最新 人工心肺[第六版] 理論と実際
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-8158-1171-6 C3047
奥付の初版発行年月:2024年09月 / 発売日:2024年10月上旬
人工心肺・体外循環についてもれなく解説した、定評あるテキストの最新版。初学者向けの基本事項はもちろんのこと、多様化する臨床現場に対応した内容をさらに充実させ、ECMOやImpellaなどの補助循環についても増補した、医師・臨床工学技士・看護従事者必携の書。
碓氷 章彦(ウスイ アキヒコ)
1981年 名古屋大学医学部卒業
1987年 Toronto General Hospital Clinical Fellow
名古屋大学医学部助手・助教授・教授などを経て
2022年 名古屋大学名誉教授
藤田医科大学岡崎医療センター 心臓血管外科教授(現在に至る)
日本外科学会名誉会員、日本胸部外科学会名誉会員、日本心臓血管外科学会特別会員
Member of American Association for Thoracic Surgery,
Member of Society of Thoracic Surgeons,
Senior member of European Association for Cardio-Thoracic Surgery
六鹿 雅登(ムツガ マサト)
1996年 名古屋大学医学部卒業
2009年 名古屋大学大学院医学研究科博士学位取得
2009年 カナダアルバータ大学小児心臓外科、心臓移植(肺)、補助人工心臓 Clinical Fellow
名古屋大学医学部特任助教・講師・准教授などを経て
2022年 名古屋大学大学院医学系研究科心臓外科学教授(現在に至る)
名古屋大学医学部附属病院重症心不全センターセンター長、同小児循環器センターセンター長
日本心臓血管外科学会評議員、日本胸部外科学会評議員、日本人工臓器学会評議員、
補助人工心臓協議会評議員、ロボット心臓手術関連学会協議会評議員、
日本冠動脈外科学会評議員
Member of European Association for Cardio-Thoracic Surgery,
Member of Asian Society for Cardiovascular and Thoracic Surgeons,
Member of Society of Thoracic Surgeons,
Member of International Society for Heart & Lung Transplantation
目次
まえがき
第1章 人工心肺開発の歴史
1 欧米 —— 研究開発から臨床に至るまで
2 本邦 —— 研究開発から臨床に至るまで
3 開心術のための低体温法の歴史
4 人工肺のディスポーザブル化
5 血液ポンプの研究開発
第2章 血液ポンプ
1 人工心肺装置の血液ポンプ
2 ローラーポンプ
3 遠心ポンプ
4 軸流ポンプ
5 斜流ポンプ
6 拍動流ポンプ
第3章 人工肺
1 フィルム型人工肺
2 気泡型人工肺
3 膜型人工肺
4 人工肺の臨床使用における留意点
第4章 人工心肺回路ならびに生体との接続
1 人工心肺回路
2 人工心肺装置で使用される安全装置
3 生体との接続
第5章 標準的開心術
1 タイムアウト
2 胸骨正中切開
3 心膜切開、心膜吊り上げ
4 送脱血路確保とカニュレーション
5 人工心肺操作の開始
6 ベンティング
7 心筋保護液注入ラインの確立
8 心停止
9 空気抜きと大動脈遮断解除
10 人工心肺の離脱
第6章 人工心肺とモニター
1 人工心肺側モニター
2 生体側モニター
第7章 人工心肺の適正灌流量・血液希釈
1 生体の酸素需要と灌流量
2 灌流量と臓器循環
3 血液希釈 / 低体温と灌流量
第8章 低体温体外循環法
1 表面冷却を用いた単純低体温法
2 体外循環と低体温法
3 低体温と酸素代謝
4 低体温と酸塩基平衡
5 低体温に伴う生体の変化
6 超低体温循環停止法の安全限界
7 逆行性脳灌流法
8 選択的脳灌流法
第9章 人工心肺の病態生理
1 血行動態の変動
2 血液の変動
3 凝固線溶の変動
4 酸塩基平衡の変動
5 電解質の変動
6 内分泌の変動
7 免疫系の変動
第10章 心筋保護法とその注入回路
1 心筋保護法とは
2 低温化学的心筋保護法
3 各種心筋保護液
4 心筋保護法の実際
5 心筋保護液注入システムと注入回路
6 新生児・乳児期開心術時の心筋保護
7 心臓移植時の心筋保護
第11章 人工心肺操作の実際
1 準備
2 充填液
3 適正灌流量と灌流条件
4 人工心肺開始
5 冷却灌流
6 完全体外循環
7 完全体外循環中の循環管理
8 人工心肺時の注意点
9 復温灌流
10 大動脈遮断解除
11 人工心肺離脱
12 人工心肺停止後の処置
13 体外循環の記録
第12章 人工心肺操作の安全管理とトラブルシューティング
1 人工心肺準備・操作の安全管理
2 トラブルシューティング
3 心筋保護のトラブルシューティング
第13章 新生児・乳幼児の人工心肺操作
1 新生児・乳幼児の特徴
2 乳幼児体外循環の必要条件
3 乳幼児体外循環の方式
4 乳幼児体外循環の実際
5 超低体温循環停止
6 無輸血体外循環
7 体外循環における血液濾過
8 低圧持続吸引方式の体外循環
第14章 胸部大動脈手術の体外循環
1 大動脈の解剖
2 体外循環を必要とする胸部大動脈疾患
3 上行大動脈置換術
4 弓部大動脈置換術
5 下行大動脈置換術
6 胸腹部大動脈手術
第15章 特殊な体外循環
1 MICS の体外循環
2 低侵襲冠動脈バイパス手術
3 TAVR
4 MitraClip
5 ハイブリッド手術
6 ロボット支援下心臓手術時の人工心肺
7 ヘパリン起因性血小板減少症症例の人工心肺
8 ヘパリンを減量した体外循環
9 成人先天性心疾患手術の体外循環
10 肺動脈内膜摘除術の体外循環
第16章 循環補助法(1):IABP
1 種類と特徴
2 適応・装着・離脱
3 合併症・課題
第17章 循環補助法(2):ECMO と PCPS
1 ECMO の種類と特徴
2 VA-ECMO
3 呼吸不全に対する ECMO:VV-ECMO
第18章 循環補助法(3):Impella
1 種類と特徴
2 適応・装着・離脱
3 合併症・課題
第19章 補助人工心臓
1 定義
2 分類と特徴
3 適応・装着・管理・離脱
4 問題点と展望
5 小児における VAD 治療
第20章 人工心肺をめぐる諸問題とその対策
1 人工心肺に際しての輸血量の節減
2 人工心肺における炎症反応と生体適合性
3 抗凝固療法と血液凝固障害
4 フィブリノゲン
5 体外循環と脳
6 右心不全と NO 吸入療法
7 人工心肺に関連した医療事故
付録1 開心術に用いられる主な注射薬
付録2 開心術に用いられる主な輸血、成分輸血
付録3 臨床工学技士国家試験問題 第27回~第36回
付録4 臨床工学技士が取得できる資格
付録5 手術関連略語一覧
付録6 心臓大血管の解剖
索 引