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20世紀ダンス史

20世紀ダンス史

A5判 968ページ 上製
価格:13,200円 (消費税:1,200円)
ISBN978-4-7664-2092-0 C3073
奥付の初版発行年月:2014年01月 / 発売日:2014年01月上旬

内容紹介

バレエ・ダンス100年史の決定版!

▼バレエ・リュス、表現主義舞踊、ロシアのバレエ、新古典主義、ポストモダン、タンツテアター、ミュージカル・映画のダンス。
ヨーロッパとアメリカのダンス・シーンを完全網羅する前代未聞の大著。

▼20世紀のダンスは、ロイ・フラー、イザドラ・ダンカン、ニジンスキーといった初期の改革者とともに幕を開けた。このとき、ダンスは未曽有の変化の時代に突入したのだった。
▼この20世紀ダンスの壮大な歴史物語のなかで、著者はダンスを文化的・歴史的文脈のなかに位置づける。ミハイル・フォーキン、レオニード・マシーン、マリー・ヴィグマン、マーサ・グレアム、ジョージ・バランシン、フレデリック・アシュトン、アントニー・チューダー、マース・カニンガム、ピナ・バウシュ、ウィリアム・フォーサイス――。ここで語られる人々は、世紀をとおして芸術の実験の第一線にいた振付家のみならず、ダンサー、美術家、興行主、作曲家、批評家にまで及ぶ。さらに、本書は、相反する衝動をもつクラシック・バレエとモダン・ダンスの関係性にも注目し、両者がどのように20世紀中ごろに合流し、結果として今日の多様なスタイルと形式をもたらしたのかを明らかにする。


【著者】
ナンシー・レイノルズ(Nancy Reynolds)
ダンス史家。ニューヨーク・シティ・バレエの元ダンサー。

マルコム・マコーミック(Malcolm McCormick)
ダンス史家。元ダンサー兼衣裳デザイナー。

【監訳者】[序章、第2章、第6章]
松澤 慶信(まつざわ よしのぶ)
日本女子体育大学体育学部准教授。

【訳者】
高橋 進(たかはし すすむ)[第1章、第17章]
日本女子体育大学体育学部教授。
主要業績:ジョゼフ・キャンベル『千の顔をもつ英雄』(共訳、人文書院、2004年)。

高野 美和子(たかの みわこ)[第3章、第11章]
日本女子体育大学体育学部准教授。
主要業績:『明日からトライ!ダンスの授業』(分担執筆、大修館書店、2011年)。

渡辺 碧(わたなべ みどり)[第4章、第13章]
花咲徳栄高等学校、日本女子体育大学、桜美林大学非常勤講師。主要業績:「レフ・イワーノフの業績――20世紀バレエへの準備」(『日本女子体育大学紀要』第42巻、2012年)。

山田 七恵(やまだ ななえ)[第5章]
日本女子体育大学体育学部助教。主要業績:「英語場所句倒置構文をめぐる疑問」(『欧米言語文化研究 Fortuna』第23号、欧米言語文化学会、2012年)。

伊藤 雅子(いとう まさこ)[第7章、第8章]
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース修士課程在籍中。
主要業績:『アンドレ・レヴィンソンと20世紀ダンス』(修士論文)。

佐藤 りさ子(さとう りさこ)[第12章、第14章、第16章]
通訳・翻訳家。専門は、舞踏、ピラティス、児童演劇に関係する通訳とそれに伴う翻訳。

奥村 大介(おくむら だいすけ)[第9章、第10章]
慶應義塾大学ほか非常勤講師。
主要業績:『現代詩手帖特集版 シモーヌ・ヴェイユ 詩をもつこと』(共著、2011年、思潮社)。

渡沼 玲史(わたぬま れいし)[第15章]
一橋大学法学研究科助手、日本大学芸術学部非常勤講師。
主要業績:「即興の方法に基づくダンスの分析」(『舞踊學』第33号、舞踊学会、2010年)。

目次

序章
 
第一章 ニュー・ダンス   アメリカの開拓者たち  1900-1940年
ヴァードヴィルとエクストラバガンザ / ロイ・フラー / イザドラ・ダンカン / ルース・セント・デニス / デニショーン / モード・アラン

第二章 バレエにおける実験   ディアギレフ、フォーキン、そしてロシアの遺産  1900-1930年代
プティパ時代の終わり / ミハイル・フォーキン / ワツラフ・ニジンスキー / レオニード・マシーン / ブロニスラヴァ・ニジンスカ / バランシン / バレエ・スエドワ / 後期バレエ・リュスの世界的影響力

第三章 モダニズムの出現   表現主義舞踊(アウスドルツクスタンツ)  1910-1945年
ルドルフ・ラバン / マリー・ヴィグマン / シュレンマーとバウハウス / ソロのダンサーたち / ハラルト・クロイツベルク / クルト・ヨース / 表現主義舞踊とナチス

第四章 バレエのアメリカ上陸  1900-1940年代
初期の移住者たち / パヴロワとモルドキン / ディアギレフのバレエ・リュス / アドルフ・ボルム / アメリカでのフォーキン / ふたつのバレエ・リュスとヒューロック / ド・バジル大佐 / セルゲイ・デナム / アメリカ風の主題への関心 / カースティンの貢献

第五章 デニショーン後のアメリカ   モダン・ダンスの英雄時代  1920-1940年代
マーティンの役割 / マーサ・グレアム / ドリス・ハンフリー / チャールズ・ワイドマン / ハンニャ・ホルム / ヘレン・タミリス / 政治との関わり / ベニントン・サマー・ダンス・プログラム

第六章 ヨーロッパのバレエ   国家的伝統の興隆  1900-1960年代
西の追放ロシア人たち / イギリス / ランベール、そしてアシュトン / 初期のチューダー / ド・ヴァロワ、そして、アシュトン / 戦時下のバレエ団 / アシュトンの時代 / ジョン・クランコ / ケネス・マクミラン / フランス / セルジュ・リファール / コフノとプティ / デンマーク / ハラルド・ランダー / 他のヨーロッパ諸国

第七章 かけ離れた世界   ロシアとソヴィエト連邦におけるダンス
1900-1960年代
モスクワの改革 / ロシア革命 / 一九二〇年代の実験 / フョードル・ロプホフ / カシヤン・ゴレイゾフスキー / バランシン / 社会主義リアリズム / ドラマバレエ / ソヴィエトのバレリーナたち / 限定的な雪融け

第八章 アメリカ・バレエの円熟  1935-1965年
アメリカのバランシン / アメリカン・バレエ・シアター / アメリカのバレエ・リュス / バレエ・ソサエティ / ニューヨーク・シティ・バレエ / ロビンズのバレエUSA / バランシンの実験 / フォード財団の助成 / 初期のジョフリー

第九章 モダン・ダンス   第二世代  1935-1980年代
ソコロウからラングまで / キングとシアラー / ホセ・リモン / レスター・ホートン / 黒人によるモダン・ダンス / アルヴィン・エイリー

第一〇章 分裂と転移   モダン・ダンスの再解釈  1940年代-2000年
マース・カニンガム / エリック・ホーキンズ / ニコライとルイス / ポール・テイラー / ウォーリングとチャーリップ

第一一章 境界を越えて   ポストモダニズム  1960-1980年
先駆者たち / ロバート・ダン / ジャドソン教会 / 新しい空間 / イヴォンヌ・レイナー / スティーブ・パクストン / トリシャ・ブラウンとデイヴィッド・ゴードン / メレディス・モンク / ルシンダ・チャイルズ / 初期のサープ

第一二章 国際的広がり   領域の融合  1950-2000年
ヨーロッパのモダニズム / モーリス・ベジャール / オランダ / ドイツ / イギリス / フランス / デンマーク / アメリカ / トワイラ・サープ

第一三章 バレエの繁栄  1960-1990年代
ダンス・ブーム / 政府と芸術 / ルドルフ・ヌレエフ / ナタリア・マカロワ / ミハイル・バリシニコフ / フル・イヴニングの古典作品の再評価 / ジョン・クランコ / ケネス・マクミラン / ジョージ・バランシンの支配

第一四章 バレエ全盛期  1960年代-2000年
ニューヨーク・シティ・バレエ / アメリカン・バレエ・シアター / その他のアメリカの巡業カンパニー / ハーレム・ダンス・シアター / ハークネス・バレエ / トロカデロ・デ・モンテカルロ / アメリカにおける地方バレエ / カナダ / イギリス / フランス / ドイツ / ソヴィエト連邦と新しいロシア / その他のヨーロッパ諸国

第一五章 後期モダニズム   多元論とスタイルの優位  1960年代-2000年
グローバルな視点「ニュー・ポストモダニズム」 / アメリカ / ロバート・ウィルソン / ピロボラス / 日本人振付家 / ビル・T・ジョーンズとアーニー・ゼイン

第一六章 アメリカにおけるミュージカル劇場  1900-2000年
初期のミュージカル / ジョージ・M・コーハン / フローレンツ・ジーグフェルド / 黒人のミュージカル / ミュージカル黄金時代 / バランシンのミュージカル / ロジャーズとハマースタイン / ジャック・コール / ジェローム・ロビンズ / ボブ・フォッシー / チャンピオンとベネット / タップ・ダンスの再燃 / 再演の流行

第一七章 映画のなかのダンス  1900-2000年
サイレント映画 / トーキー映画 / バスビー・バークレイ / フレッド・アステア / ハリウッド・ミュージカルの黄金時代 / ブロードウェイのショー映画 / スタジオ・システム / バレエ映画


原註
訳者後記
作品名索引
人名・カンパニー名索引


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