学術選書096
生命の惑星 上 ビッグバンから人類までの地球の進化
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-8140-0359-4 C1340
奥付の初版発行年月:2021年06月 / 発売日:2021年06月上旬
さまざまな生命を育む地球は,どのようにして生まれ,現在の豊かな環境を作り出したのだろうか? ビッグバンによる宇宙の創生から,太陽系の誕生,地球の進化,人類文明の台頭に至るまで137億年の地球の歩みと、それを解き明かそうとする科学者たちの挑戦を綴る壮大な物語。上巻は宇宙の誕生から生命入植以前の地球の進化を扱う。
チャールズ・H・ラングミューアー(ラングミューアー)
ハーバード大学教授,アメリカ芸術科学アカデミー会員
専門:地球化学,地球科学
ウォリー・ブロッカー(ブロッカー)
1931—2019
元コロンビア大学ニューベリ教授,元米国科学アカデミー会員
専門:地球化学,地質学
宗林 由樹(ソウリ ンヨシキ)
京都大学教授,公益財団法人海洋化学研究所代表理事
専門:分析化学,水圏化学
目次
著者まえがき
訳者まえがき
選書版刊行にあたって
第1章 序論 自然システムとしての地球と生命
はじめに
科学的還元主義の力と限界
カオス
「システム」
「自然システム」の特徴
自然システムは平衡状態ではない
自然システムは外部のエネルギー源によって維持される
「非平衡定常状態」はフィードバックと循環によって維持される
まとめ
参考図書
第2 章 背景 ビッグバンと銀河の形成
はじめに
ビッグバン
赤方偏移:速度を測る
距離を測る
速度— 距離の関係:始まりの年代を定める
ビッグバン仮説に対するさらなる証拠
膨張する宇宙とダークエネルギー
ビッグバン直後の時期
まとめ
参考図書
第3章 原材料 恒星の元素合成
はじめに
太陽の化学組成
水素,ヘリウム,銀河,恒星
記述的原子物理学
ビッグバンの間の元素合成
恒星内元素合成
中性子捕獲による元素合成
恒星の元素合成仮説を支持する証拠
まとめ
参考図書
第4章 予備加工 有機分子と無機分子の合成
はじめに
分子
物質の状態
揮発性
密度
分子の二大グループ:無機分子と有機分子
鉱物
有機分子
分子合成の環境
まとめ
第5章 重量構造物 太陽系星雲から惑星と衛星をつくる
はじめに
惑星の重要な統計
惑星の質量
惑星の密度
惑星の組成
隕石からの証拠
太陽系形成のシナリオ
地球型惑星の化学組成を理解する
まとめ
参考図書
第6章 スケジュール
放射性核種によるタイムスケールの定量
はじめに
放射性崩壊を用いる年代測定
Column 地球の年齢に関する19世紀の議論
アイソクロン法による放射年代測定
コンドライト隕石と地球の年齢
元素の年齢
消滅放射性核種を用いた太古の短寿命過程の解明
26Alと太陽系星雲付近の超新星の存在
まとめ
参考図書
第7章 内装工事 コア,マントル,地殻,海洋,大気の分離
はじめに
地球の構造
地球の層の化学組成
元素の化学的親和性
地球の層の起源
マントルからコアの分離
コア形成の時期
地殻の起源
Column 岩石の融解
大気と海洋の起源
まとめ
第8章 近くの天体と争う 衛星,小惑星,彗星,衝突
はじめに
太陽系の天体の多様性
月の起源
衝突を用いて惑星表面の年代を決定する
月の内部構造の形成
太陽系における衝突の歴史
地球への影響
将来の衝突
まとめ
参考図書
第9章 環境を快適にする 流水,温度制御,日よけ
はじめに
惑星の揮発性物質の収支
40億年前の水の証拠
安定同位体の分別
表面の揮発性物質の制御
宇宙への大気の散逸
地球の表面と内部の間の揮発性物質の循環
表面温度
地球の長期のサーモスタット
金星に学ぶ
スノーボールアース
日よけ
まとめ
参考図書
第10章 循環を確立する プレートテクトニクス
はじめに
静的な地球という観点
大陸移動説
海洋底からの新しいデータ
古地磁気からの証拠
地震活動度の全球分布
プレートテクトニクス理論
プレートテクトニクス革命
時間を通した運動
まとめ
参考図書
第11章 内部の循環 マントル対流とその表面との関係
はじめに
地球内部の動き
地球の地形とマントルの流動
マントル対流
マントルは対流するか?
プレートの形状はマントルの対流セルに対応しているか?
マントルの能動的上昇流:プルームの頭と尾
拡大中心における海洋地殻の生成
まとめ
参考図書
第12章 層と層を結びつける
固体の地球,液体の海,気体の大気
はじめに
全球的システムとしての海嶺
拡大中心での熱水循環
海嶺と生存可能性
海水組成の謎
沈み込み帯への元素の輸送
収束境界における地球化学過程
収束境界での融解と火山活動の原因
大陸地殻への元素の輸送
プレート再循環の最終結果
まとめ
参考図書