大学出版部協会

 

ゲーテと近代の悪魔的速度ファウストとホムンクルス

ファウストとホムンクルス ゲーテと近代の悪魔的速度

B7 168ページ 上製
価格:2,530円 (消費税:230円)
ISBN978-4-7664-1669-5 C0097
奥付の初版発行年月:2009年09月 / 発売日:2009年09月上旬

内容紹介

人造人間ホムンクルス、その誕生の秘密に迫る。
▼ゲーテ、不朽の名作『ファウスト』。その第2部に登場する人造人間ホムンクルスは、フラスコの中の人工生命体という「不完全」な形でこの世に産み落とされた。「完全」な人間になることを願って彷徨うホムンクルスの姿に、ゲーテは一体、どのような意味を込めたのか。
▼近代自然科学の発展にともない、神や神学支配からの解放が徐々に進んでいくなかで、ゲーテは自然科学の発展を評価し、自らも貢献したが、一方で、彼は自然の悪用に対して強い危惧を抱いてもいた。本書では、ゲーテ畢生の大作 『ファウスト』 等、後期3作品を解読し、近代の 「悪魔的速度」 や、人間の理性に潜む野蛮さ、暴力性に鋭い眼差しを向けたゲーテの思想の真髄をあきらかにする。

本書は、日本図書館協会選定図書です。


[著者]マンフレート・オステン(Manfred Osten)
ドイツの作家・批評家。元外交官、法律家。
1938年旧東独メクレンブルク州で生まれる。1952年ドイツ連邦共和国へ亡命。1969年ケルン大学で法学博士号(Dr. jur.)取得。同年ドイツ外務省に入省。以降、フランス、ハンガリー、オーストラリアのドイツ大使館勤務。1986−1992年、東京ドイツ大使館で文化・領事部長。この日本滞在を機に、大江健三郎、村上春樹、古井由吉など12名の日本人作家インタビュー集Die Erotik des Pfirsichs(Suhrkamp, 1996)[邦訳、大杉洋訳『日本の現代作家12人の横顔——桃の実のエロス』鳥影社、2008年]を刊行。1993年日本政府から旭日章受章。アレクサンダー・フォン・フンボルト財団前事務総長(1995-2004)。ゲーテに関する著作をはじめ、現在も精力的に執筆を行っている。

[訳者]石原あえか(いしはら あえか)
慶應義塾大学商学部教授。
哲学博士(Dr.phil. ケルン大学)。著書に、Makarie und das Weltall (K

目次

ゲーテ、永遠の新しさ 訳者まえがきに代えて

序 章 もしくは ベルリン嫌いのゲーテ
第1章 「すべては悪魔的速度で」 ファウストと加速化の時代
第2章 ホムンクルス あるいはスピードダウンする時間
第3章 オッティーリエ 「悪魔的速度」の拒否
第4章 時間の停戦 ゲーテは預言者だったのか?
マックス・ベックマン画 『ホムンクルス』 ゲーテの超人類

  解題
  マックス・ベックマンと《ファウスト》素描   眞岩啓子
  訳者解説

  原註
  訳註


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。