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宗教改革と社会

宗教改革と社会

A5判 484ページ
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-87698-433-6(4-87698-433-6) C3022
奥付の初版発行年月:2001年12月 / 発売日:2001年11月下旬

内容紹介

宗教改革の全容は未だ明らかでない.特に,改革の主張が民衆の生活世界に本当に定着していたのかどうか,その実態については不明な点も多い.宗教改革の重要な舞台西南ドイツを対象に,今に残る人々の言説や諸制度の決定過程を緻密に紹介しながら,宗教改革が,都市・農村の共同体の変動といかに共鳴していたのかを生き生きと描き出す.


目次

はしがき
序章 宗教改革前夜の民衆信仰と教会
一 中世末の民衆信仰
二 ガイラーの説教
三 民衆信仰の高揚
救済の保証♢♢外面的な信仰活動/神の教え♢♢内面的な信仰活動
四 教会の状況と対応
五 信仰への共同体の関与
農村共同体の信仰活動/都市共同体の信仰活動と市参事会
六 民衆信仰と教会、宗教改革との関係について

第一部 宗教改革の伝播と都市での改革運動

第一章 シュトラースブルク市における宗教改革運動
一 宗教改革と都市の関係
二 改革思想の伝播
三 教会運営をめぐる改革運動
司牧者の任用問題/十分の一税問題
四 「公開討論会」問題
五 農民戦争期の市内状況
六 市参事会の宗教改革への対応
七 シュトラースブルクの改革運動の特徴

第二章 エルザス・オルテナウ地方の諸都市における宗教改革
一 カトリックに留まった都市と宗教改革運動
二 改革前の状況と改革思想の伝播
エルザス各都市への伝播
オルテナウ地方での上からの改革
三 民衆の改革運動と市参事会
シュレットシュタット/コルマール/その他のエルザス小都市/オルテナウ地方都市の動向
四 エルザス・オルテナウ地方の諸都市における改革運動の特徴

第二部 農村への改革の伝播と改革運動

第三章 宗教改革・農民戦争前夜のエルザス農村社会
一 農民戦争と宗教改革の関係
二 経済活動とその動向
三 領主制の変化と農村共同体の発展
四 農村共同体への圧力
共同体自治への直接的圧力/共同体への間接的な圧力/教会特権による圧力
五 共同体内の格差の拡大

第四章 エルザス農村への改革思想の伝播
一 農村と宗教改革
二 改革思想の伝達
三 市領と周辺教区での受容
四 都市の改革と農村の組織化

第五章 エルザス農村における農民戦争
一 農民戦争と宗教改革
二 運動の経過
三 エルザス農民の改革理念と要求
四 エルザス農民団の組織
五 共同体運動としての意義と制約
六 エルザスの農民戦争と共同体

第六章 オルテナウ地方およびバーデン辺境伯領における農民戦争
一 農民戦争前のオルテナウ地方・バーデン辺境伯領
二 オルテナウ地方・バーデン地方への改革の伝播と農民の運動
バーデン辺境伯領における農民戦争/オルテナウ地方における農民戦争
三 農民の主張と要求
四 農村共同体と改革理念

第三部 領域教会体制の編成と宗教改革の制度化

第七章 シュトラースブルク市の改革教会の展開
一 改革運動の展開と都市共同体
二 シュトラースブルクにおけるミサ廃止
三 「再洗礼派」と改革派教会の確立
四 自律的教会訓練運動の展開
五 「キリスト者の集会」運動
六 「仮信条協定」への対応
抗戦派と「集会」運動の関係/統治体制の動揺の有無
七 都市宗教改革の要因♢♢共同体と市参事会

第八章 バーデン辺境伯領における宗教改革
一 領邦における宗教改革の問題
二 バーデン辺境伯領の統治体制
三 フィリップ伯治下の宗教改革
四 宗教改革期のバーデン辺境伯の政策
五 「改革」の実態と成果
六 バーデン辺境伯領の宗教改革と共同体
七 バーデン辺境伯フィリップの信仰政策

終章 宗教改革の受容と影響
一 宗教改革理念と共同体
二 「公権的教会改革」
あとがき
参照文献
索  引


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