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 経済発展とオルタナティブ金融中国の企業間信用

中国の企業間信用 経済発展とオルタナティブ金融

A5判 260ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-87698-888-4 C3033
奥付の初版発行年月:2015年11月 / 発売日:2015年11月上旬

内容紹介

経済成長の著しい中国だが、ビジネスチャンスは豊富にありながらそこへ資金を回す仕組みは、最近まで発展途上であった。銀行・市場からの資金調達を代替する役割を果たした企業間信用に焦点を当て、実証分析からその実像に迫る。中国経済の成功経験は、より低開発段階にある途上国が有効に利用できるのか、社会科学的普遍化を試みる。

著者プロフィール

矢野 剛(ヤノ ゴウ)

1970年 京都市生まれ
1994年 京都大学経済学部卒業
1996年 京都大学大学院経済学研究科博士前期課程修了,修士(経済学)
1999年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程満期退学
1999年 徳島大学総合科学部専任講師
2001年 徳島大学総合科学部助教授,博士(経済学)号取得(京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
2007年 徳島大学総合科学部准教授
2010年 京都大学大学院経済学研究科准教授 (現在に至る)
主要著作
“Efficiency of Chinese Township and Village Enterprises in the 1990s Based on Micro Data for Wuxi City, 1991-97”, The Developing Economies, 2004(白石麻保と共著)
“Factors in the Development of Trade Credit: Case Study of Provinces in China”, Emerging Markets Finance and Trade, 2014 (白石麻保と共著)
“Two Forms of Trade Credit Finance in China”, Comparative Economic Studies, 2015(白石麻保と共著)
など

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき

序章 本書の狙いと構成
1 中国経済の成長とオルタナティブ金融
2 オルタナティブ金融としての企業間信用
3 企業間信用が途上国経済に果たしうる役割―結論
4 本書の構成

第Ⅰ部 社会的問題から健全な金融仲介経路へ

第1章 企業間信用の変質―1990年代前半期
1 はじめに―三角債問題は消滅したか
2 検証可能な仮説―三角債と健全な企業間信用の構成要素
  2.1 三角債の構成要素
  2.2 健全な企業間信用への変化
3 企業間信用を説明する理論的枠組みと実証モデル―売掛と買掛
  3.1 売掛についての理論と実証モデル―誰が与信するのか?
  3.2 買掛についての理論と実証モデル―誰が受信するのか?
4 データ及び推定方法―1990年代前半期企業マイクロデータの利用
  4.1 使用データ
  4.2 推定方法
5 推定結果―企業間信用の性質の変化
  5.1 基本的結果
  5.2 何が企業間信用の性質の変化を引き起こしたのか?
6 結論―三角債から通常の企業間信用への変化

第Ⅱ部 企業間信用の機能とそのメカニズム―企業調査からの観察事実

第2章 企業金融において企業間信用が担う機能
1 はじめに―企業間信用は良好に機能しているか
2 基本的事実の確認
3 蘇南企業調査の概要
4 中国企業間信用の機能とその基礎条件―仮説の提示
  4.1 中国企業間信用が担う機能
  4.2 中国企業間信用が機能するための基礎条件
5 統計と事例が物語るもの―仮説の検証
  5.1 中国企業間信用が担う機能
  5.2 中国企業間信用が機能するための基礎条件
6 結論―諸側面における企業間信用の機能

第3章 企業間信用を機能させるメカニズム
1 はじめに―企業間信用はいかにして機能するか
2 問題設定―企業間信用の正常な機能とそのメカニズムとは何か
3 先行研究の概観―4つの論点
  3.1 売り手側の市場における地位(独占的か競争的か)と企業間信用発達
  3.2 企業間信用返済保障はどのようになされているか
  3.3 長期的・固定的な企業間取引関係の有無と企業間信用の発達
  3.4 契約履行保証のためのフォーマル・インフォーマルな制度の機能
4 分析のストーリー―仮説の提示
  4.1 売り手側の市場における地位と企業間信用発達との関係
  4.2 企業間信用返済保障はどのようになされるか
  4.3 企業間信用与受信をめぐる企業間関係
  4.4 フォーマル・インフォーマルな諸制度の機能
5 検証結果
  5.1 仮説1の検証―売り手側の市場における地位と企業間信用発達との関係
  5.2 仮説2・3・4の検証―企業間信用返済保障はどのようになされるか
  5.3 仮説5の検証―企業間信用与受信をめぐる企業間関係
  5.4 仮説6・7の検証―フォーマル・インフォーマルな諸制度の機能
6 結論―発達・機能するメカニズム

第Ⅲ部 企業間信用が果たす役割―計量分析

第4章 企業間信用ファイナンスの効率性
1 はじめに―企業間信用による金融仲介は効率的か
2 実証モデルと推定戦略―企業パフォーマンスが買掛に与える影響
3 データ―沿海部に立地する農村企業
4 推定結果―企業間信用と銀行借款の比較
5 結論―企業間信用を通じる資金配分効率性の高さ

第5章 所有権,企業間信用,企業家行動
1 はじめに―所有権保護と金融の中継地点としての企業間信用
2 文献レビュー―所有権保護と金融の発展
3 実証モデル―民営企業投資の決定要因と企業間信用発達の決定要因
4 データ―省レベル集計データ
5 推定結果―単一方程式推定と同時推定の結果の相違
6 結論―所有権保護が企業間信用の発展を通じてもたらす民営企業投資促進

第6章 企業間信用の進化
1 はじめに―2種類の企業間信用と企業活動
2 分析枠組―理論モデル,資金調達源の性質,仮説
  2.1. 理論的背景
  2.2. 諸種の資金調達源
  2.3. 仮説
3 実証モデル―投資関数と日常操業関数
4 マクロ統計による概観
5 データ―民営企業マイクロデータ
6 推定結果―企業間信用による投資ファイナンス及び地域・時点間の相違
  6.1. 基本的な特定化
  6.2. 企業間信用の形態の進化と企業間の信頼
7 結論―企業間の信頼の発達と前受金から買掛への進化

終章 課題と展望
1 課題
2 展望

あとがき
参考文献
索  引


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