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情の技法

情の技法

B7 458ページ 並製
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-7664-1222-2(4-7664-1222-2) C0010
奥付の初版発行年月:2006年09月 / 発売日:2006年09月上旬

内容紹介

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。(夏目漱石『草枕』)

情動、感情、情念、情緒——。われわれは、<知>識のように
<情>識を身に付けるこのができるのだろうか?

「知」の魔窟=文学部総合講座に迎え入れられた多彩な講師陣が、
「情」の構造とその「技法」を説く。


編者
坂本 光(慶應義塾大学文学部助教授)
坂上貴之(慶應義塾大学文学部教授)
宮坂敬造(慶應義塾大学文学部教授)
岡田光弘(慶應義塾大学文学部教授)
巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)

目次

はじめに  坂本 光

第一部 <情>の構図
 I 反知識人とは何か——ひとつのアメリカ的伝統  巽 孝之
 II 反感情移入の陥穽
   ——クリストフ・マルターラーの『ヨーロッパ人をやっつけろ!』における観客の自己欺瞞  
   平田栄一朗
 III 「本当の自分」の政治学——公と私における情の技法  岡原正幸
 IV 「甘え」概念について  土居健郎、[プレゼンター]巽 孝之
 V 音楽における時間、構造、および情緒について  ジョセフ・ゴーギャン、良子・ゴーギャン
 VI 情行為試論
   ——悲しいから泣くのではない。環境事象があるから泣き、悲しむのである。
   坂上貴之

第二部 <情>を読み解く
 VII 世論操作と「情」   川上和久
 VIII 情の建築——戦争・記念碑・癒し・忘却  生井英考
 IX 情の技法のもつれ——アメリカの創作科と文学批評  吉田恭子
 X 国文学作品における情  石川 透
 XI 女性たちは愛をどのように生きたか——近代フランスに則して  小倉孝誠
 XII ストウ夫人のメロドラマ——『キリスト教徒の奴隷』(一八五五)にみる〈情の技法〉  
   常山菜穂子
 XIII 恋のベストセラー——E・M・ハルの『シーク』を中心に  河内恵子

第三部 <情>を使う
XIV 花柳界の粋——“もてなしの芸”に見る芸者の情と心意気  浅原須美
XV 舞踊における怪物的身体  石黒節子
XVI クラシック歌曲におけるアート・オヴ・パッション(情の技法)  ボニー・ホーク
XVII 血と蜜——作詞と歌における情について  宝野アリカ
XVIII ロボットを創ることとは?  藤田善弘、長田純一
XIX ニコラ・テスラと発明の世紀——魔術師たちの時代の終焉  新戸雅章
XX フィクションに生きる——女優・吉行和子による情の技法  吉行和子、[聞き手]宮坂啓造

編集後記  坂上貴之


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