第7回 北京国際図書博覧会

山口 雅己

 1986年の第1回以来、隔年で開催されてきた北京国際図書博覧会も今年で第7回を数え、北京国際展覧中心を会場に、8月28日〜9月2日の日程で開催された。事務局の発表によると、1万8000平方メートルの会場に出展されたブースの総数は679(うち電子出版物展示ブースが52)、参加出版社数は世界35の国と地域から888社、展示出版物総数10万点、来場者数は12万人に達したという。

 日本・韓国・中国三国セミナー報告でも強調されていることと思うが、「市場経済」化に向けて、中国の出版社(とくに大学出版社)の発展には目覚ましいものがある。例えば中国人民大学出版社では、「今年6月までで、わが社の売上実績はすでに昨年比155パーセントとなっている」ことを読者に感謝する「横断幕」をブックフェアの会場に掲げていた。また、外国出版社相手の版権売買が倍増したことも、今回のブックフェアの特筆すべき成果として挙げられている。

 日本の大学出版部協会では、3メートル×3メートルの単独ブースに、加盟出版部の新刊約160点を展示した。日程の都合で、ブースにいられたのが8月28日午前中と30日全日だけであったのが残念であるが、協会ブースを訪れ、合本目録を所望する図書館関係者や、海外でのディストリビューションや共同出版の企画をもちかける出版社なども多々あり、なかなか実のあるフェアであったとの印象を得た。次回も是非参加したいと思うが、フェア期間中はブースに必ず担当者がいるよう手配することが望まれる。(東京大学出版会販売部長)


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