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 1650〜1750年頃のドイツ音楽理論における器楽のタイポロジードイツ・バロック器楽論

ドイツ・バロック器楽論 1650〜1750年頃のドイツ音楽理論における器楽のタイポロジー

佐藤望:著
A5判 326ページ 上製
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-7664-1227-7(4-7664-1227-3) C3037
奥付の初版発行年月:2005年12月

内容紹介

1650—1750年にドイツで書かれた音楽理論の著作や楽譜資料の徹底した資料調査から、17・18世紀ドイツ器楽をめぐる概念が、多元的概念体系であったことを明らかにした資料的価値の高い研究。


佐藤 望(さとう のぞみ)
慶應義塾大学助教授。1992〜1996年東京藝術大学博士課程、1994〜1996年ドイツ・ボーフム大学博士課程を経て、1996年東京藝術大学助手、1999年より慶應義塾大学専任講師。2002年より現職。2005年、東京藝術大学より、博士(音楽学)を授与される。研究分野は、とくに17〜18世紀のドイツ音楽史。訳書にシューレンバーグ著『J・S・バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年)の他、ドイツ音楽史、音楽理論、鍵盤演奏法に関する学術論文がある。近年は、音楽教育、大学教養教育、芸術運営の諸問題に関わる研究にも携わっている。

目次

はじめに
凡例・略号
略号・記号一覧

序論 本研究の課題と方法
1.音楽史記述におけるタイポロジー
2.先行研究
1) 個別ジャンル史研究
2) 事典記述
3) 用語法研究
4) ジャンル論
3.対象・目的・方法
4.資料
1) 様式 [Stylus] 論,技法論,曲種論
2) 用語解題 22
3) 出版作品のタイトル、前文 23
5.本書の構成

第1章 「声楽」と「器楽」
1.前史 — 17世紀前半の「器楽」の概念
1) 思弁的音楽理論
2) プレトーリウス
2.器楽・声楽を区別する用語の交錯
1) "Symphonia"
2) "Concert"
3) "Canzone"、"Canzonette"
3.様式論における器楽
1) 17世紀前半
2) キルヒャー
3) キルヒャー以降
4.マッテゾン
5.まとめ

第2章 「高い」音楽と「低い」音楽
1.様式論・曲種論における高きもの [hohe Res] と低きもの [niedrige Res]
1) 修辞学の文体論からの概念継承 — 1650年以前の概観
2) 荘重さ [Gravitat] と自由さ [Ungebundenheit]
3) 器楽の諸カテゴリーと様式の高低
2.音楽の価値の相対化
3.器楽の意義と正当性について — 出版楽譜の前文等におけるさまざまな言説
1) "Gemuths-Ergotzung"(心の楽しみ)
2) 詩的標題とアレゴリー
3) 器楽の諸タイプの高さ・低さ
4.まとめ

第3章 社会的機能
1.教会と器楽
1) 南部カトリック地域
2) プロテスタント教会における敬虔主義と器楽
3) 教会シンフォニア、教会ソナタ
4) 神の恵みへの応答としての音楽
2.世俗的シーンにおける器楽
1) マッテゾンの様式論における世俗的器楽
2) 作品タイトル,出版楽譜前文における社会的機能の記述
3.教育音楽
4.まとめ

第4章 国民的・民族的・地域的音楽タイプ
1.地域様式・国民様式・民族様式と音楽タイプ
2.音楽タイプを表すさまざまな外来語
3.受容と音楽タイプ,名称
1) フランス音楽とドイツ人音楽家
2) イタリア音楽とドイツ人音楽家
4.差異化と混合,国民・民族意識
1) 差異化
2) 混合と国民・民族意識
5.まとめ

第5章 作曲技法
1.作曲技法論としてのフィグール論,様式論
1) ベルンハルト
2) 音の原理・言葉の原理と器楽
3) リツェンツィア [Licentia, Licenz]
2.対位法と音楽タイプ
1) "Fuga"、 "Fuge" の用語法
2) 模倣技法と音楽の種類
3) 厳格な技法 対 新しい趣味
3.器楽の作曲技法論
1) シュペーア
2) 通奏低音と作曲技法
3) 名技性の原理
4.楽曲形式とタイプ
1) 形式的音楽聴の端緒
2) 形式理論の端緒
5.まとめ

結論

史料
参照文献
索引
Abstract(英文要旨)


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