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 「生」と音楽の結びつくところフリッツ・イェーデの音楽教育

プリミエ・コレクション43
フリッツ・イェーデの音楽教育 「生」と音楽の結びつくところ

A5判 上製
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-87698-284-4 C3337
奥付の初版発行年月:2014年03月 / 発売日:2014年04月上旬

内容紹介

イェーデの音楽教育改革論に関しては、アドルノによる批判があるために、これまで十分な研究がなかった。本書は、アドルノは音楽の専門性のみを追求していたのに対して、イェーデの音楽教育は、音楽の流れと青少年の心の内面とが一体となる音の動きを感じ取ることで、人格の形成を目指すことを目的としていることを明らかにしている。

著者プロフィール

小山 英恵(コヤマ ハナエ)

鳴門教育大学准教授
桐朋女子高等学校音楽科卒業後,シオン高等音楽院(スイス)に留学,学習院大学文学部心理学科卒業,京都大学大学院教育学研究科博士課程修了,京都大学博士(教育 学)

主な著訳書
「フリッツ・イェーデの音楽基礎教育 ―イェーデの音楽観『オルガニク』を検討の基盤として― 」(『音楽教育学』2011年),「フリッツ・イェーデの音楽における『創造』のための教育」(『教育方法学研究』2011年),「音楽科におけるパフォーマンス評価に関する一考察 ―「真正の評価」論に焦点をあてて― 」(『学校音楽教育研究』 2013年),『パフォーマンス評価入門 ―「真正の評価」論からの提案』(ダイアン・ハート著,共訳(田中耕治監訳),ミネルヴァ書房,2012年)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

序章
1 イェーデの歩みと活躍
 (1) 改革教育運動とイェーデ
 (2) 青少年音楽運動におけるイェーデ
 (3) ドイツ学校音楽教育への影響
2 これまでのイェーデ研究についての検討
 (1) イェーデ研究について
 (2) 日本におけるイェーデ研究
 (3) ドイツにおけるイェーデ研究
3 本書の課題と方法
4 本書の構成

第 1 章 イェーデの音楽教育における目的論
1 イェーデによる青少年音楽運動の理念
2 イェーデの音楽教育の目的
 (1) 「生」の概念
 (2) 「愛における共同体」
3 目的とその実現のための音楽教
4 小括

第 2 章 イェーデの音楽観
1 音楽生活についての主張
 (1) 当時の音楽生活への批判
 (2) イェーデの求めた音楽生活
2 子どもの音楽
 (1) 学校音楽批判
 (2) 子どもの「生」のあらわれとしての音楽
 (3) 子どもの民謡
3 「創造」的に音楽すること
 (1) 「音楽以外の方法」への批判
 (2) イェーデの捉える「創造」と「再創造」
 (3) エネルギー論的音楽観「オルガニク」
4 小括

第 3 章 イェーデによる音楽の基礎教育
1 調性音楽の理解を目指した基礎教育
 (1) 「音楽の基礎教育」の概要
 (2) 内面における動きの感覚
 (3) 内面における動きの感覚を指導するための工夫
2 現代音楽の理解までを目指した基礎教育
 (1) 『それは私もできる』の概要
 (2) 内面における動きの感覚
 (3) 内面における動きの感覚を指導するためのハンドサイン
3 小括

第 4 章 イェーデによる音楽における「創造」のための教育
1 「創造」のための教育の理論
 (1) 3段階の教育
 (2) 各段階における教育内容
 (3)「共同体における教育」
 (4)「創造」の評価
2 「創造」のための教育の実践
 (1) 内面的なものを生成させる授業
 (2) 音楽的な表現の感覚を生成させる授業
3 小括

第 5 章 イェーデの青少年音楽学校構想
     ——シャルロッテンプルク青少年音楽学校のカリキュラム——
1 青少年音楽学校の概要
 (1) 青少年音楽学校創設の理念
 (2) アカデミー附属学校としての青少年音楽学校
 (3) 対象となる子どもたち
2 音楽授業のカリキュラム方針
 (1) 授業構成
 (2)「総合的な音楽授業」
 (3)「真の歌」への道
3 授業外の活動——もうひとつのカリキュラム
 (1) 図書室における営み
 (2) 子どもたちの自主的な活動
 (3) 学校行事における活動
4 小括

第 6 章 イェーデによる教師教育論
1 イェーデによる教師教育の概要
 (1) イェーデによる2つの教師教育
 (2) 教師教育の目的
2 民衆音楽学校のための教師教育内容
 (1) 受講条件
 (2) 教育内容
3 学校音楽講座における教育内容
 (1) 講座改善の方針
 (2) 教育内容
4 侵業方法としての「作業共同体」
 (1) イェーデの「作業共同体」
 (2) 民衆音楽学校教師教育のための授業方法
 (3) 学校音楽講座における授業方法
5 小括

第 7 章 イェーデへの批判
     ——Th. アドルノによる批判の検討——
1 アドルノによる青少年音楽運動批判とこれまでの議論
 (1) アドルノによる批判の概要とその問題
 (2) これまでの議論の検討
2 音楽教育の目的に関する検討
 (1) アドルノの主張
 (2) イェーデにおける音楽教育の目的に関する検討
3 音楽教育内容に関する検討
 (1) 青少年音楽運動における音楽教育内容への批判
 (2) アドルノの音楽教育観
 (3) イェーデの音楽教育内容
4 小括

終章
1 本書の成果
2 現代の音楽教育への示唆
 (1)「音楽することの教育」と「音楽についての教育」
 (2)「音楽することの教育」の内容
 (3) 共同の「創造」
 (4)『生』と音楽とを結びつける教育課程構想
 (5) 教師教育改革を合めた音楽教育改革
3 今後に向けて

初出一覧
引用・参考文献および参考資料一覧
■欧文文献
 イェーデ文献
 その他
■日本語文献
■ウェブサイト
■ドイツ青少年運動アーカイブにおける史料
■イェーデ年表

あとがき
索引


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