大学出版部協会

 

周代中国の社会考古学

周代中国の社会考古学

B5判 400ページ
価格:9,020円 (消費税:820円)
ISBN978-4-87698-694-1(4-87698-694-0) C3022
奥付の初版発行年月:2006年12月 / 発売日:2006年12月中旬

内容紹介

中国古代史,とりわけ周代の歴史研究には,文献史学と考古学の結合が不可欠である.しかし,近年の膨大な考古学的証拠の蓄積にもかかわらず,この課題に応えた研究は少ない.本書は,文献史学の成果をふまえつつ,考古学的証拠を包括的に援用することにより,従来,孔子ないし儒家の創見に帰されていた「礼」の再編が,すでにそれ以前に進行しつつあったと大胆に提起する.

著者プロフィール

吉本 道雅(ヨシモト ミチマサ)

京都大学大学院文学研究科教授
1959年 岡山県生まれ。
1987年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学(東洋史学専攻)。
1987年 京都大学文学部助手。
1994年 立命館大学文学部助教授。
2004年 立命館大学教授を経て現職。
京都大学博士(文学)
主要著訳書
『史記を探る—その成り立ちと中国史学の確立—』(東方書店,1996),『最後の公爵 愛新覚羅恒煦』(翻訳,朝日新聞社,1996),『中国古代史論叢』初集〜三集(共著,立命館東洋史学会,2004〜2006)『中国先秦史の研究』(京都大学学術出版会2005)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

献辞
凡例
前言

地図目録
表目録
挿図目録

序章
歴史的背景/考古学と文献/考古学的証拠/研究法/本書の概要

第Ⅰ部 等級の新しい基準とその適用

第1章 西周後期における貴族の再編(前850年頃)
周原と荘白1号窖蔵/様式の序列/礼制改革の指標/歴史的証拠としての青銅器銘文の使用/微の系譜と礼制改革の年代/西周のリネージ組織/微リネージの社会的地位

第2章 諸侯リネージにおける等級と性差(前1000〜前650年頃)
墓葬資料とその限界/三つの墓地;年代の問題/墓と墓地の配置/礼の分析/性差

第3章 ある華北の共同体(前800〜前450年頃);人口統計学と等級上馬とその環境/人口の推移/社会的階層化の指標/葬具/副葬品/等級の相続と身分指標の割り当て/性差/比較/附論

第Ⅱ部 内的な連合と外に対する分界

第4章 周文化圏内部におけるクランの差異(前1050〜前500年頃)
洛陽と曲阜/洛陽の「殷」墓と「周」墓/曲阜における「殷」と「周」の遺物/腰坑/陶鬲の器型/評価/結び─「先周」の場合

第5章 周文化圏内部における民族的差異(前1050〜前350年頃)
西周時代の周・晋の都城における「異民族」/東周秦墓/益門村2号墓/東周時代秦墓における「異民族」的要素/秦の民族的帰属;毛家坪からの視点/評価

第6章 拡大する社会(前1050年頃〜前221年)
初期の傾向/「東夷」の同化/中山王国/長江流域/東周時代の長江下流域/植民を通じた拡大/評価

第Ⅲ部 変化と再定義

第7章 東周の宗教改革(前600年頃〜前221年)
儀礼の目的における変化/宗廟と墓の関係における転向/明器/家や社会の複製としての墓/小宇宙としての墓/潜在的な宗教的観念

第8章 上級貴族と下級貴族の分裂(前750年頃〜前221年)
東周君主の墓と墓複合体/下寺における二つの青銅器群/「特別の器群」のその他の事例/増大する性差/新鄭の祭祀坑/解釈

第9章 下級貴族の庶人階級との融合(前600年頃〜前221年)
東周時代の楚の墓地/春秋時代の楚墓の等級/戦国時代の発展/社会的解釈/文献資料との関係/評価/附論

終章
人口の増加と移動/領域支配と拡大/農民/軍隊/商人と企業家/職人、専門家その他/行動への呼びかけ

表の参考文献
参考文献

解題
著者略歴/本書の概要/本書の価値/課題と展望/西周期の絶対年代/ロータール・フォン・ファルケンハウゼン教授主要著作

索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。