大学出版部ニュース
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北海道大学図書刊行会

▼M・アーリク著・上平初穂他訳『男装の科学者たち―ヒュパティアからマリー・キュリーへ』(四六判・2400円) 名前を変え、姿を変え、ときには夫や知人の成果として発表する……。自然科学を志す女性達が克服してきた差別や偏見の実例と背景を丹念に追究。
▼T・ベッサー著・鈴木良始訳『トヨタの米国工場経営―チーム文化とアメリカ人』(四六判・3200円) アメリカ人従業員は日本型経営をどう受けとめたか。詳細な面接調査に基づき、冷静かつ公平な視点からトヨタシステムの移植と変容に迫り、日本型経営の普遍性と特殊性を解明。
▼ジャコービィ著・内田一秀他訳『会社荘園制―アメリカ型ウェルフェア・キャピタリズムの軌跡』(A5判・7500円) 脱労働組合化が急速に進行するアメリカの労使関係を、「会社」という領主が従業員達を庇護する制度としてとらえ、その原点を、20年代に求めた歴史研究。
▼杉村光俊・石田昇三他著『原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑』(A4判・60000円) 全214種・亜種を3600枚を超える色鮮やかなカラー写真で収録。


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聖学院大学出版会

▼後藤兼一『オフィス業務改革』(2200円、A5判並製、176頁)
 日本の工場では、業務改革が進み、生産性、創造性の高いファクトリ業務が実現し、国際競争力のある企業が生まれてきた。それに対して、オフィスの業務改革は、なかなか進まず、欧米の企業が進めてきたオフィス業務改革に大きく差をつけられ、生産性のみならず創造性においても遅れをとり、これからのグローバルスタンダードに適応できない企業が多く出ることが危ぶまれている。
 著者は、オフィス業務改革が進まなかった根本的な原因であるオフィス業務の「不可視性」を指摘し、オフィス業務を誰の目にも可視的なものにする、業務改革を提言する。それは、オフィス業務のアクティヴィティとコストの関連に注目したもので、ABC(Activity Based Costing)とABM(Activity Based Management)として最近注目されている理論である。本書では数社の適用例を示しながら、日本のオフィス業務の改革改善の方法を提示する。


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麗澤大学出版会

▼〈ユネスコ・国連大学シンポジウム〉服部英二監修『科学と文化の対話―知の収斂』(本体4500円)
 大乗仏教の哲理、特に曼陀羅思想と、量子物理学の最先端研究が一致点を見出した。――これは本書に収録したユネスコ東京シンポジウムの共同宣言として発せられ、世界に大きな波紋を起こした。
 科学と精神文化の乖離――これこそ21世紀に向けて超克すべき課題であるとする東京シンポジウムには世界の錚々たる学者・知識人が参加した。地球環境学のジャック・イヴ・クストー、社会学のエドガー・モラン、量子物理学のヘンリー・スタップ、心脳理論のカール・プリブラム、日本から大江健三郎、中村雄二郎、河合隼雄、鶴見和子等。特に、中村、河合両氏は先覚的かつ刺激的である。


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慶應義塾大学出版会

 劇団四季主宰の演出家・浅利慶太の初めての本を全4巻で刊行する。
▼『浅利慶太の四季 著述集1 演劇の回復のために―演劇論集』(3200円)「演劇は失われました」そう語った22歳の青年・浅利慶太が目指したものは何なのか? 処女論文『演劇の回復のために』を発表以来、常に演劇の革新を実践しつづけてきた著者の、1954年から1998年までの演劇論の集成。
▼『浅利慶太の四季 著述集2 劇場は我が恋人―演出ノート選』(3400円)劇団四季旗揚げ公演作から、『キャッツ』を始めとする数々のミュージカル、四季劇場「春」「秋」の柿落しに至るまでの舞台を浅利慶太の演出ノートで語る。
▼『浅利慶太の四季 著述集4 21世紀への眼差し―現代社会考』(3400円)独自の観点から社会や教育のありようを直言、21世紀へ向けて発せられる現代社会考。
▼10月刊行の『浅利慶太の四季 著述集3 伝統と現代のはざまで―文化・芸術展望』(3400円)で全4巻完結。


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産能大学出版部

▼『MBA経営キーコンセプト』(鶴岡公幸/松林博文共著、1800円)MBAこそがビジネススタンダードとして国際企業に認知されつつある。この不況期にも関わらず、欧米のビジネススクールへの留学希望者が増加の一途であることからも、MBA熱の高騰ぶりがうかがえよう。MBA用語を重要な100項目に絞り、最新のトピックスも盛り込みながら解説している。MBAのキーワードには全て英語を併記し、MBAの実際が体感できることも大きなポイントである。従来のMBA関連書籍は、初心者にとって難解で、ハンディーなものではなかった。本書は、学生、新社会人にも役立つMBAの入門書として最適である。
▼『越えられない人生のハードルはない』(池田好隆著、1800円)人生にはいくつもの困難なハードルがある。ことに精神の異常、破産、放校、失職等は越えることのできない大きな壁として私たちの前に立ちはだかっているように見える。しかし、これらの壁も、ものの見方を変え、意識を転換することによって、私たちに新しい人生をもたらしてくれる。


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専修大学出版局

▼田邉信太郎・島薗進・弓山達也編『癒しを生きた人々』(2200円)明治・大正・昭和初期にかけて、近代医療でなく、かといって漢方に代表されるような伝統医療でもない、もうひとつの体と心の実践を追求した人々がいた。近代化の進展と矛盾のなかで生きた彼らの思想と行動に焦点をあて、今日の癒しの源流を探る。主な登場人物は、マクロビオティックと呼ばれる食による健康運動を展開した桜沢如一、日本独自の精神療法である森田療法を創始した森田正馬、「気」の力を用いて人間の自然治癒力を呼び覚まそうとした野口晴哉、岡田式静坐法の岡田虎二郎などである。
▼松岡誠之助『商号の研究』(3400円)経済社会の根幹である資本主義的企業の名称である商号。商号は商法によって規定されているが、諸問題に対処するに充分とは言えない。本書は、その商号制度の法的意義を総合的に把握する。とともに、複雑かつ多岐になってきた商号に関する法的諸問題にも言及して、その解明を試みている。商号に関する理論的研究の、一つの集大成と言ってもいい。

*ホームページが出来上がりました。

http://www.bonanet.or.jp/~senshuup/
開始日 1999年4月
更新回数 不定期
▼小局のホームページは、書籍情報を読者にリアルタイムで伝えると同時に、書籍関連の記事を掲載し、広報誌の役割も兼ねている。
▼広報誌としては、現在は著者のエッセイを5本ほど掲載している。ちなみに、内容は「医と健康の近代」という特集である。なお、掲載された記事は再編集して小冊子にまとめ配布している。
▼また、目録、近刊・新刊案内、書籍内容を一部分公開した立ち読みコーナーや著者のホームページのリンク集なども設けてある。


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玉川大学出版部

▼成川武夫著『芭蕉とユーモア―俳諧性の哲学―』(2800円)
 芭蕉は脱俗的求道精神に貫徹された真面目一辺倒の詩人だったのか。蕉風の詩精神に内在する滑稽性・アイロニーに注目。上質の笑いであるユーモアの意味を解き明かし、新しい芭蕉観を提示する。
▼『神秘を彩るイコン―リーナ・デルペーロ現代イコン作品集―』(6000円)  現代イタリアのイコン作家、リーナ・デルペーロが生みだした300を超える作品のなかから46点を精選し、聖書の事跡の順に紹介。各作品のテーマとなっている聖書のテクスト、イコンの歴史、制作技法を日・伊・英3カ国語で解説。


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中央大学出版部

▼田中茂次著『会計深層構造論』(5500円)複式簿記の基本構造から、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書まで、企業が作成する財務諸表の基本的な計算構造や生成過程を明快に解明。また深層構造論に基づき、伝統的な勘定理論の系譜の中で、主にドイツや日本で主張されてきた様々な勘定学説を批判し、新しい会計観への転換を提唱。
▼OECD編/鹿島茂、W・ヘイズ、谷下雅義訳『環境政策の便益―貨幣評価―』(1900円)環境政策によって改善される環境への効果を貨幣単位で評価する手法を紹介。欧米諸国の具体的な事例も豊富で、環境問題や環境政策に関心を持つ学生や実務担当者に最適な入門書。
▼松本正徳著『日本労務管理史―北海道の炭鉱の事例を中心にして―』(4400円)日本帝国の軍事的敗北と産業対策の破綻による日本的労務管理の終焉からアメリカの労務管理方式を取り入れながら再編・再生するところまでを視野に入れつつ、戦前、戦後における北海道地方の炭鉱での強制連行労務者(朝鮮人・中国人など)の労務管理を詳細に追究。


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東海大学出版会

▼岩崎敬二著『貝のパラダイス―磯の貝たちの行動と生態―』(2800円)
 貝にとって自由気ままに暮らす「磯」は、まさにパラダイスである。パラダイスである磯で貝たちが繰り広げる生活の賑わいと、さまざまに凝らされた生きるための技と工夫など、貝たちの生態と行動を垣間見る。貝の不思議に迫る1冊。
 目次
 貝たちの住環境
 貝たちの摂食活動と食糧事情
 貝たちの防衛論
 貝たちの繁殖と稚貝の分散
 脅かされる貝のパラダイス


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東京大学出版会

 「社会とは、いくつもの齟齬感や、違和感や、隔たりの意識が複雑に交錯しあう苛酷な空間にほかなりません」。今年の東大入学式の総長式辞は、その長さと難解さゆえに多くの新入生を戸惑わせ、さかんにメディアに取り上げられて話題になった。蓮實重彦『齟齬の誘惑』(四六判、2000円)はこの入学式式辞を中心に、97年4月の総長就任以後、様々な場所で行われた講演・挨拶をまとめるもの。
 大学という空間で求められている身振りは、安易なうなずきあいで摩擦を回避することではなく、他者との解消しようのない齟齬感を受け入れ、「異なるもの」への新鮮な驚きを生成しうるしなやかに開かれた好奇心である、と説く。
 東大総長という制度の頂点にありながら、自らの「公式の立場」を相対化し、硬直したアカデミズムの知を解き放とうとする、示唆に富むメッセージ集。文京区主催で行われた講演「小津安二郎  日本映画の海外の評価」も収録。文学者・映画評論家である著者の、比類なき感性によって紡ぎ出される言葉を、大いに楽しんでいただきたい。


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東京電機大学出版局

 パソコン・ワープロを使うほとんどすべての人は、何度か「出ない文字」と格闘したことがあるはずだ。それは膨大な時間を経てきた文化と、まだ日の浅い技術が出会うときの歪みである。中国の簡化字などを含めると、東アジア諸国には数万にも上るコード化された漢字があるのだが、そこからすらも漏れた漢字がまだ山ほどあるという。
 そこで、情報のデジタル化に際しどの程度までの漢字にコンピュータ上での約束事である文字コードを与えるかということが、現在論議されているのだ。著者らは、その選択の仕方に、その国の文化的背景が透かし見えるという。本書には、ヨーロッパの文字コードから、その漢字コードまでのすべてを収録してある。

*ホームページが出来上がりました。

http://www.dendai.ac.jp/press/
開始日 1998年11月
更新回数 隔週
▼当出版局のホームページでは、現在販売している全書籍のデータを公開しています。とくに昨年度からの新刊書籍については書籍カバーをはじめ、内容紹介、まえがき、詳細目次など、紙面の関係で図書目録に入りきらない読者の求める内容をすべて局内で作成・運営して公開しています。
▼今後、PDF形式による書籍の一部閲覧(立ち読みコーナー)や書評、ネットワークと出版に関する連載、Mathematica関連のニュース、出版関係のリンクを充実さていきたいと思います。


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東京農業大学出版会

 おすすめ書籍紹介
▼『名園の見どころ』河原武敏著(1748円)
 日本庭園160を解説したもの。名園の場所や、園内の平面図を掲載しており名園鑑賞する方は、是非1冊携帯を。
▼『モンゴル一○○の素顔―もう一つのガイドブック―』(1500円)
 一般の旅行案内では得られない、モンゴルの情報を提供する目的で編纂されたもの。写真を中心に、文章も平易にまとめられている。モンゴル旅行の際には、心強い味方となると思います。
▼『野菜栽培あれこれ』米安 晟著(1457円)
 50年間の野菜作りの実践と研究から、まとめたもの。著者の経験談を交えた読み易い文体で、内容も豊富。野菜作りや家庭菜園を行っている方には、参考になることが盛りだくさんです。
▼『盆栽技術入門』槙松 敬著(1748円)
 盆栽を始める人のための入門書。樹形の基本から、用具、樹木の選び方など、ていねいに解説されている。


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法政大学出版局

▼バーバラ・M・ソークス/藤森和子訳
『両手いっぱいの時間―不治の病におかされた子どもの心の記録―』
 不治の病におかされた子どもたちは、いかに生きていけばよいのか――絵画などの創作活動や動物のぬいぐるみを独創的に使った自己表現活動を通して子どもたちの内面に迫り、対話のなかで問題点を明らかにしつつ解決の糸口をさぐる。
 かわいそうな〈死にゆく子どもたち〉としてではなく、〈病気とともに生きる子どもたち〉の勇気を感動的に描くとともに、サイコセラピストやライフ・スペシャリストの役割、インフォームド・コンセントの意味をも明らかにする。
四六判248頁+口絵8頁/2300円


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放送大学教育振興会

▼北海道・福岡の各学習センターに、それぞれ学習センターのブランチ・センター的機能をもつ「旭川サテライトスペース」(旭川市常磐公園内・青少年科学館)、「北九州サテライトスペース」(北九州市小倉北区城内4-1・視聴覚センター)が新設され、6月より利用開始。
▼平成10年3月の学校教育法施行規則の一部改正により、高等学校の生徒が大学の科目等履修生として修得した単位を、高等学校の単位として認定できるようになった。こうした状況を踏まえて、放送大学においても平成11年度第2学期からは、入学する年度の学年の初めにおいて満15歳以上の者(義務教育修了者)であれば、選科・科目履修生として入学できるようになった。「大学に高校生がやって来る」時代となるわけである。
▼7月9日、千葉市・ホテルグリーンタワー幕張において、平成13年度開設改訂予定科目の主任講師会議が開かれた。専任教員・客員教員、ディレクター、編集担当者等が、全体会議、専攻別部会に出席した。これで平成13年度印刷教材編集作業が正式にスタートした。


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明星大学出版部

▼神辺靖光著『教育史散策』。四十年余の教育史研究とともに、中・高・大学で教鞭をとってきた筆者の、世に訴えようとする思いをまとめた珠玉の書。
 大学院在籍中、学資を得るために杉並区にあった私立城右中学・高等学校の講師となった筆者は、戦後のアメリカ化一辺倒の時流の中で、威武に屈することなく、孔孟の道を説いた河野通禰太校長に傾倒。河野校長との明治の私塾・私学の反骨、独立精神についての談論が、生涯をかけた教育史研究の端緒となる。昭和42年、大学教員のまま財団法人日本私学教育研究所の兼任研究員となり、教育史研究の中で最も手薄だった中等教育史を専攻。昭和戦前期の旧制中学校を舞台としたドラマ「はっさい先生」(NHK放映)の監修者となって全国に紹介される。なお、私立東京文化高等学校の主事として、卒業生や父母を前にした講演や朝礼での訓話、私立中学・高等学校教員のための講演「中等教育史と慶應義塾」「近代日本の学校と私学」も収録。日本の教育を知るうえに手軽な書になっている。


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早稲田大学出版部

▼『忍び寄る感染症―二一世紀の人々に待っているものは?―』(町田和彦、2600円)結核、寄生虫、エイズをはじめ、身近に潜む危険を予防するための基礎知識をわかりやすく解説する。
▼〈叢書ワセダ・リブリ・ムンディ〉(30)『イタリアの政治―「普通でない民主主義国」の終り?―』(馬場康雄・岡沢憲芙編)、(31)『イタリアの経済―「メイド・イン・イタリー」の生み出すもの―』(馬場康雄・岡沢憲芙編)、(32)『イタリアの社会―遅れて来た「豊かな社会」の実像―』(馬場康雄・奥島孝康編)[各2900円]は、第一線の研究者・ジャーナリストを著者に迎え、財政再建とEU統合を推進するイタリアの現状を、斬新な視点からとらえる決定版。

*ホームページが出来上がりました

http://www.waseda-up.co.jp/
開始日 1998年12月
更新回数 月1回
▼当出版部のホームページは、現在、(1)ご案内(当部の来歴・活動方針の紹介)、(2)書籍のご購入について、(3)新刊のご案内、(4)既刊のご案内、(5)分野別検索、(6)フリー検索から構成されています。
▼書誌データとしては、「図書目録」に収録されている書籍の著訳者・編者名、判型、頁数、本体価格、ISBNコードを知ることができます。(5)と(6)は、書協の「BOOKS」を利用して速やかな検索が可能です。
▼今後は各書籍の内容紹介の充実を図り、新刊を中心に、装丁の画像を掲載していく予定です。


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名古屋大学出版会

▼望田幸男他編『西洋近現代史研究入門[増補改訂版]』(3200円)「周辺」地域を含めた諸国の政治・社会史から家族・女性史、生活・文化史にいたる西洋近現代史研究の基本視角、その主要問題群と代表的文献を案内した研究入門の最新版。
▼池上俊一著『ロマネスク世界論』(6500円)ヨーロッパの本質が形成されたロマネスク期の心的世界の構造を、思考・感覚・感情・霊性・想像の5つの側面と、現実社会との相互作用から解明した全体史の試み。
▼上田実編『ティッシュ・エンジニアリング―組織工学の基礎と応用―』(9000円)組織工学は医療に新しい展望を与えるものであり、研究が急速に進んでいる。本書は基礎生物学的情報を網羅し、臓器再生の臨床を念頭においた培養臓器研究など、最新知見を提示する。
▼米山優著『モナドロジーの美学―ライプニッツ/西田幾多郎/アラン―』(5800円)等閑視されてきたライプニッツ単子論の美学的側面の豊饒さを明らかにし、情念論・心身二元論などの再考を通じて西田・アランと切り結ぶ労作。


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京都大学学術出版会

▼『人間性はどこから来たか―サル学からのアプローチ―』西田利貞著・2800円/たとえば戦争報道を見て、人はなぜ争いを繰り返すのか? と問う。あるいは女房と喧嘩して、人はなぜすれ違うのか? と溜息をつく。はたまた……。いつの世も人は愚かだったのであるが、果たしてそれはヒトが人だからなのか?否、それらは悉くサルに見られるのだ。サル学の権威が人間性のルーツを探る。
▼『陸水学』A・J・ホーン/C・R・ゴールドマン著/手塚泰彦訳・7800円/湖沼や河川など陸内水圏の物理・化学・生物を研究する総合科学・陸水学の本格的総説書。底本となった第二版は1994年刊で、この分野では最新のもの。また、国内には類書は全くなく、多くの研究者・学生にとって待望の書である。
▼『〈地域間研究〉の試み(下)―世界の中で地域をとらえる―』高谷好一編著・4200円/地域を地球全体の座標の上に置き比較することで、その外郭と実質を明らかにする地域研究の新しい方法。下巻は、中国とヨーロッパを扱う。併せて地域研究の今後の課題をも示す。


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大阪経済法科大学出版部

▼『フランス労働争議強制仲裁制度―一九三六年〜一九三九年―』ジョエル・コルトン/向井喜典監訳・岩村等他訳(A5判・270頁・4500円)36年人民戦線ブルム内閣により成立した労働争議強制調停仲裁制度を成立の前史から実施の諸過程を経て、第二次世界大戦による停止まで実証的に解明されている。原書は欧米の経済史・労働運動史・労働法の分野で絶賛された名著であり、今も研究書として高い評価を受けている。
▼『満州事変前夜における 在間島日本総領事館文書 上』大阪経済法科大学間島史料研究会編(A5判・函入り・840頁・25000円)本書は故・伊地知吉次間島副領事が収集・記録した資料を項目別に分類整理し、解説を加えたものである。収集資料は伊地知が勤務した在間島総領事館文書を中心に鉄嶺領事館・広東総領事館文書等、明治初期から昭和初期の満州事変前夜の数ヶ月前までにおよび貴重な資料でしめられている。上・下2巻に分けて刊行することになったが、既存の歴史資料を補完する日本近現代史研究に必携の文書資料と確信する。


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大阪大学出版会

 西欧(世界史)の視点からする綱吉像は「偉大で卓越した支配者」であった。
▼B・M・ボダルト=ベイリー、D・マサレラ編/中 直一・小林早百合訳 『遥かなる目的地―ケンペルと徳川日本の出会い―』四六・3500円 18世紀西欧知識人層でベストセラーになった『日本誌』とその著者ケンペルについての最近の研究成果。ケンペルと綱吉は、元禄時代、実際には3度しか会っていないが、同時代の誰よりも、〈近代〉という遥かなる地平を見据えていた。
▼脇田晴子、A・ブッシイ、上野千鶴子編著『Gender and Japanese History (Vol. I)』菊判・7400円 第II巻は既刊(8400円)。ようやく完結。
▼鬼原俊枝『幽微の探究―狩野探幽論』(1998)が「第10回・國華賞」に続いて「1999/Shimada Prize」を受賞した。本賞は、中国・日本美術の研究者「島田修二郎博士」を顕彰して創設、東アジア美術史分野の出版に与えられる。主催はスミソニアン・フリエギャラリーほか、今回の審査委員長はハイデルベルグ大学のロザー・レドローズ教授。


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関西大学出版部

▼諸澤巖ほか著『遠来の客』(1400円)日独英三言語による歌仙式連句。連衆は日独英米の10人で、三言語四文化十個性の交流と摩擦の記録である。客はデールシュトゥットガルト大教授、捌きは乾裕幸関大教授、亭主は諸澤巖関大教授。恐らくは世界初の試み。
▼石田浩著『アジアの中の台湾』(1500円)台湾は中国を映し出す鏡である。台湾の動向を注視していると中国だけでなくアジア世界も見えてくる。本書は著者の二十数年に及ぶ台湾研究の蓄積と、台湾の学者を通じて培った目で台湾の過去・現在・未来について考え、日台中の将来に対して熱い思いを馳せた好著である。
▼C・カイトリー著・和田葉子訳『中世ウェールズをゆく』(3500円)ジェラルド・オブ・ウェールズの著した『ウェールズ旅行記』に従って1188年、彼がカンタベリー大司教ボールドウィンと行った十字軍の戦士募集キャンペーンの足跡をたどる。この「十二世紀最大のエゴイスト」と称された人物の数奇な人生とウェールズ各地の今昔を全ページ美しいカラー写真で余すところなく紹介する。


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九州大学出版会

▼アルトゥール・カウフマン/甲斐克則訳『責任原理―刑法的・法哲学的研究』(A5・510頁・8500円)〈法と国家〉翻訳叢書の第4冊目。本書は、アリストテレス、トマス・アクィナスらにより確立された伝統的な存在論哲学を踏まえた法存在論の観点から、刑罰の前提となる責任の中核原理である責任原理について刑法的観点および法哲学的観点から根本的考察を加えた、今世紀を代表する刑法哲学の古典的名著。
▼津守常弘編『現代会計の国際的動向と展望』(A5・280頁・3800円)本書は、EC指令を典型とする会計規範(基準・法令)の国際的調和化という新しい現象との関連で先進諸国における会計計算と公開制度の変化を、会計理論・会計制度・会計実務という3つの側面から分析を行っている。
▼清水孝純『闇の王国・光の王国』(四六・336頁・3200円)「『カラマーゾフの兄弟』を読む」全3巻予定の第II巻刊行。
▼鈴木広編『災害都市の研究―島原市と普賢岳』(A5・406頁・6600円、98年2月刊)第一回日本都市社会学会賞(磯村記念賞)受賞。


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東北大学出版会

▼【医学書】中村正三著『髄液細胞診』(A4判・86頁・4500円)細胞診を、髄液中の種々の細胞を形態のみならず機能的側面を含め観察し、そこから中枢神経系内で惹起されている病態を把握し、診断や治療効果など日常臨床に役立てる補助的検査と考えている著者が、貴重な経験の積み重ねから著した研究書。多種多様な病態においての細胞診所見が克明に示されている。中枢神経疾患の病態把握及び診断の必携書。「患者は私たちに刻々変化する徴候や症状で語りかけている。髄液細胞も脳内での刻々変化する出来事を私たちに語りかけている。」(本文より)
▼高橋澪子著『心の科学史―西洋心理学の源流と実験心理学の誕生』(B5判・上製・297頁・5000円)本書の狙いは、今日の、いわゆる“科学的”心理学を支えている方法論と認識論の歴史的な成立経過を明らかにすることである。現代心理学を特色づけているものを、他の時代のそれとの比較を明らかにし“明日の心理学”に何が可能であるかを考えるための糸口や資料を提供する。


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流通経済大学出版会

▼『笑いに勝る良薬なし』(R・ホールデン/荘司治訳・212頁・1800円)
 私達は、歌を忘れたカナリヤならぬ「笑いを失った人間」になってしまったように思うのです。あなたが最近乗った電車の中や、通勤途上の街角の光景を、ちょっと思い出して下さい。難しい顔をした人や不愉快そうな顔をした人が何と多いことでしょう。
 確かに、近頃は不況による会社の倒産やリストラ、学校でのいじめや学級崩壊、子どもに対する親の虐待など暗いニュースが身の回りに溢れています。
 しかし、こんなご時世だからこそ「笑い」が必要なのではないかと思うのです。
 本書の著者R・ホールデンは、英国で最初に「笑いのクリニック」を開設した人です。ここでは、「幸せの追求、楽しい生活の技術、楽しい考え方、心の中の微笑、遊びの治癒力、幸せな人間関係」などのゲームを通して、自然に笑いの大切さが体験できるようプログラムが設定されています。
 彼は、「健康であるためには先ず楽しくなければならない」と断言します。


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三重大学出版会

▼都築正則/シュテファン・トゥルンマー共著『ドナウ河ドイツ語の旅 改訂版』(1500円)大学1年生の大部分は第二外国語を初めて学ぶことになる。学生の多くは、卒業の必修単位をとるために文法等を覚えることで精一杯になりがちである。しかし、外国語は本来使うために学ぶものであろう。語学学習を活き活きとしたものにするため、このドイツ語教科書は様々な工夫を凝らしている。まず、様々な場面に対応した短い「対話」を数多くこなしながら、段階的に語彙を増やしたり文法の知識が増えるように配慮した。「対話」を通してドイツ語を総合的に学ぶのが目的である。また、文法に関する説明は簡潔にし、その代わり美しい写真を数多く入れた。自習書ではなく、教室で学習者と教師が様々なやりとりを行うことを前提とした教科書であることを意識した構成となっている。また練習問題も学習者の創意工夫を引き出すよう留意されたものである。最後にインターネット活用によるドイツ語習得のすすめ等、エピソードの豊富さが挙げられる。時代にあった教科書と言えよう。


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