人種主義と反人種主義 越境と転換
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-8140-0389-1 C3036
奥付の初版発行年月:2022年03月 / 発売日:2022年03月上旬
竹沢 泰子(タケザワ ヤスコ)
京都大学人文科学研究所教授.ワシントン大学大学院博士課程修了,博士(文化人類学).
専門は,人類学,アメリカ研究.
主な著作に,『アメリカの人種主義──カテゴリー/アイデンティティの形成と変容』(名古屋大学出版会,2022 年刊行予定),『新装版 日系アメリカ人のエスニシティ──強制収容と補償運動による変遷』(東京大学出版会,2017年),『人種神話を解体する』(シリーズ責任者・共編,全3冊,東京大学出版会,2016年)などがある.
ジャン=フレデリック・ショブ(ショブ)
フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)教授.EHESS 博士号取得.
専門は,ヨーロッパ近世史,ユダヤ人史.
主な著作に,Race et histoire dans les sociétés occidentales (XVe-XVIIIe siècle), Paris: Albin Michel, 2021. Race is about Politics. Lessons from History, Princeton: Princeton University Press, 2019. L'Europe a-t-elle une histoire ? Paris: Albin Michel, 2008. などがある.
目次
序論──非英語圏からの共同発信の試み
[竹沢泰子,ジャン=フレデリック・ショブ]
I 前近代と近代の連続性/不連続性
第1章 「人種」と「文明」
──明治期の教科書記述にみる世界認識の変容 [竹沢泰子]
第2章 バスク人とユダヤ人の間で
──いかにスペイン人アイデンティティが人種化したか
[ジャン=フレデリック・ショブ]
【Dialogue】竹沢泰子×ジャン=フレデリック・ショブ
(コメンテーター)クロード=オリヴィエ・ドロン,平野千果子
II 統治と学知
第3章 被差別部落へのまなざしと生権力
──包摂と排除のポリティクス [関口 寛]
第4章 日本統治下台湾における植民地人類学
──「理蕃」政策と先住民族の本質化 [アルノ・ナンタ]
【Dialogue】関口寛×アルノ・ナンタ
(コメンテーター)坂野徹,ジャン=フレデリック・ショブ
III 分類する法
第5章 20世紀フランスとイタリアにおける法的経験
──反ユダヤ人法制,混血児の地位,優生政策
[シルヴィア・ファルコニエーリ]
第6章 近代日本の法的婚姻と人種論
──「国際結婚」をめぐる言説空間の変容 [長志珠絵]
【Dialogue】長志珠絵×シルヴィア・ファルコニエーリ(代理:ジャン=フレデリック・ショブ)
(コメンテーター)松本悠子,ライナー・マリア・キーソー
IV 反人種主義の葛藤と展開
第7章 両義的な反人種主義
──唯心主義的批判あるいは霊的人種間の不平等
[クロード=オリヴィエ・ドロン]
第8章 反人種主義と霊性──国際主義の歴史再考
[田辺明生]
【Dialogue】クロード=オリヴィエ・ドロン×田辺明生
(コメンテーター)池亀彩,ピエール・ブーレッツ
V 遺伝的祖先と人種の解体/再生
解説 遺伝子検査による祖先(ルーツ)検査とは [竹沢泰子]
第9章 ゲノム情報から「私」の祖先を“選ぶ”
[太田博樹]
第10章 DNA祖先検査は反人種主義に効果的な技術か
[サラ・エイベル]
【Dialogue】太田博樹×サラ・エイベル
(コメンテーター)ティモシー・コールフィールド,竹沢泰子
あとがき
索引
執筆者紹介