大学出版部ニュース
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北海道大学図書刊行会

▼栃内香次・木村純編著『21世紀の安全を考える』(四六判・1800円)経済学・工学・理学・医学・法学・水産学・教育学の各分野から、暮らしと社会の安全について解説。
▼篠塚信義・石坂昭雄・高橋秀行編著『地域工業化の比較史的研究』(A5判・7000円)近年、社会経済史学では工業化過程での地域経済の重要性が再認識され、活発に研究が進められている。本書では地域工業化の展開と国民経済形成の間に内在する歴史的関連に新たな視点と解釈を提示。
▼及川敬貴著『アメリカ環境政策の形成過程』(A5判・5600円)まだ知られていない中央環境行政機関=環境諮問委員会CEQの、設立背景、機能実態、活動を歴史的に考察。連邦政府トップレベルの政策決定システムの基本構造を究明する。
▼村上隆編著『サハリン大陸棚石油・ガス開発と環境保全』(B5判・16000円) 石油・天然ガス開発とそれに伴う海洋汚染の蓋然性に関する問題を、自然科学、社会科学、人文科学による学際的立場から分析。オホーツク海圏の資源開発と環境保全に関する共同研究の成果。


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東北大学出版会

▼水原克敏編『自分―私を拓く―』(A5判、341頁、1000円)本書は、東北大学1年生を対象とした教養教育「自分ゼミ」の記録である。この本では、話題提供者の話やその後の討論を通じて、学生達が如何に自分を拓き、そして再構築していったのか、その迷いの様が見えるように編集されている。是非、多くの青年に読んでいただき、人生の糧にして欲しいと願っている。水原編『自分―私がわたしを創る―』の姉妹書。
▼中村維男編著『情報技術と社会』(A5判、192頁、1500円)情報技術に基づいた情報化社会は、インターネットを介して世界中に広がりを見せている。情報技術と人間社会との関わりは、電子商取引やネット金融等のビジネスだけでなく、医学の分野における電子カルテ等にも現れている。その中で、情報化社会におけるセキュリティー・ネットを使った犯罪、著作権の問題等、重要な問題が生じている。本書は、このような内容を、まず情報技術の基本を紹介し、詳細に分かり易く説明している。この分野での恰好の教科書。


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流通経済大学出版会

▼角本良平著『道路公団民営化二〇〇六年実現のために』(3000円)
 道路公団民営化は、実現一歩手前まできた。政府・与党は2006年3月までに実現させるという。国民として、成果を期待したい。しかし、この方針には二つの問題が存在する。その第一が、今後50年の間に債務を完済するという「償還主義」の存続である。第二は、「プール制活用」による不採算路線建設の思想が根強く残っていることである。これらは、2006年に発足するであろう民営企業の経営にとって大きな障害になる。昨年の「民営化推進委員会」の「意見書」でもこれら二つの問題に対する対策は持ち越された。
 本書は、僅か6カ月という短い期間であったが「民営化推進委員会」において、改革をめぐってなされた論争の攻防を詳らかにし、道路建設にからむ問題点を国民の前に明らかにする。そのうえでこの改革を着実に進めるための課題と対策を明示する。3年後に本当の民営化を実現させるために、納税者である国民全員に是非お読みいただきたい一書である。


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聖学院大学出版会

▼ローラ・デラニー・ガルスト、小貫山信夫訳『チャールズ・E・ガルスト――ミカドの国のアメリカ陸軍士官学校卒業生』(四六判・288頁、4000円)。
 チャールズ・E・ガルストは、自らを「単税太郎」と名のり、土地のみに課税すべきことを説き、「社会雑誌」「労働世界」などに寄稿し、また著書『単税論』を著し、明治期社会改革運動の論陣をはった。最晩年には「国会開設」を提言した。また片山潜、高野房太郎たちと交流した労働運動の先駆者であった。しかし、ガルストがキリスト教宣教師として、秋田でキリスト教宣教に取り組んだことは、あまり知られていない。本書は、ガルストの妻、ローラがまとめたガルストの伝記であり宣教師であるガルストが、アメリカの陸軍士官学校を卒業し、何を目指して日本で活動を展開したのか、その経緯を著す第一級の資料である。
 関連書に工藤英一『単税太郎C・E・ガルスト 明治期社会運動の先駆者』(2400円)、保谷六郎『日本社会政策の源流 社会問題のパイオニアたち』(3600円)がある。


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麗澤大学出版会

▼R・ピラード、R・リンダー著/堀内一史他訳『アメリカの市民宗教と大統領』(四六判上製・3600円)
 建国二百年余で世界の覇権国たらんと団結するアメリカ。その力の背景に「市民宗教」という概念を置き、ワシントンからクリントンに至る歴代大統領列伝を物語りつつ、アメリカの宗教と政治の密接な関係を浮彫りにする。アメリカを深層から理解するために必読の書。
▼鈴木宣之著『いちばん好きなこと一直線――子育ては、父親最大の仕事』(四六判上製・1400円)
 著者は、大リーガーとして3年目を迎え、いまや「アメリカン・ヒーロー」ともなったイチロー選手の父親である。息子・イチローの才能を見抜き、意思堅固なアスリートに育て上げた、知・徳・体のすべてを伸ばす独自の教育論を展開する。


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慶應義塾大学出版会

▼小熊英二・上野陽子著『〈癒し〉のナショナリズム―草の根保守運動の実証研究』(1800円)気鋭の歴史社会学者・小熊英二が、保守運動「新しい歴史教科書をつくる会」につどう自称「普通の市民」たちのメンタリティと心の闇を浮き彫りにし、「現代日本のナショナリズム論」を展開する注目の一冊。
▼国分良成編著『中国文化大革命再論』(慶應義塾大学地域研究センター叢書、3400円)新旧・内外の人材を結集した、画期的な「文革」研究論考集。
▼アントニア・フレイザー著・加藤弘和訳『信仰とテロリズム―1605年火薬陰謀事件』(4000円)マイノリティとテロの問題を歴史的大事件の中に読む。
▼慶應義塾大学理工学部環境科学研究室編『首都圏の酸性雨―ネットワーク観測による環境モニタリング』(5400円)12年に及ぶ測定による分析と、効率的な環境モニタリングの可能性を示す。
▼西澤直子編『福澤諭吉著作集10 日本婦人論日本男子論』(2600円)敬と愛による独立した男女・家族関係を主張した、先進性あふれる福澤の女性論集。


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産能大学出版部

▼山口宗秋著『高年者を上手に活かす企業、活かせない企業』(1800円)
 高齢化が進んでいる。顧客も消費者も従業員も。リストラで高年者を外しても、残った若い従業員もやがて高齢化していく。企業が存続する限り、高年者雇用の問題は続いていく。したがって当面の不況対策と並行して、将来を見据えた高年者対策が必要である。単なる雇用の維持から活用に重点を置き換え積極的に高年者対策に取り組む企業のことは、若い従業員を含めた社内の全従業員に、働きがい、生きがい、希望を与えるであろう。本書は避けて通れない高年者の雇用・活用上のブレーキとなっている問題点を洗い出し、不況下だからこそ必要な、実務ですぐに役立つ対策として、詳しくまとめている。
▼飯田亨著『地球のかくされた謎―二○○四年からすべてが変わる―』(1000円)
 本書では過去の出来事から政治、経済、世界情勢、天変地異やさまざまな業種にいたるまで、陰陽背理(逆さまで一つ)の対称性で解き明かそうとしている。


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専修大学出版局

▼藤本一美『戦後政治の決算1971−1996』(3300円)前作『戦後政治の争点1945−1970』より4年が経った。その後の1996年までの26年間を1年毎に取り上げ、真に筆者自身が歩んできた戦後政治との関わりを踏まえて決算をした。もはや明確な「保守対革新」の対立軸は存在しない。本書は、戦後の政治ばかりでなく、近くて遠い現代史の再認識の基礎資料として役立つであろう。
▼矢澤昇治編『環境法の諸相−有害産業廃棄物問題を手がかりに−』(4400円)環境問題を解決するために環境法の体系化が、早急に求められている。本書は、これまでの個々の法領域ごとの断片的なアプローチを超えて、新しい法分野としての環境法の確立を目指す。
▼吉田雅明編『複雑系社会理論の新地平』(4400円)複雑系は人文・社会科学に一体何をもたらしたのか。各分野から複雑系的な問題領域を提示し、コンピュータ・シミュレーションを駆使し、市場における独占や、原始社会における商人と取引ルールの創発、企業間の価格競争のメカニズムなどを解明する。


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大正大学出版会

▼小峰彌彦著『般若心経に見る仏教の世界』(2200円)これまでにない視点から『般若心経』の種々の疑問を解く、本格的な解説書。『般若心経』をその母体である般若経を通して、新たな問題提起を加えつつ、広い視野から仏教の世界の今日的理解を平易に提示している。
▼倉島節尚編『宝菩提院本 類聚名義抄』(6500円)京都東寺宝菩提院に伝わる『類聚名義抄』の写真複製と観智院本との関係についての論考を添えた。本写本は、高山寺本等の諸本には見られない部分が書写されており、辞書史・国語史研究の貴重な資料として必備の書。
▼清水宥聖・千葉眞郎編『与謝野晶子書簡集―印影と翻刻―』(12000円)与謝野晶子の処女歌集『みだれ髪』成立背景を解き明かす第一級の資料。本学所蔵の書簡43通の写真版・翻刻を掲載。


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玉川大学出版部

▼K・マックリーン著/井島真知・芦谷美奈子訳『博物館をみせる』(4000円)。博物館の展示とその開発はどうあるべきか、利用者の立場を展示の作り手はどう考えればいいかを包括的に述べる。
▼M・ブラン=モンマイユール他著/松本栄寿・小浜清子訳『フランスの博物館と図書館』(3200円)図書館・博物館に共通するもの異質なものを問い直し、一般への公開法と利用法、研究機関・生涯学習機関としての機能を論じる。
▼山本東次郎編著『山本東次郎家 狂言の面』(15000円)。山本東次郎家伝来の狂言面五六面を、原寸・原色で再現。一級の面打ち師たちが心の限りを込めて打ち、代々の狂言方によって受け継がれ、能舞台で生き続けて来た面の数々。


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中央大学出版部

▼中央大学ロースクール進学対策特別委員会・現行司法試験対策特別委員会編『法律家をめざす諸君へ―二○○三年度版』(2000円)法科大学院の設立と新司法試験について詳細に記述。現役の法律家が仕事の内容を紹介し、現行の司法試験合格者が試験突破のノウハウを熱く語る。
▼奥田泰弘編著『市民・子ども・教師のための教育行政学』(6000円)教育改革を展望し、学校教育と社会教育を総合的に論じたわが国初の教育行政学書。教育行政に関心を持つすべての市民に示唆を与える。
▼上田高昭著『西田幾多郎の姿勢―戦争と知識人』(2400円)戦時中、反帝国主義や学問の自由を主張した西田の姿勢を明確に捉え、戦後に悪質な捏造記事で西田排撃に走った人々の過誤を解明する。
▼森松健介著『十九世紀英詩人とトマス・ハーディ』(5000円)日本翻訳文化賞を得た著者の詩人ハーディ論。万人の経験を歌う詩人像を描き出し、全詩の概要と滋味を抽出する。19世紀詩人論満載。


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東海大学出版会

E-BOOKの配信が始まります
▼宮田昇著『学術論文のための著作権Q&A――著作権法に則った「論文作法」(電子版)』(1000円)
 今年2月の発刊以来、教員、研究者、を中心に好評の本書を、当会ホームページ〈http://www.press.tokai.ac.jp/〉から電子配信することになりました。
 書籍版と同等の字面、図表などが表現でき、デスクトップはもちろん、ノート型PCにデータを移せば、外出先でも気軽に読むことができます。特別な専用端末は必要ありません。データ配信形式は、世界標準のPDFを採用。実際に読むには、アドビ社が無償提供しているAdobe Acrobat eBook Readerが必要です。
 本書はホームページの目玉コンテンツのオンライン知的コラム“WebTOKAI”に十数回連載したものを再編集し、紙媒体の書籍版と電子版で公刊する、ワンソース・マルチユースを体系化したものです。
 今後も“WebTOKAI”のコラムを中心に電子書棚を充実して参りますが、一部から注文→印刷・製本→納品が可能な“オンデマンド新刊”の出版も計画中です。


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東京大学出版会

蓮實重彦/アンドレアス・ヘルドリヒ/広渡清吾編『大学の倫理』(2600円)。
 2002年3月に「大学の倫理」をテーマに開催されたミュンヘン大学と東京大学の第二回シンポジウムをまとめる。
 「古典的大学」が市場化グローバル化の趨勢のなかで、いかに適合的な変容をとげうるか、大学を大学として成り立たしめる諸原則を維持しながら、新しい社会的要請にどのように応えていくか。「趨勢」に従属せず、批判的な分析を伴って、社会の真の要請を見極めようと問いかける。大学がいかにあるべきかを大学の立場で主体的に思索し、考察する仕事の全体を総称する含意で表題を「大学の倫理」とし、研究のあるべき姿と基準、教育のあり方、歴史と人類に責任をもちうる大学の位置づけなど、様々な課題とアプローチを包摂した。


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東京電機大学出版局

 インターネットの普及によるIT化の波は高等教育の世界にも押し寄せ、eラーニングに代表されるITを用いたオンライン教育が盛んになっている。高等教育を取り巻く環境はますます厳しくなるが、eラーニングは果たして本当に救世主になり得るのか。今必要なのは、事実の冷静な分析による現状把握と、効率的な運営手法の習得である。明確な答えを提示する二冊の新刊を紹介する。
▼吉田文著『アメリカ高等教育におけるeラーニング―日本への教訓』(3000円)IT化が広範に進み、eラーニングがもっとも普及しているアメリカの事例を取り上げ、詳細に分析。教員の役割、学生生活、教育内容、学位の発行、コスト管理など、大学教育の変容するしくみを考察し、その功罪を明確にするとともに、今後の日本への教訓を得る。ITで日本の大学は生き残れるのか?
▼清水康敬監訳『インストラクショナルデザイン入門』(5400円)効率的・効果的なeラーニングコースを開発するための手法であるインストラクショナルデザインを詳述した実践ハンドブック。


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東京農業大学出版会

〈カラー写真集100の素顔シリーズ〉
▼『サハリン100の素顔 もうひとつのガイドブック』サハリン100の素顔編集委員会編・伊藤雅夫責任編集
 近くて遠いところというイメージの強いサハリン。東京農大樺太農場の跡に立つなど、日本の痕跡も興味深い。1月の平均気温が零下13.8度という、激寒地域に生きる人々の生活が伝わってくる。
 平成15年3月/B6判/128頁/本体価格1600円

〈カラー写真集100の素顔シリーズ〉
▼『東京農大お宝一〇〇選 もうひとつのガイドブック』東京農大編・鈴木俊責任編集
 知られざるお宝を公開。明治24年創設以来2003年で112年目を迎える東京農大の一品逸話集。創設者榎本武揚、初代学長横井時敬、鈴木梅太郎、棟方志功……、様々な人々の関りのなかから大切にしてきたものに触れることができる。
 平成15年3月刊/B6判/144頁/本体価格1600円


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法政大学出版局

川島秀一著/四六判・上製・3200円
▼『漁撈伝承』(ぎょろうでんしょう)
・朝日新聞/川村邦光氏評(抄録)
漁師たちは漁の吉凶の兆しを敏感に感じ取って、災いを福へと転換させようとした。著者はそのような漁師たちの「神と共に生きている」姿を津々浦々を巡って見聞きし……「人知に尽くせぬ自然に対して、謙虚に向き合ってきた、漁師の胸騒ぎのようなもの」を描いてきたとまとめている。私には、漁師たちの黒潮の轟きのような胸の高鳴りの世界が浮き彫りにされていると思われた。
・北海道新聞他/赤羽正春氏評(抄録)
……著者の心根の温かさから来る見事な調査によって、海の民俗は漁業習俗だけでなく、それを支えた浜のオッカサンやカシキ、最も人に近い神々を扱う新しいジャンルの海洋民俗学に結実した。海に生きる人々が時にかいま見せる細やかな動作、その裏側に見えるトオチャンたちの気の小ささ、若いカシキの恐怖感、
……これらをすくいあげて学問につなげていく手法の見事さ。観察眼は温かく、民俗は限りなく人の心に接近している。


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放送大学教育振興会

平成15年の新刊図書は学部90、大学院5の合計95科目である。放送大学の15年度開設科目358に含まれ、履修登録をした学生の手元に3月末日までに届けられた。
▼履修者数のトップテン(平成15年度第1学期開設科目。カッコ内は受講者概数=単位百名。外国語を除く)
学部科目=[1]ユング心理学(49)[2]患者からみた医療(47)[3]心理臨床の世界(38)[4]心理学初歩(37)[5]心理学研究法(28)[6]人体の構造と機能(27)[7]自己を見つめる(26)[8]リハビリテーション(26)[9]社会福祉入門(25)[10]障害児教育指導法(25)
大学院科目=[1]学校臨床心理学(20)[2]発達心理学(18)[3]学校システム論(17)[4]情報教育論(15)[5]学校臨床社会学(12)[6]家族心理学特論(12)[7]認知行動科学(12)[8]臨床心理面接特論(11)[9]精神医学(11)[10]才能教育論(11)
 右のように心理学・医学・教育・福祉などの科目の人気が高いのがここ数年の傾向であり、学生・一般社会人など生涯学習を志す受講生のニーズがどの分野にあるかがうかがえて面白いデータである。


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明星大学出版部

 現在、学校教育において不登校や、いじめ、学級崩壊など多くの問題が指摘されている。不登校は児童に教育を受ける機会をなくすばかりでなく、他に必要な多くのことを学ぶ機会を逸しさせる。例えば、友人との付き合いや親からの自立。
 オーストラリアの思春期を専門とする精神科医、クリス・ウエバー医師は不登校児のために絵本『THE SCHOOL WOBBLIES』を執筆、同じ精神科医のニール・フィリップスにイラストを依頼した。「スクール ウオブリーって知っている?」との問いかけから始まる本書に多くのオーストラリアの不登校児が救われた。
 著者の友人であり、英文の本書を読んで感激し、日本の不登校児に是非読ませたいと翻訳、本出版部で刊行に向け尽力されていた田部田 功氏(本学人文学部心理・教育学科心理学専修専任講師)が急死するという予期せぬことが生じた。しかし、故人の遺志を知る友人らによって、日本語訳の絵本『学校いやいやお化け ウォブリー』(本体1200円)として刊行、好評販売中である。


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早稲田大学出版部

▼『現代都市とエスニシティ−シカゴ社会学をめぐって』(秋元律郎/4800円)現代都市における多様な人種と文化葛藤の諸相を、シカゴ社会学のエスニシティ研究に即して考察する。
▼『完全リサイクル型住宅 III−生活体験と再築編』(尾島俊雄監修/2000円)リサイクル住居での生活を基に新しい建築様式を提案。早大理工総研シリーズ21
▼『ドイツ表現主義と日本−大正期の動向を中心に』(酒井府/6500円)日本はドイツ表現主義をどう受容したか。評論、翻訳を渉猟し知識人の反応を探る。
▼『父−家族概念の再検討に向けて』(孝本貢・丸山茂・山内健治編/3400円)家族の概念が揺らぐ今、父を通して家族とは何かを考える。シリーズ比較家族第III期刊行開始/第1巻


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名古屋大学出版会

▼秋田 茂著『イギリス帝国とアジア国際秩序−ヘゲモニー国家から帝国的な構造的権力へ−』(5500円)政治外交史と経済史を統合する新たな国際関係史の構築を試みた力作。
▼安藤隆穂編『フランス革命と公共性』(5000円)革命を規定した公共性の転換の諸相を分析、自由をめぐる公共圏創出のダイナミズムを捉え、公共性論・フランス革命史に新たな次元を拓く。
▼望田幸男編『近代ドイツ=資格社会の展開』(5800円)非エリート層に焦点を当て、職業資格に基づいた社会編成の展開と、人々の葛藤を照射する資格社会論の新たな成果。
▼田尾雅夫・西村周三・藤田綾子編『超高齢社会と向き合う』(2800円)かつて誰も経験したことのない来るべき社会を概観し、そこで充実した生を送るための具体的指針を提供する。
▼堀田 饒監修『糖尿病−予防と治療のストラテジー−』(5000円)最新の知見をふまえ、合併症に重点をおきつつ糖尿病の予防と治療の実際、医療経済と治療の最前線までを丁寧に解説。


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三重大学出版会

▼石田正昭・波夛野豪編著『循環型社会における「食」と「農」』(B5判、118頁・1300円)
 商品の生産・消費・再生産のプロセスを適切に制御する社会を循環型社会という。その循環型社会の中では、環境負荷の少ない「食」と「農」との連携の仕方が課題となる。食と農との距離を短縮すること、生産から消費にいたる動脈産業と廃棄から再生利用にいたる静脈産業とを効率的、効果的に結合する循環型ネットワークの重要さが説かれている。
 三重県では「地産地消ネットワークみえ」その他の取り組みが活発に展開されている。それらの活動を「活動モデル」として紹介することも本書の目的の一つである。人文、社会、自然諸科学の専門家、「地産地消ネットワーク」の活動家からの総合的な知識、リアルな実践報告も含まれている。実践の指針を求める一般読者には必読の書である。教養課程の教科書としても役立つ。
▼『三重大学遠隔事業室報告 '02』三重大学遠隔事業室編。三重大学と米国ノースカロライナ大学との遠隔授業の報告集。


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京都大学学術出版会

▼A・A・ロング著/金山弥平訳『ヘレニズム哲学−ストア派、エピクロス派、懐疑派−』第二版(A5判・440頁・5500円)ごく近年まで、ヘレニズム哲学は「プラトンやアリストテレスとは比較しようのない二流思想家が生んだ退屈な産物」とみなされていた。その誤解を払拭し、最近のヘレニズム哲学ルネサンスをもたらした世界的名著が、最適の訳者を得てようやく日本語になった。本書によって、エピクロスはたんなる実践的快楽主義者ではなく、総合的な思考を展開した当代きっての哲学者であったこと、懐疑主義は近世哲学における認識論の隆盛を触発することになった革新的な思想であったこと、またストア派の論理学、言語哲学、倫理学はその後の西洋哲学に巨大な影響を及ぼしたことが明かされる。同時に、中世、ルネサンス、宗教改革、啓蒙主義、近世哲学のそれぞれの段階でどのような影響を及ぼして今日に至ったかも展望されている。最良の入門書であるとともに、近現代の哲学研究者にとってもその背景を知る最適のテキストである。


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大阪経済法科大学出版部

▼『入門 経済政策−日本経済の再生を求めて−』星川順一著/1800円/経済政策の究極の目的は人的資本の向上にある。特に資源のない日本経済にとっては、最上の課題である。経済政策を学ぶ上で、重要と思われる主要な観点を、ケインズ等の古典的な研究業績に留意しながら、現代日本の経済政策で直面する課題を例証しつつ、論点をまとめる。
▼『図解 いま日本政治は!』憲法研究所編/1500円/いま日本は政治制度を含め様々なシステムの急激なほころびが進んでいる。いま日本の政治はどうなっているのか、どこを変えるべきなのか。本書は図解を通じて出来るだけ簡明な形で浮き彫りにする。また憲法研究所は故田畑忍博士が創立され四〇余年、京都を中心に非戦、平和、護憲、中立を旗印として活動をする憲法研究者を中心とする団体。/序 民主主義断章/I いま公共政策の決定過程は!/ II いま議院内閣制は!/ III いま議会制民主主義は!/ IV いま安全保障は!
▼再版出来『現代アジア最新事情』2600円/『現代社会と人権』2500円


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大阪大学出版会

〈大阪大学新世紀レクチャー〉創刊
講義で実際に使用されるテキストを一挙大公開!阪大の特徴を生かした内容満載の待望の入門・基礎シリーズ。身近な社会生活を充実させる珠玉の知識/松井茂記著『日本国憲法を考える』四六判・1800円 現代の社会現象から憲法基礎理論を説く/西原力編『新ウェルネス栄養学』B5判・2000円 心と体の健康のための食べ物の話/大中逸雄・高城敏美他編著『輸送現象論』2000円他
▼小泉潤二編『Dynamics of Cultures and Systems in the Pacific Rim』菊判・300頁・4000円 環太平洋地域における政治・経済・国家・民族など多義的に捉えたシステムと文化の関わりを検証。インドネシアの織物からみたポスト植民地時代の伝統、国際資本時代に生きる小島国フィジー、豪州・NZ地域通貨がもたらす社会構造の変革他
▼K.Takada/W.R.Proffit編著『Orthodontics in the 21st Century』B5判・216頁・10000円 世界的権威が語る歯列矯正の先端技術を豊富な写真・図版を通して紹介した保存版。


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関西大学出版部

▼野村幸正編著『行為の心理学』(1500円)熟達者は、なぜ時と場所を得た即興的能力を技として発揮することができるのか? 人は場所に働きかけ、その行為を通して自己を形成する。身体、システム、関係性をキーに、熟達者の即興的行為を読み解いてゆく。
▼ロバート・オザーン著、伊藤健市訳『アメリカ労使関係の一系譜』(4700円)マコーミック収穫機会社とその後継インターナショナル・ハーヴェスター社における一世紀にわたる歴史を題材にニューディール型労使関係の成立過程やウェルフェア・キャピタリズムの起源を一次資料を駆使して克明に描く。
▼岩佐代市著『金融システムの動態』(7200円)過去30年にわたるわが国金融システムの変容・変革過程を理論的・実証的に考察し、現下の金融システム不安定性の背後にある基本的要因を摘出し、銀行制度と金融規制に関する大胆な改革論を提示する。特に、預金保険制度の廃止、郵貯改革による公的ナローバンクの創設、柔軟なルール主義的金融行政の重視は興味深い。


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関西学院大学出版会

新刊
▼アマルティア・セン著 細見和志訳『アイデンティティに先行する理性』(四六上製・105頁・1800円)
98年にオックスフォード大学で行った講演録。訳者による解説付き
▼村田俊一著『Journey of a Development Woker』(英文)(A5変形・200頁・2100円)
UNDPの活動による様々な経験を著した、国連職員を目指す学生必読の書。
▼岩本健一著『児童自立支援施設の実践理論』(A5上製・140頁・2600円)
問題行動を起こした子どもを対象とする児童自立支援施設で、長年取り組んできた著者による実践例を紹介。
既刊
▼天野明弘著『環境問題の考え方』(四六並製・200頁・2000円)
▼田村和彦著『魔法の山に登る−トーマス・マンと身体』(四六上製・300頁・2900円)
▼大日向幻著『イギリス諷刺詩』(A5上製・253頁・3800円)


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九州大学出版会

▼清水展著『噴火のこだま−ピナトゥボ・アエタをめぐる被災と新生をめぐる文化・開発・NGO−』(A5判・382頁・5200円)1991年のフィリピン・ピナトゥボ山の大噴火は20世紀最大級の規模であった。本書は、被災した先住民アエタの民族としての10年にわたる生活再建の歩みと新生の記録である。
▼古谷嘉章著『憑依と語り−アフロアマゾニアン宗教の憑依文化−』(A5判・386頁・5800円)黒人奴隷制と天然ゴムブームがブラジル・アマゾンで生み出した、著しく混淆的なアフリカ系憑依文化のエスノグラフィー。
▼川田牧人著『祈りと祀りの日常知−フィリピン・ビサヤ地方バンタヤン島民族誌−』(B5判・344頁・7500円)フォーク・カトリシズムの枠組みで語られてきた様々な事象を、ビサヤ民俗社会における知識の運用と生活実践という観点から民族誌的に捉えなおす。
▼浅野ひとみ著『スペイン・ロマネスク彫刻研究−サンティアゴ巡礼の時代と美術−』〈長崎純心大学学術叢書5〉(A5判・424頁・12000円)。


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