大学出版部ニュース
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北海道大学図書刊行会

▼田中彰著『北海道と明治維新』(四六判・2500円)激動の幕末・維新期の北海道を辺境の視点から描き出す。中央=内地からは見えてこない、新しい歴史の姿! 巻末に箱館戦争の知られざる記録『蝦夷事情乗風日誌』を収録。
▼北大125年史編集室編『北大の125年』(A5判・900円)写真・資料・コラムなどを盛り込み、学生生活の実態など新しい視角から125年を通観した初めての北大小史。21世紀のスタートにあたり、若い世代の読者に送る!
▼近 昭夫・藤江昌嗣編著『日本経済の分析と統計』(A5判・4400円)現代日本の経済と社会が抱えている基本的な諸問題について具体的に把握し、分析する。「統計と社会経済分析」シリーズ最新作。本書で全4巻完結。
▼畠山武道著『自然保護法講義』(A5判・2800円)自然公園法・鳥獣保護法などの自然保護法のほか、河川法・砂利採取法など公共事業法も取り上げ、その仕組みを検討。環境権・公共信託・生態系保護・住民参加という4本の柱を軸に、個々の法制度の問題や今後の方向を示す。


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聖学院大学出版会

▼フリードリヒ・ヴィルヘルム・グラーフ著・深井智朗編訳著『ウェーバー・トレルチ・イェリネック――ハイデルベルクにおけるアングロサクソン研究の伝統』(四六判上製・定価未定)
 ヨーロッパ近代を理解するときに欠かすことのできない文献にトレルチ『近代世界の成立におけるプロテスタンティズムの意義』、ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、イェリネック『人権宣言論争』がある。これらは分野やアプローチは異なるものの、アングロサクソン世界に展開した「プロテスタンティズムの意義」に注目している。
 本書は、ミュンヘン大学教授のフリードリヒ・ヴィルヘルム・グラーフ教授を招いて開催された国際シンポジウム「ハイデルベルクにおけるアングロサクソン研究の伝統」の記録である。グラーフ教授の講演に、東北大学教授・柳父圀近氏、聖学院大学・田中豊治、阿久戸光晴、梅津順一氏のコメントを収録している。
 新たに、京都大学法学部教授・初宿正典氏の「近代ドイツとデモクラシー――イェリネックを中心に」を掲載した。


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麗澤大学出版会

▼吉村作治著『ひとのちから』(本体1400円)
 異色のタイトルである。これほど直截な題名は類がないかもしれない。「名は体を表し」て、スタイルは簡勁であり、問題提起は単刀直入、主張は明解である。
 いま日本社会を重く深く覆っている閉塞感に風穴を穿ち、崩壊に瀕している社会システムを再構築する手だてはあるか。著者の答えは「イエス」だ。ただ、この未曾有の危機的状況に求められるべきは、「集団」の力ではなく「個」の力――根源的な「ひとのちから」だと著者は言う。
 本書の意図は、広範な読者に向かって意識変革を迫ることにある。とはいえ、5000年の人類史を閲し、35年にわたりエジプト発掘を続けてきた著者一流の文明史観が随所に光彩を放っている。小会が、あえて世に問う所以である。


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慶應義塾大学出版会

▼弊社のウェブサイトが新しく開設されました (http://www.keio-up.co.jp)。是非ご活用ください。
▼〈日韓共同研究叢書〉(3)(4)刊行。朴忠錫・渡辺浩編『国家理念と対外認識―17世紀―19世紀―』(3800円)、小此木政夫・文正仁編『市場・国家・国際体制』(3800円)。今回は「歴史(前近代)」と「政治経済」分科会の研究成果。
▼大森真紀著『イギリス女性工場監督職の史的研究―性差と階級―』(4500円)は、イギリス工場法の実効を確保するため、1893年に設置された女性監督職が、中流階級女性の仕事として認知・確立されていく過程を克明に分析。世界に先駆けたイギリスの社会政策を、従来の制度論を超え、性差(ジェンダー)の視点から検証し、わが国の研究水準を飛躍的に高めた画期的研究。
▼法律の基本テキスト2冊刊行。宗田親彦著『新訂 破産法概説』(4600円)、松尾弘著『民法の体系―市民法の基礎―[第2版]』(4000円)。いずれも、定評のある旧版を、最新の判例・学説に基づき全面改訂。


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産能大学出版部

安森寿朗著『21世紀自動車販売「勝者」の条件』(1800円)本書はフォード社で自動車マーケティングを学び、日米欧の自動車流通生産性を深く研究している著者が、国内外の高収益販売会社を取材。そこから本当の顧客サービスとは何か、顧客を大切にする販売店経営とは何かなど、21世紀の自動車販売店の勝者になるためのノウハウを提供する。
二味巌著『未来創造戦略』(1800円)激動する21世紀の危機に挑戦し、これに勝ち抜くためには、低成長に対処する戦略経営(未来創造戦略)、多元化に対処する選択経営(特化・集中戦略)、不確実に対処する機動経営(不測事態対応戦略)を基本とするメガトレンド経営によって(中略)実証的成果を上げ、国際社会の発展と人類の幸福増進に寄与しなければならない。本書は、そのための極めて具体的な実戦的手法を、永年にわたる著者の実務経験とその実証的成果に基づいて展開しようとするものである。


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専修大学出版局

▼森宏編『食料消費のコウホート分析』(4800円)社研叢書の第二弾。各年齢階級別の食料消費の推計を行い、若者の果物離れに代表されるような激変する日本の食料消費の実態を詳細に分析する。
▼宮下誠一郎著『ソ連・ロシア、東欧の政治と経済』(2800円)ロシアは共産主義というそれまでに無かった体制を実践しこれを葬り去った。本書はその政治・経済の歴史の流れを丹念に追っている。
緊急出版▼藤本一美著『クリントンの時代―1990年代の米国政治』(2800円)つい先ほどまで米国を担っていたクリントン政権は、どんな特色を持ち、いったい何者であったのか。主として、政策・選挙・政治資金・夫婦の問題より観察。21世紀を展望する材料ともなる。最新稿「ヒラリー・クリントン」が補論に付く。


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玉川大学出版部

 1991年の大学設置基準の大綱化に始まった「改革の10年」で、大学はどう変わったか。さまざまな視点で迫る、「高等教育シリーズ」の今年度前半に刊行した新刊3点を紹介する。
▼市川昭午『未来形の大学』(2800円)大学とはいかなるものであるべきなのか。近代大学の理念を失った大学に未来はあるのか。大学制度の実像とはいかなるものか。大学教育制度全般を俯瞰しながら、現代大学のゆくえを論ずる。
▼島田博司『大学授業の生態誌―「要領よく」生きる学生―』(2400円)キャンパスで何が起こっているか? なぜ授業を聞かず、ノートもとらないのに単位をかせげるのか? ノートとりと座席とりに焦点を合わせながら、現代の大学授業の実状を浮き彫りにする。
▼天野郁夫『大学改革のゆくえ―模倣から創造へ―』(2400円)アメリカの大学を模倣し改革を進めてきた日本の大学だが、先駆者を理想としつつ現実をふまえた新しい大学像を創造すべき段階にきているのではないか。新世紀を迎えた日本の高等教育の明日を読み解く。


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中央大学出版部

▼河原 温著『中世フランドルの都市と社会―慈善の社会史―』(4000円)西欧中世のキリスト教的慈善から社会政策としての近世的慈善への変化のプロセスを、フランドル都市ヘントを中心に描き出す。西欧中世の都市社会が近世に先立ち経験した貧民・弱者をめぐる社会的保護と規制の特質を追究。
▼鳴子博子著『ルソーにおける正義と歴史―ユートピアなき永久民主主義革命論―』(3500円)ヘーゲルやマルクスの体系をも内包するぐらいの壮大なスケールを持ったルソーの理論を謎解き、生きた理論として蘇生させる。さらに民族・宗教・ジェンダーなどの諸問題に多元・共存論とは区別される新しく柔軟な共同理論を提起しうることが示唆される。
▼手島茂樹著『海外直接投資とグローバリゼーション』(3400円)投資企業の国際競争力の強化に資し、投資母国・受入国双方にとってプラスの役割を果たすはずの、直接投資を通じたグローバリゼーションが、80年代以降の日本企業の場合、現実にどのようなプラスの効果、またはその限界があったかを見極める。


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東海大学出版会

 東海大学の創立者・松前重義は1901年、熊本県で生まれた。学校法人東海大学では、創立者の生誕百年にあたる本年を、学園建学の理念を再認識する好機と位置付け、「松前重義生誕百年記念事業」を実施する。記念事業の内容は、『松前重義手稿影印集』・『松前重義全集』の刊行、全国巡回パネル展示会の開催、ビデオ製作、記念式典、祝賀会、ソフィア少年少女合唱団による記念公演などが予定されている。これらの事業は、単なるお祝い事として展開されるのではなく、建学の真の理念を再確認し、学園の未来につなげるべく計画されている。
 『松前重義手稿影印集』は、松前重義自筆の手紙や原稿、詩や短歌、日記など28点を原本に忠実に再現し、それら手稿に込められた思想、あるいは時代的・社会的背景を中心とした解説を付す。
 『松前重義全集』は、松前重義の著書や論文を中心に、活字となって公に発表された文章すべて網羅することを目指す大プロジェクトである。現段階では最終的に全何巻になるかも、完結時期も未定である。


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東京大学出版会

 明治国家が立ち上げられたのは、「パクス・ブリタニカ」の世界史空間だった。以来、日本の近代はこのイギリスという国に大きく規定されてきた。近世以来の日英関係史に、日英両国の一線の研究者が、包括的・多角的視座と方法から最新の知見を提供し、共通の歴史認識を探る
▼シリーズ「日英交流史1600−2000」【全5巻】が、このほど完結。1巻・2巻(木畑洋一、イアン・ニッシュ、細谷千博、田中孝彦編)『政治・外交 I・II』、3巻(平間洋一、イアン・ガウ、波多野澄雄編)『軍事』、4巻(杉山伸也、ジャネット・ハンター編)『経済』、5巻(都築忠七、ゴードン・ダニエルズ、草光俊雄編)『社会・文化』。A5判・平均360頁、本体価格4600円〜5000円)。


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東京電機大学出版局

 政府が行っているIT講習が大人気である。特にこれまでパソコンを敬遠しがちだったシニアや主婦の関心の高さがうかがえる。ビジネスだけでなく、情報発信やコミュニケーションの新たな手段として、パソコンへの期待は大きい。
 熟年層のパソコン初心者のために、目的別に入門書を刊行した。いずれも文字を大きくし、読みやすさにも配慮した。
▼『シニアのためのパソコン力養成ゼミ―ITニュースまるわかり』(1800円)パソコンとはどんなもので、何ができるのか。IT関連の基礎知識をやさしく解説。パソコンが身近になる1冊。
▼『シニアビジネスマンのためのパソコン』(2000円)Word・Excel・電子メール・インターネットなど、ビジネスで必要となる項目を厳選。具体的な例題による解説で、実務に即活用できる。
▼『ひとりでできるIT講習 入門編』(1500円)関心の高いインターネット、電子メール、文字入力に的を絞り、基礎の基礎から解説。11月発行予定の応用編では、Word・Excel・年賀状・デジカメ等を取り上げる。


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東京農業大学出版会

〈カラー写真集一〇〇シリーズ〉
ヴェトナム一〇〇の素顔 ―もうひとつのガイドブック―
国際食料情報研究所編 
 ヴェトナムの自然には独自の風景がある。人々の生活に明るさとバイタリティがある。そこには働きものの女性がいる。平成13年4月刊/B6判/152頁/本体価格1600円
イスラエル一〇〇の素顔 ―もうひとつのガイドブック―
 歴史、伝統、宗教、そこには奥深いものがある。民族の生き様が読み取れる。見て、聞いて、触れて、そして感じたことを各隊員が語る。平成13年4月刊/B6判/136頁/本体価格1600円
オホーツク一〇〇の素顔 ―もうひとつのガイドブック―
 東京農大オホーツクキャンパスが網走市にある。北の大地・海の四季、地域文化を紹介。カラー写真とコンパクトなエッセイがいい。平成13年7月刊/B6判/137頁/本体価格1600円


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法政大学出版局

《ものと人間の文化史》/既刊100点!
▼《ものと人間の文化史》は、従来の政治・経済を中心とした歴史記述にとらわれず、人間がつくりあげてきた生活の営みを〈もの〉や自然とのかかわりにおいてとらえ直そうとする遠大な試みです。
▼1968年に第1回配本『船』(須藤利一編)でスタートして以来、本年6月刊行の『瓦』(森郁夫著)をもって既刊は100点・118冊となりました。
▼これを記念して品切れ書目を復刊し、全点を揃えましたのでご案内いたします(内容見本送呈)。
▼また、9月上旬〜10月にかけて、全国の有力書店25店舗にて記念のフェアを開催いたしますので、お誘い合わせの上、お運びいただければ幸いです (開催書店一覧)


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放送大学教育振興会

▼放送大学大学院は平成14年4月開講
放送大学大学院は、職場や生活の場を離れることなく、高度な専門的学識及び知的技能を習得できる大学院を提供するとともに、キャリア・ディベロップメントに資する教育を行う、「開かれた大学院」を理念としている。
▼4つのプログラム
一研究科「文化科学研究科」、一専攻「文化科学専攻」の下に、現代の社会的要請に対応した柔軟な4つのプログラムを設けており、「総合文化プログラム」(文化情報科学群・環境システム科学群)「政策経営プログラム」「教育開発プログラム」「臨床心理プログラム」から成る。
▼授業・研究指導
放送授業番組と印刷教材を組み合わせて授業を行い、研究指導は、対面による直接指導、テレビ電話、電子メール等で行うことになる。
▼7月13日、平成15年度開設改訂予定科目の主任講師会議が開かれた。専任教員・客員教員、ディレクター、編集担当者等が、全体会議、専攻別部会に出席した。これで平成15年度印刷教材編集作業が正式にスタートした。


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明星大学出版部

▼塚田紘一著『子どもの発達と環境――児童心理学序説』本体価格2300円
近世に至るまで、子どもは「大人の小さい者」と考えられていた。しかしながら、ルソー(Rousseau, J-J.)の子どもを中心にすえた児童観によって児童は研究対象になる。ルソーは『エミール』の中で「子どもは大人と違ったもの」であり、不完全な大人としてではなく、子どもとして理解されなければならない存在である」と提言した。大人はかつて子どもだったために子どもの心をあたかも知り尽くしていると誤解していた。その誤解を解き、児童の心理が科学的に研究され始めたのは、わずか百余年前に過ぎない。それから児童心理学は日進月歩に発達する。本書では児童心理の最新情報を解説。
(目次―抜粋―)第一章 発達の基本的理解、第二章 児童研究の方法、第三章 発達初期の展開、第四章 身体と運動機能の発達、第五章 認知発達、第六章 知能と創造性、第七章 情緒・動機、第八章 遊び、第九章 社会性、第十章 自己意識、自己概念、第十一章 親の児童観と教師=生徒間の信頼関係。


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早稲田大学出版部

▼『日本の選挙[増補版]』(福岡政行、2800円)無党派層の政党選択、2000年42回総選挙分析、小泉ショックと自民党、をはじめ政治環境の変化と有権者の変貌を明らかにする。
▼『民族共存の条件』(日本比較政治学会編、同学会年報第3号、3000円)ボスニア、アゼルバイジャン等の紛争の実態を分析し、民族共存の可能性を探る。
▼『掛詞の比較文学的考察』(小林路易、9500円)掛詞を同音の二語による押韻として捉え直し、和歌に西洋詩学の光を当て日本古典文学の韻の構図を解明。
▼『科学技術の英語−IT時代の英語の読み方・書き方−』(篠田義明編著、2000円)状況に応じて英文を適切に「読み、書く」にはどうしたらよいのか。豊富な例文と練習問題により解説する。


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名古屋大学出版会

▼石川九楊著『日本書史』(15000円)東アジアの文化の根底をなす書は、「弧島」の舞台でいかなる劇を繰り広げたのか? 古代から明治初年までの代表的作品の丹念な解読によって、日本書史の全体像を提示したライフワーク完成!
▼P・シェットラー編 木谷勤・小野清美・芝健介訳『ナチズムと歴史家たち』(4200円)アカデミックな歴史学による広範な協力の実態を初めて描き出し、社会史など戦後歴史学の起源に大きな疑問符を投げかけた注目の研究。
▼毛里和子・毛里興三郎訳『ニクソン訪中機密会談録』(3200円)今日の米中関係の出発点となった毛沢東、周恩来、ニクソン、キッシンジャーによる世紀の外交交渉の全貌。1972年、厳冬の北京で4人の巨人は何を語り合ったのか?
▼塚田弘志著『デリバティブの基礎理論――金融市場への数学的アプローチ』(6000円)デリバティブの価格決定についての理論を統一的な視点から整理するとともに、複雑に見える理論の基本構造とその経済学的意味を見通しよく記述した本格的解説書。


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京都大学学術出版会

▼『植えつけられた都市』ロバート・ホーム著/布野修司他訳・5200円/先進諸国の都市計画の源は、実は植民地における経験にある。世界的な都市計画史家として知られる著者が、広く植民都市の歴史を振り返りながら、その遺産を評価し継承することで、今日の「都市問題」の解決にも通じる重要な示唆を与える。都市計画者の生き生きとした評伝としても優れた、都市史・世界史必携の研究書。
▼『建築と私』高松伸編・2900円/近代建築はすぐれて社会的存在である。だからといって、そこでは建築家が、自身の思想をその作品中に実現するのは難しいのか? 日本を代表する建築家が、建築における「私性」を正面から論じる。京大工学部での「建築論」講義の集成。
▼ピンダロス『祝勝歌集/断片選』内田次信訳・西洋古典叢書 II-13・4400円/古代ギリシア最大の合唱抒情詩人ピンダロスの神韻を流麗な日本語で訳出する。「オリュンピア」「ピュティア」など四大競技大会の優勝者を称える四篇の祝勝歌のほかに、ディテュランボスなど現存する貴重な断片も収載。本邦初完訳。


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大阪経済法科大学出版部

▼『経営倫理論』金元銖著/3500円/著者は韓国の経営学の重鎮であり、企業の技術的合理性に偏った論理的意志決定を主とすることに対し、倫理的意志決定の重要性を力説する。「人間と倫理」から「経営倫理」と展開され、企業の組織的意志決定も最終的には個々人の倫理意識に依拠し、それを組織としてどう具現化するかを論述する。経営学を学ぶ学生に倫理的意思決定の重要性を認識させると同時に、倫理意識を高めるために倫理の問題を企業経営と関連させまとめる。企業倫理・社会的責任が問われる昨今、本書は経営倫理のあり方に多くの視座を与える格好の入門書。
第一編 経営倫理論の学問的性格/第二編 人間と倫理/第三編 経営倫理/第四編 経営倫理教育論。
▼『ザ・情報化社会への情報科学』沢勲 冨川国広著/3000円/初めてコンピュータを習得する人や情報科学を学ぶ人を対象に、コンピュータの基礎であり必須科目であるハードウェアやソフトウェアの基礎知識と応用技術をまとめる。イラスト、図表等を多く掲載。


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大阪大学出版会

▼大阪大学創立70周年の記念出版「大阪大学新世紀セミナー」を毎月順調に発刊している。最近の話題性豊かな先端研究をわかりやすく解説したこの叢書は、A5判・96頁・本体1000円、これまで14冊を刊行している。
▼6月刊=真田信治『関西・ことばの動態』は関西弁の最近の変化を分析。高杉英一編『素粒子と原子核を見る』は反物質とかニュートリノという言葉を少しでもわかるために。7月刊=黒沢満『軍縮をどう進めるか』はあらゆる兵器をなくすための努力と理解。天谷喜一・三宅和正・北岡良雄『新しい超伝導を求めて』8月刊=平田健治『電子取引と法』、西原力『環境と化学物質―化学物質とうまく付き合うには―』以後続刊。


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関西大学出版部

▼北岡正子著『魯迅 日本という異文化のなかで』(3800円)多感な青年時代、留学生として体験した“日本という異文化”が魯迅に「愛国青年」としての決意を促した。主体形式の核となった決意の誕生までを跡づける。日本に残る明治期の関連資料を発掘して魯迅の留学環境を再現、神格化を排して歴史化を試みる。
▼小谷節男著『アメリカ自動車工業の研究』(3500円)発展過程の分析では「寡占の原型」を明白にする。寡占市場の再編では戦後の参入と整理統合を解明する。海外進出では技術と規模の優位性に基づき、輸出から現地組立を経て現地製造に至る過程を述べる。グローバル寡占の形成ではダイムラークライスラーの誕生とGM、フォードの世界戦略を究明。
▼樋口欣三著『十八世紀イギリス小説の視点』(2600円)デフォーからオースティンへと続くイギリス小説は、人が近代社会で個としての自覚を獲得していく姿を描くが、それは信仰より世俗的欲望に心を向ける人間を描くことでもあった。幸福、富、家族という主題に焦点をあて、十八世紀小説を読み解こうとする。


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九州大学出版会

▼長崎大学文化環境/環境政策研究会編『環境科学へのアプローチ―人間社会系―』(A5判・410頁・2800円)環境問題の全体像を把握して、解決を目指す、新たなる「環境科学」という学問の真の確立を模索する。自然の価値探索と人間環境系のデザイン手法。
▼中山將・高橋隆雄編『ケア論の射程』〈熊本大学生命倫理研究会論集2〉(A5判・320頁・3000円)哲学、倫理学、日本思想、社会学、看護学の立場から、原理的な事柄と制度的問題とを連関させ、現代におけるケア論を展望する。
▼清水孝純著『新たなる出発―『カラマーゾフの兄弟』を読む III―』(四六判・410頁・3400円)愛欲の極限をゆく魂と、ニヒリズムから狂気に至る魂と、それらを包む謙抑の魂と、それらが織りなす世界文学最大の劇的空間の解読。全3巻完結。
▼高橋和雄著『雲仙火山災害における防災対策と復興対策―火山工学の確立を目指して―』(A5判・608頁・7800円、2000年2月刊)によって、平成12年度土木学会賞・出版文化賞を受賞。


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東北大学出版会

▼加藤尚武編著『共生のリテラシー』(A5判・並製・226頁・1500円)
 地球温暖化、オゾン層破壊、砂漠化、森林破壊、資源枯渇、人口爆発などの環境問題は、全人類の存亡をかけた重要問題である。これらの問題の解決には技術的な対処では不十分で、文明の在り方そのものを問い直すことが必要となる。本書では、哲学・倫理学の立場から、自然、権利・平等の思想、正義をテーマにして、私達の生き方に反省と分析を加え、「共生」という新たな絆となる思想を織り出す。環境倫理の研究・勉学に必読の書。
▼西田秀穂著『パウル・クレーの芸術―その画材と技法と―』(B5判・並製、251頁、4200円)
 水彩画家、油絵画家、版画家、線描家として有名なパウル・クレーは、カンヴァスや絵の具、鉛筆といった画材に固有のこだわりを持っていた。また、独特の技法を用いたことでも知られている。本書は、クレーの画材と技法の変遷を跡づけ、人間性を掘り下げていく。カラー写真65枚、白黒写真130枚を掲載する美術書。


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流通経済大学出版会

▼『足るを知る経済のすすめ』(近刊)
わが国は明治以後、西洋近代文明を追いかけてきた。そしてそれは、高度成長末期の1970年代にほぼメドがついた。近代化という暗黙の「国民的大目標」のもとに、わが国はそれを立派に成し遂げた。が、その後の四半世紀は、単に惰性で経済成長を求めたに過ぎない。大目標がなくなり、小目標しか意識し得なかったからだ。小目標とは、たとえば「前年比で何%売上げを増やすか」といった、きわめて矮小化された目標である。その事に汲々としていれば、人間、狂ってくる。バブル経済もその例だ。世界一ともいえる豊かさを実感できず、ココロの豊かさというものを忘れ、日々、モノやカネへの欲望ばかりを追いかけていれば、狂ってきても当然である。それを見て育つ子供も狂ってくる。昨今のニュースはそんな事件で溢れている。もうこの辺で、方向転換してはどうだろうか。今、「知足経済(足るを知るということを基礎にした経済)」ともいうべき新しい経済体系を確立することが喫緊の課題である。


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三重大学出版会

「(続)故郷の動物」冨田靖男著(A5判、242頁、1995円)
 三重県博物館長を務めた著者が長年にわたる調査研究に基づいて執筆した同県内の動物の生態に関する記録である。朝日新聞地方版に掲載されたものを、野外観察用に編集したもの。
 前著「故郷の動物」(1990年7月刊)では哺乳・爬虫・両生類を対象としているのに対し、本書ではエビ、カニ、ヤドカリ、ウニ、ナマコ、ヒトデ、カイ、イソギンチャクなどの海産動物や昆虫類など、116項目を取り上げている。
 サブタイトルにもあるように、「ネーチャー・ウオッチングの手引き」として活用できるよう、1項目見開き2頁で構成されており、各項目には、1点以上、計242点の写真と、種あるいはグループの形態的、生態的特徴、分布等のほか、必要に応じて食味等についても解説している。タイトルでは「故郷の」とある通り三重県に棲息する動物の棲息報告だが、分布北限種等一部の種を除くと、大半は国内に広く棲息する動物であるため、広範囲に活用できる本である。


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関西学院大学出版会

▼圓田浩二『誰が誰に何を売るのか―援助交際にみる現代社会の性・愛・コミュニケーション』(四六判上製・320頁・3800円)
援助交際とは何か。男と女の間でほんとうは何が交換されているのか? 現代社会における性・愛・コミュニケーションを綿密なフィールドワークに基づいて検証する。
▼阿部周造編著『消費者行動研究のニュー・ディレクションズ』(A5上製・212頁・4500円)
今日の消費者行動研究における理論構築の可能性を示す。
▼ジム・コンセディーン/ヘレン・ボーエン 前野育三監訳『修復的司法』(A5並製・288頁・2800円)
犯罪被害者への配慮と加害者の立ち直り援助を両立させるにはどうすればよいか、ニュージーランドでの実践例から学ぶ。
▼上村敏之『財政負担の経済分析―税制改革と年金政策の評価』(A5上製・280頁・3600円)
「財政構造改革」でなされた税制改革、年金改革を分析、評価する。


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