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理論経済学の復権

理論経済学の復権

B7 248ページ 上製
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-7664-1547-6 C3033
奥付の初版発行年月:2008年08月 / 発売日:2008年08月上旬

内容紹介

理論経済学の基本概念から現実の経済問題を読み解く。
▼理論経済学をバックグラウンドにもった実務家による、現代の経済問題(起業、金融セキュリティ、政策金融、民間金融、年金資産運用)の分析と、実務を視野に入れた経済学者の提言(ゲーム理論の有効性)。
▼現在、理論を学んでいる学生から、昔学んだ実務家まで、誰でも読め、ミクロ経済学とゲーム理論の基本概念と経済問題への応用が学べる。


小澤太郎(おざわ たろう)
1980年慶應義塾大学経済学部卒業、1985年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了
法政大学経済学部助教授、慶應義塾大学総合政策学部助教授を経て、現在、同教授
主要著作:『公共経済学の理論と実際』(共編、東洋経済新報社、2003年)、「電子商取引の発展と経済構造の変化」金子郁容編『総合政策学の最先端(2)』(慶應義塾大学出版会、2003年)など。

グレーヴァ香子(ぐれー

目次

第1章 ゲーム理論リテラシー
  ——社会問題を読み解き情報発信するための現代的素養——   小澤太郎
 1 はじめに  
 2 フォン・ノイマン、ナッシュ、ゼルテン、ハルサニー、そしてメイナード・スミス  
 3 「囚人のジレンマ」オリジナル  
 4 政府与党対日本銀行  
 5 ナポレオンのアルプス越え——混合戦略とミニマックス定理——  
 6 米国通商法スーパー301条  
 7 独占と寡占  
 8 カルテルの形成  
 9 アクセルロッドのコンピュータ競技会  
 10 進化ゲームと自己組織化  
 11 将来の展望——結語に代えて——  
<コラム>1 不完全情報と不完備情報  

第2章 起業活動とは何か   高橋徳行
 1 はじめに  
 2 起業活動の構成要素  
 3 起業活動の特性  
 4 競争優位の進化  
 5 企業の消滅  
 6 おわりに
<コラム>2 リスクと不確実性  

第3章 銀行の情報システムにおけるセキュリティ対策の分析   岩下直行
 1 偽造キャッシュカード問題の衝撃  
 2 偽造被害の沈静化とその原因  
 3 キャッシュカードのセキュリティを考える視点  
 4 キャッシュカード犯罪の手口の変遷  
 5 具体的なセキュリティ対策とその有効性 
 6 キャッシュカードのセキュリティ対策は誰を守るものか  
 7 将来を見据えた検討が必要  
<コラム>3 情報の非対称性  

第4章 企業の成長をサポートする商業銀行機能   川端一
 1 世界に誇る技術力が持つ強みと課題  
 2 親子上場をめぐる日本企業の迷走  
 3 小規模オーナー系上場会社の問題  
<コラム>4 合理性  

第5章 政策金融と理論経済
——政策金融評価の実務からみた経済理論のあり方の検証——  上田隆司
 1 はじめに
 2 日本政策投資銀行の政策金融評価  
 3 政策金融評価と経済理論  
 4 理論経済の活用と課題  
<コラム>5 効率性  

第6章 年金資産の運用における意思決定について   眞門聡明
 1 はじめに
 2 近年の会計制度変更と退職給付会計  
 3 年金資産運用をとりまく各主体の現状と目標  
 4 各主体の期待とその整合性  
<コラム>6 社会的選択  

第7章 プロジェクトチーム内部の意思決定と報酬の決定   内海幸久
 1 序 
 2 プロジェクトチームによる業務  
 3 チームの評価と報酬決定  
 4 帰結  
<コラム>7 ナッシュ均衡  

第8章 ワルラスを超えて——般均衡理論の歴史性について——   塘茂樹
 1 はじめに  
 2 ワルラスの予感  
 3 ザラバの市場取引ルール  
 4 ノン・ワルラシアン市場  
 5 板寄せの変種としてのザラバ把握  
 6 ザラバにおける価格変動
 7 ザラバ仕法のコンピュータ化
 8 結語
<コラム>8 メカニズムデザイン


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