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多文化多世代交差世界における市民意識の形成

叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態38
多文化多世代交差世界における市民意識の形成

渡辺秀樹:編, 有末賢:編
A5判 306ページ 上製
定価:3,600円+税
ISBN978-4-7664-1464-6 C3336
奥付の初版発行年月:2008年01月

内容紹介

匿名性の意義変化や下位文化の断片化を呈する、戦後市民社会における多世代状況。
多世代および世代概念を軸にして、この現代社会および戦後日本社会を、「多文化・多世代交差世界」としてとらえ、社会学的に分析する。


【編者】
渡辺秀樹(わたなべ ひでき)
慶應義塾大学文学部教授。
1948年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。
主要業績に、『現代日本の社会意識−家族・子ども・ジェンダー』(編著、慶應義塾大学出版会、2005年)、『現代家族の構造と変容』(共編著、東京大学出版会、2004年)、『家族社会学入門』(共編著、文化書房博文社、1999年)、『変容する家族と子ども』(編著、教育出版、1999年)ほか。

有末賢(ありすえ けん)
慶應義塾大学法学部教授。
1953年、慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。
主要著作に、『講座日本の都市社会 第3巻——都市の生活・文化・意識』、『講座日本の都市社会 第5巻——都市社会研究の歴史と方法』(ともに共編著、文化書房博文社、2007年)、『戦後日本の社会と市民意識』(共編、慶應義塾大学出版会、2005年)、『現代大都市の重層的構造』(ミネルヴァ書房、1999年)、『政治・社会理論のフロンティア』(共著、慶應義塾大学出版会、1998年)、『社会学入門』(共編著、弘文堂、1996年)、『ライフヒストリーの社会学』(共著、弘文堂、1995年)ほか。

【執筆者】
和田宗樹(わだ むねき)
1976年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程中退。
主要業績に、「オオヤケとワタクシの階層的相互転換——日本の社会関係の特質」慶應義塾大学三田哲学会『哲学』第116集(2006年)、「明治大正期の親子心中の“増加”に関する考察」『慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要』第60号(2005年)ほか。

松尾浩一郎(まつお こういちろう)
日本社会事業大学社会事業研究所研究員。
1972年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。
主要業績に、『都市の生活・意識・文化』(共著、文化書房博文社、2007年)、「質的調査の倫理——資料と解題」『「物語状」質的データ分析の歴史的展開をふまえたフォーマライズのための基礎的研究』(文科省科研費報告書、2007年)、「「見る社会調査」の源流——フォトジャーナリズムと都市社会調査」『日本都市社会学会年報』第22号(2004年)ほか。

小倉康嗣(おぐら やすつぐ)
立教大学・東京情報大学・東京外国語大学講師。博士(社会学)。
1968年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
主要業績に、『高齢化社会と日本人の生き方——岐路に立つ現代中年のライフストーリー』(慶應義塾大学出版会、2006年)、『多様なセクシュアリティとジェンダーの公正——個人・家族・性の「やさしい地平」へ』(共著、明石書店、2007年)、『社会調査入門——量的調査と質的調査の活用』(共訳、慶應義塾大学出版会、2005年)、『定年のライフスタイル』(共著、コロナ社、2001年)ほか。

青田泰明(あおた やすひろ)
慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程在籍。
1979年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科前期博士課程修了。
主要業績に、「不登校現象の家庭要因に対する一考察」『人間と社会の探求』第60号(2005年)、「不登校現象にみられるジェンダー問題——経験者の語りから」日本子ども社会学会『子ども社会研究』第13号(2006年)ほか。

小澤昌之(おざわ まさゆき)
慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程在籍。
1981年生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程修了。
主要業績に、「現代大学生の「まじめ」観に関する考察——「家庭での生活態度」をもとにした実証的分析」『慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要』第63号(2007年)ほか。

藤田結子(ふじた ゆいこ)
慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所准教授。
1971年生まれ。ロンドン大学Ph.D.
主要業績に、Cultural Migrants and the Construction of the Imagined West: The Japanese Youth. In Youna Kim (eds.), Media Consumption and Everyday Life in Asia, Routledge, 2008(Forthcoming)、「国境を越えるメディアとナショナル・アイデンティティ−米国・英国における日本人の若者の民族誌的調査から」『マス・コミュニケーション研究』第70号(2007年)、「グローバル化時代におけるエスニック・メディアの社会的機能−ニューヨーク市の日系新聞読者調査から」『マス・コミュニケーション研究』第64号(2004年)ほか。

オイ ション ゴウ(Ooi Shong Gor)
慶應義塾大学大学院法学研究科研究生。
1971年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。
主要業績に、“Narrative of Chinese Women in Japan, ”Japanese Association of Political Science and Sociology, Journal of Political Science and Sociology, Vol.3, 2005、「国際移動とジェンダー観の変化——滞日中国人女性の事例を中心に」渡辺秀樹編『現代日本の社会意識——家族・子ども・ジェンダー』(慶應義塾大学出版会、2005年)、「マレーシアにおける女性就労とジェンダー問題——変容するジェンダー役割を中心に」『法学政治学論究』第60号(2004年)ほか。

和田悠(わだ ゆう)
高崎経済大学・フェリス女学院大学・法政大学講師。
1976年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学 。
主要業績に、「『藤田省三の世界』の成立」『現代思想』第32巻第2号(2004年)、「鶴見俊輔と『思想の科学』の1950年代——戦後啓蒙の思想的転回に関する一考察」有末賢・関根政美編『戦後日本の社会と市民意識』(慶應義塾大学出版会、2005年)、「昭和史論争のなかの知識人——亀井勝一郎、松田道雄、遠山茂樹」大門正克編『昭和史論争を問う——歴史を叙述することの可能性』(日本経済評論社、2006年)ほか。

浦野慶子(うらの やすこ)
ハワイ大学マノア校社会学部博士号候補生、慶應義塾大学研究員、Hawaii Health Information Corporation研究助手。
1978年生まれ。東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻修士課程修了。ハワイ大学マノア校社会学部修士号取得。
主要業績に、「ソーシャル・キャピタルをめぐる保健医療社会学の研究展開『保健医療社会学論集』第17巻第1号(2006年)、"Social Capital and Immigrant Women's Employment in the State of Hawaii", University of Auckland, Graduate Journal of Asia-Pacific Studies, 4(1)(2006年)、「米国における外国人看護師受け入れ問題について」(インフォメーション)『保健医療社会学論集』第18巻第1号(2007年、共著)ほか。

石井清輝(いしい きよてる)
城西大学講師。
1979年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
主要業績に、「消費される『故郷』の誕生——戦後日本のナショナリズムとノスタルジア」慶應義塾大学三田哲学会『哲学』第115集(2007年)、「戦前期日本における国民国家と『郷土』——小田内通敏の人文地理研究をめぐって」『三田社会学』第10号(2005年)ほか。

目次

 巻頭言      安西祐一郎
 刊行にあたって  小林良彰

第1章 総論 多文化交差世界と市民意識   有末賢
 Ⅰ 多文化・多世代交差世界とは
 Ⅱ 戦後市民意識と多世代状況——匿名性と下位文化
 Ⅲ 本書の構成

第Ⅰ部 世代と社会化
第2章 “世代”の社会学的考察——“世代”の条件とその表象の変質   和田宗樹
 はじめに
 Ⅰ マンハイムの“世代”把握
 Ⅱ 与件としての「世代状態」
 Ⅲ 形成的志向としての「世代関連」の表象
 Ⅳ 考察と今後の課題

第3章 ユースカルチャーと時間——レトロスペクティブな若者文化の位相   松尾浩一郎
 Ⅰ 変容するユースカルチャー
 Ⅱ 若者たちの新しい生き方
 Ⅲ 「若さ」と「新しさ」の転回
 Ⅳ 過去と未来のはざまで

第4章 再社会化とジェネラティビティ——向老世代のライフストーリーから   小倉康嗣
 はじめに
 Ⅰ 〈再帰的近代としての高齢化社会〉とエイジングの発見
 Ⅱ 社会の捉え直しと再社会化——向老世代のライフストーリーから
 Ⅲ 世代の捉え直しとジェネラティビティ

第Ⅱ部 社会化の場の変容——家族と教育の現代
第5章 IT型コミュニケーションと拡散的核家族——情報化と家族の変化のなかの社会化   渡辺秀樹
 はじめに
 Ⅰ IT化と修正核家族の可能性——〈e-work〉、〈tele-work〉と〈e-family〉〈tele-family〉とエイジングの発見
 Ⅱ 家族コミュニケーションの変容
 Ⅲ ITと人間関係形成能力

第6章 不登校事例にみる親子関係の変容プロセス——親子のライフヒストリーの比較から   青田泰明
 はじめに
 Ⅰ 不登校にみる親子関係のダイナミズム
 Ⅱ 調査方法と対象
 Ⅲ 家族の「語り」
 Ⅳ 事例研究
 おわりに

第7章 現代大学生の進学動機と職業観——ゆらぐ青年期とキャリアデザイン   小澤昌之
 はじめに
 Ⅰ 大学生の進路と就職の関係——青年期=モラトリアム期の社会的背景
 Ⅱ 問題枠組のパースペクティブ
 Ⅲ 調査分析
 おわりに

第Ⅲ部 国際移動と社会化
第8章 「文化移民」——文化的活動をめぐる若者の国際移動   藤田結子
 はじめに
 Ⅰ 「プッシュ」要因
 Ⅱ 「プル」要因と「移住システム」
 Ⅲ 移住の象徴的な動機——なぜニューヨーク、ロンドンなのか
 おわりに

第9章 国際移動と再社会化——中国における日本人女性移住者の意識調査   オイ ション ゴウ
 Ⅰ 問題提起
 Ⅱ 先行研究の考察
 Ⅲ 調査方法と対象者
 Ⅳ 移住する以前の意識
 Ⅴ 移住した後の意識
 Ⅵ 考察と結論

第Ⅳ部 市民社会の時間・空間
第10章 松田道雄における転向と戦争経験——戦後市民主義の歴史的契機として   和田悠
 Ⅰ 大正自由教育の経験
 Ⅱ マルクス主義への転向/からの転向
 Ⅲ 転向者としての戦時の出発
 Ⅳ 全体主義の時代経験
 Ⅴ 戦後への連続と非連続

第11章 多文化・高齢社会におけるソーシャル・キャピタルの醸成と健康なまちづくり   浦野慶子
 はじめに——背景と目的
 Ⅰ ソーシャル・キャピタルの概念と健康なまちづくり
 Ⅱ ソーシャル・キャピタルの醸成と健康なまちづくり
 Ⅲ 考察と日本への含意

第12章 まちづくりと市民意識——街並みをめぐる「公共性」の諸相   石井清輝
 はじめに——問題の所在
 Ⅰ 街並みをめぐる公共性の相克
 Ⅱ 街並み運動における「公共性」
 Ⅲ 「私民」からの「公共性」へむけて
 おわりに——要約と今後の展望

 索引


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