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日本中世の黎明

日本中世の黎明

A5判 680ページ
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-87698-414-5(4-87698-414-X) C3021
奥付の初版発行年月:2001年03月 / 発売日:2001年03月中旬

内容紹介

戦後における平安時代像の枠組みを形作った王朝国家論/王朝国家体制論は,必ずしも貴族社会・地域社会双方へ拡がる多様な社会の実相を描き出すことには成功していない.徴税・財政,土地制度の実証的な研究と併せ,受領の役割に注目してその執務の実態までをも論じることで,新しい平安時代像と時代区分の枠組みを示した画期的研究書.

著者プロフィール

佐藤 泰弘(サトウ ヤスヒロ)

1963年 徳島県徳島市生まれ
1986年 京都大学文学部史学科卒業(国史専攻)
1993年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学
1995年 京都大学博士(文学)取得 日本学術振興会特別研究員,甲南大学文学部講師などを経て,
1999年 甲南大学文学部助教授,現在に至る
専 攻
日本古代中世史
著 書
『京都大学文学部博物館の古文書第11輯 永昌記紙背文書』(編著) 思文閣出版 1993年
『日本古代荘園図』(共著) 東京大学出版会 1996年

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論 移行期としての平安時代
  はじめに
  一 荘園制と領主制---王朝国家論まで
  二 王朝国家論
  三 王朝国家体制論
  四 本書の構成

第1部 土地制度と荘園
 第I章 国の検田
  はじめに
  一 馬上帳
  二 検田目録
  三 負田検田帳
  四 検田の成立
  五 検田の変質
 第II章 立券荘号の成立
  はじめに
  一 売買立券
  二 所領の立券
  三 立券荘号
  おわりに
 第III章 東大寺領大和国小東荘
  はじめに
  一 小東荘の略史
  二 負名・領主・作人
  おわりに――小東荘を越えて

第2部 徴税制度と財政
 第IV章 徴税制度の再編
  はじめに――徴税制度と封戸制
  一 東大寺返抄と東大寺牒
  二 封戸制の再編
  三 徴税制度の再編
  おわりに――受領の時代の到来
 第V章 東大寺の組織と財政
  はじめに
  一 造東大寺所の収納機能
  二 天喜年間の封物収納と下行
  三 康和・長治年間の封物下行
  おわりに
 第VI章 国家財政・徴税と商業
  はじめに
  一 諸司諸家の発給文書
  二 諸国の発給文書
  三 蔵と手形と問丸
  おわりに

第3部 国務文書と国務
 第VII章 倉印と受領の執印
  はじめに
  一 国司と国印・倉印
  二 大和倉印
  三 倉印と受領
  おわりに
 第VIII章 平安時代の国務文書
  はじめに
  一 庁宣と下文
  二 国判
  三 国宣
  四 留守所の文書
  おわりに
 附論 平安時代の国衙と領主
  一 国衙
  二 領主
 第IX章 清胤王書状群の書状と言上状
  はじめに
  一 書状と言上状
  二 『虚空蔵菩薩念誦次第』紙背文書
  三 『医心方』紙背文書
  おわりに

第4部 平安時代の歴史的位置
 第X章 平安時代における国家・社会編成の転回
  はじめに
  一 公卿・官人の役
  二 貴族社会の多元化
  三 地方の役
  四 都鄙の役
  おわりに
 第XI章 律令国家の諸段階
  はじめに
  一 二つの律令国家論
  二 二つの平安時代論
  三 律令国家の成立
  四 律令国家の変容
  おわりに
 第XII章 中世の黎明
  はじめに
  一 受領の時代
  二 都鄙間交通
  三 荘園制


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