東京国際ブックフェア2000出展報告

斉藤 勇



 東京国際ブックフェア2000が、本年4月20日(木)から23日(日)までの4日間の会期で、東京・有明の国際展示場「東京ビックサイト」で開催された。
 今回は、「子どもの読書年」「オランダ年」「世界本の日サン・ジョルディの日」という三大テーマを中心に展開され、世界25カ国から500の出版社が一堂に集結し過去最大の規模となった。
 会場構成としては、専門分野ごとに「自然科学書フェア」「人文・社会科学書フェア」「児童書フェア」「編集制作プロダクションフェア」「電子出版・マルチメディアフェア」「デジタルパブリッシング技術フェア」「学習書・教育ソフトフェア」「マンガ・コミックフェア」と8つの区分に分かれており、大学出版部協会は、「人文・社会科学書フェア」にブースを設け、全25大学出版部の刊行図書の中から1350冊を展示・販売した。
 その他のイベントとしては、「造本装幀コンクール展」「洋書バーゲンコーナー」「出展者による無料公開セミナー」「教育の情報化支援セミナー」「専門セミナー(出版総合コース)・(著作権取引コース)」図書館向けには「二一世紀へ向け図書館の役割を考える」など専門的にテーマをしぼった各種のセミナーに加え作家によるサイン(即売)会などがあり大勢の人が集まり盛況であった。
 その中でも、興味深く感じたのは、出展者による無料公開セミナーの「少部数書籍印刷の革命」である。我々専門書出版社にとっては、避けて通れないことである。
 東京国際ブックフェア2000の会期中の入場者は、4万7982人と過去最高であり、大学出版部協会のブースを訪れた人は、5013人(1999年度=4019人)と昨年よりはるかに大勢の方が訪れた。
 また、会期中は特別価格で437冊(1999年度=351冊)を販売し、金額では昨年より28.7%増の成果を収めた。他出版社では1日で100万円以上も売上げた所もあり、企画運営のリード エグジビション ジャパン(株)によると、どこの出版社も昨年以上の成果を上げたとのことである。
 年に一度の日本最大級のブックフェア、過去は、参加することに意義があるとオリンピックのように思われたが、最近では質と実を追求するようになり、その事がフェア自体を活性化し盛り上げていると感じた。最後にフェア前日のセッティングから後片づけに携わった営業部会の皆様、本当にお疲れさまでした。
(玉川大学出版部)



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