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時空をこえた食卓から食と文化

北大文学研究科ライブラリ10
食と文化 時空をこえた食卓から

四六判 272ページ 並製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-8329-3388-0 C1039
奥付の初版発行年月:2015年04月 / 発売日:2015年03月下旬

内容紹介

仏典・聖書の中の食や食物禁忌、欧州中世の旅と飲食、ペルシア宮廷の食事、西遊記の食いしん坊の話、ロシア文学のレトリック、ブラジルのサトウキビ生産、パリで考える食の国際社会学など、時空を超えた食の話題のアラカルト。どうぞ召し上がれ。

著者プロフィール

細田 典明(ホソダ ノリアキ)

一九五七年生、北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、北海道大学大学院文学研究科・教授(宗教学インド哲学講座)。論文に“The simile of the leech (jal《a ̄》yuk《a ̄》) as sa 《m・》s《a ̄》rin” (Three mountains and seven rivers, Motilal Banarsidass Publishers, 2004), 「『雑阿含』道品念處相応」(『インド哲学仏教学論集』第二号、二〇一四年)。

佐々木 啓(ササキ ケイ)

一九五九年生、北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、北海道大学大学院文学研究科・教授(宗教学インド哲学講座)。共著に『聖と俗の交錯』(北海道大学図書刊行会、一九九三年)、『面白いほどよくわかるキリスト教』(日本文芸社、二〇〇八年)。

守川 知子(モリカワ トモコ)

一九七二年生、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学、博士(文学)。現在、北海道大学大学院文学研究科・准教授(東洋史学講座)。単著に『シーア派聖地参詣の研究』(京都大学学術出版会、二〇〇七年)、論文に「地中海を旅した二人の改宗者││イラン人カトリック信徒とアルメニア人シーア派ムスリム」(長谷部史彦編『地中海世界の旅人』慶應義塾大学言語文化研究所、二〇一四年)、「「イラン史」の誕生」(『歴史学研究』第八六三号、二〇一〇年)。

山本 文彦(ヤマモト フミヒコ)

一九六一年生、東北大学大学院文学研究科博士課程後期修了、博士(文学)。現在、北海道大学大学院文学研究科・教授(西洋史学講座)。単著に『近世ドイツ国制史研究││皇帝・帝国クライス・諸侯』(北海道大学図書刊行会、一九九五年)、訳書に『神聖ローマ帝国一四九五―一八〇六』(ピーター・H・ウィルスン著、岩波書店、二〇〇五年)、『中世ヨーロッパ社会の内部構造』(オットー・ブルンナー著、知泉書館、二〇一三年)。

武田 雅哉(タケダ マサヤ)

一九五八年生、北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、北海道大学大学院文学研究科・教授(中国文化論講座)。単著に『〈鬼子〉たちの肖像││中国人が描いた日本人』(中央公論新社、二〇〇三年)、『楊貴妃になりたかった男たち││〈衣服の妖怪〉の文化史』(講談社、二〇〇七年)、『万里の長城は月から見えるの?』(講談社、二〇一一年)。

大西 郁夫(オオニシ イクオ)

一九五八年生、北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、北海道大学大学院文学研究科・准教授(西洋文学講座)。論文に「『オブローモフ』におけるコーヒーとウォトカのイメージ」(『ロシア語ロシア文学研究』第三三号、二〇〇一年)、「ロシア文学における北方イメージ」(北海道大学大学院文学研究科・文学部/北大文学研究科公開シンポジウム『北方的―北方研究の構築と展開』報告書、二〇〇七年)。

仁平 尊明(ニヘイ タカアキ)

一九七一年生、筑波大学大学院博士課程地球科学研究科修了、博士(理学)。現在、北海道大学大学院文学研究科・准教授(地域システム科学講座)。単著に『エネルギー効率から見た日本の農業地域』(筑波大学出版会、二〇一一年)、共編に『地域調査ことはじめ││あるく・みる・かく』(梶田真・加藤政洋と共編、ナカニシヤ出版、二〇〇七年)。

樽本 英樹(タルモト ヒデキ)

東京大学大学院人文・社会系研究科博士課程修了、博士(社会学)。現在、北海道大学大学院文学研究科・准教授(社会システム科学講座)。単著に『よくわかる国際社会学』(ミネルヴァ書房、二〇〇九年)、『国際移民と市民権ガバナンス││日英比較の国際社会学』(ミネルヴァ書房、二〇一二年)、共編著に『現代人の国際社会学・入門││トランスナショナリズムという視点』(西原和久と共編著、有斐閣、二〇一五年刊行予定)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
第一章 古代インドの食の概念と食物の起源…細田典明
    ――神々と人間の食物
 はじめに  
 一 古代インドにおける食の概念  
 二 『起源経』に見る食物の起源――食の摂取と人間社会  
 三 神々の食物と人間界の食物  
第二章 聖書は食べ物について何を教えているか…佐々木 啓
 はじめに  
 一 聖書における「食物禁忌」とその解釈  
 二 ユダヤ教における「食物禁忌」の解釈  
 三 キリスト教における「食物禁忌」の解釈  
 四 メアリ・ダグラスによる「食物禁忌」の解釈  
 結論にかえて  
第三章 ペルシア宮廷のワインとシャーベット…守川知子
 はじめに  
 一 ペルシア文化のなかのワイン  
 二 ペルシアの甘味とスイーツ  
 三 近世のペルシア宮廷の食文化  
 四 辛党から甘党へ――ワインに代わるものとしての砂糖  
 おわりに  
第四章 中世・近世ヨーロッパの食文化…山本文彦
    ――旅人の食卓から
 はじめに――旅行記について  
 一 旅人はどんなふうに旅をしたのか  
 二 旅人は何を食べ、何を飲んでいたのか  
 三 「肉なし日」には何を食べていたのか  
 四 食事と身分は関係していた  
 五 地域や時代で食卓は変化した  
 おわりに――私たちの食卓  
第五章 猪八戒は食いしん坊か?…武田雅哉
 一 空腹の怪物たち  
 二 喰うことの物語『西遊記』  
 三 八戒歎異  
 四 饕餮よ永遠に  
第六章 ロシア文学における食の風景…大西郁夫
 一 パンの「白黒」 ――白いパンと黒いパン  
 二 ロシア文学に現れる食――レアリアとして  
 三 小説における食べ物の描写――社会的記号として  
 四 食が重要な小説二題―― 『羨望』と『モスクワ―ペトゥシキ』  
第七章 ブラジルにおけるサトウキビ生産の発展…仁平尊明
 はじめに  
 一 ブラジルにおけるサトウキビ生産の展開  
 二 サンパウロ州におけるサトウキビ生産の構造  
 三 サトウキビ生産の課題  
第八章 フランスに見る食と文化の国際社会学…樽本英樹
 一 「食」と「文化」のクエスチョン  
 二 生存のための「食」  
 三 楽しみのための「食」  
 四 グローバル化とフランスの「食」  
 五 人のグローバル化と「食」の多文化化  
 六 グローバル化における食と文化のこれから  

おわりに  
執筆者紹介  


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