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テレビジョン解体

新記号論叢書[セミオトポス]4
テレビジョン解体

B7 248ページ 並製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-1381-6 C0336
奥付の初版発行年月:2007年05月 / 発売日:2007年05月上旬

内容紹介

テレビを記号学・メディア論から詳細に分析。
▼テレビ放送開始から半世紀を経て、現在、テレビは文化的にも技術的にも制度的にもきわめて大きな変化を迎えつつある。テレビを「社会生活の中の記号」と捉え、記号学・メディア論の横断的な知見から、その文化的、技術的、制度的存在の様相を詳細に分析する。


石田英敬(いしだ ひでたか)
1953年生まれ。現在、東京大学大学院情報学環教授。専門は、記号論、メディア分析、言語態分析、情報記号論など。主要著書に、『知のデジタル・シフト』(編著、弘文堂、2006年)、『現代思想の地平』(放送大学教育振興会、2005年)、『記号の知/メディアの知』(東京大学出版会、2003年)、『社会の言語態』(共編著、東京大学出版会、2002年)、『言語態の問い』(共編著、東京大学出版会、2001年)などがある。

伊藤守(いとう まもる)
1954年生まれ。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専門は、社会学、メディア・文化研究。主要著書、論文に、『記憶・暴力・システム』(法政大学出版局、2005年)、『テレビニュースの社会学』(世界思想社、2006年)、「グローバル化とメディア空間の再編制」(『社会学評論』Vol.57, No.4, 2007年)などがある。

上尾真道(うえお まさみち)
1979年生まれ。現在、京都大学人間・環境学研究科特別研究員(PD)(2007年3月現在)。専門は、精神分析学、科学・思想史など。主要論文に、「近代主体構造としてのフェティシズムについて」(『人間存在論』第13号、2007年)、「近代精神医学におけるフェティシズム概念の導入」(『精神医学史研究』vol.10-2, 2006年)などがある。

江川晃(えがわ あきら)
1954年生まれ。現在、日本大学文理学部哲学科、非常勤講師。専門は、哲学、記号論、技術倫理など。主要著書・論文に、『科学哲学』(共著、北樹出版、2002年)、『プラグマティズムと記号学』(共著、勁草書房、2002年)、「パースの文化記号論」(『日本デューイ学会紀要』47号、2006年)、『21世紀の論理』(共著、八千代出版、2007年)、『ヒトと人の間で——経済の基礎問題』(共著、文眞堂、2007年)などがある。

金平茂紀(かねひら しげのり)
1953年生まれ。現在、TBSテレビ取締役報道局長。主要著書に、『世紀末モスクワをゆく』(パルコ出版、1994年)、『ロシアより愛をこめて』(筑摩書房、1995年)、『電視的』(太田出版、1997年)、『二十三時的』(スイッチパブリッシング、2002年)、『イラク戦争〜検証と展望』(岩波書店、2004年)、『ジャーナリズムの可能性』(共著、岩波書店、2005年)、『従軍のポリティクス』(共著、青弓社、2004年)などがある。

川森雅仁(かわもり まさひと)
NTTサイバーソリューション研究所、主任研究員。放送と通信が連携した環境における、コンテンツメディア流通技術の研究開発に従事。メタデータ、携帯・固定サービス連携(FMC)技術、権利管理保護などの技術を使って、ブロードバンドでの高度コンテンツ流通、サーバ型サービス、ユビキタス・マルチメディア・コンテンツ・サービスに向けた開発を主に行っている。また、電波産業会(社)「サーバ型放送方式作業班」メタデータTGリーダ、TV-Anytime Forum Metadata WGチェアーを歴任。ITU-T、CEA(全米家電協会)などでも標準化活動を行っている。

高馬京子(こうま きょうこ)
1965年生まれ。現在、ヴィタウタス・マグナス大学(リトアニア国)日本学センター研究員。パリ第12大学CEDITEC(ディスクール、イマージュ、テクスト、エクリ、コミュニカシオン研究センター博士課程)。専門は、言説分析、記号論、メディア、モード、他者表象(ステレオタイプ)研究など。主要論文に、博士論文『日仏における日本人ファッションデザイナーの表象』(大阪大学言語文化研究科、2006年)がある。

小林直毅(こばやし なおき)
1955年生まれ。現在、県立長崎シーボルト大学国際情報学部教授。専門は、メディア文化研究。主要著書・論文に、『メディアテクストの冒険』(世界思想社、2003年)、『テレビはどう見られてきたのか』(毛利嘉孝との共編著、せりか書房、2003年)、「水俣病事件報道にかんする批判的ディスクール分析の試み」(原田正純、花田昌宣編著『水俣学研究序説』藤原書店、2004年)、「気象情報の国土論」(伊藤守編著『テレビニュースの社会学』世界思想社、2006年)などがある。

境真理子(さかい まりこ)
江戸川大学メディア・コミュニケーション学部マスコミュニケーション学科教授。札幌市出身。放送局で、記者、ディレクターとしてニュースやドキュメンタリー制作に携わった後、2001年から日本科学未来館の開館準備に参加。出版、映像、ウェブ、ライブラリーなど、メディアの総合的な設計を担当。2005年から江戸川大学でメディアリテラシーや映像論を、また東京大学大学院・科学技術インタープリタ講座で科学技術表現論を担当している。

桜井均(さくらい ひとし)
1946年生まれ。現在、NHK放送文化研究所。専門は、メディア研究。NHKスペシャル『東京裁判への道』『埋もれたエイズ報告』『イスラム潮流』他、の製作に携わる。主要著書、論文に、『埋もれたエイズ報告』(三省堂、1997年)、『テレビの自画像』(筑摩書房、2001年)、「チェチェン——もう一つの『新しい戦争』」(『現代思想』、青土社、2003年)、『テレビは戦争をどう描いてきたか』(岩波書店、2005年)などがある。

佐野徹(さの とおる)
1967年。日本テレビ放送網株式会社メディア戦略局。デジタル放送や放送・通信連携に関する新規ビジネスの企画、立案、推進業務を担当。特に地上デジタル放送携帯端末向け放送(ワンセグ)については、社団法人地上デジタル放送推進協会携帯サービス検討会の主査として、ビジネスモデルや規格内容のとりまとめを担当。著書には『1セグ放送教科書』(共著、インプレス、2005年)などがある。

西兼志(にし けんじ)
1972年生まれ。現在、東京大学大学院情報学環研究拠点形成特任研究員。情報・コミュニケーション学博士。論文には「顔の記号論の可能性:メディオロジー的接近の試み」(『セミオトポス』第3号、2006年)などがある。

林正樹(はやし まさき)
1959年生まれ。現在、セガサミーメディア(株)取締役兼研究室長。1983年、東京工業大学大学院修了。同年、NHK入局、1986年よりNHK放送技術研究所に勤務。1996年、番組記述言語TVMLを発表し、以来、TVMLを使った新しいテレビのあり方について研究を推進。2000年から2003年まで東京工業大学客員助教授。2006年より現職にてTVMLの事業化を推進。

原由美子(はら ゆみこ)
1954年生まれ。現在、NHK放送文化研究所メディア研究部担当部長。専門は、テレビ視聴行動、テレビ編成・番組研究、テレビ番組の国際性研究など。主な著者・論文に、「デジタルメディア・ユーザーとはどんな人たちか」、『放送研究と調査』(2006年9月号、日本放送出版協会)、「メディア利用の分化はどのように進むのか」、『放送メディア研究』(3号、丸善プラネット、2005年)、「テレビ編成の50年〜生放送、ワイド、情報・報道化への道」(共著)、『放送研究と調査』(2003年7月号、日本放送出版協会)などがある。

Francois Jost(フランソワ・ジョスト)
新ソルボンヌ(パリ第三大学)教授。メディア映像・音響研究所(CEISME)所長。フランスにおけるテレビ研究の第一人者として、テレビについての理論的研究に携わる。近年は、いわゆるリアリティーショーなどの新たなジャンルの台頭に取り組む(L’Empire du Loft, 2002)とともに、70年代におけるテレビ状況の広範な分析をも行っている(Ann

目次

Ⅰ テレビジョン再考
テレビ記号論とは何か  石田英敬
ジャンルの約束  フランソワ・ジョスト
「ジャンルの約束」解題 ジャンルの掟——「契約」の限界から「接触」の可能性へ  西兼志
日本におけるテレビ分析の試みと課題  小林直毅
運動、情動、身体——メディア研究の方法論的転換に向けた一試論  伊藤守

Ⅱ 技術の融合とテレビの解体
テレビと技術——テレビジョン分析の現在  水島久光
放送と通信技術——融合の最前線  川森雅仁、林正樹、佐野徹 司会・境真理子
放送番組研究とアーカイブの課題について——フランスINAとINAthequeに学ぶ  ロドリグ・マイヤール+原由美子

Ⅲ 記録と記憶——テレビと人間
記録と記憶——“ヒロシマ”を巡る諸問題  水島久光
記録と記憶——ドキュメンタリーとテレビ的情報空間  桜井均
ドキュメンタリーとテレビの未来  金平茂樹、港千尋 聞き手・水島久光
ヒロシマ——ネオTV時代のドキュメンタリー  西兼志

Ⅳ 記号論の諸相
スペクタクル社会における視的欲動について——ラカン理論からの検討  上尾真道
TV記号とバーチャルリアリティ  江川晃
研究ノート 批評を構築するレトリック——仏メディアにおける日本人デザイナーの記事分析を事例に  高馬京子
  
 日本記号学会第二六回大会について
 あとがき 水島久光
 執筆者紹介
 日本記号学会設立趣意書


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