解はひとつではない グローバリゼーションを超えて
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-7664-1076-1(4-7664-1076-9) C3036
奥付の初版発行年月:2004年07月 / 発売日:2004年07月上旬
世界を覆うグローバリゼーションの変容とアジアおよび日本のとるべき方向性とは?
「9.11」をまたぐ3年間にわたり、「日本のダボス会議」を目指して開催されたディスカッションの軌跡がここに。
イスラムの動向とアジアの共生、21世紀の新しい市民社会とはなにか、アジアの多様性と地域主義などのテーマを中心に、政治学、経済学、社会学、哲学、文化人類学の研究者らが重ねた白熱の討論を収録。
福原義春(ふくはら よしはる)
資生堂名誉会長。1931年、東京生まれ。
慶應義塾大学経済学部卒業、資生堂入社。
社長・会長を歴任後、2001年より現職。
かながわ学術研究交流財団理事長、内閣府男女共同参画会議議員、東京芸術大学理事、企業メセナ協議会会長兼理事長、
東京都写真美術館館長ほか、公職多数。
主な著書に『多元価値経営の時代』『会社人間、社会に生きる』『蘭学事始』『福原義春の講演』など。
樺山紘一(かばやま こういち)
国立西洋美術館長。1941年、東京生まれ。
専門は西洋中世史、西洋文化史。東京大文学部学卒業、同大学院修士課程修了。
京都大学助手、東京大学助教授・教授を歴任。2001年7月より現職。
主な著書に『ゴシック世界の思想像』『カタロニアへの眼』『西洋学事始』『ヨーロッパの出現』『ルネサンスと地中海』など。
目次
目 次
はじめに 福原義春
Ⅰ 二十一世紀の文化とグローバリゼーション
講演 精神の豊かさとグローバリゼーション エドガー・モラン
ディスカッション IT革命と社会・言語・人間性の変貌 西垣通/根本長兵衛/エドガー・モラン
Ⅱ グローバリゼーションと新しい価値観
「ダボス」を目指して 福原義春
新たな時代の「知」を 鈴木佑司
第一セッション グローバリゼーションに対応する新しい価値観と倫理観の創出
1 ローカリゼーションへの新しい視点
問題提起 基準が揺れ動く時代に 樺山紘一
ディスカッション グローバルとユニバーサルをめぐって
花岡信昭/松田義幸/樺山紘一/大西直樹/諸富徹/リチャード・ダイク/高島肇久/勝俣誠
2 変貌するアジアの国家観
問題提起 アジアの経済成長と地方分権化の動き 鈴木佑司
ディスカッション 進展するアジアの地域連帯 松田義幸/鈴木佑司/橋口收/吉田文彦/古田和子/諸富徹
第二セッション アジア的価値観の貢献は可能か
1 アジアの多様性と日本
問題提起 「アジアは一つずつ」である 福原義春
ディスカッション アジアにおける日本の貢献をめぐって
福川伸次/高島肇文/福原義春/大西直樹/鈴木佑司/花岡信昭/小島明/古田和子/勝俣誠/川勝平太
2 普遍的価値とアジア的価値
問題提起 海洋連邦アジアへの構想 川勝平太
ディスカッション 「知」の力の再生を求めて 大西直樹/川勝平太/福川伸次/樺山紘一/諸富徹/堤清二
第三セッション 文化の接触と変容から見た近代アジア
問題提起 近代日本の文化変容から学ぶもの 平野健一郎
ディスカッション 「守るべき伝統文化」とは何か
高島肇久/堤清二/福川伸次/大西直樹/松田義幸/橋口收/勝俣誠/リチャード・ダイク/平野健一郎/鈴木佑司/福原義春
Ⅲ 共生へのヒント—儒教文化とグローバリゼーション
講演 新儒教ヒューマニズムと地球社会 杜維明
ディスカッション アジアの宗教・思想の再評価をめぐって 青木保/樺山紘一/杜維明/福原義春
Ⅳ グローバリゼーションの進展と市民社会の役割
新しい市民社会像の構想を描くこと 樺山紘一
第一セッション アジアの状況をどう見るか
問題提起 米中関係と東アジアのグローバリゼーション 小島朋之
ディスカッション アジアにおける日本のリーダーシップを問う
花岡信昭/住川治人/小島朋之/永渕康之/高島肇久/福川伸次/牧田東一/竹村真一
第二セッション グローバリゼーションとイスラム社会
問題提起 イスラムの非領域性とグローバリゼーション 片倉もとこ
ディスカッション アジアにおけるイスラム社会の動向 諸富徹/宮武公夫/片倉もとこ/樺山紘一
第三セッション アメリカの世界観とアメリカ市民社会のゆくえ
問題提起 アメリカ市民社会の本質と変貌 五十嵐武士
ディスカッション アメリカン・スタンダードと多文化主義のゆくえ
永渕康之/出口正之/五十嵐武士/住川治人/高島肇久/竹村真一/田中弥生/宮武公夫/牧田東一/犬塚潤一郎
第四セッション 二十一世紀と新しい市民社会の進展
問題提起 タテ型組織とヨコ型組織の調和と共生 福原義春
ディスカッション 多様化する市民社会の合意形成
田島英一/福原義春/竹村真一/田中弥生/高島肇久/樺山紘一/福川伸次
第五セッション グローバリゼーションとローカリゼーション再考
問題提起 「ローカル」がグローバルな役割を果たす時代へ 鈴木佑司
ディスカッション アジアの地方分権、福祉、NGOのゆくえ
村田雄二郎/諸富徹/鈴木佑司/永渕康之/宮武公夫/出口正之/田島英一/田中弥生/福川伸次/犬塚潤一郎/五十嵐武士/樺山紘一
Ⅴ アジア文化のアイデンティティ—グローバル化時代の日韓中
講演 アジア文化のアイデンティティを求めて 李御寧
ディスカッション 文化多元主義と新しい日韓中関係 樺山紘一/服部民夫/李御寧/岡本真佐子/田島英一
Ⅵ グローバリゼーションのゆくえと日本
円卓会議の最終回を迎えて 樺山紘一
第一セッション 途上国の自立と調和的な世界経済システム
問題提起 アジアの多様性と地域主義の展望 原洋之介
ディスカッション アジア経済圏統合のゆくえ
鈴木佑司/リチャード・ダイク/田島英一/林雄二郎/勝俣誠/坂井健男/原洋之介/小松久男/五十嵐武士/伴野文夫/姜英之
第二セッション 宗教とナショナリズム
問題提起 イスラム世界の動向とアジアの共生 小杉泰
ディスカッション「イスラム」理解をいかに深めるか
小松久男/舩橋晴雄/大西直樹/伊木和子/小杉泰/若宮啓文/田島英一/リチャード・ダイク/鈴木祐司/伴野文夫/
第三セッション グローバル・ガバナンス
問題提起 「国家」の時代から「国際」・「世界」の時代、そして「地球」の時代へ 毛利勝彦
ディスカッション ネットワーク社会とグローバル・ガバナンスの課題
五十嵐武士/林雄二郎/毛利勝彦/永渕康之/若宮啓文/田島英一/伊藤隆/小杉泰/坂井健男/舩橋晴雄/宮武公夫/リチャード・ダイク/橋口收
第四セッション 地球社会の針路と日本
問題提起 世界の総合安全保障としてのグローバリゼーション 福川伸次
ディスカッション 今、日本はアジアに何を貢献し得るか
橋口收/姜英之/伴野文夫/伊藤隆/福川伸次/伊木和子/福井憲彦/船橋晴雄/大西直樹/リチャード・ダイク
第五セッション 総括討論
五十嵐武士/鈴木佑司/福原義春/小杉泰/毛利勝彦/福川伸次/田島英一/大西直樹/若宮啓文
まとめとして 自らを深く知り、そして世界へ発信するために 樺山紘一
あとがき