大学出版部ニュース
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北海道大学図書刊行会

▼栃内香次・木村純編著『21世紀の教育像』(四六判・1800円) 未曾有の困難に直面している日本の教育問題の現状をふまえ、最近の新しい試みの実践例を含め広く様々な切り口から「教育」を考える。
▼木村和範著『標本調査法の生成と展開』(A5判・3800円) 英・米・独・仏・伊・デンマーク・ノルウェーの原典踏査から、キエールからネイマンまでの発展史におけるミッシングリングに挑む。標本調査理論を巡る国際的論争史をたどり、任意抽出法に対する反省的思索を深める。
▼東出功著『中世イギリスにおける国家と教会』(A5判・7000円) 膨大な原史料研究の中から「国家と教会との相互補完関係の研究」についての主要な業績をまとめた遺稿集。
▼土屋博著『教典になった宗教』(A5判・4500円) 宗教現象における教典の意味を真正面から問う「教典論」が、現代宗教学の忘れ去られた重要課題であることを指摘。教典を、思想のみならずその受容と用法との関連で宗教生活全体の中に位置づけ、動的に捉え直す。聖書学とは一線を画する新たなアプローチ。


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聖学院大学出版会

▼クェンティン・スキナー著 梅津順一訳『自由主義に先立つ自由』(四六判上製・本体価格2400円)
 今日支配的な自由理解に、トマス・ホッブズに遡る「自由とは政治体制とは関わりない個人的自由である」とする自由主義の「消極的自由」の理解がある。
 これに対して今日最も注目される政治思想史研究者のクェンティン・スキナーは、十七世紀のイギリス革命において隆盛を極めた自由理解に注目する。すなわち「自由な国家のもとでのみ、自らの意志に従って行動する自由、他者の権力や意思に従属しない自由」(著者はこれを「ネオ・ローマ的自由」と名づける)こそが真の自由であるとする自由理解を思想史の中から掘り起こし、その現代的意義を論ずる。
 今日、政治思想その他の領域において盛んに議論されている自由主義的自由理解、個人的自由を公共的奉仕と結びつける共同体論的自由理解に対して、著者のいうネオ・ローマ的自由理解を第三の概念として対比させる。現代の自由理解に一石を投じた注目の書である。


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麗澤大学出版会

▼土屋喬雄著『日本経営理念史』〈新装復刻版〉(6000円)
 本書は、渋沢栄一、大原孫三郎、相馬愛蔵など江戸から昭和初期までの特色ある商人・経営者の人物と志(商道徳・経営理念)を具体的なエピソードで語りつつ、日本的経営理念の生成・発展を学問的に跡づけたもの。ここに集大成された「経営の原理と志」はグローバリズムの現代に一層光り輝いており、現代日本の経営者にとって温故知新の書となろう。
 著者(故人)は元東大名誉教授。原著は昭和39〜42年、日本経済新聞社刊。
▼太田文平著『寺田寅彦――人と芸術』(四六判上製・2600円)
 幾多の俊秀が集った漱石門下の中でも、寺田寅彦は、師漱石が最も敬愛した人物であり、「何をなしても、将来一流になる男」と評されたという。現実に、彼は物理学者として独創的・先駆的な業績を残しながら、同時に卓越したエッセイストでもあった。本書は、寅彦研究の第一人者が日本科学の青春期を生きた「知られざる知の巨人」の全貌を現代的観点から浮彫りにした傑作評伝である。


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慶應義塾大学出版会

 これまで一部の著作を除き、読むことが困難であった近代日本の先導者・福澤諭吉の著作を、新編集で刊行。
▼『福澤諭吉著作集』全12巻、2002年1月刊行開始、以降隔月刊。
 本著作集は、福澤諭吉の真価が凝縮された重要著作を網羅し、手軽に読めることが狙い。本文には常用漢字・新かなを採用し、むずかしい漢字や読み誤りやすい漢字には豊富にふりがなを付した。さらに理解しにくい語句や福澤諭吉の思想を象徴するキーワードには語注を施し、読みやすさ、分かりやすさに徹した。
 変革の時代を生きるための指針を、本著作集の中から受け取っていただきたい。
▼第一回配本/第3巻『学問のすゝめ』(2000円)


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産能大学出版部

▼脇山俊著『だれでもわかる経済学の常識』(1800円)
 先の見えない現在の日本の中にあって、経済問題を正しく理解するため教養として勉強したい人、仕事で見聞きする機会があるので実務に必要な程度の知識がほしいと希望する人、知識不足を感じてさらに学んで実務にも役立てたいと希望する人、が読むことを念頭に書き上げている。
 したがって、それらの読者が理解できるよう要点をイラストで表現し、経済学を勉強するときに出てくる代数式はできるだけ言葉に代え、専門用語は初歩的なものでも解説して、一歩一歩積み上げながら説明する。また、最近の人々の関心ごとは、不況にあえぐ今の日本がこれからどうなるか、景気、円高等であろう。その要因を理解するために必要な、マクロ経済(国際経済学を含め)も重点的に解説している。
 初級レベルから実践応用できる高度な内容まで取り上げているので、本書を理解すれば経済実務の要点を理解できるようになる。


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専修大学出版局

▼張文穎著『トポスの呪力――大江健三郎と中上健次』(2400円)
 中国吉林省で育ち、都会にでたとき一種の故郷喪失を味わった著者が四国と熊野という二人の作家の故郷を踏査して、トポス(場所)という類縁性を対比しながら論究。トポスの構築を重ねて「壊されない精神」に近づいていった作家の魂に迫る。地方が都市化によって「地方」の顔を失いつつある今日、「故郷」という場所をわれわれはどう考えたらよいのか。
▼大本剛士編『日本における エミリィディキンスン書誌(1896−2000)』(7800円)
 神秘的な深みがあるといわれるディキンスン詩集の編集者だったM・トッドが夫と1896年に北海道へ日食観測にきて、そのとき村人に残していった詩集が日本での最初の紹介だといわれている。本書は、これまで日本で発表されたディキンスンに関する資料を編者がほぼ網羅した希少な労作である。(内容)研究書、詩集・書簡集、詩選集、文献目録、辞書・事典、文学史、ハンドブック、書評、論文、無署名記事、学会日誌、索引、他。


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玉川大学出版部

▼山岸駿介『大学改革の現場へ』(2400円)「遠山プラン」や「私学に直接助成金」などの政策大転換をどうみるか? 大学関係者、新聞などメディア、文部科学省に対する提言・苦言の数々。
▼ホーキンスほか編/三浦逸雄ほか訳『デジタル時代の大学と図書館』(4800円)デジタル技術によって変わる学術コミュニケーションの将来、さらには学問の新しい形式、大学そのもののあり方を論じ、知の再編成の見取り図を描く。
▼玉川学園編『ISO14001玉川学園環境管理マニュアル』(4500円)総合学園として世界初のISO14001認証取得を果たした玉川学園のマニュアル全文を公開するとともに、各部の実践事例をも紹介。


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中央大学出版部

▼園田茂人編著『現代中国の階層変動』(2500円)改革・開放後の中国社会の変貌を、5000強の大規模サンプル調査と経験的・実証的データを用いて論じた本格的中国階層研究の誕生。
▼鹿児嶋治利著『銀行に未来はあるか』(1700円)IMF体制崩壊後、変動相場制、金融のグローバル化という時代背景の中で市場リスクに対応する金融技術の開発をすすめる銀行の未来を展望。
▼大浦暁生監修・中央大学ドライサー研究会編『「アメリカの悲劇」の現在――新たな読みの探求』(3500円)20世紀前半においてアメリカの中にあった貧富の差は現在も世界に拡大しており「世界の悲劇」として読みうる新しさを持っている。『アメリカの悲劇』をとおして「新たな世界の意味」を探求する。
▼林茂樹編著『情報化と社会心理』(3500円)情報化により社会環境や価値観・状況が着実に変わり、人々の意識や心理も変化している。これらの変化を社会生活を眺めることで、顕著な特徴や性格を見出し、情報化を通して現代社会、ひいては現代人の社会心理を分析する。


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東海大学出版会

▼“Fishes of Japan with pictorial keys to the species, English edition”(B5判、3万6000円)が刊行される。本書は『日本産魚類検索第二版 全種の同定』の英文版として、日本産魚類353科3863種の魚類全てについて、その形態的特徴から魚名を同定するものであり、日本の魚類分類学の最新成果を世界に向けて発信する初めての試みでもある。本書は英文表記の統一基準を持たない日本の地名、分布域、水系などに世界基準となりうる英文表記を導入し、今後の魚類学に関する英文論文執筆の底本となりうるものである。
 ―――*―――
 販売は全世界の魚類学関係者に向けてメールによる新刊案内とウェブ販売を、国内読者へはDMによる書店・直販併用の販売を行う(『大学出版』52号「出版社によるオンライン販売」参照)。
 世界的に例の無い、絵解き検索図説と日本魚類学の最新成果が、そして初の試みである地名表記の統一基準が世界にどのように評価され受け入れられるのか、ウェブ販売の真価が問われる。


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東京大学出版会

▼『講座臨床心理学』(下山晴彦・丹野義彦(編)全6巻)が完結。スクールカウンセラーの全校配置に見るとおり、臨床心理学の実践は、個々のクライエントに対する面接ばかりでなく、その人を取り巻く家族、学校、企業など社会的関係を視野に入れて展開し、同時に新たな科学研究パラダイムの熱い発信源でもある。いまや社会的な責任ある実践の科学として変貌しつつある臨床心理学の現在をはじめて体系的に紹介、臨床心理学の実践者・研究者のみならず、誰もがその潜在的な利用者である実社会にも、深い反響を巻き起こしつつある。1巻「臨床心理学とは何か」、2巻「臨床心理学研究」、3・4巻「異常心理学」I・II、5巻「発達臨床心理学」、6巻「社会臨床心理学」(各巻本体価格3500円)。


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東京電機大学出版局

▼超伝導現象の発見から90年が経つ。15年前の高温超伝導狂騒のときは、現象と応用、物質と材料が混乱して報道された。リニアモータ、極低温技術、プラズマと核融合発電などその周辺の話題も巻き込んだのは、超伝導が物理、電気・電子の本質をあらわす現象だからだ。研究のすそ野は広く、まだ「超伝導」と「超電導」の使い分けが残る。一方、地道でコンスタントな研究は成果を結んでいる。つい先年も日本人研究者による新しい超伝導物質の発見などがあったが、現在は従来理論のうえに新しい理論が期待される時期となった。
▼最新刊の『超伝導の基礎』丹羽雅昭著/B5判/498頁/5000円(税別)は、標準理論が確立されていく過程を数式で追体験しながら基礎を学ぶ。
▼既刊の『超電導工学―現象と工学への応用―』松葉博則著/A5判/264頁/4000円(税別)は、主に技術応用について解説。
▼同じく既刊の『低温工学概論―超電導技術を支えるもの―』荻原宏康編著/A5判/324頁/4500円(税別)は、関連技術である低温工学を解説する。


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東京農業大学出版会

〈シリーズ・実学の森〉
▼『庭園のこころと形―世界名園シンポジウム―』白幡洋三郎編
 庭園の様式・形式だけが扱われるような造形への関心による造園観をこえて、いかに庭園が使われたか、庭園が楽しまれたか、都市とのかかわり、人々のくらしと庭園のつながりに注目して論じられる庭園論・造園論。
 平成13年10月刊/B6判/253頁/本体価格1000円
〈カラー写真集一〇〇シリーズ〉
▼『オランダ一〇〇の素顔 もうひとつのガイドブック』オランダ一〇〇の素顔編集委員会編
 榎本武揚が留学したオランダ、交流400年の今日、日本近代化の原点がここにもある。オランダの自然、文化、農業、榎本武揚のかかわりなど、執筆者のそれぞれのユニークな解説がいい。
 平成13年12月刊/B6判/145頁/本体価格1600円
▼『根巻資材の特性』内田均著
 平成13年10月刊/B5判/106頁/本体価格2000円


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法政大学出版局

▼清成忠男『21世紀/私立大学の挑戦』
 大学教育改革が注目されるわりに、大学の現場から発想した本が少ない。法政大学総長である著者は、大学をイノベーションの場としてとらえ、国立大学と私立大学の関係に疑念を投げかける。日本では、研究開発成果の移転がしにくい国立大学に研究資金が流れてきた。他方米国では、研究型の私立大学に資金が集中する。著者はこのアンバランスな研究資金の流れを変え、社会の広範なニーズに対応できる研究型大学をつくるべきだと言う。この意見には大賛成である。(中略)政府への依存体質から脱却し、国際社会を視野に入れた容赦のない改革を断行する決意が必要だろう。そのために、私立大学の総長が何を変えようとして戦ってきたのか。その軌跡を知ることは役に立つ。(讀賣新聞より/竹内佐和子氏評)


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放送大学教育振興会

▼学部開設科目
『心理学初歩』(辻敬一郎・星薫編著)…心理学が対象とする心・心理を探る方法を解説し、意識・行動・個性・社会の諸側面について現代心理学が明らかにしている知見を紹介する。
『現代社会と著作権』(齊藤博・作花文雄・吉田大輔著)…情報の蓄積や送信の技術が次々と開発されるなか、情報の利用形態が多様化してきた。情報の多くは著作権法制の関与するものであり、本書はその未来像に迫るものである。
▼大学院開設科目
『情報システム科学』(長岡亮介著)…今やITは作る側と使う側という新たな〈二つの文化〉的断絶を産み出している。この困難を打開するために、実践的・理論的の両方の視点を総合的に考慮してアプローチする。
『環境マネジメント』(山口光恒編著)…環境問題の対象は、従来の公害問題から、地球温暖化・オゾン層破壊などの地球規模の環境問題に拡大している。これに伴い企業・消費者・政府などの役割に大きな変化が見られる。


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明星大学出版部

▼塚田紘一著『子どもの発達と環境――児童心理学序説』2300円
 近世に至るまで、子どもは「大人の小さい者」と考えられていた。しかしながら、ルソー(Rousseau, J-J.)の子どもを中心にすえた児童観によって児童は研究対象になる。ルソーは『エミール』の中で「子どもは大人と違ったもの」であり、不完全な大人としてではなく、子どもとして理解されなければならない存在である」と提言した。大人はかつて子どもだったために子どもの心をあたかも知り尽くしていると誤解していた。その誤解を解き、児童の心理が科学的に研究され始めたのは、わずか百余年前に過ぎない。それから児童心理学は日進月歩に発達する。本書では児童心理の最新情報を解説。(目次―抜粋―)第一章 発達の基本的理解、第二章 児童研究の方法、第三章 発達初期の展開、第四章 身体と運動機能の発達、第五章 認知発達、第六章 知能と創造性、第七章 情緒・動機、第八章 遊び、第九章 社会性、第十章 自己意識、自己概念、第十一章 親の児童観と教師=生徒間の信頼関係。


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早稲田大学出版部

▼『循環型社会の未来―リサイクルの行方―』(早稲田大学・朝日新聞社国際フォーラム編、21世紀国際フォーラム1、2600円)環境負荷を抑えて、エネルギーや資源の効率的な利用方法を探る。
▼『介護と家族』(山中永之佑・竹安栄子・曽根ひろみ・白石玲子編、シリーズ比較家族第II期4、4200円)法律、歴史、ジェンダーなどの観点から、高齢社会の介護の問題点を捉える。
▼『平和研究 第26号―特集 新世紀の平和研究―』(日本平和学会編、3200円)文明、人権等をテーマに平和の価値を問い、平和研究のあり方を考察。
▼『都市・記号の肖像』(森常治、6500円)生活空間であり、事件を発生させる空間でもある都市の様々な現象を分析し、新しいパラダイムを追究する。


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名古屋大学出版会

▼阿部泰郎著『聖者の推参―中世の声とヲコなるもの―』(4200円)〈聖なるもの〉を生成する声、反語する笑い。「遊者」から後白河院、花山院、文覚に至るまで、宗教と芸能、王権と物語のあわいに立ち「推参」する者を通し、中世世界を動かす深層のダイナミズムに迫る。
▼長谷川博隆著『古代ローマの自由と隷属』(15000円)ローマ人とはいかなる人々であったのか? 農業や牧畜など「なりわい」に基づく諸関係を、家・社会・国家の三層において捉え、ローマ人における支配と結合のあり方を照射。
▼マルク・ラエフ著 石井規衛訳『ロシア史を読む』(4200円)該博な知識に基づく的確な問題把握とトータルな叙述によりロシア史の理解を一新。汎ヨーロッパ的視点に立ち、紀律国家の展開による近代化の姿を輪郭鮮やかに描出。
▼久馬一剛編『熱帯土壌学』(5800円)これまで包括的に論じられることのなかった熱帯アジア、アフリカ、中南米の土壌について、第一線の研究者らが詳述。熱帯での農業開発と環境保全の調和のための道筋を探る。


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京都大学学術出版会

▼東洋史研究叢刊之五十九『中国思想史の研究』島田虔次著・15000円/儒学史を核とする中国思想史の泰斗・故島田虔次の輝かしい足跡を標す最後の論文集である。陽明学左派を論じ、名著『中国に於ける近代思惟の挫折』を補う「中国近世の主観唯心論について」をはじめ、単行書には未収載の学術論文19篇と書評・シンポジウム講演録など近世以降の中国思想を多角的に論究した計22篇を収める。50年余にわたる島田儒学思想史の全容が解明される。
▼講座・生態人類学(第3回配本)第5巻『ニューギニア―交錯する伝統と近代―』大塚柳太郎編・2800円/底湿地、急峻な山麓、中央山脈に沿った盆地、そして周辺にはサンゴ礁に囲まれた島々。地形の違いだけでなく、750もの言語に代表されるように、人びとの文化も成業も多様性に満ちている。そのうえ、「伝統」はさまざまなかたちで押し寄せる「近代化」の波にもまれている。それぞれがユニークな5つの社会での長期にわたる調査から、ニューギニアの人びとの生き方に迫る。


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大阪経済法科大学出版部

▼『哲学と現代―二十一世紀の哲学思想の展開のために―』岩崎允胤著/4800円/第一編 現代の哲学思考(現代日本の政治、経済、文化、思想の哲学的課題への総括的論究)…哲学と現代/現代日本の唯物論哲学/弁証法と自由の問題/日本の思想状況/哲学断想。第二編 自然科学と弁証法(素粒子論・量子論・宇宙論等、現代自然科学の発展にかんする弁証法の諸問題)…中国東北師範学校自然科学系における講義/膨張宇宙論と自然観発展の歴史/補遺 運動する物質。
▼『永世中立と非武装平和憲法―非武装永世中立論研究序説―』澤野義一著/4500円/憲法第九条の平和主義に最も適合的な安保政策は非武装永世中立であるという観点から、戦後日本の永世中立論を総括し、外国の永世中立国の中立政策を比較法制論的に考察、日本の自衛権・安保外交政策を検討し、第九条に適合的な平和保障の課題を提示する。
現代における永世中立(論)の概況と課題/現代の永世中立国と平和保障政策/日本における永世中立論/日本国憲法と自衛権および自衛隊海外派兵論。


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大阪大学出版会

▼〈大阪大学新世紀セミナー〉として次の3冊を刊行。いずれも、A5判・96頁・本体1000円。村上富士夫・藤田一郎・倉橋隆『脳の神秘を探る』、津田葵『コミュニケーションの日米比較』、村川英一『熟練技能の継承と科学技術』
▼湯浅邦弘編著『懐徳堂事典』 町人学校として知られた懐徳堂の人物・書名・事項に図版150枚以上を添えて項目別に紹介。大学創立70周年記念で作製されたバーチャル懐徳堂の図書版。A5判・273頁・本体2800円
▼〈薬学部創立50周年記念刊行〉
米田該典『大阪とくすり』 道修町がなぜ日本で有数の薬問屋になったのか。製薬の技術と流通の変遷、現代の医薬分業・薬害など薬の問題にも言及する。A5判・150頁・本体1500円


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関西大学出版部

▼杉原四郎著『日本の経済思想史』(3500円)近代日本の経済思想史を展望しうるように、関係諸論文を収録・配列したもので、既刊『日本の経済学史』の姉妹篇となる。明治以降の日本経済思想史を『東京経済雑誌』や『東洋経済新報』『国家学会雑誌』などの代表的経済雑誌を軸にしたうえで、田口卯吉や福田徳三、河上肇、飯島播司、平生釟三郎といった主要なエコノミストを取り上げ、後進資本主義国日本に特有な経済思想史の特質を考察した。
▼角山幸洋著『綿繰具の調査研究』(3800円)綿繰具は、木綿の綿毛を綿実と分離する木綿生産に必要不可欠の道具である。日本へは木綿の導入とともに、中国から技術が伝播した。使用範囲は全国に広がり、熱帯植物の北限にまで及ぶ。調査にあたっては、実測図を作成するという考古学的手法を取り入れている。その結果、数少ない文献だけでは得ることのできない分野に多くの新知見をもたらした。また、アメリカから日本へ導入された綿繰器械についても考察を行っている。


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九州大学出版会

▼『ヘルダー 旅日記』(嶋田洋一郎訳、A5判・5800円)十八世紀啓蒙主義の大きな時代思潮の中を旅するドイツ知識人の姿を鮮明に伝える。最新のヘルダー研究の成果を踏まえた詳細な訳注、また書簡、説教、詩などの資料を収めた『旅日記』の決定訳。
▼鏑木政彦著『ヴィルヘルム・ディルタイ−精神科学の生成と歴史的啓蒙の政治学−』(A5判・4700円)「謎の老人」とよばれた19世紀ドイツの哲学者、ディルタイ。本書は、その思想の発展を初期から晩年に至るまで、哲学のみならず歴史学や教育学、政治社会思想を包括的に考察。邦訳全集が出版され始める思想家ディルタイの全体像を、細分化する研究状況に抗して描き、その時代に迫る。
▼田畑博敏著『フレーゲの論理哲学』(A5判・6200円)本書は「論理学は数学の青年時代であり、数学は論理学の壮年時代である」ということを実証しようとしたフレーゲの栄光と挫折を追跡し、この論理主義の主張が部分的に正しいことを、実際に論理学から算術を導出することによって確認する。


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東北大学出版会

▼諸岡道比古著『人間における悪』(A5判、290頁、4300円)
 人は何故悪をなすのか。悪とは何なのか。古来人間はおのれの生と悪の関わりに悩み傷つき、この問いを自問し続けてきた。著者は、主として宗教学的関心から、カントとシェリングという二人の哲学者の思想およびその展開を丹念に跡づけ、ドイツ観念論における悪の根拠・根源とその克服に関する問題に明晰な光を投げかける。
▼水原克敏編『自分−私がわたしを創る−』(A5判、288頁、1000円)
 本書は、東北大学一年生を対象としたゼミの記録(2001年4月〜7月)で、先輩等の話題提供と受講生の感想文や意見文から成っている。ゼミの中で「私がわたしを創る」ことの中に自分があるという共通認識をもつことができた。私はわたしであることの基点を確認し、「わたし」の挫折や願いを深く受け止め、そこから「新しいわたし」を創り出す、この営みが自分である。大切なのは、自問自答によって、自ら学ぶことである。自分について悩んでいる青年達の必読の書。


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流通経済大学出版会

▼(近刊)『税制の経済学』塚本健・河野惟隆・朱思林著
 本書は、主要資本主義5カ国(日米英独仏)と社会主義国中国の税制の変化、EU諸国間の税制調整の動きを、各国の戦後の資本蓄積、経済発展との関連で考察している。即ち、G5と中国が戦後の経済復興と発展のため、また国際競争力強化のためにどのような経済政策、租税政策を必要としたかを、各国の資本蓄積、世界市場における地位の変化との関連で明らかにしている。
 具体的には、各国の経済発展の状況に応じて、どのような租税政策が要請され税制がどのように改正されたかを実証的に考察し、さらにその租税政策、税制改革がいかに資本蓄積促進の役割を果たしたか、あるいは社会政策的役割を果たしたか、租税政策の政策効果を確認する。
 そのために本書は、各国の財政法、租税法の改正を平易に詳しく解説すると共に各国の資本蓄積、景気循環、経済統合の事実分析に多くの頁をさいている。


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三重大学出版会

▼田中皓正著『日振島のはなし』
 B5判660頁、本体4万5000円
 ISBN4-944068-484 C1021
 平安時代に藤原純友の反乱の舞台となった豊後水道の孤島「日振島」の歴史。神話の中の日振島、藤原純友の考察、近世領国の形成、庄屋清家の領有と、資料を踏まえて、時代順に叙述されている。
 主として資料の制約から、明治以降の日振島の歴史に焦点がある。宇和島市からの定期航路の開設、電気・水道の設置、港湾・道路整備、漁業設備の充実、村長清家遜の活躍などが、具体的に記述されている。
 特に吉村昭作『海のネズミ』の舞台となったデラ台風、ネズミ騒動前後の日振島の漁業生活のすさまじさは、数字を調べ、写真を貼付して迫力に富む叙述になっている。
 人物的には、16歳で単身米国に密航し、財を成した社会改良家、森岡天外翁とその薫陶を受けた離島の青年達の島作りの活動が戦略的で興味深い。


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関西学院大学出版会

▼木野光司著『ロマン主義の自我・幻想・都市像−ホフマン文学の独創性と現代性の研究』
(A5上製・440頁・予価6000円)
▼紺田千登史著『フランス哲学と現実感覚−そのボンサンスの系譜をたどる』
〈関西学院大学研究叢書〉
(A5上製・340頁・予価7000円)
▼片寄俊秀著『商店街は学びのキャンパス』
(四六並製・224頁・予価2200円)
▼山路勝彦責任編集『植民地主義と人類学』
(A5上製・600頁・予価12000円)
近刊予告
▼田村和彦著『魔法の山に登る』
▼田和正孝・他著『アジアの都市誌』〈ダイアログ型講義録〉
好評既刊
▼阿部潔・石田淳著『ダイアローグで学ぶ基礎社会学』〈ダイアログ型講義録〉
(A5並製・226頁・2600円)


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