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― 理解と回復のために 子どものうつ病

子どものうつ病 ― 理解と回復のために

四六判 256ページ 並製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-1980-1 C0047
奥付の初版発行年月:2012年10月 / 発売日:2012年10月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

正しい理解が一番の治療につながります

▼思春期特有の心理状態とうつの関係についての解説、さらに発達障害をもつ子どもとうつのリスクについて説明が加わっています。うつの背景には、気づかれていない発達障害があることがまれではないからです。
▼友だちとの関係のとり方や気持ちの持ち方など、親には言えない悩みについても、臨床体験が豊富な医師が、子どもの立場を配慮してアドバイスをしています。
▼ぜひ、親子で読んでいただきたい書です。

著者プロフィール

猪子 香代(イノコ カヨ)

猪子メンタルクリニック院長。東京女子医科大学非常勤講師。
専門は児童精神医学。日本小児精神神経学会認定医。
1982年東京女子医科大学卒業。東京女子医科大学病院小児科、名古屋大学病院精神科、愛知県一宮市民病院今伊勢分院精神科、愛知県精神保健センター、愛知県厚生連更生病院精神科を経て、1997年名古屋大学病院精神科講師、1998年名古屋大学大学院児童精神医学助教授、2001~2011年東京都精神医学総合研究所副参事研究員。2011年11月猪子メンタルクリニックを開設。
著書に『子どものうつ病ってなあに』(南々社、2003年)、『不登校の予防ワークブック』(しいがる書房、2006年)、『うつ病ってどんな病気?(マンガ)』(監修、インタープレス、2008年)、『ひとりじゃないよ、オットくん―ADHDと病院のことがわかる本(訳書)』(監修、三学出版、2001年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第1章 「うつ病」の理解:「うつ気分」と「うつ病」

 「うつ病」は稀なものではありません
 思春期の子どもの「うつ気分」
 思春期の友人の支えと、家族の役割
   ・症例1 「うつ気分」のA子さん
 うつ病とは?
   ・症例2 「うつ病」のB子さん
 「うつ気分」と「うつ病」はどう違うのか
 うつ病の症状はどんなものがあるでしょうか
 「うつ病かもしれない」というときはどんなときでしょうか
 病院を受診するのは、どのようなときが適切なのでしょうか
 医師はどのように考えるのでしょうか
 病院を訪れたとき、本人はどう考えているのでしょうか


第2章 「うつ病」にともなう様々な状態――発達障害との関連も含めて

 反抗的な行動について
   ・症例3 反抗的でいらいらとした状態のC君
 「うつ」と反抗・衝動との関係
 「うつ」と注意欠陥多動障害(AD/HD)
   ・症例4 AD/HDとうつ病が関連しているD君
 自閉症と「うつ」
 発達性協調運動障害とうつ病
   ・症例5 不器用さが幼少期からみられたE君
 学習障害とうつ病
   ・症例6 小学校低学年から漢字が書けないことを悩んでいたF君
 不安とうつ病
 不登校とうつ病
 頭痛・腹痛、吐き気などの身体愁訴とうつ病
 「いじめ・いじめられ」とうつ病
   ・症例7 友だちと話さなくなり不登校になったG子さん
 インターネット依存症とうつ病
 自殺とうつ病
 自傷行為とうつ病
 「死にたい」と子どもが言ったとき、どうするか


第3章 「うつ気分」を引き起こす出来事にどう対応するか

 うつ病の予防への試み
 子どものうつ病へのリスクを知るために
 対人関係の不安にどう対応するか
 レジリエンス(回復力)をどうはぐくむか
 怒りの感情について
 うつ病の予防


第4章 うつ病の治療について知ってほしいこと

 どんなときに病院やクリニックを訪れるとよいのでしょうか
 医療機関を訪ねたなら
 学校にはどう相談をしたらよいのでしょうか
 家族はうつ病をどう考えるとよいのでしょうか
 よくもちいられる治療
 精神療法について
 薬物療法について
 認知行動療法について
 社会生活を積極的に考えて治療しましょう
 カウンセリングの基礎技術
 治療のステップとペース
 子どもの考えを尊重するために
 再発の予防のために
   ・症例8 うつ病が治ったのちに治療を求めてきたH子さん


おわりに


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