大学出版部ニュース
表示価格は税別です

北 大麗澤大聖学院慶應大産能大専修大玉川大中央大東海大
東 大電機大東農大法政大放送大明星大早稲田名 大京都大
経法大大阪大関西大九州大東北大流経大三重大  

ご覧になりたい出版部名をクリックして下さい




北海道大学図書刊行会

▼松浦啓一・宮正樹編著『魚の自然史』(A5判・3000円)多様性をもたらした進化の歴史を比較形態学・分子系統学・生物地理学・繁殖生態学などからアプローチする。
▼浅野孝・丹保憲仁監修『水環境の工学と再利用』(A5判・6000円)水資源と水利用、自然環境との調和をめざした総合的水管理システムの構築・管理方法に関する成果集。
▼葛西清蔵編著『英語学と現代の言語理論』(A5判・5600円)実用性と理論性を併せもつこと、および英語学と言語理論の関わりをわかりやすく例証・説明することを目的に編まれた論文集。
▼山下善平著『里山の昆虫たち』(B5判・2800円)日本の原風景を象徴する「里山」。失われつつあるこの貴重な環境のなかで棲息する虫たちを600枚に及ぶカラー写真と達意の文章で紹介。
▼道東の自然史研究会編『地質あんない 道東の自然を歩く』(四六判・1800円)阿寒湖・釧路湿原・知床などに代表される道東の自然史を、千島列島の成立と結びつけて紹介する。本書の刊行で北海道全域を網羅する地質巡検案内書全6巻が完結。


→INDEX


聖学院大学出版会

▼大澤麦・澁谷浩編訳『デモクラシーにおける討論の生誕―ピューリタン革命におけるパトニー討論―』(5800円)
 ピューリタン革命の最中、国王を逮捕した革命軍が今後の方針を討議するためにパトニーで総評議会を開催した。議長をオリバー・クロムウェルが務め、新しい政治体制を主張するレヴェラーズと激しい議論を進めたが、この討論にこそ、互いの違いを理解しあい、共通の目的を発見することをめざす、近代デモクラシー思想の源泉があったとされる。「パトニー討論」の翻訳と訳者解説により、この「討論」の政治思想史における意義を解明する。
▼田村秀夫編著『クロムウェルとイギリス革命』(5600円)
 ピューリタン革命の立役者オリバー・クロムウェルの評価はさまざまであるが、本書では、これまでの研究史を紹介しながら、「クロムウェルの宗教」「クロムウェルと政治」「クロムウェルと国際関係」と多角的観点から、クロムウェルの現代における意義を論じる。


→INDEX


麗澤大学出版会

▼周大観詩/宋芳綺著/千島英一編訳『ぼくにはまだ一本の足がある』(本体1400円)
 台湾の少年詩人・周大観は父母の啓発教育により5歳で『唐詩三百首』と『論語』『孟子』等の四書を暗誦したほどの神童であるが、8歳で小児癌に罹り、片足を切断し、9歳で夭逝した。
 しかし癌と闘った大観の不屈の魂と、命そのものの詩は人びとを驚嘆させ涙を誘い、その詩と生涯を綴った書は台湾・香港で大ベストセラーとなった。ついで小中高生の副読本にも指定された。本書はそれを基に編訳した日本語版である。
 子供とも思えぬ毅然たる精神と天才的なその詩は世界中の感動を呼び、英・独・仏・西・韓語版のほか、米ディズニープロがそのアニメ映画化を進めている。


→INDEX


慶應義塾大学出版会

▼湯浅譲二『人生の半ば―音楽の開かれた地平へ』(4000円)
 平成10年度日本芸術院賞・恩賜賞を受賞するなど国際的に活躍する作曲家、湯浅譲二待望のエッセイ集。一貫した前衛的態度で、音楽の地平を切り開いてきた、その半世紀近い創作活動の背景にある思想、人生観を一冊に凝縮。読者を豊かな音楽世界へと誘う。
▼田代和生『江戸時代 朝鮮薬材調査の研究』(8000円)
 「宗家文書」の検証をもとに、朝鮮薬材調査の実態を解明した本邦初の研究書。徳川吉宗が命じたこの調査は、朝鮮医学理解のみならず、朝鮮人参の国産化構想も秘められていた! 朝鮮動植物図56点をカラーで収録。
▼L・S・ペイン著/梅津光弘・柴柳英二訳『ハーバードのケースで学ぶ企業倫理―組織の誠実さを求めて』(5800円)
 企業倫理を確立する、新しい時代の経営戦略とは? ハーバード・ビジネス・スクールのケースを素材に、〈組織の誠実さ〉の経営上の重要性について貴重な示唆を与える。


→INDEX


産能大学出版部

▼『組織設計概論』波頭 亮著(2600円)
 本書は、収益向上につながる組織立案に必要な組織の概要をまとめたものである。即ち、5つのステップでまとめた組織設計のプロセス、現代の組織制度とその検証、組織変革で高収益をあげている企業の例を取り入れわかりやすく解説。ベストセラーとなった前著『戦略策定概論・企業戦略立案の理論と実際』の姉妹書。
▼『知力創造社会――パラダイム転換の中の戦略的リーダーシップ』レナート・ローリン他著 小林薫訳・解説(2600円)
 社会の変化の道筋は、工業化社会→サービス社会→情報社会、そして知識社会を経由して新しい学習社会へと進みつつある。このような社会での競争力は学習と能力の開発に基づいており、それが組織、戦略、リーダーシップに多大な影響を与えていく。
 当初、スウェーデンで出版され、ベストセラーとなって英訳されたものを翻訳したのが本書である。


→INDEX


専修大学出版局

▼石村修著『明治憲法 その獨逸との隔たり』(2500円)
 明治憲法体制の時代は激動の波に翻弄された時代であった。本書は世界史、特に西欧との比較憲法史の中で明治維新を捉え、そしてドイツ選択の経緯を人的側面を中心に説明していく。
 明治の政治家や法律家にとって近代立憲主義を理解することがいかに困難であったかを、明治維新時から第二次世界大戦に至るまでの様々な局面で検証している。遡って、明治憲法制定の源流である明治政府が西欧の受容において、いかに近代立憲主義の本質的な部分を放擲してきたかを、特にドイツとの関係で描いている。これが隔たりの所以である。


→INDEX


玉川大学出版部

▼皇紀夫・矢野智司編『日本の教育人間学』(4000円) 戦後日本を切り開いてきた日本の教育研究者・思想家13人の思想・業績を追いながら、その課題と特質を提示。
▼P・ジャクソン/徳久球雄・吉富亨訳『文化地理学の再構築―意味の地図を描く―』(4500円)経済・歴史・文学など広範な分野に潜む支配と従属の政治力学を読みとり、ダイナミックに変動する人間社会の地理空間を描く。
▼S・ロスブラット/吉田文・杉谷祐美子訳『教養教育の系譜―アメリカ高等教育にみる専門主義との葛藤―』(3400円)社会の発展につれて変わってきた大学の役割や古代の伝統と理想が近現代に与えてきた影響を辿りつつ、リベラル・エデュケーションを貫く精神に多面的に迫る。
▼A・ベルトラン&P・カレ/松本栄寿・鈴木清子訳『電気の精とパリ』(3800円)かつては近代化の象徴とされ、現在では当たり前のように使われている電気は、いかにしてわれわれの生活に浸透してきたのか。フランスにおける電気の歴史と社会・文化に与えた影響を読み解きながら、その問いに迫る。


→INDEX


中央大学出版部

▼細内信孝著『コミュニティ・ビジネス』(2000円)
 いま地域コミュニティのもつ基礎集団としての役割が改めて見直されようとしている。大都市・地方都市商店街の衰退化、後継者不足、中小・零細企業の企業系列からの自立化、また中高年サラリーマンまでが企業から放出されるという状況の中、住民が安全で快適な環境のもとに自立して生き生きと暮らしていくには、コミュニティとの結びつきがより大切な要素となってくる。
 本書は、住民自治による新たな社会開発を内外の事例に探り、閉塞する時代を地域力で乗り切る方途に迫る。実際にまちづくりや地域に密着した新事業、地域の再活性化を考えている人々には、大いに役立ち、羅針盤の役割を果たす好著。


→INDEX


東海大学出版会

▼上野輝彌・坂本一男『魚の分類の図鑑―世界の魚の種類を考える―』(2800円)
 水中で泳いでいる魚を観察したり、食材として、釣りや鑑賞、また研究の対象として、魚のいろいろな面に興味をもって接すると、私たちは魚の名前、魚の種類、どんな仲間に近いのかなど、いろいろな疑問がわいてくる。
 この本では、世界中の魚を分類学でいう目と亜目のレベルでまとめて、できるだけわかりやすい特徴や最古の化石の時代、含まれる科の名称、各科に含まれる種類、分布などが簡単にわかるように書いてある。世界の魚の分類と分布とカラーの図鑑を一緒にまとめた「魚を学ぶための第一歩」のガイドブックである。


→INDEX


東京大学出版会

 「言語」といえばいわゆる文科系の学問の対象とするものというイメージが強い。しかし近年「計算」という視座から言語を数学的方法論でみる動きが活発になってきた。
▼その研究は、コンピュータ・ネットワーク社会を支える最も重要な技術を生み、人間の言語処理過程の解明に貢献し、さらに言語学や心理学・神経科学など隣接諸分野と実り豊かな境界領域を形成しつつある。
▼この刺激的な分野の成果を日本で初めてまとめたのが、11月より刊行開始されたシリーズ『言語と計算』全5巻(辻井潤一編、各3800円)。編者は分野開拓者の一人、各巻は気鋭の若手研究者による書下しだ。1・文法理論の形式化と計算(辻井潤一)、2・モデル理論的意味論(金沢誠)、3・談話と対話(石崎雅人・伝康晴)、4・確率的言語モデル(北研二)、5・情報検索と言語処理(徳永健伸)。いずれも基礎から最先端までを系統的に学べる教科書だ。
▼しかも付録つき。医学・社会学など幅広い分野の研究者による興味深いエッセイが楽しめる。「言語と計算」からは広大な世界が広がっている。


→INDEX


東京電機大学出版局

『油圧制御システム』小波倭文朗・西海孝夫著(A5判・3800円)
 油圧を利用した装置は、例えば自動車一つにとってみても、ハンドルからブレーキまですぐ思い当たるように、我々の日常生活に深く浸透している。もはや何の目新しさもないのではと思うほど普及した技術だが、コンピュータによる制御と結びついて、新しい地平を開きつつある。特に航空宇宙の分野とは相性が良く、あらゆる形で応用されている。旅客機の操縦システムが三重になっていることはよく知られているが、では何かと尋ねられて、「電気」「油圧」「手動」などと答える人が多い。そうではなく、油圧を働かせるための駆動ポンプに三重の動力源があるということなのだ。
 本書は、技術者の参考書、大学院生の教科書として、油圧機器・油圧制御システムの基礎から応用までを詳解した。


→INDEX


東京農業大学出版会

 おすすめ書籍紹介 ▼『名園の見どころ』河原武敏著(1748円)
 日本庭園160を解説したもの。名園の場所や、園内の平面図を掲載しており名園鑑賞する方は、是非1冊携帯を。
▼『モンゴル一〇〇の素顔―もう一つのガイドブック―』(1500円)
 一般の旅行案内では得られない、モンゴルの情報を提供する目的で編纂されたもの。写真を中心に、文章も平易にまとめられている。モンゴル旅行の際には、心強い味方となると思います。
▼『野菜栽培あれこれ』米安 晟著(1457円)
 50年間の野菜作りの実践と研究から、まとめたもの。著者の経験談を交えた読み易い文体で、内容も豊富。野菜作りや家庭菜園を行っている方には、参考になることが盛りだくさんです。
▼『盆栽技術入門』槙松 敬著(1748円)
 盆栽を始める人のための入門書。樹形の基本から、用具、樹木の選び方など、ていねいに解説されている。


→INDEX


法政大学出版局

▼小山幸子『ヤマガラの芸』2200円
 ヤマガラと聞いて、ああ、おみくじを引く鳥か、とイメージできる人はまだ多い。小さなお宮の賽銭箱に、嘴でつまんだ1円玉を入れ、鈴を鳴らし、祠の扉を開けて中からおみくじを取り出し、なんと脚をつかって封を切る。こんな凄い芸当をする鳥が、かつては縁日や見せ物小屋で人気を博していた。わたしたちは、動物行動学が専門の著者に導かれて、ヤマガラ芸の世界へ案内されるのだが、それは科学的であると同時に歴史的、文学的であり、しかも社会学的でもあるような、実に魅力的な世界で、ほとんどこれ1冊で「ヤマガラ芸博物館」をなしていると言っていい。……しかし本書が単なるヤマガラ研究を超えて、人間と動物の関係学とも言うべき新たな地平を獲得しているのは、むしろ後半になって展開される、動物芸一般に対する考察による。……その文化的な背景を明らかにしつつ、動物芸の核心にあるものがあぶり出されてゆく。……まさしく鳥のように軽やかで、スリリングな好奇心が躍動している。(読売新聞/港千尋氏評より抄録)


→INDEX


放送大学教育振興会

▼平成12年3月刊行予定の放送大学印刷教材(開設改訂科目)81点の編集作業は、今たけなわ。主任講師・分担執筆者合わせて約300名、編集担当者約50名が、資料収集・原稿執筆、原稿回付・校正にと、大わらわの毎日である。 ▼放送大学授業科目別受講者数ランキング(平成11年度第2学期。カッコ内は受講者概数:単位百名。外国語を除く。)
1.心理学入門(47)、2.カウンセリング(41)、3.老年期の心理と病理(29)、4.発達心理学(28)、5.こころの健康科学(26)、6.病気の成立ちと仕組み(25)、7.乳幼児心理学(24)、8.フロンティア人間科学(23)、9.人格心理学(22)、10.児童心理学(22)、11.精神分析学(21)、12.児童の臨床心理(20)、13.臨床心理学概説(20)、14.心理測定法(20)、15.心理学史(20)、16.地球環境を考える(19)、17.日本の自然(18)、18.教育心理学(18)、19.看護学概論(18)、20.医療・社会・倫理(18)、21.発がんとその予防(17)、22.教育の中の言葉(17)、23.経営学入門(17)、24.食物の特性とその役割(16)、25.日本の文化と思想(15)、26.発掘された古代日本(14)、27.情報工学(14)、28.人生の哲学(13)、29.民法(12)


→INDEX


明星大学出版部

▼塚田紘一著『児童心理学』(仮題)近世に至るまで、子どもは「大人の小さい者」と考えられていた。しかしながら、ルソー(Rousseau, J-J.)の子どもを中心にすえた児童観によって児童は研究対象になる。ルソーは「エミール」の中で「子どもは大人と違ったもの」であり、不完全な大人としてではなく、子どもとして理解されなければならない存在である」と提言した。大人はかつて子どもだったために子どもの心をあたかも知り尽くしていると誤解していた。その誤解を解き、児童の心理が科学的に研究され始めたのは、わずか百余年前に過ぎない。それから児童心理学は日進月歩に発達する。本書では児童の心理の最新情報を解説。(目次―抜粋―)第一章 発達の基礎的理解、第二章 児童研究の方法、第三章 発達初期の展開、第四章 身体と運動機能、第五章 認知、第六章 知能と創造性、第七章 情緒・動機づけ、第八章 遊び、第九章 社会性、第十章 パーソナリティ。「児童心理学」を学ぶ者や、初等教育の教育者を目指す者の必携の書。


→INDEX


早稲田大学出版部

▼〈ワセダ・オープオンカレッジ双書3〉『宮沢賢治とはだれか』(原子朗、2500円)「春と修羅」「セロ弾きのゴーシュ」などを取り上げ、賢治の言葉のリズムやイメージを味わいながら、伝記的側面にも踏み込んだ作家論の決定版。
▼〈早大現代政治経済研究所研究叢書13〉『国際安全保障の新展開―冷戦とその後』(山本武彦編、4500円)冷戦終結は国際安全保障にどんな影響を及ぼしたのか。その潮流・争点等を検証する。
▼『知識社会学と現代―K・マンハイム研究』(秋元律郎、6400円)自由と合理主義を提唱し続けたカール・マンハイム。その思想の形成過程を最新の資料をもとに跡づけ、知識社会学が20世紀において果した役割を明らかにする。


→INDEX


名古屋大学出版会

▼稲賀繁美著『絵画の東方―オリエンタリズムからジャポニスムへ―』(4800円)西欧近代美術の内部と外部の臨界を検証し、透過と拒絶の機構、吸収/排除された諸要素の意味と運命を、卓抜な読みと縦横な論理をもって描き出す。
▼吉岡昭彦著『帝国主義と国際通貨体制』(4800円)国際金本位制完成までの曲折にみちた道程と各国経済の再生産=信用構造の検討を通して、国際通貨体制の全体的編成とその帝国主義的性格を実証的に解明する。
▼田中秀夫著『啓蒙と改革―ジョン・ミラー研究―』(6800円)スコットランド啓蒙の到達点を示すミラーの思想を、「文明と自由の自然史」「文明社会史としての国制史」の二つを焦点に解読し、先駆的な仕事の全体像に迫る。
▼オットー・ダン/末川清・姫岡とし子・高橋秀寿訳『ドイツ国民とナショナリズム―一七七〇〜一九九〇―』(3800円)「ドイツ国民」の形成をめぐる葛藤の歴史を国民運動の再評価と民族至上主義ナショナリズム批判の深化を通じて、ヨーロッパ的視野から立体的に描き出す。


→INDEX


京都大学学術出版会

▼『アメリカ国有林管理の史的展開』大田伊久雄著・4500円/アメリカ人の誰もが美しいと誇りをもつアメリカ国有林――19世紀末の徹底した伐採と荒廃の歴史を経て、森はいかに回復し、育成されていったのか。その主体となった連邦森林局が「国民のための森林管理」という概念をいかに築き上げ実践してきたかを、百年の歴史を通して解明する。
▼『たちまわるサル―チベットモンキーの社会的知能―』〈生態学ライブラリー7〉小川秀司著・2100円/ニホンザルは、群れ仲間とつきあっていくための種々の行動パターンを発達させてきた。その独特な世界をわかりやすく紹介する。
▼『日本ザルの自然社会―エコミュージアムとしての屋久島―』高畑由起夫・山極寿一編・2400円/世界遺産・屋久島における野生ザルの研究は数多くの学術的成果を上げてきた。本書は、採食生態や生活史など様々な領域での成果をまとめるとともに、研究や保護と猿害防止の問題、新たな自然利用形態であるエコミュージアムの取り組みなども紹介する。


→INDEX


大阪経済法科大学出版部

▼98年度に世界の諸大学と共催された第五回国際学術シンポジウムの報告集の編集が進んでいる。北京大学とは哲学・歴史、フィリピン大学とは法律、復旦大学とは経済、延辺大学とは環境、ハワイ大学とは政治の各部会の報告書がそれぞれ各大学との共同編集で進行し、日本版が順次刊行の予定である。その第一弾は、
▼監修 岩崎允胤『世紀の交における哲学思考』(A5判・2600円)北京大学で開催された哲学部会シンポジウムの諸報告を再編集。この「世紀の交」とは千年紀の交差を象徴し、哲学の課題と展望を論述する。論語や儒学の再検討、核兵器や環境問題の課題等。日本と中国の各報告は多岐にわたる。
▼監修 村下博『知らなかったではすまされない アジアの女性と子どもの現実』(A5判・2600円)フィリピン大学で開催された法律部会シンポジウムの諸報告を再編集。アジアの女性と子どもの地位向上と権利拡大の課題と展望を文化・経済両面より考察した各国の報告を収録。以上2冊が11月刊行。▼以下、環境・歴史が1月、経済・政治が3月の刊行予定。


→INDEX


大阪大学出版会

 2300年ほど前に生まれ、テクストでわずか32頁、未完の古典にたいし、現在でも多様な解釈が提示されている。
▼當津武彦『アリストテレス『詩学』の研究(上)―『詩学』の問題と展開―』(A5判・510頁・1万円) Aristotle : Poeticsは、古代ギリシア劇論・詩論としての歴史的・地域的制約を超越して、いまなお世界に刺激を与え続けている。本書は、『詩学』をめぐってルネサンス以来なされてきた2000を越える世界の研究成果を参照し、アリストテレスの全哲学体系のなかに位置づけ、文芸学の普遍的な原理として再評価、著者のライフワークの集大成。下巻:『詩学』の背景と後代は2000年秋刊予定。
▼脇田晴子、A・ブッシイ、上野千鶴子編著『Gender and Japanese History(Vol. I/II)』(英文)菊判・I 7400円/II 8400円 I巻は「宗教と民俗/身体と性愛」、II巻は「主体と表現/仕事と生活」をテーマに、文化的・社会的につくられる性差:ジェンダーの観点から日本史を検討しなおした問題作で、外国の日本研究者との共同研究の成果。


→INDEX


関西大学出版部

▼眞鍋俊二著『現代日本外交論』(1600円)本書は歴史的責任論を念頭に置きつつ21世紀の新日本外交の条件を考察したものである。「東方―対米関係」(対米依存問題)、「北方―対露・極東関係」(北方領土・環日本海問題)、「西方―対アジア関係」(戦争責任・戦後補償問題)、「南方―対オセアニア関係」(アジア太平洋外交の新機軸の問題)を取り上げる。 ▼阿辻茂夫著『組織決定の科学』(2800円)今日、環境問題や生命操作等の現代的課題では、組織決定の社会責任や企業倫理が問われ始めた。本書は組織決定から行動に至る行為過程の背景にある情報過程を取り上げ、そのメカニズムを認知論による視点から解明し、組織決定における全体レベルの知の所在と意味を検討する。 ▼乾昌明著『スケッチ・パリを歩きま専科』(1800円)パリを歩きま専科シリーズの3作目。パリとゆかりの深い文人・芸術家たちのモニュメントや歴史的建造物などを繊細な線画のスケッチで描き、洒脱なエッセイで解説をつづる。パリの街歩きに役立つガイドブックともなる。


→INDEX


九州大学出版会

▼平嶋義宏『新版 蝶の学名―その語源と解説―』(A5判・760頁+カラー口絵8頁・8500円)蝶の学名研究の決定版。世界中の約1400属4600種の蝶の学名を解説した、世界にも類をみない快著である。鉄砲で撃ち落とされたアレクサンドラトリバネアゲハのタイプ標本などユニークで楽しい図・写真を多数収録。この本なくして蝶の学名は語れない!
▼高橋隆雄編『遺伝子の時代の倫理』〈熊本大学生命倫理研究会論集1〉(A5判・260頁・2800円)ヒト・ゲノムの解析が着々と進み、遺伝子診断や遺伝子治療、クローン技術が実用化しつつある現在という時点は遺伝子の時代の入口に位置しており、それに伴うさまざまな倫理的問題が見え隠れしている。この論集では、遺伝子の時代のもたらす倫理的諸問題の輪郭を素描し、また、その中核にあるものについて、医学、生物学、倫理学の研究者がそれぞれの専門の立場から論じてみた。▼竹熊尚夫『マレーシアの民族教育制度研究』(A5判・202頁・4200円、98年2月刊)日本比較教育学会1998年度「平塚賞」本賞を受賞した。


→INDEX


東北大学出版会

▼樋渡宏一編『ゾウリムシの遺伝学』(A5判・並製・168頁・本体2000円)単細胞動物ゾウリムシの遺伝はかつては生物学の教科書に必携のトピックスであったが、現在は欧米では研究材料として絶滅危懼種で、唯一の例外は日本であると言われている。この本は、世界の第一線で活躍する日本の研究者が、それぞれの専門的立場からゾウリムシが生物科学の諸分野の基礎的な問題の解析に如何にすぐれた材料であるかを、研究方法や研究の背景を含めて解説した最新の入門書である。
▼【医学書】監修者/吉本高志・小谷誠・栗木眞也・刈部博・中里信和『Recent Advances in Biomagnetism』(B5判変型・上製・1136頁・本体10000円)生体磁気は、脳や心臓内部の電気活動を高い時空間分解能で診断可能である。本書は、1998年仙台で開催された国際生体磁気学会で取り上げられた最新かつ広範な話題を、生体磁気シールド、SQUIDシステム、順・逆問題モデル、脳磁図(MEG)・心磁図(MCQ)の基礎研究・臨床応用などに加えて、経皮磁気刺激や機能的MRIも含み網羅している。


→INDEX


流通経済大学出版会

▼『常識の交通学―政策と学問の日本型思考を打破―』(角本良平著・204頁・4000円)
 本書は、著者の永年の交通学研究の集大成とも言える著作である。著者は、前著『交通学130年の系譜と展望―21世紀に学ぶ人のために―』の中で明治以降の我が国の交通学の展開過程を概観し、交通研究に経済学の手法が導入され、理論的な精緻さが追求されるに従い、交通学が交通の実態から乖離し政策的にも有効な提言を為し得なくなったとして交通学の現状を批判的に分析している。
 本書では、その原因を詳らかにし、それは交通の領域のみならず日本の社会に根源的に存在する、「責任を負うべき主体が自主性を持たず、何事も他人任せにする態度」即ち「日本型思考」に他ならない、と喝破している。そして「国民は政府まかせ、政府と学会は外国の権威や発想に頼り、議論を尽くさない態度」を打破しない限りわが国は現在の閉塞状態から脱することは出来ない、と警告しているのである。


→INDEX


三重大学出版会

▼『レーザー光化学』(佐藤博保著、2300円)本書はレーザーの原理に関する基礎化学と材料科学への応用について平易にまとめたものである。特に応用面については切断等の材料加工から、分子内の特定部分に選択的な反応をもたらす可能性を秘めたコヒーレンスの活用、および量子コンピュータの原理にいたるまで、幅広い知見を体系的に修得する事が可能になっている。各章末には詳細な引用文献が掲載されているほか、推奨される参考文献や索引も充実しておりレファレンスとしても重宝する。
▼『入門物理学』(長井努著、1500円)近年、理工系学生にも高校物理の授業を受けていない未習者が増えてきた。本書は数式をできるだけ使わずに入門的な物理学を指導するための教科書として書かれている。具体的に言えば利用する数式は、等式や比例式、三角関数、簡単な微分・積分、ベクトルの加減等にとどめ、偏微分や微分方程式などはあえて使っていない。その代わり豊富な図版を掲載し、初学者の理解を助けている。巻末には各章ごとの演習問題が豊富に掲載。


→INDEX




HOME