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 応用倫理学講義命をどこまで操作してよいか

命をどこまで操作してよいか 応用倫理学講義

A5判 224ページ 並製
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-7664-2768-4 C3012
奥付の初版発行年月:2021年09月 / 発売日:2021年09月中旬

内容紹介

▼先端科学から生じる新しい倫理問題とは何か。
▼キメラ動物、人工的に作られる脳や胚、操作される未来世代――
先端科学が生み出す「新たな存在」に私たちはどんな道徳的義務を負うのか?
▼基礎知識と思考法を文理問わず伝授する 、新次元の倫理学!


ES細胞やiPS細胞、遺伝子操作といった先端科学技術によって、
私たちの生活や命のあり方が大きく変わりつつある。
それは、人々の救いになると同時に、計り知れない危害をもたらす可能性がある。

先端科学が開発される現場で、倫理の問題を追究してきた著者は、
「命をどこまで操作してよいか」という問いに対峙する。

本書は、「道徳的地位」の考え方を導入することで、「命の操作」に関する代表的な問題を整理し、
リスクとベネフィットを評価しながら、何をどこまで許認めるのかを実践的に考えていく。

キメラ動物、人工的に作り出される脳や胚、果てはまだ存在しない未来世代まで、
「新しい存在」の倫理をどう考えるべきか。そのための知識と思考法を文理問わず伝授する、新次元の倫理学!

著者プロフィール

澤井 努(サワイ ツトム)

京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点・特定助教。専門は生命倫理学・哲学・宗教学。天理大学国際文化学部を卒業後、京都大学大学院博士課程修了(博士(人間・環境学))。オックスフォード大学留学、京都大学iPS細胞研究所上廣倫理研究部門・特定助教などを経て、現在に至る。主な著作に、『ヒトiPS細胞研究と倫理』(京都大学学術出版会、2017年)、共著『科学知と人文知の接点』(弘文堂、2017年)、共著“Mapping the Ethical Issues of Brain Organoid Research and Application”(AJOB Neuroscience, 2021)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 文

第1章 私たちは誰(何)に対して道徳的義務を負うか
    道徳的地位の議論から考える
    1 生きているものと生きていないものの境界
    2 「生命への畏敬」に基づく見方
    3 「有感性」に基づく見方
    4 「道徳的行為者性」に基づく見方
    5 「関係性」に基づく見方
    6 道徳的地位の七原則
    コラム1 種差別
    コラム2 予防原則

第2章 動物で人の臓器を作ってよいか
    ヒト化する動物をめぐる倫理
    1 キメラ動物とは何か
    2 キメラ動物をめぐる倫理
    3 ヒト化する動物――人の脳、精子・卵子、容姿を持つこと
    4 私たちはキメラ動物にどのような道徳的義務を負うのか
    コラム3 ES細胞、iPS細胞

第3章 体外で胚や脳を作ってよいか
    人の発生をめぐる倫理
    1 胚、エンブリオイド、脳オルガノイド
    2 人の発生をめぐる倫理
    3 精子・卵子の道徳的地位を考える
    4 胚やエンブリオイドの道徳的地位を考える
    5 脳オルガノイドの道徳的地位を考える
    6 体外で精子・卵子、胚、脳を作ってよいか
    コラム4 滑り坂論法

第4章 体外で作られる精子・卵子から子どもを生みだしてよいか
    生殖をめぐる倫理
    1 親の利害、未だ存在しない未来世代の利害
    2 生殖をめぐる倫理
    3 生殖と害悪
    4 自然な生殖と不自然な生殖
    5 誰に利用を認めるべきか
    6 道徳的地位の観点からどう捉えるべきか

第5章 子どもの遺伝子を操作してよいか
    未来世代をめぐる倫理
    1 ゲノム編集
    2 遺伝性のゲノム編集をめぐる倫理
    3 そもそも認めてよいか
    4 どこまで認めるべきか
    5 実際に進める場合、どのような手順を踏むべきか
    6 遺伝性のゲノム編集の倫理的是非
    コラム5 世界初のゲノム編集を用いた生殖
    コラム6 オビエド条約
    コラム7 ヒトゲノムと人権に関する世界宣言

終 章 生命倫理の議論はどうあるべきか


参考文献
あとがき
索 引


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