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北海道大学図書刊行会

▼桑原真人・田中彰編著『平野弥十郎幕末・維新日記』(A5判・7500円)幕末から維新期に江戸・横浜・北海道などで台場築造・新道開削等に活躍した一民間土木請負人の日記。詳細な工事記録と、当時の庶民生活の一端がリアルに記された貴重な史料。
▼高木俊輔・渡辺浩一編著『日本近世史料学研究―史料空間論への旅立ち』(A5判・8500円)古代・中世に比べて大きく立ち遅れている近世古文書学の問題点を、個別類型文書の作成・授受関係と史料保管について、共通の素材を対象に各執筆者が検討。今後の新しい史料学の方向性を指し示す。
▼山岸宏光・志村一夫・山崎文明著『空中写真によるマスムーブメント解析』(A4変型・20000円)重力に伴う地表のマスとしての運動(マスムーブメント)解析における空中写真の有効性と最新技術を論述し、カラー写真とCD-ROMを使用して実際の解析例と解析方法を提示する。
▼渡辺康之著『ウスバキチョウ』(A4判・15000円)北海道大雪山系を中心に著者30年の撮影活動を集大成したパルナシオロジスト待望の図鑑。


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聖学院大学出版会

▼組織神学研究所編『パウル・ティリッヒ研究2』(A5判上製、本体3800円)
 パウル・ティリッヒの思想は、キリスト教神学に限らず、哲学・倫理・政治・経済・科学・教育・芸術・精神分析など多様で幅広い領域を扱う。しかし、ティリッヒほど多様な問題領域において体系的に思考し、体系を求めて思索した思想家も20世紀においては数少ない。
 本書は、ティリッヒの体系的主著『組織神学』全3巻をほぼ2年かけて研究した共同研究の成果であり、ティリッヒ思想の核心を明らかにし、ティリッヒ思想の全体像を追求する論文集である。ティリッヒの助手でありシカゴ大学教授などを歴任しGilkey on Tillichの著者でもあるラングドン・ギルキー氏からの書き下ろし寄稿論文を二編収録した。
▼渡邉守道著『ニコラウス・クザーヌス』(本体価格未定)
 中世の神学者であり思想家である、ニコラウス・クザーヌス(1401−1446)の政治思想を長年にわたり研究してこられた著者の最新の著作。製作が遅れていたが、「クザーヌス生誕六○○年」を記念して刊行する。


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麗澤大学出版会

▼中村元著『中村元「老いと死」を語る』(本体800円)
 人間いかに老い、いかに死すべきか。この大問題を最近の日本人はあまり考えなくなった。近代科学文明という唯物論に毒された現代日本人は、死を一切の終りと考え、長生きすることに腐心するのみで、死から眼をそむけて生きようとする。その結果、死への心の準備を怠っている。しかし、釈尊の原始仏教は、死を見つめさせ、死を見つめることのうちに〈生きる〉ことを教えようとする。
 本書は、この仏教の叡智を80歳時の中村博士が西洋の合理主義思想と対比しつつ諄々と説いたものである。
 平成5年の中村博士の講演を基に、保坂俊司麗澤大学助教授が編集し、脚註と適切な解説を付している。


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慶應義塾大学出版会

▼小松隆二著『公益学のすすめ』(2400円)いまや教育・医療機関から企業まで「公益」という概念を無視しては通れない。「公益学」とは、このような社会の要請に応えて、今まさに立ち上げられようとしている新しい学問。「非営利分野」の活動・組織を総合的にとらえ、分析し体系化することをめざす。市場原理を超える「公益原理」という新しい価値観を提示。
▼慶應月が瀬リハビリセンター リエゾン・カンファレンス研究会他著『リエゾン・カンファレンス―リハビリテーション医療における心理的ケア』(2500円)手術後などの身体的リハビリ医療に際し、精神医学の専門家と連携して症例検討会を組織し、患者の心理的ケアに当たってきた月が瀬リハビリセンターにおける18年の実践活動の成果。これからの医療のための、理論とケーススタディ。
▼岡田泰男著『アメリカ経済史』(2800円)その歩みを、「南部と北部」「移民と労働者」など、トピック別に解説しながら、米国経済や社会の特徴を明らかにする。


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産能大学出版部

▼『IT時代の「課題達成型」目標管理』浅江季光編著(2200円)
 IT技術の猛烈な進展により、これまでの目標管理、方針管理では十分機能できない状況を呈している。
 本書は情報社会での管理方法となる具体的なツール「課題達成型」のための目標管理を、ステップとともに示したものである。すなわち、第一義的には個人の役割を明確にし、ベクトルを合わせ企業目的を達成するための手段として。第二義的には、個人の成果を評価し動機づけるための手段である。
▼『マーフィー人間関係につまずかない55の法則』マーフィー理論研究会編著(1500円)
 人間関係の難しさ、煩わしさは誰もが感じていることでしょう。マーフィー博士は膨大な著書の中で、難しい人間関係を解決した事例、望みを実現するための人との出会いの方法を数多く示してくれました。本書はそのような教えと事例を抽出して今日的問題に当てはめ、人間関係に悩んでいる人、よい人間関係を求める人たちのために書かれたものです。


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専修大学出版局

▼森武夫監修『ケースファイル 非行の理由』(2200円)
 園児や児童を対象とした最近の調査では、この数年に自己中心的な子、言動が粗暴な子、すぐパニックになる子、他人とコミュニケーションできない子、親の前でよい子を演じる子、教室で荒れる子などがふえているという。本書は家裁調査官、心理技官、都立高校カウンセラー、大学教授らが、現代型非行の特質と実態を掘りさげて報告し、病める社会と子どもの内面に迫っていく。
【目次】現代型殺人の裏側○女子非行○薬物○パソコン犯罪○親父狩り○ひったくり○家族への抗議○虐げられた少年の怒りと回復○キレる少年のカウンセリング○なぜ立ち直れなかったか○ほか…


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玉川大学出版部

▼M・トロウ著/喜多村和之編訳『高度情報社会の大学―マスからユニバーサルへ―』(3800円)高等教育のエリート―マス―ユニバーサル型への発展段階理論〈トロウ・モデル〉を提唱するトロウが21世紀初頭の高等教育像を展望。高等教育のユニバーサル化、評価、説明責任の問題を捉え直し、情報技術の発達が高等教育に革命的な変化をもたらし、生涯を通じて好きな場所・時に教育する機会を得る段階が到来すると予測。高等教育機会の拡充過程の歴史的推移を見通した、東京大学出版会より刊行中の名著『高学歴社会の大学』の姉妹編的存在。
▼D・セイモア著/舘昭・森利枝訳『大学個性化の戦略―高等教育のTQM―』(4200円)大学を運営するにあたって、もっと良い方法が存在する。産業界で成功を収めた品質管理の手法―TQM(トータル・クオリティ・マネジメント)である。その哲学にもとづく経営手法を導入し、改善に成功したアメリカの大学の例を多数示しながら、大学の品質向上への手がかりを教示する。大学の個性確立をめざす大学管理職者の必読書。


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中央大学出版部

▼宇沢弘文・田中廣滋編著『地球環境政策』(2300円)複雑化し、地球規模で拡がりを見せている環境問題に関して、環境政策と経済的手段の関係を示しながら望ましい政策や制度、将来的な展望を考えるべく具体的問題を取りあげ、理論的、分析的、制度的に専門的観点から論述し、解決策のひとつの参考になることを目指す。
▼真田芳憲著『イスラーム身分関係法』(7500円)本書はエジプト、シリア、テュニジアの身分関係法、アラブ連盟の統一アラブ身分関係法案及び非ムスリム国家の全ムスリムを適用対象とするムスリム身分関係法を翻訳し、解題を冠して注釈を加えた、わが国最初の注釈イスラーム身分関係法である。


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東海大学出版会

▼図研究会著『図2建築模型の表現』(2500円)大学での建築設計製図教育において基礎的部分である建築模型(モデル)の作り方、表現の方法を様々な事例を引用しながらビジュアルにまとめる。
▼平野義明著『ウミウシ学―海の宝石、その謎を探る』(2500円)ウミウシワールドを探り、そのユニークな行動や生態、進化を覗く後鰓類の生物学。
▼鈴木徹著『バルト三国史』(2800円)北欧・ドイツ・ロシアの三大国家群の中心に位置する戦争の緩衝地帯に存在し、幾度となく占領が繰り返された小国バルト三国の国家形成から、ソビエトからの独立回復までの歴史的経緯を外交官である著者が公平な視点から著す。
▼大薮多可志著『コンピュータ・アーキテクチャ入門』(2900円)データ表現・論理演算からネットワーク・CASLまで、コンピュータシステム全般を解説。


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東京大学出版会

▼これまでの社会科学は、各専門分野ごとに別々の「言語」で語り、異なる説明をしてきた。同じ人間の行為であるのにもかかわらず、経済的行動をしている場合と、法律的あるいは政治的行動、さらに社会的行動をしている場合とで、「共通する要素がない」と仮定することには問題がある。『社会科学の理論とモデル』(小林良彰編集・全11巻・平均定価2800円)は、そうした問題意識から、さまざまな社会科学における理論とモデルについて整理、紹介し、さらに議論を深めることを狙いとしたシリーズとして、日本で初めて刊行されるものである。
▼1選挙・投票行動(小林良彰)、2国際関係(鈴木基史)、3権力(盛山和夫)、4決定(宇佐美誠)、5コミュニケーション(池田謙一)、6集団・組織(森脇俊雅)、7法律(太田勝造)、8官僚(黒川和美)、9行政・地方自治(秋月謙吾)、10社会契約(飯島昇藏)、11比較政治(小野耕二)。
▼公共選択論を中心とした数理モデルや計量モデルを分析の軸に据え、社会科学が書き直されるための基礎を提供し、社会科学の「共通言語」の獲得をめざす。


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東京電機大学出版局

 ある年代より上の男性は、専攻が理系か文系かを問わず、中学校でハンダごて片手に初級の電子工作をしたはずだ。さらにさかのぼれば小学生時代、月刊科学誌付録の電気工作に心踊らせた思い出もあるだろう。かつての「ラジオ少年」→「技術者」というコースが近年、不人気だそうだ。理工系大学にとっては焦眉の急でもある。
▼さて、(1)は電気回路の常識から説く。ブザーやタイマー、ラジオ、テスタなどを作り、小・中学生向。(2)はプログラミングICを使って、光線銃ゲームや超音波距離計、周波数カウンタと、作るものも高レベル。工業高校・専門校向。(3)は、電器でおなじみの可変周波数交流変換装置(インバータ)の入門書。アナログ単相インバータを取り上げるが、さらに上級に進むための基礎である。大学生・専門校・初級技術者向。
▼(1)『たのしくできるやさしいエレクトロニクス工作』西田和明著(本体1900円)
▼(2)『たのしくできるPIC電子工作』後閑哲也著(本体2700円)
▼(3)『たのしくできる単相インバータの製作と実験』鈴木美朗志著(本体2000円)


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東京農業大学出版会

ジブティの沙漠緑化一○○景
――もうひとつのアフリカガイド
東京農大沙漠に緑を育てる会編

 東京農大は、10年前の1991年に創立100周年を迎えた。この時に創立100周年記念研究プロジェクト事業として「ジブティ沙漠緑化プロジェクト」がスタートした。10年のその成果をまとめたもの。
 写真に木材工学、地水工学、作物保護学、熱帯園芸学、病理学、緑化工学等の専門家の視点で、分かり易く解説されている。特に緑化工法の試みや現地ソマリヤ人との交流については一見一読を薦めたい。
 ジブティの自然、ジブティの家畜と動物たち、ジブティの植生、ジブティの人々の暮らし、ジブティの農業の現状、沙漠緑化への挑戦、ジブティの人々との交流、の七章からなる。
 『モンゴル一○○の素顔』『ペルー一○○の素顔』に次いで、カラー写真集一○○シリーズの第三集である。
平成12年5月刊/B6判/137頁/本体価格1500円


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法政大学出版局

▼《韓国の学術と文化》シリーズ
 最も近い隣国ながら、まだよく知られざる国――韓国。本シリーズは、そうした韓国の歴史・政治経済・社会文化・民俗・芸能・思想等々についての、同国の第一線研究者による定評ある学術書を系統的に翻訳・紹介する。これにより、対象としての〈韓国〉ばかりでなく、同国の人文・社会科学研究の現状と力量をも同時に知ることができよう。約30点を刊行の予定。
▼原則としてA5判・上製
1 韓国現代政治の条件
  崔章集/中村福治訳……3600円
2 朝鮮王朝社会と儒教
  李泰鎮/六反田豊訳……3500円
3 日清戦争期の韓国改革運動
  柳永益/秋月望・他訳…3200円


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放送大学教育振興会

▼平成12年度の新刊図書は71冊。放送大学の12年度開設科目310に含まれ、履修登録をした学生たちの手許に3月末日までに届けられた。
▼新刊図書の履修科目登録者数のトップテンは、(1)『食生活をめぐる諸問題』 (2)『人格心理学』 (3)『食物とからだ』 (4)『高齢者の心と身体』 (5)『家族と生活ストレス』 (6)『発達と学習』 (7)『母子の健康科学』 (8)『現代人のための哲学』 (9)『法学入門』 (10)『情報基礎管理学』。
▼江渕一公・酒井豊子・森谷正規共編著『共生の時代を生きる―転換期の人間と生活』人間の探究、生活と福祉、産業と技術の三専攻分野で今日的関心を喚んでいる諸問題をとり上げ、学際的アプローチを試みた放送大学主題科目の一つ。20世紀が残した最大かつ緊急の課題―人間の生活環境をどう改善するか―について、人間と自然・社会環境との関係を、「共生」「調和」の視点から捉えなおすことで解決するように提言している。
▼引き続き平成13年刊行予定の図書64点、200名近くとなる執筆陣は、取材、執筆、校正にと、おお忙しである。


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明星大学出版部

▼塚田紘一著『子どもの発達と環境――児童心理学序説――』近世に至るまで、子どもは「大人の小さい者」と考えられていた。しかしながら、ルソー(Rousseau, J-J.)の子どもを中心にすえた児童観によって児童は研究対象になる。ルソーは「エミール」の中で「子どもは大人と違ったもの」であり、不完全な大人としてではなく、子どもとして理解されなければならない存在である」と提言した。大人はかつて子どもだったために子どもの心をあたかも知り尽くしていると誤解していた。その誤解を解き、児童の心理が科学的に研究され始めたのは、わずか百余年前に過ぎない。それから児童心理学は日進月歩に発達する。本書では児童の心理の最新情報を解説。(目次―抜粋―)第一章 発達の基本的理解、第二章 児童研究の方法、第三章 発達初期の展開、第四章 身体と運動機能の発達、第五章 認知発達、第六章 知能と創造性、第七章 情緒・動機、第八章遊び、第九章 社会性、第十章 自己意識、自己概念、第十一章 親の児童観と教師=生徒間の信頼関係。


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早稲田大学出版部

▼『スウェーデンの地方自治』(A・グスタフソン、岡沢憲芙監修/穴見明訳、3200円)福祉社会はどう造られたのか。自治を支える行政の仕組を解明する。
▼『日本の選挙』(福岡政行、2500円)1996年の衆議院選挙を初め、小選挙区制の問題点、無党派層の政党選択など政治環境の変化と有権者の変貌を分析。
▼『責任の思想』(片岡寛光、3200円)責任とは何か。西洋と中国の責任に関する考え方の系譜をたどり、日本で責任思想がどう展開してきたかを探る。
▼〈内田満政治学論集全3巻〉(2)『政党・圧力団体・議会』(4700円)20世紀の政治過程研究の動向と現実政治の変遷を跡づけ、理論と実際の両面からデモクラシーの可能性を追究。*内容見本送呈


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名古屋大学出版会

▼高橋友子著『捨児たちのルネッサンス―15世紀イタリアの捨児養育院と都市・農村―』(4800円)フィレンツェに残された例外的に豊かな史料に基づき、捨児たちの運命と養育院の姿を描く。
▼佐藤彰一・池上俊一・高山博編『西洋中世史研究入門』(3500円)邦語を中心に基本的文献を紹介し、研究の現在と読者を架橋するベーシックな研究入門。好評『西洋近現代史研究入門』の姉妹編。
▼稲賀繁美編『異文化理解の倫理にむけて』(2900円)異なる価値観のせめぎ合う臨界に立ち会い、思考するとはどういうことか。気鋭の研究者らが触媒となる経験を提示、問題探究へと誘う。
▼井口昭久編『これからの老年学―サイエンスから介護まで―』(3800円)老化のメカニズムから、疾病、医療、看護、介護、福祉まで、あらゆる角度から高齢者の問題をきめ細かく解説。
▼松本俊郎著『「満洲国」から新中国へ―鞍山鉄鋼業からみた中国東北の再編過程―1940〜1954』(5800円)当初の開発意図を超えてもたらされた物的・人的資源の連続と断絶の諸相を解明。


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京都大学学術出版会

▼「西洋古典叢書」第II期全31冊・刊行開始!第1回配本――トゥキュディデス『歴史1』藤縄謙三訳・4200円/読者から再スタートを熱望されていた当叢書が、いよいよ第II期全31冊で刊行開始される。初回配本は、難解な名文として名高いトゥキュディデスの『歴史』で、わが国の西洋古代史研究の泰斗が二年がかりで新訳に挑んだ労作である。これを筆頭に、[第II期]は、哲・史・文のバランスよく、初訳・新訳をまじえて、研究者はもとより本物のクラシックスを求める幅広い愛好家に、ギリシア・ローマの貴重な文化遺産をお届けする。
▼『歴史としての生命』村瀬雅俊著・4800円/生命とは何か――この根源的な問いに独自の理論構築で応える力作。
▼『アーネスト・F・フェノロサ文書集成』村形明子編訳・5600円/日本近代の美術・文化史研究に不可欠な資料を整理・翻刻し、解説を付して紹介する。
▼『「視線」からみた日本近代』中村隆文著・5200円/明治期に普通科教育の一つとして導入された図画教育を、日本の「近代化」論の中に位置づける。


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大阪経済法科大学出版部

▼監修 能塚正義 梁官洙『東アジア経済の発展と展望』(A5判・2600円)復旦大学で開催された経済部会シンポジウムでの諸報告を再編集。90年代後半アジア各国を襲った経済金融危機の特徴と分析。新たな経済発展に向けた各国の経済政策と企業の改革の分析。また21世紀を展望する政策の提言。第1部 アジアにおける金融危機と経済改革/第2部 韓国における金融危機と経済改革/第3部 日本と中国における経済改革
▼伍 躍 著 アジア研究所研究叢書8『明清時代の徭役(ようえき)制度と地方行政』(A5判・3500円)徭役制度とは、簡単に言えば国家が人民の財産や労働力を無償で徴発するものである。明清時代、国家は社会秩序を形成し維持するために、地方末端組織を組織して、徭役制度を利用していた。第一・二章で、地方末端組織(銭糧、刑名など)の役割。第三章では、地方倉庫の管理にあたる雑役夫(斗級、庫子)の役割。第四章では、徭役制度と官僚収入との関係など。徭役制度が地方行政の中でどのような役割を果たしていたのか、を解明する。


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大阪大学出版会

 大坂には世界から物と思想が集積し、日本各地へ供給(情報発信)をなした。
▼脇田修、J・L・マクレイン編『国際交流フォーラム 近世の大坂』(四六判・3000円)今年は日蘭交流400周年、国際交流の歴史と未来を考えるうえでまたとない機会である。本書で考察されたテーマと演者は左記のとおり。
 中世大坂の風景…脇田晴子、近世大坂の都市構造…脇田修、一七世紀大坂の都市空間…J・L・マクレイン、大坂周辺地域の支配…村田路人、浪速五人男…G・P・ループ、町人訴願件…内田九州男、大阪演劇の個人精神…A・ガーストル、緒方洪庵と大坂の国際(蘭)学…T・ナジタ、近世大坂の稲荷信仰…中川すがね、大坂の願人仲間…吉田伸之
▼阪大経済学部創設五十周年記念出版 『阪大経済学ア・ラ・カルト』(A5判・2300円)キンケイ(近代経済学)のメッカとも称され我が国の経済学を先導した「阪大経済学部」、その研究者たちが経済学・経営学諸分野の内容と学び方を学生・社会人向けに概説。世界と日本経済のダイナミズムを理解するために。


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関西大学出版部

▼織田稔著『ことばの研究と英語教育』(3700円)日本の英語教育に不可欠の一環として英語科教育はいかにあるべきか。根強い英語縮小廃止論の反省の上に立って、真に自然な人間の言語の教科として、音声と文法の生きた結合の習得にその確立をめざす著者40年の英語研究の集大成。
▼佐々木土師二著『旅行者行動の心理学』(5000円)わが国ではまだ低調な観光旅行者の心理学的研究に関し、外国の研究成果をレヴューして新体系を示した。九章構成で、心理学的研究枠組みを設定したのち、旅行者モチベーション、目的地の認知的魅力と選択過程、訪問地内行動などの具体的領域と類型論的研究を総括し、最後に旅行商品を論じている。
▼名和小太郎著『変わりゆく情報基盤』(3500円)情報通信技術のデジタル化とネットワーク化に伴い、コンピュータ・ネットワークとそのアプリケーションは急速に変貌した。対応して既存の法制度も再構築を迫られている。これを同時代史的かつ多領域的に整理し、あわせて近未来の姿を予測する。


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九州大学出版会

▼クラウス・ヘルト/浜渦辰二訳『二十世紀の扉を開いた哲学―フッサール現象学入門―』(四六判・194頁・2200円)。フッサール現象学は、「〈間(あいだ)〉の次元の発見」によって、20世紀の哲学に対してまったく新しい思考可能性の扉を開いた。この着想のもとに、フッサール現象学が持つ意味を見据えつつ、初学者のための入門に貢献しようとする。
▼長崎大学文化環境研究会編『環境と文化―〈文化環境〉の諸相―』(A5判・380頁・3500円)。本書で提示する〈文化環境学〉は、環境にかんする諸問題への文系基礎学からの回路を開拓する試みである。「人間の自然へのかかわりかたとしての文化」から、文化の世界としての意味「メディア・言語記号としての世界」までの振幅を考察する。
▼志垣嘉夫著『フランス絶対王政と領主裁判権』(A5判・320頁・5800円)。本書は、氏が生前自ら構想しておられた「アンシアン・レジーム期フランスの領主裁判権」に関する労作をまとめたもので、わが国の西洋近世国制史研究に多大な寄与をなすことが期待される。


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東北大学出版会

▼永渕正昭『障害者のリハビリと福祉』(A5判、292頁、2600円)21世紀の障害者福祉論を展望した意欲的著作。日進月歩の医学の発展と共に、リハビリテーション工学もめざましく進歩しており、他方では、障害者に対する社会福祉も年々充実してきている。今後の障害者福祉は、脳医学と情報工学の最新知識を取り込み、新しい福祉観に基づいた広い意味でのリハビリテーションを行うこととなる。
▼中山至大・井之口希秀・南谷忠志『日本植物種子図鑑』(四六倍判、644頁、19000円)植物図鑑は数多く出版されているが、種子についての記述は少なく、著者達の多大な労力によって、待望の種子図鑑の発刊が実現した。本書に登載されている種数は約2000種。自然が創り出した造形の素晴らしさをカラー写真で見事に再現した本書は、植物学、生態学、薬学、農学、園芸学、林学、バイオテクノロジー等の分野にとどまらず、美術、デザイン、鑑識、種苗等の実務に携わる人々にとっても必見の書と言えよう。


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流通経済大学出版会

▼『インターネット経済・エネルギー・環境』(J・ロム他/流通経済大学教授若林宏明訳・約220頁・予価3000円・7月発行予定)
 原書は、昨年12月米国のエネルギー・気候変動解決センター(CECS)が発表した報告書である。ここでは、今“爆発的に”成長しているインターネット経済のエネルギー消費削減と環境保全への影響について定量的に分析しようとする、全く新しいしかも興味深い試みが為されている。構成は、冒頭が「政策提言用要約(EXECUTIVE SUMMARY)」、続いて第一章「緒言」、第二章「エネルギー消費原単位に影響を与える諸動向」、第三章「インターネットと建物施設部門」、第四章「インターネットと製造生産部門」、第五章「インターネットと輸送部門」、終章(第六章)が「結論」となっている。
 著者は「結論」の中で、インターネット経済が全部門のエネルギー原単位を減らせるのは、ITの進歩、多大の企業投資、ネットワークのエネルギー節約・環境保全効果などに支えられているからであると指摘している。


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三重大学出版会

▼『三重の民俗』(三重民俗研究会編、2400円)昭和62年2月に発足した三重民俗研究会による、三重県の隠れた伝承文化事象や精神文化の聞き書きによる掘り起こしを活かした論集。内容は以下の通り。
I ヤマタノオロチと竹の民俗
II 工場の民俗‥四日市臨海工業地帯の場合
III 三重雑煮考
IV 三重の鵜飼について
V 失われゆく庶民の文化遺産「力石」三重県編
VI 廃村茨川の歴史と伝承
VII ふるさとの民俗
VIII 松浦武四郎と蝦夷地
IX 郷土をフィールドとした伝承文化の学習と課題
X 民俗の奥行きと民俗学の射程‥あるいは伊勢民俗の座標

 貴重な写真や図表が多数収録されているほか、小学6年生を対象とした郷土調査の教育実践や民俗学における地域性の把握など、興味深いテーマが論じられている。


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関西学院大学出版会

 発達遅滞、とくにダウン症候群を持つ人々の能力を、積極的に変容に導くことを目的とした理論と実践の書、『「このままでいい」なんていわないで!(原題:Don't accept me as I am)』(R・フォイヤーシュタイン他編著)が、カナダの社会福祉学者、L・B・グレアムの明晰な日本語訳により刊行されました。人間の認知能力を最大限まで高める努力を行うことで、個人に真の豊かな人生を保証しようとする試みは、障害を持つ人々を「あるがままに」受け入れるという、従来支配的であった理論に真っ向から挑戦するもので、著者らの40年以上にわたる実践活動に培われた「認知構造変容理論」に支えられています。かつて『ダウン症の子をもって』を著した、正村公宏氏は、本書を次のように評しています。「著者たちの実践の結果は、ほとんど衝撃的といってもよいのではないでしょうか(…)著者たちの提起している「可能性の原理」は、これからの日本の福祉を考えるうえでも、もっとも基礎的な思想であり、方法であると確信いたします」(6月刊)



お知らせ
▼京都大学学術出版会の住所が変わりました。
新住所
〒606-8305
京都市左京区吉田河原町15-9 京大会館内
(電話・FAXは変更なし)


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