群集生態学の現在
価格:4,070円 (消費税:370円)
ISBN978-4-87698-417-6(4-87698-417-4) C3045
奥付の初版発行年月:2001年03月 / 発売日:2001年02月下旬
群集生態学は、生物群集の構造の時空間的な変動を記載し、その要因を解明するべく、多種多様な対象をさまざまな手法を駆使して発展してきた。その反面、研究分野の細分化が進み、最新の到達点の全貌を知ることはきわめて困難になっている。本書は、現在の群集生態学が直面するこのような状況の打開を目指し、今後の方向性を提示する。
佐藤 宏明(サトウ ヒロアキ)
奈良女子大学理学部生物科学科・助教授
山本 智子(ヤマモト トモコ)
鹿児島大学水産学部付属海洋資源環境教育研究センター・助手
安田 弘法(ヤスダ ヒロノリ)
山形大学農学部生物生産学科・助教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
まえがき
これまでの群集生態学
第1章 群集生態学は何をめざしてきたか 佐藤 宏明
第1部 種間相互作用のダイナミズム(安田弘法)
第2章 ダイナミックな生物間相互作用-昆虫と植物との関係から考える 大串 隆之
第3章 間接効果と種間相互作用のネットワーク-岩礁性潮間帯群集 岩崎 敬二
第4章 食物連鎖の構造と移入種の-島嶼生態系 難波 利幸
第2部 共存機構と多様性の維持(山本智子)
第6章 資源利用様式と群集の多様性-鳥類群集 日野 輝明
第7章 資源分割のパタンとその成立機構-熱帯ハナバチ群集 永光 輝義
第8章 変動する資源を利用する群集の共存機構-種子食性昆虫群集 鎌田 直人
第9章 競争とその抑制による種多様性決定機構-岩礁潮間帯の海藻群集
野田隆史・宮本 康・宮下典丈
第10章 パッチ状生息場所の種多様性-ファイトテルマータの生物群集 曽田 貞滋
第3部 安定性のメカニズム(安田弘法)
第11章 一時的でパッチ状の資源を利用する昆虫の共存と安定化機構-糞虫群集 安田 弘法
第12章 群集の多様性と安定化機構-タンガニイカ湖の魚類群集 堀 道雄
第13章 間接効果がもたらす群集の安定性 松田 裕之
第4部 群集に対する視点の拡大(佐藤宏明)
第14章 メタ群集の構築過程と時空間スケールの重要性-砂質干潟ベントス群集 玉置 昭夫
第15章 森林生態系における土壌分解者群集の構造と機能 武田 博清
第16章 生物間相互作用の歴史的過程-アリ植物をめぐる生物群集の共進化
市野隆雄・市岡孝朗
これからの群集生態学
第17章 群集生態学は何をめざしていくのか 山本 智子
引用文献
索 引
Box
1 食 物 網
2 食物網の特徴と,それに対する疑義
3 Pimm (1984) があげた安定性(stability)の定義上のちがい
4 ギ ル ド
5 資源利用関数と資源利用行列
6 ロジスティック回帰
7 群集生態学における野外実験
8 集中分布モデル
9 有明海エスチャリーのスナモグリ類