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過去を省み、未来へ進むヨーロッパにおける政治思想史と精神史の交叉

ヨーロッパにおける政治思想史と精神史の交叉 過去を省み、未来へ進む

B7 416ページ 上製
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-7664-1517-9 C3031
奥付の初版発行年月:2008年10月 / 発売日:2008年10月上旬

内容紹介

ヨーロッパ政治思想を精神史の潮流と関連づけて研究。
▼ヨーロッパ思想が日本を含む様々な国や地域でいかに受容され、変容してきたか、またそれは今日いかなる課題を提起するか。
▼ギリシャ哲学、キリスト教神学、人文主義、民主主義など多様な視点からの論文を収録。ギリシア哲学とキリスト教を軸とするヨーロッパ精神史の流れを強く意識しつつ、政治思想史研究の現代的意義を問う。


執筆者紹介(*は編者。以下、掲載順)

鷲見 誠一(すみ せいいち)*
慶應義塾大学名誉教授。
慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。
主要業績に、『ヨーロッパ文化の原型』(南窓社、1996年)、『近代国家の再検討』(共編、慶應義塾大学出版会、1998年)、『転換期の政治思想——20世紀からの問い』(編著、創文社、2002年)など。

千葉  眞(ちば しん)*
国際基督教大学教養学部教授。
プリンストン神学大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。
主要業績に、『現代プロテスタンティズムの政治思想』(新教出版社、1988年)、『ラディカル・デモクラシーの地平』(新評論、1995年)、『アーレントと現代』(岩波書店、1996年)、『デモクラシー』(岩波書店、2001年)、『平和運動と平和主義の現在』(編著、風行社、2008年)など。

山本  巍(やまもと たかし)
東京大学大学院総合文化研究科教授。
主要業績に、『ロゴスと深淵——ギリシア哲学探究』(東京大学出版会、2000年)、『受難の意味——アブラハム・イエス・パウロ』(共著、東京大学出版会、2006年)、「われわれに言語を語らせるものは何か——ヘラクレイトスの場合」『ギリシャ哲学セミナー論集』第5号(2008年)など。

大貫  隆(おおぬき たかし)
東京大学大学院総合文化研究科教授。
主要業績に、『イエスという経験』(岩波書店、2003年)、Heil und Erl

目次

はじめに

第一章 人間とは何か
     ——ギリシア哲学から政治へ半歩   山本巍
第二章 グノーシスと政治
     ——マニ教を中心に   大貫隆
第三章 プロティノスにおけるコスモスと人間についての存在論的考察
     ——『エンネアデス』Ⅳ3—4〔27—28〕(『魂の諸問題について』)を素材として  藤田潤一郎
第四章 ウィリアム・オッカムと中世ヨーロッパにおける異端の概念   将基面貴巳
第五章 ドイツ宗教改革の精神史的位置づけにおける人文主義の意義
     ——活動的生、教育、政治   木部尚志
第六章 カルヴァンにおける「終末論」と政治   田上雅徳
第七章 ジョゼフ・ド・メーストルの国制論
     ——『政治的国制の生成原理についての試論』における政治的神義論   川上洋平
第八章 十九世紀フランス自由主義
     ——遅れてきた勝利と未来の挑戦   堤林剣
第九章 ハーバート・スペンサーにおける「風土」と政治   矢野卓也
第十章 契約とコモン・センス
     ——リンゼイのデモクラシー理論における伝統   植木献
第十一章 多元主義社会の成立条件
      ——マーサ・ヌスバウムの政治哲学   神島裕子
第十二章 新帝国主義とキリスト教原理主義   千葉眞
第十三章 現代アメリカにおけるキリスト教平和主義   高橋康浩
附録 ヨーロッパ文化の再解釈と再受容
    ——近代日本文化の反省の上に立って   鷲見誠一

おわりに——政治思想研究会「クオ・ヴァディス」とは何か


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