グローバル化と中小製造業の選択 ミクロデータから「境界線の企業」を見る
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-8140-0361-7 C3033
奥付の初版発行年月:2021年10月 / 発売日:2021年10月下旬
伊藤 公二(イトウ コウジ)
東京大学経済学部卒業.Boston University Master of Arts(Economics)取得.
1993年通商産業省(現経済産業省)入省.独立行政法人経済産業研究所上席研究員,経済協力開発機構(OECD)中小企業・起業・地域開発センター中小企業・起業課主席行政官,京都大学経済研究所先端政策分析研究センター特定准教授,中小企業庁事業環境部企画課調査室長などを経て,現在,経済産業省経済産業政策局産業政策分析官.経済産業研究所コンサルティング・フェロー.
目次
序章 処方箋のための実証研究を目指して
――本書の狙いと構成
1.世界経済のグローバル化と日本の経済自由化戦略
2.「反グローバリズム」の教訓――貿易自由化の評価の重要性
3.定量的評価の対象としての「境界線の企業」
4.分析上の留意点
5.本書の構成
第1章 東アジアからの輸入と国内企業の競合
――中国・ASEAN諸国からの輸入が製造業に及ぼす影響
1.先行研究
2.分析手法とデータ
3.2000年代における日本の製造業と輸入浸透率
4.輸入が事業所に及ぼす影響
――従業者数30人以上の事業所を対象とした分析
5.輸入が事業所に及ぼす影響
――従業者数4人以上の事業所を対象とした分析
6.結論
第2章 経済連携協定(EPA)は国内企業に何をもたらしたか
――EPA締約国からの輸入が製造業に及ぼす影響
1.先行研究
2.日本のEPA締約国
3.データと分析手法
4.輸入が事業所に及ぼす影響
――従業者数30人以上の事業所を対象とした分析
5.輸入が事業所に及ぼす影響
――従業者数4人以上の事業所を対象とした分析
6.結論
第3章 輸出の自己選択仮説――輸出開始事業所の特徴
1.輸出企業vs. 非輸出企業――輸出プレミアムの確認
2.先行研究
3.分析手法とデータ
4.輸出開始事業所の推移と分布
5.輸出プレミアム
6.輸出の自己選択仮説の検証
7.結論
第4章 輸出の学習効果――輸出開始と事業所の成長
1.先行研究
2.分析手法とデータ
3.PSM-DID推定量――従業者数30人以上の事業所の場合
4.PSM-DID推定量――従業者数4人以上の事業所の場合
5.結論
第5章 分業と事業所の輸出
――独立本社・複数事業所の設立と輸出開始の関係
1.先行研究
2.分業をどのように把握するか?
3.分析手法とデータ
4.製造業における分業の実態
5.分業開始が輸出開始に及ぼす影響
6.分業開始が生産性・規模に及ぼす影響
7.結論
第6章 輸出市場からの撤退――輸出撤退事業所の属性の分析
1.先行研究
2.分析手法とデータ
3.データから見る輸出撤退事業所
4.サバイバル分析
5.ロジット・モデルの推計
6.頑健性検定
7.結論
第7章 一層の経済のグローバル化に向けて
――本書の分析から得られる政策的含意と企業への提言
1.本書の分析結果のまとめ
2.貿易自由化の評価と政策的含意
3.国内企業への提言
4.新たな定量分析に向けて――政府統計への期待
補論1 本書で使用したデータについて
補論2 全要素生産性の推計方法について
補論3 本書で使用した変数について
謝 辞
参考文献
索 引