大学出版部ニュース
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北海道大学図書刊行会

▼中野繁著『川と森の生態学』(A5判・6000円) 僅か37年で人生を駆け抜けていった著者の、国際的に高い評価を受けている独創的研究の成果集。すぐれた研究プロセスを知るための一冊。
▼宮本謙介著『アジア開発最前線の労働市場』(A5判・6000円) 産業構造と労働力配置の再編が急速に進展する新興開発拠点七地域を事例として、日系多国籍企業を中心に、個別労働市場の再編過程を分析し、その国際比較を試みる。
▼酒井昭著『植物の耐寒戦略』(四六判・2400円) 樹木はどれくらいの寒さに耐えられるのか、なぜ凍っても生きられるのか。植物の寒さに対する高い適応能力と多様な生存戦略について解き明かす。
▼辻井達一・岡田操著『写真集 北海道の湿原』(B4変型・18000円) 日本の湿原の80%が集中する北海道。航空写真を主体とした300枚を超えるカラー写真の迫力は見る者を圧倒する。
▼辻井達一・橘ヒサ子編著『北海道の湿原と植物』(四六判・2800円) 51の湿原と湿原植物416種を600枚のカラー写真で紹介したフィールドガイド。


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聖学院大学出版会

▼ジョン・ミルトン著、新井明・野呂有子訳『イングランド国民のための第一、第二弁護論』(近刊)
 イギリス革命期に国王チャールズ一世を処刑したイングランド国民に対して、フランスの学者、サルマシウスなど国王派は、「王権神授説」を掲げ、イングランド国民を非難する文書を出した。これに対して、ジョン・ミルトンは「国王といえど、暴君であれば国民に服従の義務がない」ことを主張し、イングランド国民を弁護した。ミルトンの論拠は神の賜物としての「理性」を用いて、「統治形態と為政者」を選び取り、国王という名の為政者が暴政に走った場合にはこれを廃位し裁き、罰する「自由」が与えられている、というものであった。
 ミルトンのこの「神の賜物としての理性と自由」の理念は、ジョン・ロックに継承され、名誉革命、アメリカ独立宣言、など現代まで脈々と流れる思想となったのである。本書は、ラテン語原文から翻訳され、訳注・解説によって、その思想を現代において理解できるように便宜が図られている。


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麗澤大学出版会

▼諸橋轍次著『誠は天の道【東洋道徳講話】』(四六判上製・1500円)
 本書は文化勲章を受章した著者晩年の講演録の復刻版であるが、いま読んでも現代日本の病弊(モラルの低下)を癒す良薬のごとく心に響いてくる。
 著者は、儒学の普遍的原理に基づき、人間が美しく強く生きるための目標とその実現法を明解でわかりやすい言葉で説いている。日経連載「私の履歴書」収載。
▼蜷川讓著『パリの宿―日仏文化交流史試論』(四六判上製・2500円)
 日本の近・現代の歴史は、外国文化の咀嚼・吸収の上に築かれてきたといってもいい側面をもつ。著者は、その典型例として「日仏の文化交流」を取り上げる。
第一章・パリの宿
第二章・日仏文化交流史上のロマン・ロランとアンドレ・マルロー
第三章・フランス陶芸紀行


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慶應義塾大学出版会

▼佐谷眞木人著『平家物語から浄瑠璃へ―敦盛説話の変容』(4000円)『平家物語』の古典芸能への受容の経緯を初めて検証した意欲的研究。
▼庭田範秋監修『新世紀の保険』(3000円)現代保険業が挑戦すべき課題について、研究者と実務家が様々な角度から分析し、積極的に提言を試みる論文集。
▼高田朝子著『危機対応のエフィカシー・マネジメント―「チーム効力感」がカギを握る』(1800円)新しいリスク・マネジメントの理論と方法を提言。
▼河野哲也著『レポート・論文の書き方入門 第3版』(1000円)インターネットでの資料検索方法や、情報倫理問題、ネット上の著作権の扱いなどを増補。
▼巽孝之著『アメリカ文学史―駆動する物語の時空間』(2400円)米文学史をロード・ナラティヴとして読み直すという全く新しい文学史テキスト。詳細な年表、コラムなど入門者向け資料も満載。
▼服部禮次郎編『福澤諭吉著作集11 福翁百話』(3200円)円熟期を迎えた福澤が、知友との対話の記憶を辿りながら縦横無尽、明快闊達に記した随筆集。


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産能大学出版部

▼産能大学出版部編『現代ビジネスハンドブック』(1500円)
 ビジネスマンが仕事を進めるうえで欠かせない言葉である「会社語」を集め、その基礎概念が捉えられるように、コンパクトな用語集としてまとめました。社会人の一般常識として、経営・マネジメントを学ぶ学生諸君がよりスムーズに勉学を進めるための必携書。
▼会社語研究会編『現代会社語ハンドブック』(1500円)
 業務や人間関係を円滑に進めるためのビジネスの常識が満載。
☆新入社員:各部門がどんな仕事をしているかを知りたいとき、全部門を概略的理解できます。
☆中堅社員:他部門との打ち合わせや会議に出席すると、いろいろな専門用語が出てきます。そのようなとき常識的に理解しておいた方がよい基礎用語が習得できます。
 本書で知識を確認し実践すれば、自信を持って生き生きとしたビジネスライフがおくれます。


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専修大学出版局

▼ピエール・スイリ/西川正雄/近江吉明監修『歴史におけるデモクラシーと集会』(2800円)
 時代や地域を越えて多様な「集会」「会合」を検証。従来「民主主義」としてイメージされてきた西欧起源の民主主義を相対化しつつ、民主主義を再検討し、その新たな可能性を問う。フランス革命期の議会、日本中世社会における惣村、エチオピア・オチョロの集会など。
▼古城正佳『米沢藩刑法』(6800円)
 米沢藩の刑事判例集に収録された7800件に及ぶ判例など膨大な史料を精査。刑罰の身分別適用の実態、乱心者への刑事責任能力の問い方などを江戸時代全般を通じて多角的に解明する。
▼雷新軍『日本の経済発展における政府の役割―産業政策の展開過程の分析―』(5600円)
▼陳振雄『台湾の経済発展と政府の役割―いわゆる「アジアNIES論」を超えて―』(4500円)
▼専修大学今村法律研究室編『今村力三郎訴訟記録32 大逆事件(三)』(4175円)


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玉川大学出版部

▼小原國芳著/D・トレルファ訳/小原芳明監修/全人教育研究所編『Kuniyoshi Obara's Theory of Zenjin Education』(1600円)玉川学園を創立し、90年の一生を教育一筋に捧げた小原國芳。教育書のバイブルとして高い評価を得ている主著『全人教育論』の英日対訳版。
▼L・キーグ、M・ワガナー著/高橋靖直訳『大学教員「教育評価」ハンドブック』(2800円)大学教育の改善のために、教員が協力して評価をする、これが本書の中心テーマであり、「形成同僚評価」の具体的なプログラムを提示。
▼M・サンダーソン著/安原義仁訳『イギリスの大学改革 1809-1914』(2900円)現代の高等教育システムに直接連なる変化の歩みを、理念、教会や国家、産業界との関係、中等教育との接続、社会階層などの観点から概観する。
▼F・ルドルフ著/阿部美哉・阿部温子訳『アメリカ大学史』(5500円)両親に代って紳士を育てるカレッジと、学術研究、専門職教育等を推進するユニヴァーシティーの二形態に分けられるアメリカの大学の歴史を通観した古典的名著。


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中央大学出版部

▼茅野信行著『アメリカの穀物輸出と穀物メジャーの成長』(2700円)穀物メジャー(大手穀物商社)は価格をつり上げられるのか? 穀物メジャーの生き残り戦術とは? 業界屈指の穀物トレーダーが、国際穀物事業の舞台裏を明かしつつ輸出事業の本質に迫る一冊。
▼中央大学大学院総合政策研究科日本論委員会編『日本論 II ―政策と文化の融合』(2700円)日本型経済システム、日本人の国際感覚、日本独特の社会観念等さまざまな分野について過去を鑑としながら、混迷する現代日本を分析する。
▼建部正義編著『21世紀の金融システム』(2800円)現代資本主義の性格の解明、金融規制に関わる広範な課題、エコマネーなどを題材として、タイトルどおり、「21世紀の金融システム」のあり方を体系的に指し示す。
▼渡邉浩司著『クレチアン・ド・トロワ研究序説―修辞学的研究から神話学的研究へ』(4500円)「アーサー王物語」の実質的な創始者であり、12世紀ルネサンスを体現する西欧中世最大の物語作家を扱った本邦初のモノグラフィー。


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東海大学出版会

 日本の大学で学ぶ留学生を読者対象として、日本語学習および基礎科目の教科書を刊行してきた。2002年度より日本の大学への留学を希望する外国人留学生を対象とした「日本留学試験」が実施されている。そのシラバスに準拠した留学生向けの新しい教科書を刊行する。専門用語には中国語・英語の対訳つき。
▼『日本の大学をめざす人の生物学』東海大学留学生教育センター編 谷晋・伴野英雄・小田隆治著/A5判/224頁(予)/本体価格2800円(予)
▼『日本の大学をめざす人の物理学』東海大学留学生教育センター編 小西久也・南里憲三著/A5判/224頁(予)/本体価格2800円(予)
 日本で学ぶ留学生のための既刊書は以下の通り。▼『新装版 日本語初級』I・II▼『日本語初級 文法説明』I・II 中国語版/英語版/韓国語版▼『日本語中級I』▼『日本語中級I 用例集』▼『日本語 口頭発表と討論の技術』▼『留学生の数学I』▼『留学生の数学 II』▼『留学生の物理学』▼『留学生の化学』*いずれも東海大学留学生教育センター編。


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東京大学出版会

いまヨーロッパの文化状況を読む新刊。
▼小坂井敏晶『民族という虚構』(3200円)。フランスで活躍する著者は「共同体意識」がマイノリティを媒介に生成されたものであることを社会心理学的に分析、なぜこの虚構はかくも堅固なのかを徹底的に考え、「開かれた共同体概念」を試論する。
▼東京大学教養学部ドイツ語部会編『Prismen』(「プリスメン」/テキストのみ1900円、CDつき3000円)は、「ドイツ語学習から他者理解へ」とつなぐ教材。多和田葉子(ドイツ語作家)の小説などに現代のドイツの文化状況を読んでゆく。本書にも文章が収録されている、コミュニケーション・メディア研究者の▼ノルベルト・ボルツ『世界コミュニケーション』(3800円)では、いまや世界そのものにとってかわったコミュニケーション空間に登場するあらゆるもの――サッカーへの熱狂、ブランド、ニューエコノミー……に対して考察が繰り広げられる。そしてその行間にルーマン、ハーバマースらドイツ現代思想にたいするもっとも深い洞察がのぞく。


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東京電機大学出版局

 「バイオメカニズム」とは、人間を含む生物の形態・運動・情報および機能との関係を、工学や医学・生物学などのさまざまな方法論で解析し、その応用を図る学問分野である。小局では「バイオメカニズム・ライブラリー」(バイオメカニズム学会編)として、次の2点を新たに刊行した。
▼小川鑛一著『人と物の動きの計測技術―ひずみゲージとその応用―』(144頁・2500円)ひずみゲージを用いた力・圧力・加速度などの計測は、工学の分野ではごく日常的なものであるが、医学分野での活用事例は少ない。これらの使用法から、おもに人の動作を計測する応用例を平易に解説。
▼小川鑛一他著『看護動作のエビデンス』(178頁・2500円)看護・介助の動作については、従前から経験則に頼ってきたところが大きい。この動作について、工学的な根拠に基づいた有効性や活用事例を解説。
既刊▼赤澤堅造著『生体情報工学』(178頁・2500円)生体機能の知識と工学との関連を平易に解説。


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東京農業大学出版会

〈シリーズ・実学の森〉
▼『真・情報学―未来を学ぶ―』東京情報大学「真・情報学―未来を学ぶ―」編集委員会編
 ますます進化を遂げるIT(情報技術)の華やかな側面が強調される中で、具体的解決が急がれる環境破壊(ENVIRON-MENT)についての取り組みを情報をキーワードに平易に解説したもの。
 平成14年11月/B6判/182頁/本体価格1000円
〈シリーズ・実学の森〉
▼『ミセス・ファーマーの挑戦―女性起業家の夢と活力―』田辺正宜著
 著者の妻、田辺美代子さんは、女性ビジネスのトップランナーの一人。熊本県八代市でハーブと花苗の生産販売を営む。日進温室組合・花苗育苗センター所長として、「私がやるのだ」という強い意志と、謙虚な学ぶ姿勢がミセス・ファーマーのマネジメントの基本にあることが本書で読み取れる。特に女性起業家、男女共同参画などについて参考になる。
 平成15年1月刊/B6判/178頁/本体価格1200円


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法政大学出版局

▼柳父章著…四六判・上製/2500円『秘の思想――日本文化のオモテとウラ』
古代日本における舶来文物、とりわけ翻訳語としての漢字の受容のあり方が、「秘すれば花」(世阿弥)の〈秘〉の文化の原型となり、近世初頭のキリシタン禁制(宗門改め)において、差別や近代天皇制につながる秘の思想が日本文化の核として定着したとする斬新な日本文化論。翻訳=異文化受容の問題に日本文化の秘密を解くカギがあると一貫して主張してきた著者の翻訳論の画期をなす最新著!
朝日新聞・清水克雄氏評(2002年12月15日)…古代から脈々と続く日本人の精神の型にこだわって社会の秘密に迫った、久々に歯切れのいい日本論だ。


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放送大学教育振興会

 平成15年4月より開講する科目から主なものを紹介する。
▼学部開設科目
『計算科学』(杉本大一郎著)…理論と実験というこれまでの科学の方法に加えて、新しく台頭し今や主要な方法に成長した計算科学の現状とその意義を解説する。専門分野にとらわれない基幹科目の一つとして開設される。
『都市と人間』(倉沢進・香山寿夫編著)…人間活動の舞台である都市と人間の関わりの諸形態を考察するとともに、光と影に注目して問題点とその克服のための人間の努力に目を向ける。
『エネルギー工学と社会』(内山洋司著)…持続可能な成長を支えるためにはエネルギーの多様な供給と無駄のない消費が求められている。この科目ではさまざまな観点から将来のエネルギー問題を考察する。
▼大学院開設科目
『環境工学』(鈴木基之編著)…大気汚染や水質汚濁、地球温暖化、環境ホルモンなどの問題の解明と対応策について技術的・経済的・社会的に論じる。


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明星大学出版部

 中国語ブームなのか、平成4年に発刊の『中国語基本用例辞典』(明星大学中国語研究会編著 3502円)の照会が多いので再度紹介したい。語学学習には単語を調べるための辞書とともに用法を解説した参考書が必携となる。しかし、日本における中国語教育の歴史はかなり長いにも関わらず用法を中心とした参考書があまりに少ない。そんな声を受け、中国語の初級学習者が具体的な用法を容易に理解できるように初級の単語に限定して用例を中心に意味を記載し、発行したのが『中国語基本用例辞典』である。本書は動詞、補語の用法を詳しく文型から解説し、日中同型語の意味の対照のみならず、中国で使われている簡体語と日本の常用漢字との対照にも注意している。さらに中国語を学習する方達が困難としていた簡体語の筆順も問題字のみだが網羅されている。本書一冊で中国語の全学習段階に対応させようとするには掲載されている語句は少ないが、必要な初級語彙には触れているので辞書と併用すれば上級の学習にも十分対応でき、中国語を学習する方達に喜ばれている。


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早稲田大学出版部

▼『グローカル・ユニバーシティ―早稲田大学の改革 II 』(奥島孝康/3800円)グローバル(地球的)であると同時にローカル(地域的)であること。斬新な構想が生んだ改革の成果の集大成。
▼『公共の哲学』(片岡寛光/3800円)公共性とは何か。プラトン、孔子、西田幾多郎を初め古今の東西思想を跡づけて、公共性の可能性を考察する。
▼『ブランド要素の戦略論理』(恩蔵直人・亀井昭宏編/2500円)トップ・ブランドのロゴ、キャラクター、パッケージ等を分析し、消費者の心をとらえるブランド要素とは何かを追求する。
▼『東ティモール独立史』(松野明久、アジア太平洋研究選書3/3200円)21世紀最初の独立はいかにして勝ち取られたか。小さな民族の苦難の軌跡を描く。


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名古屋大学出版会

▼溝口常俊著『日本近世・近代の畑作地域史研究』(6500円)水田中心史観のもとで看過されてきた畑作の実態を初めて解明、その歴史的・空間的展開と日常生活の復元を通じ、近世の村落研究に再考迫る労作。
▼川合清隆著『ルソーの啓蒙哲学 自然・社会・神』(5800円)社会の自然的基礎を廃棄したとき、いかなる歴史が可能なのか。人間の内的自然(本性)と外的自然世界についての徹底した思考を軸に、その「哲学」を読み解く。
▼伊勢田哲治著『疑似科学と科学の哲学』(2800円)占星術、超能力研究、中国医学、創造科学……科学のようで科学でない「疑似科学」を通して、「科学とは何か」を解き明かしてゆくユニークかつ真っ当な科学哲学入門。
▼高柳哲也編『介助犬を知る―肢体不自由者の自立のために』(2800円)2002年5月に成立した身体障害者補助犬法で、初めて法的に位置づけがなされた介助犬。本書はその有効性や日本での現状と課題など、介助犬に関するあらゆる事柄を紹介する。


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京都大学学術出版会

▼M・ベーゴン他著『生態学』(B5判1300頁・12000円) 早急に問題を解くことが求められるにもかかわらず、あまりに複雑なメカニズムに支配されている――それが生物の世界である。病害虫の防除、生物資源の管理・保全、汚染などの課題は、「何故ある種は普通で、別の種は稀なのか」「何故ある群は個体数が変動するのに、別の群は比較的一定に保たれているのか」「どのような理由で多様な種が同じ場所に共存できるのか?」といった、基礎的な問いと切り離しては解決できない。それを明らかにするのが生態学なのだ。今日まで積み上げられてきた理論と方法を残さず紹介しながら、最終的には、地球環境の保全にまで迫る、現代生態学の世界的な成書。


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大阪経済法科大学出版部

▼【近刊予定】アジア研究所研究叢書9
 『日清戦争と東アジアの政治』
 戴逸、楊東梁、華 立 著/
 華 立 監訳/岩田誠一ほか訳
 日清戦争(甲午戦争)開戦(1894年)100周年を期して中国では、日清戦争を東アジアと国際情勢との関係で再検討する学術討論会やシンポジウムが各地で行われた。その成果の一つが原書『甲午戦争と東アジア政治』である。
 19世紀後半、他の地域が列強によって分割され、東アジアの各国は帝国主義の植民地となるか、自立出来るのか二つしかなかった。このような運命の岐路に日清戦争は勃発した。この戦争は西洋列強をも巻き込み、20世紀の東アジアおよび世界の歴史の進行に影響を与えた。目次/一八六〇年から九〇年までの世界と東アジア/東アジアの対立の焦点となった朝鮮/日清戦争の勃発と列強の調停/中日講和会議と馬関条約の締結/「遼東半島還付」の三国干渉/日清戦争と台湾の割譲/日清戦争と中国近代社会/日清戦争後の日本/東アジアの国際関係の新局面


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大阪大学出版会

▼柏木加代子著『かきつばた―土田麦僊の愛と芸術―』A5判・224頁・5700円 「舞妓の麦僊」として知られた日本画家の才能の開花を追う。天賦の画才と修行、渡欧、そして画家の創作意欲をかき立てる美しい娘との出会いへ。仏文学者が往復書簡を訳し、書き下ろした麦僊画論の真髄。
▼小林典子著『ヤン・ファン・エイク―光と空気の絵画―』A5・380頁・7200円 ごく小さな画面に光あふれた豊かな空間を描写したヤンの完璧な技術―フランドル地域の「職人的経験」から生まれたという定説を覆した。
▼岡田禎之著『現代英語の等位構造―その形式と意味機能―』A5・336頁・6800円 もっとも基本的な接続詞andに関わる事例を中心に、さまざまな言語現象と意味機能の関わりを検証。海外専門誌にも掲載された水準の高い研究
▼新企画〈大阪大学新世紀レクチャー〉高城敏美編著『輸送現象論』2000円
▼〈大阪大学新世紀セミナー〉杉原薫著『アジア太平洋経済圏の興隆』/小谷眞一他編著『金融工学』各巻1000円


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関西大学出版部

▼泉 澄一著『対馬藩の研究』(5000円)対馬の研究に関わって30年、藩政史料に通暁した著者が初期の藩政を明らかにし、宗家や御用商人などの実態に迫る。藩政史料のほか、『日野資勝卿記』『鹿苑日録』『慈性日記』『本光国師日記』などの史料を縦横に駆使し、数々の新知見を加えた書き下ろし論考。
▼乾 裕幸著『俳句の本質』(4200円)平成12年9月に他界した近世俳諧研究者・乾 裕幸の最後の論文集。〈古俳諧と狂歌〉序説、滑稽―古典俳句の機構―、俳句解体新書、その他の論文十九編および対談等を収める。全体に『万葉集』の〈無心所着歌〉を源流とする俳諧ならびに俳句という文芸の本質を解明しようとする著者の一貫した研究姿勢が窺える。
▼井上泰山訳『三国劇翻訳集』(6700円)明代の宮廷内には豪華な舞台が建設され、慶祝行事の一環としてさまざまな演目が上演されていた。本書はそれらのうち、三国志関連の23作品を選び出し、宮廷秘蔵の上演用台本(内府本)に古版本も底本として全文を訳出した。巻末には詳細な解題も付す。全篇本邦初訳。


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九州大学出版会

▼深川博史著『市場開放下の韓国農業―農地問題と環境農業への取り組み―』(A5判・428頁・6200円)90年代の韓国農業の実態を農地賃貸借問題に焦点を当てて、WTO体制への編入という対外政策変化との関連で農業政策を分析。日本生命財団研究成果発表助成図書。
▼萩島哲著『都市風景画を読む―十九世紀ヨーロッパ印象派の都市景観―』(B5判・186頁・4500円)印象派が描いた都市風景画の視点場を現地調査によって発見し、絵画、実景の写真、視点場の位置を示す地図を用いて、実景の構図の素晴らしさを分かりやすく示す。
▼九州大学政策評価研究会編著『政策分析2002―九〇年代の軌跡と今後の展望―』(B5判・370頁・3800円)『政策分析2000』『政策分析2001』に続く3年継続の共同研究の成果。日本経済が直面する多様な政策的課題に対して総合的・多角的な評価を加える。
▼白石悌三著『江戸俳諧史論考』(四六判・360頁・3800円・平成13年10月刊)平成14年度芭蕉翁顕彰会文部科学大臣奨励賞を受賞した。


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東北大学出版会

▼大泉一貫著『大衆消費社会の食料・農業・農村政策』(A5判・並製・350頁・3000円)わが国の食料・農業問題は、食糧需要は十分あるのに農業の供給力がそれに伴わないことにある。農業が「大量生産・大量消費社会」の到来に後れをとったためである。現在は、資源浪費・大量流通に限界が見え、安全や新鮮・旬への関心の高まりが生じている。そのための供給構造やビジネスモデルの構築こそが必要であると説く。現代の農業問題を考える上での必読書。
▼「まなびの杜」編集委員会編『まなびの杜〈東北大学〉知的探検のススメ』(A5判・並製・248頁・1500円)『まなびの杜』は、多くの方々に東北大学を知っていただくために発行される季刊情報誌であるが、この本は、既刊号の内容を読みやすく再編集したものである。最先端の研究紹介や暮らしの中のなるほど学をはじめ、キャンパスや施設のガイドなど、バラエティ豊かな読み物をふんだんに盛り込んでいる。知的探検を楽しむ一助として、また東北大学をのぞく窓として、カラフルな本書をお薦めしたい。


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流通経済大学出版会

▼佐伯弘治著『運命との邂逅』(2500円) 著者は昭和49年から27年間、流通経済大学の学長を務め、同大学に自由と自立の学風を樹立した。現在は、それを設置する学校法人(日通学園)の学園長である。
 この間、一学部一学科でスタートした小規模大学を四学部七学科、大学院三研究科(博士課程)、附属高校を擁するまでに育て上げた。
 本書は、ここ10年間の著者の評論、随筆、講演などのうち、一般向けのものを撰んで編集した。内容は人物評や中国問題、武道論など多岐にわたっている。なお、日本の高等教育の制度的なあり様や大学改革に関する著者の提言については、かねて関係方面からの強い要請があったので、敢えてこれを採録した。また、流通経済大学の学生に贈った著者の言葉には、その人間観、教育観、歴史観が凝縮されており、いわば本書の要諦である。
 本書は、著者のこの種の著作としては『明日を担うために』(昭和56年)『いま歴史の岐路に立って』(平成3年=ともに桐原書店)に続く3冊目である。


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三重大学出版会

■当会は、(株)三重大学出版会に組織替えしました。組織の名称表記、銀行口座、郵便口座の番号、名義人は従来通りです。
■当会の会員は290人ですが、全員を株主とする時は設立作業が煩瑣になりますので、設立発起人は武村泰男(前三重大学学長)一人とし、武村泰男が全株を所有するかたちで設立しました。
■会社役員は、以下の三名です。代表取締役、武村泰男(前三重大学学長)、取締役、高橋忠之(前志摩観光ホテル総支配人)、林英哲(和太鼓奏者、英哲風雲の会主催者)。この三名のうち、高橋忠之、林英哲のお二人は当会の社外取締役になります。現代日本を代表する(マエストロ)お二人の見識や感覚が不可欠と考えて、特にお願いして就任していただきました。
■当会は、今年度から「三重大学出版会奨励賞」を制定し、卒業論文、修士論文の表彰事業を行います。大学生が図書を読まない限り学術書の出版不況が続き、大学生が優れた卒業論文を書かない限り、大学の学術は衰退すると考えた上での表彰事業です。どうぞ、ご賛同、ご支援をお願いいたします。


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関西学院大学出版会

新刊
▼田村和彦著『魔法の山に登る―トーマス・マンと身体―』(四六上製・300頁・定価2900円)
身体・同性愛・青年運動・オカルト、そして戦争…戦間期ドイツを代表するトーマス・マンの小説『魔の山』を新たな視角から読み解く。
関西学院大学出版会
▼アマルティア・セン著 細見和志訳『アイデンティティと理性』(四六上製・105頁・定価1800円)
98年にオックスフォード大学で行った講演録。訳者による解説付き
▼天野明弘著『環境問題の考え方』
(四六並製・200頁・定価2000円)
環境問題全般を理解するための入門テキスト。
近刊
▼村田俊一著『Footpath & Highway』(英文)
(A5変形・200頁・予価2200円)
▼大日向幻著『イギリス諷刺詩』
(A5版・250頁・予価3300円)


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