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時間感染症学

時間感染症学

B5判 354ページ 並製
価格:9,350円 (消費税:850円)
ISBN978-4-8329-8233-8 C3047
奥付の初版発行年月:2020年02月 / 発売日:2020年03月中旬

内容紹介

将来の流行の時期と大きさを予測することを目的に、日本、中国(武漢市、香港)、インド、フィリピン、デンマーク、フィンランド、アメリカなどのデータをもとに、麻疹、水痘、インフルエンザ、結核、肝炎、手足口病などの感染症について時系列解析を用いて行ってきた研究成果をまとめたものである。医学・生物学の研究者および医療・行政関係機関必携の書。

著者プロフィール

小林 宣道(コバヤシ ノブミチ)

北海道苫小牧市出身、札幌医科大学医学部医学科卒業、
現在は札幌医科大学医学部衛生学講座教授 博士(医学)
専 門:衛生学、微生物学

鷲見 紋子(スミ アヤコ)

神奈川県逗子市出身、北海道大学理学部地球物理学科卒業、神戸大学大学院理学研究科修士課程(地球科学科非線形科学)修了、北海道大学大学院医学研究科博士課程(社会医学系衛生学)修了、日本学術振興会特別研究員(DC、PD)を経て、
現在は札幌医科大学医学部衛生学講座准教授 博士(医学)
専 門:数理生物学、疫学、衛生学

大友 詔雄(オオトモ ノリオ)

北海道札幌市出身、北海道大学工学部電子工学科卒業、
現在は(株)NERC(自然エネルギー研究センター)代表取締役センター長 博士(工学)
専 門:時系列データ解析方法の開発・応用、現代技術(コンピュータ技術と原子力技術を中心)に関する技術論

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき/監修者の言葉

第1章 概 説
 はじめに
 1.1 時系列解析とは
 1.2 海外との共同研究の成果
    1.2.1 デング熱・レプトスピラ症[フィリピン]
    1.2.2 コレラ[バングラデシュ]
    1.2.3 手足口病[中国]
 1.3 日本の感染症発生数(率)時系列データから得られた結果
    1.3.1 水 痘
    1.3.2 結 核
 1.4 予測解析
 1.5 数理モデルと麻疹
    1.5.1 カオス時系列
    1.5.2 3Dスペクトルアレイ
    1.5.3 デンマークの麻疹発生数時系列データと指数スペクトル
 1.6 更なる可能性―時系列解析の空間系列データへの適用
 参考文献
 図  表

第2章 気象と感染症
 はじめに
 2.1 コ レ ラ
    2.1.1 コレラ発生率データ
    2.1.2 太陽黒点数データ
    2.1.3 エルニーニョ監視海域(Nino.3)の海面温度データ
    2.1.4 コレラ発生率と海面温度の周期性の比較
    2.1.5 コレラに影響を与える海面温度の短い周期構造
 2.2 デング熱・レプトスピラ症
    2.2.1 デング熱
    2.2.2 レプトスピラ症
    2.2.3 フィリピンでのデング熱とレプトスピラ症
    2.2.4 デング熱・レプトスピラ症・気象データの時間変動
    2.2.5 デング熱・レプトスピラ症データと気象データの季節サイクル
 2.3 ロタウイルス
    2.3.1 ロタウイルスデータと気象データの時間変動
    2.3.2 スペクトル解析とLSF解析
    2.3.3 ロタウイルスデータと気象データの季節サイクル
    2.3.4 ロタウイルス流行が冬に起きる理由
    2.3.5 ロタウイルス流行のモンスーンとの関係
 2.4 水 痘
    2.4.1 日 本
    2.4.2 武漢市(中国)、香港
    2.4.3 デンマークとフィンランド
 2.5 手足口病
    2.5.1 武漢市(中国)
    2.5.2 日 本
 2.6 ムンプス(流行性耳下腺炎、おたふくかぜ)
    2.6.1 ムンプスデータ
    2.6.2 気象データ
    2.6.3 結 果
 参考文献
 図 表

第3章 社会と感染症
 はじめに
 3.1 結 核
    3.1.1 日本―年齢別
    3.1.2 日本―地域別
    3.1.3 武漢市(中国)
 3.2 予防接種効果
    3.2.1 麻疹─日本
    3.2.2 麻疹─武漢市
    3.2.3 インフルエンザ
 3.3 予測解析
    3.3.1 麻 疹
    3.3.2 肝 炎
    3.3.3 インフルエンザ
    3.3.4 カンピロバクター
 参考文献
 図 表

第4章 複雑系としての感染症
 はじめに
 4.1 日本―麻疹、水痘、ムンプス、風疹
    4.1.1 データの定性的な記述
    4.1.2 時系列全体の解析
    4.1.3 3Dスペクトルアレイ
    4.1.4 スペクトル・ピークの周波数の時間変動
    4.1.5 感染症の発生の季節変動
    4.1.6 ワクチンの効果の定量的な見積もり
    4.1.7 感染症の発生の予測
    4.1.8 議 論
 4.2 麻疹発生率データのカオス特性
    4.2.1 時系列データ
    4.2.2 麻疹データの解析
    4.2.3 SEIRモデルから生成された時系列の解析
    4.2.4 ノイズ時系列の解析
    4.2.5 麻疹流行のメカニズムの説明
    4.2.6 議 論
 4.3 指数スペクトルと人口サイズの関係―イギリス、アメリカ、デンマーク
    4.3.1 パワースペクトル密度と時系列データ
    4.3.2 セグメント解析
    4.3.3 麻疹流行の非線形過程
    4.3.4 予測解析
    4.3.5 議 論
 4.4 SEIRモデル
    4.4.1 SEIRモデルの説明
    4.4.2 スペクトル解析
    4.4.3 セグメント解析
    4.4.4 予測解析
    4.4.5 議 論
    4.4.6 精度の評価
 参考文献
 図 表

第5章 時系列解析の今後の展開
 はじめに
 5.1 時系列解析の空間系列データへの適用
    5.1.1 材料と方法
    5.1.2 結果―マウス小腸
    5.1.3 結果─2次元空間モデル
    5.1.4 考 察
 参考文献
 図 表

第6章 データとモデル、その背景
 はじめに
 6.1 使用したデータ
    6.1.1 コ レ ラ
    6.1.2 デング熱・レプトスピラ症
    6.1.3 ロタウイルス
    6.1.4 水 痘
    6.1.5 手足口病
    6.1.6 結 核
    6.1.7 麻 疹
    6.1.8 インフルエンザ
    6.1.9 肝 炎
    6.1.10 カンピロバクター
    6.1.11 日本の感染症サーベイランスデータ
 6.2 他の解析方法との比較
    6.2.1 自己回帰(AR)モデル
    6.2.2 高速フーリエ変換(FFT)、ウェーブレット変換
    6.2.3 アトラクター
 6.3 感染症の分類
    6.3.1 時系列データ
    6.3.2 スペクトル線の同定
    6.3.3 PSDの傾き
    6.3.4 3Dスぺクトルアレイ
    6.3.5 感染症流行メカニズムの分類
    6.3.6 感染症のサーベイランスデータの解明のための今回の方法の有用性
 6.4 日本の感染症サーベイランスデータと病原微生物検出情報の相互利用
    6.4.1 概 要
    6.4.2 日本における感染症および病原体サーベイランスデータ
    6.4.3 感染症データおよび病原体データを相互に関連付けることの意義
    6.4.4 感染症データと病原体データを相互に関連付けるための解析方法
 参考文献
 図 表

初出一覧
索 引


===

コラム1:時系列データ
コラム2:スペクトル解析
コラム3:最小2乗法(LSM)
コラム4:寄与率
コラム5:感染症の数理モデル
コラム6:不規則変動とカオス時系列
コラム7:セグメント解析
コラム8:腎症候性出血熱(HFRS)とハンタウイルス肺症候群(HPS)
コラム9:ロタウイルスの無症候感染
コラム10:ロタウイルス検出方法
コラム11:春休みの長さ
コラム12:予防接種(ワクチン)(日本)
コラム13:年齢分布と性別
コラム14:亜熱帯地域における水痘
コラム15:予防接種(ワクチン)(武漢市、香港)
コラム16:手足口病データ・病原体データ・気象データの相関の導出
コラム17:手足口病の病原体
コラム18:BCGワクチン
コラム19:流行間隔の理論値
コラム20:予防接種(ワクチン)率
コラム21:麻疹データの長期変動の扱い
コラム22:インフルエンザデータの長期変動の扱い
コラム23:ニューヨーク市の麻疹症例報告数時系列データの予測解析
コラム24:カオス時系列の予測可能性
コラム25:A型肝炎の季節性
コラム26:E型肝炎の季節性
コラム27:インフルエンザ流行の8.7年周期
コラム28:フィンランドとノルウェーの流行パターンの違い


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