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 植民政策とバシキール人ロシア帝国民族統合史の研究

ロシア帝国民族統合史の研究 植民政策とバシキール人

A5判 582ページ
価格:10,450円 (消費税:950円)
ISBN978-4-8329-6611-6(4-8329-6611-1) C3022
奥付の初版発行年月:2006年04月 / 発売日:2006年04月下旬

内容紹介

日本では未だ明確に知られていないバシキール人の歴史を,「征服・獲得→併合→同化」というロシアの植民および民族政策に対し一貫して異議申し立てをした歴史として詳述.ロシア帝国ひいては現ロシア連邦の諸民族関係の性格を,刊行・未刊行の史料を駆使して浮き彫りにする.

著者プロフィール

豊川 浩一(トヨカワ コウイチ)

1956年 札幌生まれる。北海道大学文学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。早稲田大学文学部助手、静岡県立大学国際関係学部助教授、明治大学文学部助教授を経て、現在、同教授。

専攻 ロシア近代史

主要論著
Оренбург и оренбургское казачество во время восстания Пугачева 1773-1774 гг. М, 1996.(1773〜1774年のプガチョーフ叛乱期のオレンブルクとオレンブルク・カザーク)
А.С.Пушкин и П.И.Рычков. Историчесие источники пушкинской ≪Истории Пугачевского бунта≫ // Аста Slavica Iaponica. T. IX. 1991.(А.С.プーシキンとП.И.ルィチコーフ:プーシキン作『プガチョーフ叛乱』の歴史史料)
「18世紀ロシアにおける民衆運動とその世界——プガチョーフ叛乱における領主農民を中心にして——」、『社会科学討究』97号、1988年。
訳 書
R.E.F.スミス、D.クリスチャン(鈴木健夫、斎藤君子、田辺三千広との共訳)『パンと塩——ロシア食生活の社会経済史』、平凡社、1999年。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 論 植民および民族政策史研究と「バシキール問題」
Ⅰ 植民史研究および民族政策史研究の基本的問題点
 1 ロシア国家の拡大と植民の問題
 2 民族政策と民族政策史研究
Ⅱ バシキール史研究の諸問題
 1 「進歩史観」、「闘争史観」そして「自立的民族史観」
 2 「併合」問題
 3 民族の問題
 4 「農民戦争」論
 5 研究視角
Ⅲ 史料について
 1 刊行史料
 2 未刊行史料
Ⅳ 本編の構成について

第一章 モスクワ国家支配前夜のバシキーリア
Ⅰ バシキーリアの地誌と社会
 1 地  誌
 2 種族連合「バシコルト」
 3 行政区分
 4 社会構造
 5 社会的状況
Ⅱ ノガイ・オルダ、カザン・ハン国およびシビル・ハン国支配下のバシキーリア
 1 ノガイ・オルダ支配下の南東バシキーリア
 2 カザン・ハン国支配下の西・北西バシキーリア
 3 シビル・ハン国支配下の北東(ウラル以東の)バシキーリア

第二章 「併合」の実態
Ⅰ カザン・ハン国の崩壊
 1 一六世紀モスクワ国家をめぐる国際環境
 2 モスクワ国家とカザン・ハン国
 3 カザン・ハン国崩壊後の沿ヴォルガと南ウラル
Ⅱ モスクワ国家への「併合」過程
 1 イヴァン四世の「恵与状」
 2 経  過
 3 「併合」受容の問題点
 4 「併合」受容の「条件」
Ⅲ 「併合」後の諸変化
 1 モスクワ国家とバシキール人社会──ヤサーク貢納と軍役
 2 バシキール人社会の変化──奴隷制、搾取そして抵抗

第三章 一七〜一八世紀初頭の諸蜂起
Ⅰ 「併合」後のバシキーリア行政
Ⅱ 一六六二〜六四年の蜂起
 1 経  過
 2 蜂起の成果
Ⅲ 一六八一〜八四年の蜂起
 1 経  過
 2 蜂起の成果
Ⅳ 一七〇四〜一一年の蜂起
 1 第一段階(一七〇四〜〇六年)
 2 第二段階(一七〇七〜〇八年)
 3 第三段階(一七〇八〜一一年)──ブラーヴィンの乱とバシキール人
 4 蜂起の成果

第四章 オレンブルク建設とバシキール人
Ⅰ オレンブルクの建設
 1 オレンブルク研究
 2 行政都市ウファー
 3 И・К・キリーロフの「草案」とオレンブルク建設
 4 オレンブルクの移転──В・Н・タティーシチェフとИ・И・ネプリューエフ
Ⅱ バシキール人の抵抗
 1 オレンブルク遠征隊とバシキール人
 2 一七三五〜三六年の蜂起
 3 一七三七〜三八年の蜂起
 4 一七三九〜四〇年の蜂起あるいはカラサカルの叛乱
Ⅲ オレンブルクと諸民族
 1 民族政策
 2 宗教政策
Ⅳ オレンブルクの社会と経済
 1 オレンブルク県の住民構成
 2 農業と工業
 3 商  業──中央アジアとの交易
 4 囚  人
 5 市内の状況

第五章 南ウラルへの植民
Ⅰ 南ウラルにおける植民過程
 1 南ウラルの重要性
 2 南ウラルにおける植民
 3 植民による人口増加
Ⅱ 植民政策とバシキール人社会
 1 植民の「合法化」
 2 バシキール人社会の変化── 「共同体」内の階層化
 3 租税政策
 4 軍  役
 5 宗教政策 第六章 南ウラルの「開発」
Ⅰ 一八世紀バシキーリアの変貌
 1 バシキーリアにおける新たな波
 2 基本方針としての一七三六年二月一一日付け布告
 3 「布告」と土地問題
Ⅱ 工場建設と植民
 1 南ウラルにおける工業発展
 2 И・В・トヴョルドゥィショフの進出
 3 バシキール人の苦難
 4 農業の進展と植民政策
Ⅲ 一七五五年の蜂起あるいはバトゥィルシャの叛乱
 1 新たな負担
 2 契  機
 3 経  過
 4 敗  北
 5 意  義
Ⅳ 新法典編纂委員会
 1 主  張
 2 動  揺

第七章 プガチョーフ叛乱(上)
Ⅰ 叛乱参加の背景
 1 植民・民族政策
 2 オレンブルクとバシキール人
Ⅱ バシキール人の叛乱参加過程
 1 バシキール人への「布告」
 2 バシキール人の積極的参加
 3 オレンブルク包囲戦
Ⅲ バシキール人の行動
 1 バシキール人の攻撃対象
 2 バシキール人、工場登録農民そして「工場労働人」 ──連帯の形成
 3 叛乱からの後退

第八章 プガチョーフ叛乱(下)
Ⅰ 一八世紀バシキール人社会とサラヴァト父子
 1 サラヴァト裁判
 2 サラヴァト父子とロシア
Ⅱ 叛乱軍におけるサラヴァト
 1 叛乱への参加
 2 サラヴァトの活動
 3 サラヴァトと工場

第九章 バシキーリア行政の確立
Ⅰ カントン行政システムとは何か
Ⅱ カントン行政システム導入以前の状況──エカチェリーナ二世の地方行政改革
 1 カントン行政システム導入の背景
 2 プガチョーフ叛乱直後のバシキーリア行政── 「オレンブルク異教・国境局」の設置
 3 総督制の創設
 4 導入以前のバシキール人社会とО・А・イゲリストローム
 5 「オレンブルク・イスラーム聖職者協議会」の創設
Ⅲ カントン行政システムの導入と実施
 1 一七九八年四月一〇日付け布告
 2 新たな行政区分と郷の解体
 3 「カントン—ユルタ—村」構造
Ⅳ カントン行政システムによる住民統制
 1 移動の制限
 2 嘆願と民会の禁止
 3 民族の「隔離」政策
Ⅴ 軍事勤務
 1 軍事的な特徴
 2 軍務内容
 3 経済的負担
Ⅵ 新たな改革
 1 管区制
 2 監督官体制
 3 一八三五年の蜂起
 4 カントン行政システムの終焉と新たな政策──労役と担税民化
 5 チェプチャーリとボブィーリの軍隊編入

第十章 帝政ロシアにおける植民・民族政策の基本型
Ⅰ 伝統的な民族政策
 1 民族分断化政策
 2 土地問題
Ⅱ 新たな民族政策(上)
 1 政策遂行の前提
 2 税制改革──人頭税制
 3 国家勤務──軍役と労役
Ⅲ 新たな民族政策(下)
 1 一七〜一八世紀の特殊状況
 2 対ムスリム改宗政策の特質と諸問題
 3 教育と洗礼
 4 宗教政策の変更
Ⅳ 民衆の抵抗

結  論
おわりに
参考文献一覧
ロシア語要旨


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