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日本の市民社会におけるNPOと市民参加

叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態34
日本の市民社会におけるNPOと市民参加

B7 324ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-7664-1460-8 C3331
奥付の初版発行年月:2008年01月 / 発売日:2008年01月上旬

内容紹介

集団行為のジレンマ問題を克服するための制度は、どのように設計、運営され、発展してきたのか。神奈川県の生活クラブを事例に、合理的選択論と合理的選択新制度論の観点から、NPOと市民参加との相互作用のメカニズムを検討する。


羅一慶(ラ・イルキョン)
中京大学総合政策学部専任講師
1967年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学、慶應義塾大学)。明治学院法学部、聖学院大学政治経済学部、慶應義塾大学法学部の非常勤講師を経て、2005年から現職。専攻は政治学(政治参加論、市民社会論、NPO論)。
主要著作に、「日本におけるソーシャル・キャピタルと住民意識」(小林良彰編『地方自治体をめぐる市民意識の動態』(慶應義塾大学出版会、2005年))、「日本の直接民主主義制度の政治社会的意義と市民社会の課題」漢陽大学第3セクター研究所『市民社会とNGO』第4券第2号(2006年、韓国語)、「信頼、信頼性、そして政治活動における協力類型」『選挙学会紀要』第8号(2007年)、「地域政党の制度的基盤と集合行為のジレンマ問題——生活クラブ運動グループの事例を中心に——」漢陽大学第3セクター研究所『市民社会とNGO』第4券第2号(2007年、韓国語)など。

目次

 巻頭言      安西祐一郎
 刊行にあたって  小林良彰

第1章 はじめに
 Ⅰ 研究の目的
 Ⅱ 分析方法
 Ⅲ 本書の構成

第2章 社会ネットワークと集合行為のロジック
 Ⅰ はじめに:集団行為のジレンマ
 Ⅱ 日常生活を基盤とする集合行為のロジック
 Ⅲ 集合行為の組織化戦略
 Ⅳ 組織化された集合行為の資源
 Ⅴ おわりに

第1部 ミクロレベルからマクロレベルへの分析
 第3章 相互信頼システムとしての参加型の相互扶助組織
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ソーシャルキャピタル、資源交換システム、信頼
 Ⅲ 相互信頼システムの形成過程
 Ⅳ 考察と結論

 第4章 協同組合型NPOと制度変化の経路依存性
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 制度変化の理論
 Ⅲ 利益集団的な市民社会とオルタナティブ市民社会の制度
 Ⅳ 生活クラブの制度変化と経路依存性
 Ⅴ 適応効率的な経路依存
 Ⅵ 組織フィールドの適応的効率性と地域協同組合社会
 Ⅶ おわりに:マネージメントからメンバーシップへ

第2部 マクロレベルからミクロレベルへの分析
 第5章 政治参加における協力類型と政治的特性
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ステップ・レベル型の公共財問題と協力類型
 Ⅲ 分析デザイン
 Ⅳ ボランタリーな組織と政治活動における協力類型
 Ⅴ おわりに

 第6章 不満、協力規範、そして合理的選択
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 理論的問題提起
 Ⅲ 決定フレームに関する分析モデル
 Ⅳ 神奈川生活クラブのネットワークの形態的特徴
 Ⅴ NPO加入の政治的動員効果に関する総合モデル
 Ⅵ 研究デザイン
 Ⅶ 分析結果
 Ⅷ おわりに

 第7章 不満、表現的な選択的便益、そして合理的選択
 Ⅰ 研究目的
 Ⅱ 参加の期待効用はどのように計算されるのか
 Ⅲ 作業仮説
 Ⅳ 分析手法
 Ⅴ 分析結果
 Ⅵ おわりに

第8章 結論
 Ⅰ 要約と理論的知見
 Ⅱ 生活クラブからのメッセージ
 Ⅲ 今後の課題

参考文献
あとがき
索引


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