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 天皇制国家形成期の法と政治天皇・皇室制度の研究

慶應義塾大学法学研究会叢書93
天皇・皇室制度の研究 天皇制国家形成期の法と政治

A5判 570ページ 上製
価格:9,350円 (消費税:850円)
ISBN978-4-7664-2811-7 C3021
奥付の初版発行年月:2022年03月 / 発売日:2022年03月下旬

内容紹介

▼皇位継承問題の政府会議で有識者ヒアリングに招かれた著者による、皇室制度研究の集大成。
▼古代日本の律令国家と近代日本の明治国家の形成に天皇・皇室が果たした役割を明らかにする。

天皇制国家の形成はそれに先立つ時代の封建的・地方分権的国家体制を大きく再編する一大事業であり、日本史上、古代と近代で2度行われた。
律令国家と明治国家それぞれの形成期の中央集権化に対し、天皇や皇室そして宮中が国家や民衆・国民を統合する重要な政治的機能を果たしてきたことを、政治学・法制史・歴史学的観点から分析・考察する。

著者プロフィール

笠原 英彦(カサハラ ヒデヒコ)

1956年東京生まれ。1980年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、1985年同大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。1985年慶應義塾大学法学部専任講師、1989年同助教授、1993年同教授。この間、1988年~89年、2000年~01年米国スタンフォード大学フーバー研究所訪問研究員。

単著に、『明治国家と官僚制』(芦書房、1991年)、『天皇親政』(中公新書、1995年)、『日本行政史序説』(芦書房、1998年)、『天皇と官僚』(PHP新書、1998年)、『日本の医療行政』(慶應義塾大学出版会、1999年)、『歴代天皇総覧』(中公新書、2001年)、『女帝誕生』(新潮社、2003年)、『大久保利通』(吉川弘文館、2005年)『明治天皇』(中公新書、2006年)、『象徴天皇制と皇位継承』(ちくま新書、2008年)、『明治留守政府』(慶應義塾大学出版会、2010年)、『新・皇室論』(芦書房、2013年)、『皇室がなくなる日』(新潮選書、2017年)、『歴代天皇総覧 増補版』(中公新書、2021年)。
共著・編著として、『明治期医療・衛生行政の研究』(ミネルヴァ書房、2011年)、『公共政策の歴史と理論』(ミネルヴァ書房、2013年)、『時代が求める後藤新平』(藤原書店、2014年)、『なぜ日本型統治システムは疲弊したのか』(ミネルヴァ書房、2016年)、『天皇退位 何が論じられたのか』(中公選書、2020年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 説

 第Ⅰ部 天皇制国家の形成と皇位継承法

第一章 皇位継承法の形成と女帝の役割
 一、はじめに
 二、女帝と王位継承の異変――譲位・重祚・称制の連続性
 三、皇極女帝の譲位と重祚の政治的背景
 四、「皇太子」中大兄と皇太子制
 五、中大兄の称制とその長期化
 六、持続の称制と譲位――継承ルールの変更
 七、おわりに

第二章 明治皇室典範の制定過程と柳原前光
 一、はじめに
 二、柳原前光の皇室制度構想
 三、佐佐木高行ら保守派と元老院改革
 四、「帝室典則」の修正と柳原の関与
 五、伊藤博文の体制刷新と柳原の起用
 六、高輪会議と柳原の元老院改革構想
 七、おわりに

第三章 現行皇室典範の制定と矛盾の内包
 一、はじめに
 二、「天皇制保持論」と象徴天皇制
 三、新憲法下の皇室制度と矛盾の内包
 四、現行皇室典範が抱えた矛盾
 五、矛盾の解消に向けて
 六、おわりに

 第Ⅱ部 天皇制国家の形成と皇室制度

第一章 律令国家の成立と皇位継承
 一、はじめに
 二、壬申の乱と近江朝廷の脆弱性
 三、天武政権の再評価と皇親政治
 四、持統女帝の権力資源と草壁直系
 五、皇位継承ルールと不比等政権
 六、おわりに

第二章 明治皇室制度の形成と天皇統治論
 一、はじめに
 二、井上毅と中正党の統治論
 三、天皇統治論をめぐる相克と岩倉具視
 四、井上毅・福澤諭吉・伊藤博文の皇室観
 五、伊藤博文とシュタインの邂逅と柳原前光
 六、明治立憲君主制とシュタイン
 七、おわりに

第三章 皇室財産制度と宮中・府中関係
 一、はじめに
 二、岩倉具視の宮府関係論
 三、岩倉ら保守派の王土論
 四、井上毅の宮府一体論と反王土論
 五、井上毅のシラス論再考
 六、おわりに

 第Ⅲ部 天皇制国家形成期の地方巡幸と宮中

第一章 天皇制国家の形成と六大巡幸の機能
 一、はじめに
 二、行幸・巡幸研究の多様性とその問題点
 三、明治五年地方巡幸の位置づけ
 四、地方巡幸と中央集権化
 五、明治九年地方巡幸の政治的意義
 六、おわりに

第二章 地方巡幸の制度化と宮中勢力
 一、はじめに
 二、西南戦争と北陸・東海道巡幸
 三、大久保没後政権と北陸・東海道巡幸
 四、地方巡幸の制度化をめぐる政治力学
 五、おわりに

第三章 明治国家形成期の宮中と府中
 一、はじめに
 二、財政論の沸騰と宮中・府中関係
 三、元老院改革論と宮中・府中関係
 四、熱海会談前後の宮中と府中
 五、明治一四年政変と中正党
 六、おわりに

結 語

補論一 皇室典範制定過程の再検討
 一、はじめに
 二、明治皇室典範制定への道程
 三、現行皇室典範の制定過程
 四、小泉内閣による皇室典範改正の試み
 五、結びにかえて

補論二 皇位継承の歴史と皇統の危機

 あとがき
 初出一覧
 参考文献

 資料 皇位継承問題関係資料
資料一 皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理
資料二 皇室典範と退位特例法:「例外」が「先例」になる矛盾
資料三 天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議 最終報告

 人名索引
 事項索引


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