近世文学・作者と様式に関する私見
価格:7,370円 (消費税:670円)
ISBN978-4-8140-0365-5 C3091
奥付の初版発行年月:2021年09月 / 発売日:2021年09月上旬
あるときは創作という営為の近世的意味付けから馬琴・西鶴・近松の特異な様式に迫り、あるときは多数の作者の作品から共通の主題構造や特定の表現の成立過程をあぶり出す。読本研究の泰斗が自らに課して解き続けてきた軌跡。名著『営為と様式』に始まる三部作完結!
濱田 啓介(ハマダ ケイスケ)
京都大学博士(文学)、京都大学名誉教授。
1930年東京に生まれる。京都大学文学部卒業、大阪府立夕陽丘高等学校教諭・同北野高等学校教諭、鹿児島大学教育学部講師・助教授、京都大学教養部助教授・教授、同総合人間学部教授を経て、1994年京都大学名誉教授。同年花園大学文学部教授(2001年3月まで)。
【主要著作】
『馬琴評答集解題』(天理図書館善本叢書 和書之部第十二巻)、天理大学出版部、1973年。
『洒落本大成』(共編)、中央公論社、1978~1988年。
『近世小説・営為と様式に関する私見』、京都大学学術出版会、1993年。※角川源義賞、1994年受賞。
『異素六帖 古今俄選 粋宇瑠璃 田舎芝居』(新日本古典文学大系82)(校注・共著)、岩波書店、1998年。
『南総里見八犬伝』1~12(新潮日本古典集成別巻)(校訂・解説)、新潮社、2003~2004年。
『近世文学・伝達と様式に関する私見』、京都大学学術出版会、2010年。
『国文学概論』、京都大学学術出版会、2019年。
目次
凡例
1 比較文学偏西風
2 国民歌謡「夜明けの唄」と「DAYBREAK」
3 日本文学における別れ時の言い方 ―― さらば考
4 『道中膝栗毛』の進行記述形式の成立について
5 秩序への回帰 ―― 許嫁婚姻譚を中心として
6 〈愛想づかし〉概観
7 幕末読本の一傾向
8 読本研究五十年の歩みと展望
9 茶番要説
10 外濠を埋めてかかれ ―― 「西鶴をどう読むか」の全体講評者として
11 近松心中物の最期場について
12 都の錦に関する一資料
13 吉文字屋本の作者に関する研究 ―― 奥路・其鳳同一人の説など
14 伊丹椿園は津国屋善五郎なり
15 画本読本の作者 速水春暁斎伝攷
16-1 都市生活と家 ―― 『吾仏乃記』における家の問題
16-2 寛政享和期の曲亭馬琴に関する諸問題
17-1 『里見八犬伝』と「里見軍記」
17-2 八犬伝依拠小攷
17-3 八犬伝依拠二攷
18-1 馬琴の所謂稗史七法則について
18-2 鹿島則幸氏蔵著作堂手沢本『忠義水滸伝』について
18-3 『水滸伝発揮略評』と『水滸後伝国字評第六則』
索引
後記