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岡倉天心とインド

岡倉天心とインド

四六判 306ページ 上製
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-7664-2889-6 C3010
奥付の初版発行年月:2023年04月 / 発売日:2023年04月中旬

内容紹介

オリエンタリズムに抗し、アジア独自の「美術史」を打ち立てようとした、日印共闘のドラマ――。

近代日本美術の父・岡倉天心(1863‒1913)
インド宗教改革運動の旗手・ヴィヴェーカーナンダ(1863‒1902)

近代日本美術の復興運動を指揮した岡倉天心は、道半ばで東京美術学校を非職となり、私生活も破綻をきたした1901年末に、突如、日本を脱して9か月にわたりインドに滞在する。
西洋が「美術」の基準とされた植民地時代のインドで、岡倉は自立したインド社会を構想する気鋭の知識人や芸術家、宗教家と邂逅し、その過程で『東洋の理想』などの代表的な英文著作を執筆する。
1893年のシカゴ宗教会議の活躍で知られる宗教改革者ヴィヴェーカーナンダとは、深い思想体験を共有するが、その改革運動が今日のインド社会に与える意味は、これまで十分には明らかにされてこなかった。

日印の資料を紐解いて、その国境を越えた知的変革の軌跡を描き出す、貴重な一冊。

著者プロフィール

外川 昌彦(トガワ マサヒコ)

1964年生まれ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。1992-97年にインドに留学し、ベンガルの農村社会で住み込み調査を行う。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士号(社会学)。専門は、文化人類学、宗教学、ベンガル文化論。
主要著作にAn Abode of the Goddess: Kingship, Caste and Sacrificial Organization in a Bengal Village (New Delhi: Manohar, 2006)、共編著にMinorities and the State:Changing Social and Political Landscape of Bengal (New Delhi: SAGE Publications, 2011)、Kinship and Family among Muslims in Bengal (New Delhi:Manohar, 2021)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章

第一章 岡倉天心のインド体験
 一 岡倉天心の生涯──美術史の探求
 二 生涯の活動を評価する二つの立場
 三 「アジアは一つ」という課題

第二章 越境するアジア知識人──「女性像」が映す日本とインド
 一 一八九三年のシカゴ万国博覧会
 二 横山大観とオボニンドロナト・タゴール
 三 アジア近代絵画の創出
 四 二人の女性のまなざし
 五 越境するアジア知識人

第三章 岡倉天心の「転向」──社会進化論の克服
 一 フェノロサと岡倉天心
 二 ギリシア系統説の否定
 三 法隆寺様式の「劇変」
 四 社会進化論の時代
 五 ヘーゲル美術史観の克服とインド

第四章 ヴィヴェーカーナンダと日本──託された言葉
 一 ヴィヴェーカーナンダの生涯
 二 ヴィヴェーカーナンダと現代インド
 三 宗教観の展開
 四 「仏教的退廃」の背景──ダルマパーラとの関係
 五 仏教とネオ・ヒンドゥー教の「全面革命」
 六 託された言葉──仏教とヒンドゥー教

第五章 インド社会像の探求
 一 インド美術の起源論争
 二 植民地統治とインド社会
 三 ヴィヴェーカーナンダとインド知識人

第六章 ヴィヴェーカーナンダの探求
 一 美術史観への関心
 二 「起源」の探求
 三 「アーリヤ人」学説への批判
 四 再会する兄弟

終章 切り開かれた地平──多様な「アジア」へ
 一 ヴィヴェーカーナンダと岡倉天心
 二 反響する多様な「アジア」
 三 ヴィヴェーカーナンダの呼びかけ
 四 アジア主義の軌跡


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