフロンティア』(秋葉弘哉編/4000円)構造改革や金融政策をはじめ、現代マクロ経済学がかかえる国内外の課題を多角的に分析。早大現代政治経済研究所研究叢書18巻
▼『EUのなかの国民国家』(日本比較政治学会編/3000円)全ヨーロッパはEUの名の下に統合されるのか。加盟各国の政治情勢を分析して、EUの功罪を問う。同学会年報第5号
▼「シリーズ社会情報学への接近」(全4巻、編集委員/伊藤・小林・西垣・林・正村、各3200円)経済、行政、医療等、多くの分野で進展する電子情報化・ネットワーク化は社会をどう変えるのか。
1パラダイムとしての社会情報学/2電子メディア文化の深層/4グローバル社会の情報論/3情報秩序の構築(続刊)


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東海大学出版会

▼吉田武著『ノーベル物理学劇場・仁科から小柴まで―中学生が演じた素粒子論の世界[第十回 仁科芳雄博士生誕日記念科学講演会より]』(1600円)
 日本の物理学の祖・仁科芳雄博士および4名の日本人ノーベル物理学賞受賞者の研究を紹介しながら、素粒子の世界を解説する。野球や踊りといった題材を用い、斬新な発想、大胆な比喩と軽妙な図版で難解な理論をドラマ仕立てに論じた。素粒子物理の最も初歩的な啓蒙書として、広く紹介したい一冊である。
 本書は昨年12月に行われた講演会をもとに、図版や資料写真を補ってまとめたものである。講演では、里庄中学校の生徒を舞台に上げ、様々なパフォーマンスを通して素粒子の振る舞いを模擬的に演じた。


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名古屋大学出版会

▼富山太佳夫著『文化と精読―新しい文学入門―』(3800円)いま文学を読むとは何か? カルチュラル・スタディーズなど現代批評の焦点を解説し、精緻なテクストの読みを実践。
▼赤木昭三/赤木富美子著『サロンの思想史―デカルトから啓蒙思想へ―』(3800円)新しい思想の創出・交流・伝播を担うメディアにして公共的空間としてのサロンを余すところなく描き出す。
▼有田英也著『政治的ロマン主義の運命―ドリュ・ラ・ロシェルとフランス・ファシズム―』(6500円)ファシスト作家の生と作品を時代の中で捉え、ファシズム生成の論理を内在的に掴み出す。
▼吉田博之著『景気循環の理論―非線型動学アプローチ―』(4800円)カオス理論など最新の動学理論をふまえ、有効需要はもちろんマクロ安定化政策を組み込んだ循環的成長モデルを構築。
▼中辻憲夫編『再生医学の基礎―幹細胞と臓器形成―』(6500円)発生生物学的な基礎的知見から、ES細胞・組織幹細胞などを用いた最先端の研究の状況、今後の展望まで系統的に概説。


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三重大学出版会

本年度よりスタートした日本修士論文賞の第一回受賞作は3点。その中の大賞2作品を11月4日に出版した。両作品とも社会人入学の大学院生による修士論文をわかりやすく書き直したもの。社会人らしく、日常業務の中で培われた問題意識を研究として発展させた内容であり、プロとしての意欲と執念が伝わってくる。論文執筆予定の大学院生の参考にもなる。
▼『一攫千金の夢―北米移民の歩み―』A5版・277頁 筒井正(名古屋大学大学院)著・1500円
▼『新税―法定外税―』A5版・254頁 斎藤武史(法政大学大学院)著・1500円
出版会事務所が三重大学附属図書館三階に移転した。電話番号は従来通り。


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京都大学学術出版会

▼阪上 孝編『変異するダーウィニズム―進化論と社会―』A5判・630頁・5460円(税込)/『種の起源』の刊行は、19世紀末の人文・社会科学者に大きな刺激を与えた。それは、人文・社会科学に新しい科学的方法を提供するものと受け取られ、進化論を用いての「科学化」を図るさまざまな試みがなされた。そうした試みの一世紀半にわたる軌跡を、経済学、社会学、民族学、精神医学、人種学、優生学……などを取り上げて論証する。こうした過程で、ダーウィニズムがどのように受け止められ、また、誤解も含めて、変容させられたか、さらにはその対象学問を創造的に発展させたか、などを検証する。また、近年の「ミーム」(文化遺伝子)をめぐる議論、進化経済学の動向などにも触れ、進化論の将来も展望する。本書はダーウィニズムに関する思想史的・社会史的研究であるが、ダーウィニズムは過ぎ去った歴史ではなく、現代の問題なのである。ダーウィンの進化論の影響力、現代性、学際性に注目し、その具体的様相を明らかにしようとしたものである。


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大阪経済法科大学出版部

▼山代義雄著『まちづくり条例制定の法的視点』(3200円)永年大学での教鞭の傍ら、規制型の建前条例の発想を超え「計画は市民、役所が支援」の理念で地方行政に携わってきた著者のまちづくり条例制定への意見書であり、指南書。
 まちづくり施策の重要な視点は、地域の個性、多様性をまちづくりに生かすところにあり、地方公共団体はまちづくり条例などの基礎的本来的な事務について国の法律に積極的に抵触しない限り自らの判断で、施策を実施する権限があることや、必要な場合には行政事務条例により、法律に対する上乗せ・横だし・裾拾いといった実務上の方法等を解説する。
目次 まちづくりと条例―新しい展開を求めて/まちづくり条例制定の法的視点/法施行条例を巡る若干の問題/福祉のまちづくり条例をめぐる法政策/行政手続法と地方自治行政/自治立法にかんする若干の考察/情報公開条例十年の法的軌跡/住民参加論覚書/地方公共団体に対する国の立法的統制及び行政的関与/自治体出資法人の情報公開に関する若干の論考


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大阪大学出版会

▼小川千代子・高橋実・大西愛編著『アーカイブ事典』A5判・並製・320頁・2500円 記録文書を残し整理する技術について個人から国のレベル、そして世界的状況までを資料担当者、利用者が解説。記録群を積み重ねると歴史遺産となること、これからの社会活動にはその利用が必須であることを述べる。アーカイブという言葉の一人歩きにも警鐘。
▼鎌倉利行著『大津事件考』A5判・上製・164頁・3500円 津田三蔵の犯行の動機は? 裁かれる側から見た刑事裁判手続上の問題の所在や事件の本質を解明する。法律実務家(元大阪弁護士会会長)が供述調書、捜査記録や関係文書を丹念に分析・論証した本格的な研究書。
▼坂本忠久著『近世後期都市政策の研究』A5判・上製・320頁・6000円 江戸では町人の風聞を参考として褒賞制度などを実施し、大坂では町奉行からの調査報告を受けて芝居規制などを立案し修正する。その過程を実証的に解説し、町民の姿を浮彫りにさせながら、天保改革がどのように実施されたかを分析する。


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関西大学出版部

▼山川雄巳編注『児島惟謙大津事件手記』(3300円)大津遭難事件は、日本を震撼させたが、大審院長児島惟謙は、政府の圧力をはねのけ、法治国家としての日本の面目を守りぬいた。その強靭な精神の記録は、いまなお新鮮であり、そこで問われている法をめぐる思想は、法が危機にさらされるとき、繰り返し想起されるであろう。
▼岡本哲和著『アメリカ連邦政府における情報資源管理政策』(3000円)アメリカでは、政府の情報資源管理に関わる制度はどのような要因によって形作られてきたのか。情報管理制度の生成と変容の過程を、政治学的アプローチを用いて明らかにした初めての本格的な研究。
▼戒田郁夫著『明治前期における日本の国債発行と国債思想』(2600円)複眼的手法を用いて従来の公債史研究の空白を埋めるユニックな国債思想研究書。(1)最初の外債発行問題に関する、主に仲介者のH・N・レイと利率の評価の再検討 (2)最初の公募内国債の発行についての応募者問題と国内の主要な新聞・雑誌の論説の分析 などが取り扱われている。


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関西学院大学出版会

新刊
▼滝みつる[写真集]
『ソーシャル・ピクチャー・パズル』
―日常から浮上する「もう一つの世界」
(A4変形並製・136頁・2800円)
既刊書より
▼アマルティア・セン著 細見和志訳『アイデンティティに先行する理性』
(四六上製・105頁・1800円)
98年にオックスフォード大学で行った講演録。訳者による解説付き
▼村田俊一著『Journey of a Development Worker』(英文)
(A5変形・200頁・2100円)
UNDPでの活動による様々な経験を著した、国連職員を目指す学生必読の書。
▼岩本健一著『児童自立支援施設の実践理論』(A5上製・140頁・2600円)
▼天野明弘著『環境問題の考え方』(四六並製・200頁・2000円)
▼田村和彦著『魔法の山に登る―トーマス・マンと身体』(四六上製・300頁・2900円)


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九州大学出版会

▼黒積俊夫著『ドイツ観念論との対決―カント擁護のために―』(A5判・330頁・4500円)ドイツ観念論(フィヒテ、シェリング、ヘーゲル、西田)と対決して、〈超越論〉・〈形式的倫理学〉から〈内在論〉・〈実質的倫理学〉へと従来のカント解釈を反転させる視点から、衰退しつつある現代の哲学・倫理学の再興の方途を提唱する。
▼稲垣良典著『人間文化基礎論』〈長崎純心大学学術叢書6〉(A5判・190頁・2800円)キリスト教的ヒューマニズムの光にてらして、「文化の哲学」への序論として、できるかぎり根元的・批判的に「文化とは何か」と問う試み。
▼森正直著『文化経済学原理』〈久留米大学経済叢書11〉(A5判・368頁・3500円)現代の鍵、文化・経済相互作用の諸相と、現象の意味・因果関係・効用等の原理を幅広く解明している。
▼武樹臣著/植田信廣訳『中国の伝統法文化』(A5判・220頁・3800円)数千年に及ぶ中国法文化の歴史を概観して、中国法の特質を解明する。近年の中国法思想史研究の貴重な成果。


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