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育児支援と高齢者扶養・介護日中の少子高齢化と福祉レジーム

日中の少子高齢化と福祉レジーム 育児支援と高齢者扶養・介護

A5判 290ページ 上製
価格:6,380円 (消費税:580円)
ISBN978-4-8329-6835-6 C3036
奥付の初版発行年月:2017年12月 / 発売日:2018年01月中旬

内容紹介

急速な少子高齢化と、それに伴う家族の扶養機能低下が進む東アジア。本書では、福祉のうち育児と高齢者扶養・介護の2つを取り上げ日本と中国の福祉レジームを比較検討する。福祉系NPOや中国の「社区」など多様な主体が参与するケア領域に焦点を当て論じる。

著者プロフィール

郭 莉莉(カク リリ)

1987年 中国遼寧省瀋陽市生まれ
2010年 大連外国語学院日本語学部卒業
2013年 北海道大学大学院文学研究科修士課程修了
2016年 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了博士(文学)
現  在 河北経貿大学外国語学院専任講師

専  門:福祉社会学,日中比較研究

【主要論文】
「都市の少子化と子育て支援ネットワークに関する日中比較研究──札幌・北京調査を事例に」『現代社会学研究』27巻,2014年
「中国農村高齢者の養老問題──都市近郊の失地農民に焦点を当てて」『21世紀東アジア社会学』7号,2015年
「日本の高齢化と小規模多機能ケアの実践──札幌市のNPOの事例調査より」『北海道大学大学院文学研究科研究論集』15号,2016年,など

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
 1 研究の背景と目的
 2 先行研究と本書の分析視点
 3 調査研究の方法
 4 本書の構成

  第Ⅰ部 日中の人口変動と福祉レジーム

第1章 東アジアの少子高齢化と福祉レジーム
 第1節 東アジアの少子高齢化
 第2節 欧米の福祉レジーム
 第3節 東アジアの福祉レジーム

第2章 日中の福祉レジーム
 第1節 日本の福祉レジーム
 第2節 中国の福祉レジーム

  第Ⅱ部 日中の育児支援

第3章 日本の少子化と育児構造
 第1節 少子化の進行と子育て環境の変化
 第2節 育児援助の分析視点
 第3節 日本の育児構造の特徴と成因
 第4節 調査概要
 第5節 日本における育児の実態
 第6節 まとめと課題

第4章 中国の「一人っ子化」と育児構造
 第1節 「一人っ子化」の進行と子育て環境の変化
 第2節 「一人っ子化」の影響と人口政策をめぐる議論
 第3節 中国の育児構造の特徴と成因
 第4節 調査概要
 第5節 中国における育児の実態
 第6節 まとめと考察

  第Ⅲ部 日本の高齢者福祉

第5章 日本の高齢者を支える福祉資源
 第1節 家族の変容と老親扶養の変化
 第2節 介護の社会化

第6章 小規模多機能施設による高齢者への共助的支援
 第1節 小規模多機能施設の発展
 第2節 小規模多機能施設分析の視点
 第3節 札幌市のNPO法人の事例
 第4節 富山市のNPO法人の事例
 第5節 小規模多機能施設の成立・持続要因とその意義

第7章 高齢者介護と子育てをつなぐ地域密着「幼老共生ケア」
 第1節 「幼老共生ケア」が生まれる背景
 第2節 「幼老共生ケア」の特徴
 第3節 調査概要
 第4節 施設の設立経緯と理念
 第5節 幼老共生型福祉の実践
 第6節 おわりに

  第Ⅳ部 中国の高齢者福祉

第8章 中国の高齢者を支える福祉資源
 第1節 家族の変容と老親扶養の変化
 第2節 「福祉の社会化」

第9章 「社区」在住都市高齢者の生活実態と福祉課題
 第1節 社区養老サービスの整備
 第2節 中国の高齢者のケアをめぐる支援構造の特徴
 第3節 北京市「社区居家養老」政策
 第4節 「社区」調査
 第5節 都市高齢者の生活実態
 第6節 都市高齢者をめぐる支援構造と福祉課題

第10章 農村失地高齢者の生活実態と福祉課題
 第1節 「二元構造」と「失地農民」
 第2節 「失地農民」出現の経緯と各種補償策
 第3節 農村調査
 第4節 農村失地高齢者の生活実態
 第5節 農村失地高齢者の生活・福祉課題

おわりに
 1 各章のまとめ
 2 育児と高齢者扶養・介護を支える福祉資源の供給構造
 3 本書の意義と課題
 4 日本との比較を通して中国を考える

初出一覧
参考文献
あとがき
索  引


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