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 種別概念に基づく統一理論に向けて同一性と個体

同一性と個体 種別概念に基づく統一理論に向けて

A5判 452ページ 上製
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-7664-2760-8 C3010
奥付の初版発行年月:2021年08月 / 発売日:2021年08月中旬

内容紹介

猫のティブルスは、尻尾を失ったとしても「ティブルス」と同一なのだろうか――

哲学において最も基本的かつ重要な概念である「同一性」を統一的な視点から解明する。
ある事物がそれ自体との間で同一であるという関係は、どのようなもので、なぜ成立するのだろうか。形而上学・ 意味論 ・ 認識論の三つの相における 「同一性」の諸問題に取り組み、その統一理論を提唱する野心的試み。

著者プロフィール

横路 佳幸(ヨコロ ヨシユキ)

日本学術振興会特別研究員PD/南山大学社会倫理研究所プロジェクト研究員。
2019年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程を単位取得退学。2020年、同大で博士号(哲学)を取得。専門は哲学、倫理学。主要業績に「非認知主義・不定形性・もつれのほどき ――分厚い語の意味論」(『倫理学年報』66集、2017年、日本倫理学会 2017年度和辻賞受賞)、「三位一体論についての同一性の相対主義者になる方法」(『宗教哲学研究』38号、2021年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論

 1 本書のテーマ
 2 本書の目標と意義
 3 五つの留意点
 4 本書の構成とマニフェスト

第1章 予備的考察――種別概念をめぐる諸前提

 1 三つの前提
 2 種別概念小史――アリストテレス・ロック・ストローソン
 3 種別概念の役割――種別的同一性規準の提
 4 種別的同一性規準のちょっとした敷衍
 5 種別概念の分類――実体的なものと制限的なもの
 6 種別概念の射程――裸の個体の不在
 7 諸前提のベクトル和

第2章 同一性関係の形而上学――相対主義から種別論的な絶対主義へ

 1 根本的な疑問
 2 同一性のウィギンズ的な解明
 3 解明の系譜と「形而上学」
 4 同一性の諸特徴
 5 同一性の相対主義――ロックとギーチ
 6 数え上げとパラドクス――フレーゲとギーチ
 7 フレーゲの分析
 8 普遍的な種別論の拒否?
 9 種別的多元論
 10 存在論上のデフレ主義?
 11 相対主義のジレンマ
 12 根拠付け問題と恣意性問題
 13 同一性の種別論的な絶対主義(1)――絶対性とライプニッツの法
 則
 14 同一性の種別論的な絶対主義(2)――架橋原理と同一性規準
 15 相対主義から種別論的な絶対主義へ

第3章 同一性表現の意味論――バトラーの区別を擁護する
 
 1 バトラーの区別
 2 同一性表現の関係項
 3 チザムの解釈
 4 バクスターの解釈
 5 ギーチ的な意味論上の相対主義
 6 カプラン的意味論から非指標的文脈主義へ
 7 同一性表現の非指標的文脈主義
 8 内包オペレーターの不在?
 9 パラメーターを措定する根拠
 10 非指標的文脈主義における理論的恩恵
 11 ギーチの固有名論
 12 固有名の指標主義
 13 同一性言明の真理条件と顕性種別概念
 14 バトラーの区別を擁護する

第4章 認知的な個別化の認識論――認識的な種別概念主義の一形式

 1 アリストテレス的なテーマの継承
 2 認識的な種別概念主義――ストローソン・ウィギンズ・ロウ
 3 二種類の反論
 4 どれであるかの知識
 5 認知的な個別化のラッセルの原理
 6 種別概念の知覚としての証拠
 7 叙実主義的で証拠主義的な種別概念主義
 8 第一の反論への応答――証拠の叙実性
 9 第二の反論への応答――「個別化」の多義性
 10 認識的な種別概念主義の一形式

第5章 個体の形而上学――多元性・構成・統一性

 1 種別的多元論再訪
 2 ベイカーの構成主義
 3 構成主義への不満
 4 形相による基礎付けとしての構成
 5 メレオロジカルな統一性としての構成
 6 質料形相論的な構成主義(1)――その定義と貢献
 7 質料形相論的な構成主義(2)――疑問への応答
 8 形相の輪郭
 9 ウィギンズ的な解明への逆照射
 10 多元性・構成・統一性
 付論 概念主義的実在論に向かって

結論 「同一性」の種別的親和性アプローチ

あとがき
参考文献
テーゼ索引
人名索引
事項索引


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