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20世紀 1945年以後

オックスフォード ブリテン諸島の歴史第11巻
20世紀 1945年以後

キャスリーン・バーク:編, 鶴島 博和:日本語版監修, 西沢 保:監訳
A5判 370ページ 上製
価格:7,040円 (消費税:640円)
ISBN978-4-7664-1651-0 C3322
奥付の初版発行年月:2014年10月 / 発売日:2014年10月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

帝国の終焉。新たな歴史への闘い。

イングランド一国史観を超えて、ブリテン諸島諸地域の構造的関係を視野に、政治、経済、社会、文化の変容を描く「ブリテン諸島」の通史。ローマ帝国時代からはじまったブリテン諸島歴史の叙述が、本巻で結末を迎える。

この国は「何」であったのか――
ブリテン諸島の住民とはいったい「誰」なのか――

20世紀後半をめぐるブリテン諸島の諸相を探りながら、その実像に迫る。

著者プロフィール

キャスリーン・バーク(Kathleen Burk)

ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジ近現代史名誉教授
主要業績 ‘Goodbye, Great Britain’: The 1976 IMF Crisis (Alec Cairncrossとの共著、1992); Troublemaker: The Life and History of A. J. P. Taylor (2000).

鶴島 博和(ツルシマ ヒロカズ)

FSA, FRHistS 熊本大学教授
主要業績 (ed.), Nations in Medieval Britain (Donington, 2010) “The Moneyers of Kent in the Long Eleventh Century”, in David Roffe (ed.), The English and Their Legacy 900-1200, Essays in Honour of Ann Williams (Boydell, Woodridge, 2012).

西沢 保(ニシザワ タモツ)

帝京大学経済学部教授、一橋大学名誉教授
主要業績 『マーシャルと歴史学派の経済思想』(岩波書店、2007年)、『イギリス現代史 1900-2000』(P.クラーク著、共訳、名古屋大学出版会、2004年)、No Wealth But Life. Welfare Economics and the Welfare State in Britain, 1880-1945 (R. E. Backhouseとの共編著、2010)。

上記内容は本書刊行時のものです。

【監修者】
キャスリーン・バーク(Kathleen Burk)[序論、結論]
ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジ近現代史名誉教授

【著者一覧】
ジョン・ターナー(John Turner)[第一章]
サリー大学副学長補佐(2003-2009)
主要業績 British Politics and the Great War: Coalition and Conflict, 1915-1918 (1992); Macmillan (1994).

ジム・トムリンソン(Jim Tomlinson)[第二章]
グラスゴー大学経済・社会史教授
主要業績 The Politics of Decline: Understanding Post-War Britain (2001); Economic Policy (Series: Labour governments 1964-70, 3) (2004).

ジョゼ・ハリス(Jose Harris)[第三章]
英国学士院会員、オックスフォード大学名誉教授
主要業績 Private Lives, Public Spirit: Britain 1870-1914 (1994); William Beveridge: A Biography (1998) Tönnies: Community and Civil Society (編者, 2001); Civil Society in Britain History: Ideas, Identities, Institutions (編者, 2003).

ピーター・マンドラー(Peter Mandler)[第四章]
ケンブリッジ大学近代文化史教授、ゴンヴィル・アンド・キーズ・カレッジフェロー
主要業績 The Fall and Rise of the Stately Home (1997); History and National Life (2002); Return from the Natives: How Margaret Mead Won the Second World War and Lost the Cold War (2013).

デイヴィッド・レノルズ(David Reynolds)[第五章]
ケンブリッジ大学国際史教授、クライスト・カレッジのフェロー
主要業績 The Creation of the Anglo-American Alliance, 1937-1941: A Study in Competitive Co-operation (1981); Rich Relations: The American Occupation of Britain, 1942-1945 (1995); Britannia Overruled: British Policy and World Power in the Twentieth-Century (2nd edn 2000); One World Divisible: A Global History since 1945 (2000).

ダーモット・キョー(Dermot Keogh)[第六章]
ユニヴァーシティ・カレッジ・コーク歴史教授、ヨーロッパ統合研究ジャン・モネ名誉教授
主要業績 Twentieth-Century Ireland (1994); Ireland and the Vatican: The Politics and Diplomacy of Church-State Relations 1922-1960 (1995); Jews in Twentieth Century Ireland: Refugees, Anti-Semitism and the Holocaust (1998).

【日本語版監修】
鶴島博和(つるしま ひろかず)
FSA, FRHistS 熊本大学教授

【監訳者】
西沢 保(にしざわ たもつ)[序論、第二章、結論]
帝京大学経済学部教授、一橋大学名誉教授

【訳者一覧】
長谷川淳一(はせがわ じゅんいち)[第一章]
慶應義塾大学経済学部教授
主要業績 ‘The attitudes of the Ministry of Town and Country Planning towards blitzed cities in 1940s Britain’, Planning Perspectives, vol. 28, no. 2 (2013); ‘Drafting of the 1968 Japanese City Planning Law’, Planning Perspectives, vol. 29, no. 2 (2014).

椿 建也(つばき たつや)[第三章]
中京大学経済学部教授
主要業績 『イギリス住宅政策史研究 一九一四~四五年[中京大学経済学研究叢書]』(勁草書房、2013年)、『近代イギリスと公共圏』(共著、昭和堂、2009年)、‘“Model for a short-lived future?” Early tribulations of the Barbican redevelopment in the City of London, 1940-1982’, Planning Perspectives, vol. 27, no. 4 (2012)。

市橋秀夫(いちはし ひでお)[第四章]
埼玉大学教養学部教授
主要業績 『イギリス文化史』(共著、昭和堂、2010年)、『近代イギリスの歴史 ―― 16世紀から現代まで』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)、『スポーツマネジメント教育の課題と展望』(共著、創文企画、2013年)。

菅 一城(すげ いっき)[第五章]
同志社大学経済学部教授
主要業績 “The Nature of Decision-making in the Post-war New Towns Policy: The Case of Basildon, c. 1945-70”, Twentieth Century British History, vol. 16 (2005)、「英国における都市開発と都市統治、1945~1970年 ―― ロンドン都市圏の拡大とバジルドン・ニュータウンの建設」(『社会経済史学』第72巻2号、2006年)、「20世紀初頭南ウェールズにおけるGKN社とイスカ鋳造所」同志社大学『経済学論叢』第64巻第4号(2013年)。

高神信一(たかがみ しんいち)[第六章]
大阪産業大学経済学部教授
主要業績 『大英帝国のなかの「反乱」 ―― アイルランドのフィーニアンたち(第二版)』(同文舘、2005年)、『アイルランドの経験 ―― 植民・ナショナリズム・国際統合(比較経済研究所研究シリーズ』(共著、法政大学出版局、2009年)、『近代イギリスの歴史 ―― 16世紀から現代まで』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)。

目次

 日本語版に寄せて (ポール・ラングフォード)
 監修者序文(ポール・ラングフォード)
 日本語版監修者序文(鶴島博和)
 凡例
 図版・地図一覧

序 論  キャスリーン・バーク

第一章 統治者、統治、統治される者  一九四五年以降のイギリス政治
ジョン・ターナー
 一九四五年の労働党の勝利 / 戦後再建あるいは「ニュー・エルサレ
 ム」 / 一九四五~五一年 / 豊かさの政治 一九五一~六二年 /
 現代化論者の挫折 一九六二~七二年 / インフレーションと節度
 の崩壊 一九七二~八三年 / サッチャリズムの絶頂 一九八三~
 九二年 / 中道の再配置 一九九二~二〇〇一年 / 誰がイギリス
 を統治したか 大統領的首相 国家の空洞化 国家と市民社会 中
 央集権化と地方自治 政体の柱 ―― 女王、貴族院および教会 イギ
 リスはどの程度統治されたか / 「連合ではなく、ただの王国」 ――
 連合王国とアイデンティティ 帝国の喪失、移民そして人種 ケルト的
 国民主義と権限委譲 / 階級、決定的相違、および社会的政治選挙の政
 治 社会運動の政治 / 結論 ―― 二〇世紀後半のイギリスにおける政
 治の変質

第二章 経済成長、経済衰退   ジム・トムリンソン
 序 / 公共政策問題としての成長と消費 /
 経済成長 ―― いくつかの数字といくつかの問題 /
 衰退と「衰退論」 / 衰退論の変化 / 衰退と構造的変化 /
 地理的分布 / 成長と消費 / 衰退の犯人 /
 成長、衰退、国民

第三章 伝統と変容 イギリスにおける社会と市民社会、一九四五~二〇
〇一年
  ジョゼ・ハリス
 認識と現実 / 再建、耐乏、連帯 /
 「市民文化」から「社会革命」へ /
 私生活中心主義、多元主義、「個人」の礼賛 /
 社会変化を解釈する

第四章 二つの文化か、一つの文化か、それともたくさんの文化か
ピーター・マンドラー
 戦後ブルース / イギリスは躍動していたのか /
 「躍動するロンドン」から「かっこいいブリタニアへ」

第五章 一九四五年以降のイギリスと世界  衰退の物語かそれとも変容
の物語か
  デイヴィッド・レノルズ
 「金融上のダンケルク」 / チャーチルの「三つの輪」 /
  帝国を失い、役割を求めて / 「私は自分のお金が要るのよ」 /
 「ヨーロッパの真の心臓部」 / 「自分の体重以上のパンチを放つ」 /
 扱いにくい相手なのか

第六章 アイルランド  一九四五~二〇〇一年  「希望と歴史」の間
  ダーモット・キョー
 序 / 北アイルランド 一九四五~六三年 /
 一九四〇年代終わりと一九五〇年代のアイルランド /
 政権に就いたショーン・レマスとジャック・リンチ /
 北アイルランドの融解 /
 リンチ政権への北アイルランドの危機の影響 /
 北アイルランドにおける和平の獲得 /
 アイルランド社会の社会的・政治的変化 /
 「小アイルランド主義者」と社会的多元主義者の挑戦

結 論 世紀末  キャスリーン・バーク


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