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日々の器 悠久の漆

日々の器 悠久の漆

B5変 128ページ 並製
価格:2,530円 (消費税:230円)
ISBN978-4-86463-115-0 C0072
奥付の初版発行年月:2020年12月 / 発売日:2020年12月上旬

内容紹介

木地制作から加飾まで一貫した制作を続ける漆芸家・十時啓悦。その作品は独自の造形美を見せ、漆ならではの魅力に溢れる。漆黒とも喩えられる魅力的な黒、鮮やかな洗朱、金銀の箔、不定形の造形美を見せる乾漆技法、また茶の湯の美意識にも通ずる錆漆など、さまざまな作品を通して日々の器である漆の魅力と可能性を語り、木の道具が見せる「生活のなかの美」について語る。

著者プロフィール

十時 啓悦(トトキ アキヨシ)

1950年大阪府生まれ。武蔵野美術大学教授。
うつわ、家具、造形物まで木材をベースに漆による自由な表現を行う。
武蔵野美術短期大学入学後、漆芸家野田行作に師事し、2年後学部に編入。
1975年東京藝術大学大学院漆芸専攻修了。1979年東京・青梅市に制作工房を構え、
2002年には作品の展示を行う青梅クラフト館を開設。

おもな受賞歴に、日本クラフト展優秀賞(1977、1981)、第26回日本伝統工芸新作展奨励賞(1986)、第1回兵庫県丹波の森ウッドクラフトコンペ大賞(1988)。第36回日本伝統工芸展入選(1989)。また、朝日現代クラフト展、日本・韓国現代漆芸作家による漆芸の現在展ほか、アジア圏の漆展に招待出品。松屋銀座、西武池袋本店、日本橋三越本店特選画廊ほか全国各地のギャラリーで個展活動を行う。
おもなパブリックコレクションに東京国立近代美術館工芸館、中国美術館(北京市)、兵庫県立丹波年輪の里、熊本県伝統工芸館、旧中曽根康弘邸日の出山荘、旧白洲正子邸武相荘ほか。
1991年からイタリア・スティッベルト武器武具博物館所蔵の日本刀など武具の調査修復、2006年にはカナダ・ブリティッシュコロンビア大学にて漆工芸を紹介する講演とともに、ビクトリア美術館「ペイントイン」に参加。共著に『木工 樹をデザインする』(武蔵野美術大学出版局、2009年)、『漆塗りの技法書 漆の特徴、基礎知識から各種技法までをわかりやすく解説』(誠文堂新光社、2015年)。現在、日本文化財漆協会参事、(公財)森林文化協会会員、中国・湖北美術学院特聘教授。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

一章 創作と実践
鮮烈な朱色
黒のフォルム
根来の作品
手ずれの箔模様
錆漆の質感
木肌の質感
布肌
陶器の質感
段積み法
乾漆技法

二章 木と漆
1─ウルシ
日本産漆の産地
漆液の採取「漆掻き」
日本産漆と中国産漆との違い
天然樹脂
2─漆の特質
籃胎=竹+漆
乾漆=布+漆
紙胎=紙+漆
3─木を知る
流通と価格
強度と加工性
保温性と保湿
色と香り
木の質
4─木と社会

三章 暮らしのなかの漆
1─ものを作る楽しさ
2─漆の魅力・食の器
3─生活と芸術の距離
技術と感性
バリエーションと実験的加飾
仕上げの工夫
4─生活の道具としての工芸品
白洲正子の武相荘

四章 悠久の漆
1─伝統的技術とクラフト
2─地場産業のブランド化
3─悠久の未来に向けて

おわりに


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