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微生物機能の開発

生物資源から考える21世紀の農学6
微生物機能の開発

A5判 346ページ 上製
価格:4,840円 (消費税:440円)
ISBN978-4-87698-341-4 C3361
奥付の初版発行年月:2008年05月 / 発売日:2008年05月下旬

内容紹介

極めて有用な能力を持ち,人々の豊かさを支えてきた微生物.日本は,豊富な微生物資源に恵まれた資源大国だ.食糧や医薬品の生産はもちろん,環境保全やリサイクルへの利用など,可能性と魅力に満ちた微生物の世界に読者を誘う.生命科学に関心を持つ学生・院生はもちろん,「安全で豊かな暮らし」を求める市民の目から鱗を落とす一冊.

著者プロフィール

植田 充美(ウエダ ミツヨシ)

京都大学大学院農学研究科教授(生体高分子化学,応用生命科学専攻)
1955年 兵庫県生まれ
1984年 京都大学大学院工学研究科工業化学専攻博士課程修了(福井三郎教授)
1984年 日本学術振興会奨励研究員(京大医学部医化学教室沼 正作教授)
1985年 京都大学工学部工業化学科助手
1991年 京都大学工学部工業化学科助教授
1996年 京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻(改組)助教授
2001年 バイオ・エナジー(株)顧問就任(兼任)
2002年 三菱化学・生命科学研究所客員研究員就任(兼任)
2003年 京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻 応用生化学講座生体高分子化学研究分野教授,現在に至る
賞:1993年 日本生物工学会第30回斉藤賞(生物工学の基礎学への貢献)受賞
  2006年 日本冷凍空調学会賞学術賞 受賞

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 文

第1章 微生物のしくみ(由里本博也・阪井康能)
はじめに
1 微生物学の歴史
2 微生物の代謝と増殖
3 微生物の構造と機能
4 微生物のしくみの利用
おわりに

第2章 環境を守る微生物(加藤暢夫)
1 農学領域の環境微生物学
2 メタンやメタノールの微生物利用
3 石油成分の微生物分解
おわりに

第3章 共生微生物の世界(二井一禎)
はじめに
1 植物と共生する細菌類
2 植物と共生する菌類
3 動物と消化共生する細胞外共生微生物
4 動物と伝播共生する細胞外共生微生物
5 昆虫の細胞内に共生する細菌
おわりに

第4章 熱水に生きる海洋微生物(左子芳彦)
はじめに
1 海洋熱水環境に生きる(超)好熱菌
2 有用遺伝子資源としての超好熱菌

第5章 微生物工場——くらしに役立つ微生物の話——(清水 昌)
はじめに
1 もの作りの方法論としての発酵法と酵素法
2 微生物によるもの作り,最近の展開
3 世界で活躍する京大発酵研究室プロセス(“Hakko Lab. Processes”)
4 グリーンケミストリーへの道を拓く
5 広がる微生物利用分野(身近で活躍するミクロの働き者)

第6章 食品と微生物(村田幸作)
はじめに
1 伝統的発酵食品
2 食品の保存と殺菌
3 微生物と食中毒
おわりに

第7章 微生物に新薬のリードを探る(谷田清)
はじめに
1 抗生物質研究の流れ
2 抗生物質研究のパラダイム転換
3 アンサマイトシンの物語
4 医薬品をとりまく環境の変化
5 微生物二次代謝産物研究の現在
6 微生物二次代謝産物研究のこれから
むすび

第8章 微生物のメタボローム解析(西岡孝明)
はじめに
1 メタボローム解析とは
2 枯草菌をメタボローム解析する
3 変動する代謝物質プロファイル
4 代謝反応ネットワークが複雑であることの要因—多重性
5 二次代謝物質のメタボローム解析
おわりに

第9章 微生物遺伝子の活用(喜多恵子)
1 微生物遺伝子研究の歴史
2 古典的な育種
3 組換えDNA技術を用いた遺伝子の活用
4 微生物遺伝子資源活用の展望
不必要な遺伝子はどこまで取り除くことができるか?
おわりに

第10章 微生物育種の未来開拓——細胞分子育種に変革をもたらす細胞表層工学の開拓——(植田充美・黒田浩一・加藤倫子)
はじめに
1 細胞表層移行シグナル情報
2 細胞表層工学(Cell Surface Engineering)
3 コンビナトリアル・バイオエンジニアリングの創成
4 ナノテクノロジーとの融合による進化と飛躍
5 細胞表層ディスプレイによる実用的細胞育種
6 細胞表層ディスプレイによる細胞育種の展開
—新しいタンパク質「考」学への展開の基盤として

索 引
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