大学出版部協会

 

現代日本農業の政策過程

総合研究 現代日本経済分析3
現代日本農業の政策過程

A5判 402ページ 上製
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-7664-1730-2 C3333
奥付の初版発行年月:2010年05月

内容紹介

戦後日本農政を経済学的手法で体系的に分析。
▼今こそ「守る」農業から「攻め」の農業へ——。WTO交渉やFTAの進展によるグローバル化や、2009年の民主党政権誕生により、日本の農業、そして農業政策は大きな転換点を迎えている。農業基本法・農地法・食糧管理法等の変質過程を戦後の経済発展史の中に位置づけるとともに、その本質的問題を明らかにする。
▼ミクロ経済学、政治経済学的な見地から日本の農業・農政問題を体系的に分析し、日本農業「再生」のための提言を含む意欲作。
▼「総合研究 現代日本経済分析」(全12巻)シリーズ第3弾。


本間正義(ほんま まさよし)
東京大学大学院農学生命科学研究科教授
1974年帯広畜産大学畜産学部卒業、76年東京大学大学院農学系研究科修士課程修了、82年アイオワ州立大学大学院経済学研究科博士課程修了(Ph.D.)。東京都立大学経済学部助手、小樽商科大学商学部教授、成蹊大学経済学部教授などを経て2003年より現職。この間、1989-91年国際食料政策研究所(ワシントンD.C.)客員研究員、1995年国連食糧農業機関(ローマ)専門研究員、2000-01年オーストラリア国立大学(キャンベラ)客員研究員を兼務。
著書に『農業問題の政治経済学』(日本経済新聞社、1994年、第11回NIRA政策研究・東畑記念賞受賞)、『農業問題の経済分析』(共編著、日本経済新聞社、1998年)など。日本経済調査協議会「農政改革を実現する——世界を舞台にした攻めの農業・農政の展開をめざして——」農政改革髙木委員会最終報告(提言)の主査、日本国際フォーラム政策委員会「第31政策提言:グローバル化の中での日本農業の総合戦略」の主査を務めた。2010年より農業経済学会会長。

目次

はしがき

序章 日本農業を見る視点
 0.1 はじめに
 0.2 農業改革の阻害要因
 0.3 グローバル化と農業保護政策
 0.4 水田農業の構造転換
 0.5 農業政策の政治経済学
 0.6 本書の構成
 
第1章 現代日本農業の構造
 1.1 はじめに
 1.2 日本農業の実態
 1.3 日本農業の比較生産性
 1.4 農業予算の構造
 1.5 今日の農業政策の背景
 
第2章 ミクロ経済学と農業政策の理論
 2.1 はじめに
 2.2 市場の効率性とは何か
 2.3 価格政策と補助金による社会的損失
 2.4 比較優位と貿易の理論
 2.5 レントシーキングと政策決定の政治経済学

第3章 戦後日本農政の展開過程
 3.1 はじめに
 3.2 農地制度と日本農業
 3.3 食糧管理制度の変遷とコメ政策
 3.4 農業基本法から食料・農業・農村基本法へ

第4章 現代日本農政の展開と方向
 4.1 はじめに
 4.2 食料・農業・農村基本法の意義と課題
 4.3 担い手政策・経営安定政策の展開
 4.4 現代農地政策の展開
 4.5 農協制度と農協問題
 4.6 民主党政権の農業政策

第5章 農業政策の国際化対応
 5.1 はじめに
 5.2 農業問題の源泉と保護水準
 5.3 WTO農業協定への道のり
 5.4 WTO農業交渉の展開
 5.5 日本の農産物の関税政策
 5.6 FTAと農業問題
 5.7 対外政策の転換点——農産物輸入セーフガード問題

第6章 日本・韓国・台湾の経済発展と農業政策
 6.1 はじめに
 6.2 経済発展と農業構造の変化
 6.3 農業政策の変遷
 6.4 名目助成率による保護水準の計測
 6.5 「東アジアの奇跡」時代の農業保護の展開
 6.6 農業保護の成長要因
 6.7 第2次世界大戦前の日本の農業問題

第7章 国際農産物市場の新展開と日本農業の総合戦略
 7.1 はじめに
 7.2 世界の食料需要の変化
 7.3 アジアの食料・農業問題
 7.4 食料の安全保障と食料自給率
 7.5 経済のクローバル化と日本農業の総合戦略
 7.6 日本農業のゆくえ

第8章 日本農業再生の条件
 8.1 はじめに
 8.2 1940年体制からの脱却
 8.3 食料自給率問題の本質
 8.4 おわりに

引用文献
索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。